Van Morrison「TUPELO HONEY」紙ジャケ [Rock / Pops]
黒人のソウルとも白人のブルー・アイド・ソウルとも違う、独特のソウルフルなフィーリングを称してアイリッシュ・ソウルなどと呼ばれることがあるアイルランド出身の孤高のアーティストで元THEMのヴォーカリスト、ヴァン・モリソンの待望の紙ジャケが7タイトル発売されたが、このうち傑作の誉れ高い'71年のアルバム「TUPELO HONEY」を買ってみた。
ヴァン・モリソンの名盤と言えば、
と、もう1枚、
の2枚がすぐに上がるのだが、今回の紙ジャケ化では残念ながらこの2枚は見送られ、リマスター、ボートラ付きで再発された輸入盤のものと同じラインナップの7枚となっている。
ヴァン・モリソンのアルバムは'68年から'78年までがWarnerから、'79年から'88年まではMercury、'89年以降はPolydorからの発売なのだが、最近ヴァンの持つプロダクションのEXILEが版権をすべてPolydorに移したようで、その関係で今回の紙ジャケはすべてPolydorを配給しているユニヴァーサルからの発売となっている。
そんなワケでこの「TUPELO HONEY」ではWarnerのレーベルが使われず、文字だけのデザインの簡素なものになっているのが惜しいところだ。
ちなみに、オリジナルのレーベルはこちら。
アナログではジャケの左下にあるWarnerのゴロも当然消えている。
ちなみに、もちろんインナー・スリーヴの再現もない。これがWarner Musicからの発売ならそんなことはなかったはずなのだが、つくづく残念である。
US盤はコーティングのないゲイト・フォールド・ジャケだが、今回の紙ジャケはUK盤を元に製作されているので、コーティングされた美しい仕上がりになっている。
見開き部分まですべてコーティングされていて、下の写真のいっしょに写っているアナログと比べると写真の色調がかなり異なる。
ちなみにUSオリジナル盤にはこのような6つ折りになった大型ポスターが入っているのだが、UK盤準拠のこの紙ジャケには入っていない。
ただ、この頃のヴァンはもうアメリカを拠点に活動していたのでオリジナルはUS盤でいいはずで、UK盤で集めている人がいるとしたらかなりのマニアだろう。
ジャケの中にはブックレットとライナー、SHM-CDの解説のチラシが入っている。
そのSHM-CDだが、アナログ盤と比べても無意味だし、かと言って他に比較出来るCDを持ってないので音質の方は何とも言えない。
ただ、音質そのものはリマスターの成果が出ているようで、アナログと比較するととても伸びのある文句のない音質である。
ヴァン・モリソンはかなりの数のアルバムを出しているのでフォローしきれず私もベスト盤を入れて7枚くらいしか持っていないが、その中でもこの「TUPELO HONEY」は前々作の「MOONDANCE」に負けない出来でオススメである。今回の紙ジャケの中でどれか一枚というなら、まずこれでしょう。
プロデュースはこのあとドゥービー・ブラザーズやリトル・フィートなどを手掛けて売れっ子プデューサーとなる元ハーパーズ・ビザールのテッド・テンプルマンとヴァンとの共同プロデュースだが、テッドはこのアルバムがプロデューサー・デヴューなのだそうだ。
シングル・カットされて全米チャート28位のスマッシュ・ヒットを記録したこのアルバムの冒頭を飾る「Wild Night」は名曲だ。この曲のイントロをパクって作られたのが南沙織の'72年のヒット曲「純潔」なのは知る人ぞ知る事実(笑)。ちなみにボートラとしてこの曲の別テイクも入っている。
ヴァン・モリソン未体験の方にもオススメ出来るアルバムです。
そういえばそろそろヴァン・モリスン出るんだったなあ~、と思って一昨日HMV のサイトを覗いてみたらなんと『魂の道のり』だけは「限定盤完売」!
あわててAmazonで『テュペロ・ハニー』と『魂の道のり』だけオーダーしました。
きょう届くかと思って楽しみにしていたんですが、どうやら明日のようです。
いまHMV 見たら『テュペロ・ハニー』以外すべて完売になってますね@@
リリース枚数が少ないのかな?
でもさすがのヴァン・モリスン、みんな待ちかねていたのか人気ありますね!
それにしてもワーナーのロゴやレーベルが使われていないのは残念ですね~。
by parlophone (2008-03-27 00:43)
私も今日HMVをチェックしてみたら、軒並み完売になっていたのでビックリしました。
人気が高いはずの「TUPELO HONEY」が完売じゃないのが解せませんが(笑)。おっしゃるとおり他のアルバムのプレス枚数が少ないからでしょうかね?
「魂の道のり」は持ってないし聴いたこともないんですよ。金欠の私にはあの値段では買えませんでした(泣)。
「AVALON SUNSET」とか、他にも欲しいのはあったんですけどねえ。
「魂の道のり」は遼さんのブログでのレヴューを楽しみにしてます^^。
by MASA (2008-03-27 01:24)
南沙織の「純潔」のイントロが、ヴァン・モリソンのパクリだったとは!でも、思い出してみるに、分からないでもないです。
というか、「~私もベスト盤を入れて7枚くらいしか持っていないが、~」。「しか」って。7枚も持ってるんですか!
ところで、確かにWBのロゴが消えてるのは寂しいですね。
by マルコメX (2008-03-27 10:32)
「純潔」は♪嵐の日も彼となならばお家が遠くっても〜♪て曲です。思い出しました?
ヴァンのアルバムは数えたら38枚もあるんですが、そのうちの7枚ですから全然持ってない方なんですよー^^;
もっと精進せねばと思います(笑)。
by MASA (2008-03-27 13:46)
もちろん思い出しました!
「もっと精進せねばと思います」<人生というものは一生涯、精進を重ねていくもんなんですね!・・・感動
by マルコメX (2008-03-27 15:03)
人間、これでよし、と思ったり、奢ったりしちゃあいけませんよね。
謙虚に突き進みたいものです(笑)。
by MASA (2008-03-27 21:36)
by Backstreets (2008-03-28 15:07)
今回のヴァン・モリソンの再発CDに関しては、デジタル・リマスターされた輸入盤が1,500円前後で入手できるのに対して、SHM-CD仕様の国内盤は2,800円。価格に見合い、納得できる差があるのか少々疑問に感じます。語弊ありますが、イーグルスのデラックス・エディションがぼったくりのような値段だったので、ユニバーサルさんは経営が苦しいのではないのかと勘ぐってしまいます。しかし、このようなくだらないことで躊躇していると入手不可能の憂き目を見そうなので急がなくてはと思いました。待望のヴァンの新作も同時発売の予定でしたが、こちらは4月30日に延期されました。残念。
誠に勝手なことで申し訳ないのですが、入力が容易なのでHNをアルファベット表記にしました。今後とも宜しくお願い致します。
by Backstreets (2008-03-28 15:32)
音楽のことは全くわからないけど紙ジャケ美しいですね~(人´ω`*)
南沙織さんの歌がパクりで作られてたとは・・・^^;
これも曲がわからないですが(爆)
安室ちゃんの今歌ってる歌はパクりとは言わないんですよね?(^^;)
by ako* (2008-03-28 15:35)
申し訳ございません。コメントを送信したらまったく表示されず、再度送ったらHNのみがだぶって表示されました。何が起こったのかよく分かりません。
by Backstreets (2008-03-28 15:38)
backstreetsさん、こんばんは。
確かに価格対比で言うとどうなんでしょうね、このSHM-CDってのは。
劇的に音質が変わるものではないでしょうが、高級機で再生しないと分からない程度ならあまり意味はないですね。
最近はCDの売り上げは下がる一方なので、各メーカーは何とか付加価値を付けようと躍起なんでしょうが、ユニバさんはもうちょっと値段下げて欲しいです。
そう言えばヴァンの新作はしばらく買ってないんですが、今回のアルバム、どうなんでしょうね。
by MASA (2008-03-28 20:10)
akoさん、よくかわらない音楽ネタの記事にコメントしてくれてありがとうね^^。
安室ちゃんのはパクリではないです(笑)
もともとある曲をサンプリングして使用しているので、使用料も払っているはずです。
使用料も著作権も無視して勝手に使っちゃうのがパクリです。
日本の音楽にはこういうのが多いんですよねえ。
by MASA (2008-03-28 20:17)
TUPELO HONEY、取り上げていただきありがとうございます。ポスター付きだったら買おうかなと思っていたのですが、ショップで手に取ってみるとどうも付いてなさそうだったので、止めました。付いていないのですね~残念です。
SHM-CDはビョークのをたまたま聴いたのですが、凄い音だったのでびっくりしました。家の普通のオーディオですので、いい音のものはシステムの良しあしを超えるのだなと、そう思いました。
昔の音源のSHM化は、SHMのCDを持っていないのでよくわかりませんが、その特性をいかしきれているのか、興味はありますが如何せん価格が高すぎます。
by pinkisland (2008-03-29 07:47)
pinkさん、どうもです。
UK盤が元になっているので、残念ながらポスターが入ってないんですよねえ。
SHM-CD、確かに音自体はすごくいいんですが、比較出来るCDを持っていないので何とも言えないんですよねー。
ま、普通のCDより悪いってことはないでしょうから、買って損はないでしょうけど。
これで値段がもうちょっと下がればいいんですけどね。
by MASA (2008-03-29 16:58)
MASAさん、さきほどはこころに沁みるコメント、ありがとうございました。
ところでやっとこさぼくもヴァン・モリソンの記事を書いたんですが、文中にMASAさんのブログへのリンクを入れさせてもらいました。
よろしくお願いします^^
by parlophone (2008-04-01 00:57)
先ほど伺い、コメントさせていただきました。
リンクまで入れていただきありがとうございます。
しかし「魂の道のり」が3つ折りジャケじゃないのは残念ですねえ。
早く第2弾の紙ジャケが出て欲しいですね。
by MASA (2008-04-01 02:19)
はじめまして。こんばんは。遼さんの所から辿ってまいりました。
ヴァン・モリソンは大好きなアーティストの一人で、旧規格CDで20枚強所有してしまっているので買い直しに躊躇しています。
今回の紙ジャケもかなり気になってはいるんですが、なにせ高いですよね。。
リマスター効果も気になるところなので輸入盤プラケで何枚か買ってみようかな、とは思っていますが、この「テュペロ・ハニー」は多分ヴァンのアルバムで1番好きな作品だと思いますので、こうして美しいジャケを目の当たりにしてしまうとかなり心揺れますね。
ジャケ写や詳細な比較など、実に参考になります。今後も覗かせていただきますのでよろしくお願いします。
by kura_mo (2008-04-02 03:10)
kura_moさん、ご訪問ありがとうございます。
無節操に何でも取り上げているブログですが、以後よろしくお願いします。
SHM-CDとは言え、確かに¥2,800という価格は躊躇しますよね。
私もこんな価格じゃなかったら、もっと買っていたところなんですが^^。
まあ試しに「テュペロ・ハニー」1枚だけでも買ってみてはいかがでしょう。
輸入盤も購入して聴き比べるというのもいいかも知れませんね。
by MASA (2008-04-02 17:29)
MASAさん、おはようございます。
このアルバム好きです。
ゆったりとしてるのに熱くて(笑)
聴いてるとぐいぐい惹き込まれてしまいます。
初期の作品も紙ジャケCD化してほしいなぁと^^。
by DEBDYLAN (2008-04-06 08:13)
おー、DEBさんもヴァン・モリソンお好きですか。意外にファンが多いので嬉しいですねえ。
ゆったりしているのに熱い、全くそのとおりですね。その辺が彼の音楽の魅力です。
早く初期の作品や後期の作品も紙ジャケ化して欲しいです。
by MASA (2008-04-06 15:05)