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「トランスフォーマー」を観る [映画・BD・DVD]

というわけで、昨日CDを購入した巨大なショッピング・センターに併設されているシネコンで、現在大ヒット中の「トランスフォーマー」を観て来た。

製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、監督は「ザ・ロック」「アルマゲドン」「パール・ハーバー」など、大味でド派手なハリウッド大作ならまかしとけ!のマイケル・ベイ。この二人が手掛けたということで前評判がかなり高かった作品だ。

アメリカでも人気があるという日本のおもちゃが元になったアニメが原作で、これを最新のCG技術を駆使して「これでもか」というほどのド迫力で実写化したSF作品である。

確かにCGはスゴい。よくもまあここまでものスゴい映像を作り上げたものだと感心する。
しかし残念ながらそれだけの映画だった。物語として何の感動もないし、大体ストーリー自体が何のひねりも意外性もない。ただただ巨大な鉄くずの塊みたいなロボット同士(厳密には地球外の金属生命体)の戦いを楽しむための映画で、ほとんど何の思想性もない。
こういう映画は頭をカラッポにして怒濤のように押し寄せる迫力だけを楽しめればいいのだが、残念ながら私にはそれをすんなりと許容出来るほどの度量がなかったようだ。

これではカタルシス目的の破壊・爆発・戦闘が大好きな、それだけ観られればもう満足です、中身どうでもいいです、ハリウッド大作バンザ〜イ!っていう人にしか評価されないだろう。ほとんど子ども騙し、とまでは言わないが、大人が楽しめる映画ではないと思う。

何しろ監督がド派手大好きマイケル・ベイなのだ。この人「アルマゲドン」までは何とか許せたが「パール・ハーバー」以降は絵づらだけスゴいけど中身はカラッポという映画しか撮っていない。ジェリー・ブラッカイマーと組むと最悪だし。イカンよ、これじゃ。今回はスピルバーグが後ろについていながら何やってんの、彼も。金出しただけで口は出さなかったのか?

私は基本的には劇場の大スクリーンで観てこそという、こういうド迫力映画は決して嫌いではない。むしろ大好きだ。評判も悪くないみたいだったしちょっと期待していたのだが、しかしここまで何の感動もないとはねえ。ガッカリの作品だった。
こないだタランティーノ監督の「デス・プルーフ」みたいな刺激的な作品を先に観ちゃっただけにそれと比較してしまい、更に残念度はUPだ。
なんか続編が作れそうな終わり方だったんでパート2がまたあるかも知れないけど、もう観には行かないな。


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コメント 6

yuko

初めましてm(__)m
辛口ですね~(o^v^o)
でも、面白い感想です。私は単純に子供騙しに騙されました。(笑)
by yuko (2007-09-09 16:09) 

MASA

yukoさん、初めまして。ようこそいらっしゃいました。
yukoさんのブログ拝見させていただきましたが、「トランスフォーマー」楽しまれたようですね。
そんな人にこんな辛口の感想を読まれると心が痛いなあ(笑)。すいません、好き放題書いちゃって。

この映画は見る価値なしの駄作とまでは思ってませんが、もうちょっと作りようがあったのではないかと思うと残念なんですよねー。
それをちょっと強めのトーンで書いてしまいました(笑)。
ま、受け取り方は人それぞれってことで^^。

たまに映画やDVDの感想を載せてますので、よろしければまた覗きにいらして下さい^^。
by MASA (2007-09-09 17:28) 

cancoffee

はじめまして。私も、トランスフォーマー(以下TF)の感想を検索していて、ここに迷い込みました。
辛口の感想なのは、まぁ実際アラの多い映画なので、さもありなんという感じ(苦笑)なんですが。

ただ、意外と言うか興味深かったのは、管理人さんが「デス・プルーフ」を絶賛してらっしゃる点なんですよね。
実は、私の「TF」と「デス・プルーフ」の感想は、管理人さんのそれと正反対です。TFはもう最高にエキサイティングで、惚れに惚れて、もう映画館に7回ほど通ったんですがまだ観足りない(^^;
一方、「デス・プルーフ」は、劇場で退屈で死にそうになってました。

おそらくこれは、思い入れの差なんではないかと思います。私は幼少の頃からロボットアニメに接して、ロボットキャラクターに深い思い入れがあります。コンボイ司令官は憧れのスーパーヒーローですし、メガトロン大帝は永遠のスーパーヴィランです。そんな彼らが縦横無尽にスクリーンを駆け巡るこの映画が、琴線に触れないわけないんですよね。おそらく、この映画に高評価を与えているのは、そういう世代なんだろうと思います。

思うに、「TF」と「デス・プルーフ」は、よく似た映画なんじゃないでしょうか。観客の原体験という、その人の快感原則の急所を一点突破的に突き通す……みたいな。ですから、そこが急所じゃない人には痛くも痒くもないんじゃないのかな、と思います。

すいません、長々と失礼しました。では。
by cancoffee (2007-09-09 20:47) 

MASA

cancoffeeさん、はじめまして。検索でこんなむさ苦しいところまでようこそいらっしゃいました^^。

そうですか、cancoffeeさんは「トランスフォーマー」に思い入れたっぷりの世代なんですね。7回ってスゴイですね!そういう方々にとってはやはり夢中になれる見逃せない作品なのは私もよく分かります。

でも思い入れがない私みたいな世代にもしっかりアピール出来るような作りに出来なかったものか、と思うんですよね。
マイケル・ベイ作品はそう言う意味で底が浅い作品が多いと思うんです。

「トランスフォーマー」という素材自体はすごく面白いと思うんですよ。私も興味をそそられて劇場まで足を運んで観ようと思ったわけですからね。
ただその料理の仕方がマズイということですね。料理人としての製作サイドの問題なんですよ、要するに。そう思ったらだんだんつまんなくなってきちゃって(笑)。
もうちょっと人物描写に陰影を付けるとか、ご都合主義みたいな展開じゃなくその辺をもう少ししっかり描くとか、もっと映画に厚みとか重さが欲しかったと思いました。

確かに原体験のツボを突くというところで「トランスフォーマー」と「デス・プルーフ」で共通点があるかも知れませんね。
'70年代の薄汚い映画館でキズだらけの上映フィルムのB級映画を観たことがある世代なら「デス・プルーフ」のあの猥雑な感じはたまりませんよ(笑)。
そう言う意味ではまさにcancoffeeさんがおっしゃるとおりだと思います。

ただ「デス・プルーフ」みたいな映画はある程度観客を限定してしまうようなマニアックな側面がありますが、「トランスフォーマー」ははるかに上映館が多い全国ロードショーで幅広い世代が興味を持って見に来る映画だと思うので、そう言う意味で大人が観ても納得出来るような内容になってて欲しかったと思いました。
by MASA (2007-09-09 22:17) 

cancoffee

こんばんは。お返事ありがとうございます。
昨日のコメントは、あらためて読み返してみたら、なにやら挑発的な文章のようにも読めますね…お気を悪くしたら申し訳ないです。

>もうちょっと人物描写に陰影を付けるとか、ご都合主義みたいな展開じゃなくその辺をもう少ししっかり描くとか、もっと映画に厚みとか重さが欲しかったと思いました。

いや、なんといいますか、そこら辺の微妙な詰めの甘さも、昔のアニメを連想できて、私には逆に楽しめた要素なんですよ。
「デス・プルーフ」も、繋ぎのおおざっぱさや画質の荒さが魅力になってたりするように、TFは「このいい加減さ、単純さがかえって魅力!」という感じで。
…ただ、一つ違うのは、タランティーノ監督が完全に故意にやってるのに対して、ベイ監督は天然というか、素で80年代の三文カートゥーン作家と同等の技量しかないんじゃないかとゆー疑念が(^^;;;
もし、そこまで見越してスピルバーグ氏がベイ氏を起用したんだったらすごいと思いますけど、たぶん考えすぎでしょうね(^^;

>「トランスフォーマー」ははるかに上映館が多い全国ロードショーで幅広い世代が興味を持って見に来る映画だと思うので

アメリカだと、TFってものすごい有名なアニメなんですよ。日本におけるガンダム以上だとか。というわけで、製作者側も「どうせある程度分かってる客しか観に来ないよ」みたいなところに甘えちゃったのかな、というのはありますね。
私みたいなマニアはともかく、日本の一般的なお客さんには確かに辛かっただろうとは思います。


何はともあれ、管理人さんのご意見を聞けて、いろいろと参考になりました。映画の好みは違いますが、お互い、これからも面白い映画作品にめぐり合いながら、日々を楽しめていけたら良いですね。
それでは、また。
by cancoffee (2007-09-10 23:31) 

MASA

cancoffeeさん、ふたたびどうもです。
いやいや、全然挑発的とは思ってませんので、大丈夫ですよ^^。
なるほどねー、ツメの甘さもすべてひっくるめて楽しめたというわけですね。まあ熱心なファンの方ならそんなもんでしょうね。私にもそれは分かります。

退屈するほどつまらなかったというワケでは決してないんですが、観終わったあと私には何も残るものがなかったのは作り手の問題もあるにせよ、やはりもうそこはジェネレーション・ギャップということですかね。

今回の記事はcancoffeeさんのような「トランスフォーマー」がドンピシャ当てはまる世代の方々なら夢中になれる作品だということをあまり考えずにキツめのトーンで書いちゃったことをちょっと後悔してます。もう少し柔らかめでもよかったですね^^。

私もcancoffeeさんの貴重なご意見が聞けて大変良かったです。
映画を観て受ける印象というのは人それぞれですが、こうして忌憚のない意見を交換出来たことは大変有意義でした。
まあ拙い文章力で書いてるしょうもないブログですが、よろしければまた暇つぶしにでもいらして下さい。
では。
by MASA (2007-09-11 00:21) 

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