「デス・プルーフ」 & 「プラネット・テラー」のDVD到着

日本では9月に公開されたクエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス両監督によるグラインドハウス2部作の「DEATH PROOF」と「PLANET TERROR」のDVDが注文していたUS amazonから届いた。
9月に記事にしたとおり2本とも観に行って大いに気に入った映画なので、いつになるのか分からない国内盤の発売まで待てずに輸入盤を買ってしまった。
（ちなみに、US盤なのでリージョン1、日本語字幕なし）

日本で公開中だった9/18に発売されているUS盤「DEATH PROOF」のDVD。
画面サイズはシネスコ・サイズのスクイーズ。
音声は英語・フランス語吹き替え・イタリア語吹き替えのDOLBY DIGITAL 5.1ch、字幕は英語・スペイン語。

こちらは10/16に発売されたばかりの「PLANET TERROR」。
こちらの画面サイズはビスタ・サイズのスクイーズである。
アメリカでは2本立てでの公開だったが、DVDではそれぞれ画面サイズが異なるというのが面白い。それぞれの監督のこだわりだろうか。
架空の作品「MACHETE」の予告編ももちろん作品冒頭に収録。
音声は英語とスペイン語吹き替えのDOLBY DIGITAL 5.1ch、字幕は英語・スペイン語。

それぞれボーナス・ディスク付きの2枚組で、「PLANET TERROR」の方はスリップ・ケース入り。「DEATH PROOF」の方もひょっとすると9月発売の初回のものにはスリップ・ケースが付いていたのかも知れない。

ボーナス・ディスクにはそれぞれ監督や出演者のインタビュー、メイキング、予告編、世界のポスターを集めたギャラリーなどの特典映像がスクイーズで収録されており、こちらにも英語字幕が入っているのがありがたい。

メイキングではもともとはデジタルで撮られているすごくキレイな素材にエフェクトをかけてキズを入れたりくすんだような色調の画面になっている様子や、ローズ・マッゴーワン演じる「PLANET TERROR」の主人公Cherry Darlingのワイヤー・アクション・シーンの裏側や、グリーンのギブスみたいなものを付けた部分にCGを重ねて作られている片足マシンガンのCG処理の様子など、なかなか興味深いところも多い。

これが

こうなって

こうなります。

このDVDで2作品を改めて観てみると、「DEATH PROOF」では映画館での初見とは印象がちょっと変わり、タランティーノ作品特有のあのダラダラとしたセリフ回しが長いと感じた部分はそんなにダラダラとは感じず退屈でもないばかりかやはり必然性を感じる演出だと思ったし、起伏が激しいと感じた展開が意外にすんなりした流れに感じた。でもエンディングは何回観てもスッキリするなあ（笑）。

「PLANET TERROR」は画面にフィルムのキズがあったりコマが飛んだりしているB級映画館風のエフェクトがこちらの映画の方がその使用頻度が激しく、色調をかなり変えたりフィルムの粒子の荒い感じも強く出していることに気が付いた。
そして主役のローズ・マッゴーワンが妙な魅力を放っていてやっぱりいい。
エンド・ロール終わりに出て来る子どものカットがナゾだったが（ちなみにあれはドロリゲス監督の実の息子）、まあ結局あれに大した意味はないんだと思うよ (^ω^)。

いずれにしても映画ってものは1回きりしか観ていない時の印象と2回以上観て以降の印象とでけっこう変わる場合があるが、冗長な部分が多少カッタルイと感じた「DEATH PROOF」などは展開がすでに分かっている2回目以降の視聴からはずいぶん見やすい作品に印象が変わり、あっという間の105分だった。

国内盤が出るのは年内はまず無理っぽいが、2本ともオススメなので国内盤DVD発売の際には是非みなさんに観ていただきたい作品である。

タグ：デス・プルーフ プラネット・テラー グラインドハウス

コメント 8

お休みを満喫されてますかぁぁぁぁ。
私は風邪が直らなくて困っています。
北海道の友人の話では相当朝は冷え込んでるようですね。
風邪ひかないようにね〜。
by hamakaze_ataru (2007-10-25 18:13) 

おー、大安さん、ご無沙汰でした！
さっきブログを拝見しましたが、今月はいろいろ動き回ってたようですね。

風邪ですかー。最近めっきり冷え込んできましたからね。気をつけて下さい。
私はここ何年も風邪らしい風邪は引いてませんが、油断しないようにしてます。

ものすごくダラダラと休みを消化中ですが、また覗きに来て下さい＾＾。
by MASA (2007-10-25 21:35) 

MASAさん、おはようございます。
２本とも、装丁が気分ですねぇ。こりゃ欲しくなりますよ。
好きな映画のDVDは、ボーナストラックがお楽しみのひとつですが、紹介してられるのを読んだだけで欲しくて溜まらん！デス。
ローズ・マッゴーワンの片足はああして撮ってたんですねぇ。

・・・実は、方ひざをついてローズの姿勢を真似してみたんですが、尻の筋肉が相当厳しいですよ。あれだけのプロポーション、やはり体力レディなんでしょうな。

たいていのタランティーノ映画に出てくる、ダラダラ会話シーンは結構好きなんですが、何回も見てるうちに必然性があることに気づく仕掛けになってるんですね。それはさておき。タランティーノは、テレビドラマの『CSI』も監督してるんですが（シーズン５　『GRAVE DANGER』）、時間の急くテレビドラマにすらダラダラ会話シーンを入れるんですから、なんか幼少期にトラウマでもあるんでしょうかしらん。

これは是非欲しいDVDです。
by (2007-10-26 10:13) 

マルコメXさん、どうもです。
こすれて汚くなった感じの装丁がホントにグーです。
好きな作品ほどこうして特典映像で舞台裏が観られるのはうれしいですね。

>実は、方ひざをついてローズの姿勢を真似してみたんですが、尻の筋肉が相当厳しいですよ。

ハハハ、そうでしょうねー。しかも何回もリハーサルやっているでしょうから、本人は大変だったんじゃないでしょうか。

タランティーノは「エイリアス」にも出たことがありますが、そうですか「CSI」でもダラダラ会話ですか。
初めはあまり関係ないと思われる話から始まって、しだいに話の核心に行くんですが、そこに行くまでが遠回しなんですよねえ。
そんな具合にもったいつけて観てる人をじらしまくるというのは、残虐シーンを好んで取り入れる作風とともに、この人基本的にドSなんだと思います（笑）。
by MASA (2007-10-26 14:37) 

はじめましてどっかの音楽評ブログのリンクから辿り着いた最近からの読者です。偶然ですがＢＢファン同志なのもうれしかったり。

グランドハウスどっちも良かった！恐がりなのでグロい場面とかハードなバイオレンス画面は、両手目隠し指の隙間を開けたり閉じたりしながら観たりしてましたが(笑)やっぱ好きだわタランティーノと再確認。本国で興業イマイチと聞いて意外。

「PLANET TERROR」最後の子供は、cherry(ローズ)と恋人が戦いに巻き込まれてから過ごした一夜(フィルム焼失部分)に宿った子供で、彼が銃撃戦で敵を全滅させた後で死ぬ前に「俺の銃はいつでも必ず一発で決める男だぜ」(大意)のフレーズにつながるオチになってると思ったけど。あと、医者夫婦のゾンビパパに殺された子供の魂を新しい命で未来に繋ぐみたいな。最後自分達の王国ユートピア立ち上げたcherryたちの姿がイスラムチックだったりなと合わせて、争い後の希望や救いがあの子供カットなのかなと。
by さと (2007-10-27 10:07) 

さとさん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
雑多でとりとめのないブログですが、今後ともよろしくお願いします＾＾。
グラインドハウスのファンがまた一人増えてうれしいです。

最後のシーンでチェリーが背負っていた子どもは確かにエル・レイの子どもでしょうね。
問題なのはエンドロール終わりに出て来たロドリゲス監督の息子のショットなんですが、あれの意味がファンの間では？ということなんですけど、背負っていた子どもより大きくなっていたので、数年後に平和な世界を築いた象徴という解釈も出来ますね。

ホント、最後はイスラムというかアラビアンというか、何だか「アラビアのロレンス」みたいな異国情緒がある雰囲気で、イラク戦争に対する未来の希望を監督なりに表現したのかもしれませんね。
するどいご指摘だと思います＾＾。
by MASA (2007-10-27 17:07) 

そう、あの子の数年後だと思って見てました。動物大好きだった医者夫婦の子が簡単に死んで凹んだので、静かな最後のあのカット争いで犠牲になった子供達の魂転生みたいに思えたので救われたというか、気に入ってます。

音楽の趣味重なる人のブログって音楽以外の分野も共感だったり、得る情報が多いです。皆さんアンテナと情報選別力すごいなぁと。
by さと (2007-10-28 22:43) 

さとさん、どうもです。
私は自分が面白いと感じたり気に入ったりしたものなら何でも取り上げてますが、好奇心が旺盛な方なので自然に情報が入って来る、という感じですね。
まあ実際は自分で情報を選択しているんでしょうが、そういう意識はあまりないです。
多分みなさんもそんな感じで情報やネタを仕入れてるんだと思いますけどね。
by MASA (2007-10-28 23:46)