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グラインドハウス コンプリートBOX [映画・BD・DVD]

21日についに発売された「グラインドハウス コンプリートBOX」、財政難にもかかわらず買ってしまいました^^;。

grind.jpg 税込み定価¥9,975のところHMVでは約21% OFFの¥7,880、これにいつの間にやらたまっていたポイントが¥5,000分もあったことに気が付き、しかももうじき有効期限が切れそうだったのでそれを全部使って結局¥2,880で買えちゃった!

金銭的に余裕がない今、これはすごく助かったなあ。
このポイントがなければ購入はしばらく諦めていたところだった(^ω^)。


まずパッケージが凝っている。
タイトル部分だけツヤツヤにコーティングされている黒いボックスから中身を取り出すと、このようなデジ・パックが入っているが、ボックスもこのデジ・パックも映画の内容にふさわしくわざと擦れて汚くなったようなアート・ワークになっている。
grind2.jpg

これを開くと、3面開きになっていて、
grind3.jpg

これをさらに上に開くと、なんと6面開きで6枚のディスクが現れる。
左が「デス・プルーフ」の本編と特典ディスク、真ん中が今回の目玉である「グラインドハウスUSAヴァージョン」の本編と特典ディスク、右が「プラネット・テラー」の本編&特典ディスクである。
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ディスクはアナログのシングル盤を思わせるイキなデザイン。レーベルも擦れている感じになっているのがいいねえ。
grind5.jpg

で、何と言ってもこのボックスの目玉は「グラインドハウスUSAヴァージョン」だが、最初に「MACHETE / マチェーテ」という架空の映画の予告編で始まり、続いて1本めの「プラネット・テラー」、間に「ナチ親衛隊の狼女」「DON'T」「感謝祭」の3本のホラー映画のフェイク予告編があって、最後に「デス・プルーフ」で終わるという191分の内容で、これがまさに映画館で2本立てを観る感覚でなかなか楽しい。

またロドリゲス監督本人やロック・ミュージシャンで最近映画監督業にも進出したロブ・ゾンビなどに依頼して作られたこのフェイク予告編が4本とも実によく出来ていて、ちゃんと本編作ってくれよ、と思うほどホントに観たくなる内容なのである。こんなところにまで徹底的に凝るあたり、タランティーノ、ロドリゲス両監督、さすがに奇才としての面目躍如である。
そして単品で公開/DVD化された全長版とは2本とも編集が異なり、若干のショート・ヴァージョンになっているこのUSAヴァージョンはこの日本版DVDでしか観られない。

ダラダラした会話が続くクエンティン・タランティーノ監督による2本めに収録されている「デス・プルーフ」は、こちらのヴァージョンの方がスッキリして観やすいかも知れないが、あくまで編集が違うだけでダイアログが続くシーンそのものは実はそれほど大幅にはカットされていない。

ただ、この映画、最初にみんな殺されちゃう女の子グループと、その14ヶ月後、逆にサイコな殺人犯を追いつめる女の子グループとの明確に別れたふたつのエピソードで出来ているが、このUSAヴァージョンではその境目がバッサリとカットされ、何の説明もなく唐突に次のシークエンスに繋がっている点がちょっと無理な編集だと感じた。
その他にもラップ・ダンスのシーンなど「え、ここ切っちゃったわけ?」というもったいない部分がところどころカットされていた。2本立てという時間的制約の中で多分監督も泣く泣くカットした部分だろう。

一方、ロバート・ロドリゲス監督による1本めに収録されている「プラネット・テラー」も当然あちこちがカットされたヴァージョンだが、こちらは「デス・プルーフ」に比べると大幅な編集違いやカットはなくわりと違和感なく観られた。でもやはり物語に深みが増している全長版の方がいいのは言うまでもない。

残念なのが画質と音質だ。全長版はそれぞれ昨年10月にここで紹介した輸入盤に負けないほどの画質になっているが、このUSAヴァージョンはそれに比べると黒潰れ、白飛びが目立ち、シャープさにも欠ける。
これは日本でしか発売されていないので日本でマスタリングされたのだろうか。実際はどうなのか分からないが、でももしそうだとしたら、未だに日本のDVDのマスタリング/オーサリング技術は未熟だと言わざるを得ないということになるなあ。

音質もなんか迫力ないなあ、と思ったら、どうも2chステレオ音声を疑似5.1ch化したものみたいで、リア・チャンネルの音がちゃんとセパレートされた音ではない。サブ・ウーファも鳴っているのだが全然重低音が出ていない。劇場で公開されたときもこうだったのか?

また画面サイズも異なり、全長版の「デス・プルーフ」がシネスコ・サイズ、「プラネット・テラー」がビスタ・サイズになっているのに対し、このUSAヴァージョンは全編シネスコ・サイズであるため、「プラネット・テラー」は写っている画面の情報量が異なっている点も見逃せない。

あと、それぞれの全長版の方だが、こちらは先ほども書いたとおり輸入盤と比べて若干劣るものの、ほとんど大きな違いのない画質で、音声は輸入盤には収録されていないdtsサラウンドも収録されている点がいい。しかもDOLBYサラウンド音声も輸入盤のものより重低音が分厚く迫力があった。これは意外である。
ボーナス・ディスクはまだ観ていないが、輸入盤と同じものが収録されている他、日本盤だけの特典映像もあるようだ。

その代わり輸入盤の「プラネット・テラー」に収録されているリアクション・トラックが収録されていないのは残念だ。
これは音声に映画館のような残響音があり、そこに観客のリアクションが収録されているものなのだが、これがなかなか楽しい!
主役のローズ・マッゴーワンブルース・ウィリスなどが登場すればその度に拍手や歓声が上がり、グロいシーンでは「Oh,No~」とかいうざわめきが出たり笑えるシーンでは大笑いが聴こえて来たりと、まるで映画館気分に浸れるので楽しさ倍増なのである。
こういうリアクション・トラックは「ロッキー・ホラー・ショー」のDVDにも収録されていたが、アメリカ人て映画観るときこんなにウルサイくらいにリアクションするもんなの?(笑)

まあいろいろと気になる点も書いたが、このUSAヴァージョンが日本だけでDVD化されたというのは快挙ではある。タランティーノとロドリゲス両監督の意図したとおりの形で作品が観られる日本の映画ファンは幸せだ。
やはりUSA公開版とは編集が異なった「KILL BILL vol.1」の国内盤DVDのように、今回も海外のファンが羨ましがっているに違いない。

GRINDHOSE Movie Trailer





グラインドハウス コンプリートBOX 【初回限定生産】

グラインドハウス コンプリートBOX 【初回限定生産】

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



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コメント 4

マルコメX

お久しぶりです。
ずいぶんと目の保養になります。中味もさることながら、ボックスとDVDのセットの写真を見てるだけで楽しいですヨ。
by マルコメX (2008-03-25 18:26) 

MASA

マルコメさん、ちょっと久しぶりでしたね^^。
見ているとなかなか欲しくなるボックスでしょ?
USAヴァージョンはレンタルされないので、これ買いましょう(笑)。
by MASA (2008-03-25 23:12) 

parlophone

この2本の映画はMASAさんが紹介されたときからずっと気になってましたが、こんな素敵なBOX SETが出ていたんですね。

パッケージングも粋だし、中味もおもしろいセットですね。
USヴァージョンの画質が劣るのが残念ですが、ぜひUSヴァージョンも見てみたいです。
いまはちょっと1万円弱は出せませんが…(笑。

最近DVDはまったく買ってませんが、久しぶりに気になるDVDですね。
中古をねらってみるかな~。
by parlophone (2008-03-27 00:29) 

MASA

遼さん、これはズバリ「買い」のボックスです。
何しろUSAヴァージョンが観られるのはこれしかありませんからね。

この手のマニアックなボックスはファンが手放さないので中古ではなかなか出ないと思います。何とか新品で買って下さい〜(笑)。

それが当分無理なら、とりあえずレンタルでこの2本是非ご覧下さい。
面白さは保証します!
by MASA (2008-03-27 01:00) 

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