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「ロッキー・ザ・ファイナル」のDVDを観る [映画・BD・DVD]

日本では現在絶賛上映中だが、アメリカでは去年のクリスマス・シーズンの公開だったため、3月にすでにDVDが発売されている「ロッキー・ザ・ファイナル」がアメリカのamazonから届き、早速観た。
劇場まで足を運ぶのは面倒だし、上映中の作品を家で観られるというのが輸入盤DVDの醍醐味のひとつなので購入したが、なかなか面白かった!

[STORY]
愛する妻エイドリアンはすでにガンで他界し、ボクサーとしての現役もとっくに退いていたロッキーは妻の名前から取った小さなイタリアン・レストラン「エイドリアンズ」のオーナーとして生計を立てていたが、エイドリアンの死を未だに乗り越えられず過去の思い出にとらわれ、ボクサーとしてもすでに現役ではない自分の今の人生にどうしても埋められない空しさを感じながら生活する毎日。

一方、向かうところ敵なしといった強さを誇り現在ヘヴィー級チャンピオンとなっているのは若き黒人ボクサー、ディクソン。
ある日、スポーツ専門チャンネルのTV局がディクソンとチャンピオン時代のロッキーの強さを比較するCGで作った試合のシュミレーション番組を放送し、この結果ロッキーが勝ってしまう。これに納得出来ないディクソンは実際にロッキーと試合をやらせろと取り巻きに迫り、とうとう両者のエキシビジョン・マッチの企画が持ち上がる。

ロッキーは息子の反対にあいながらも自分の中にくすぶり続ける煮え切らない気持ちにケリを付けるため、そして自分の可能性を試すため、ピークをとうに過ぎた肉体にかつてのパンチを取り戻すための厳しいトレーニングに臨み、ついに数万人の観客が見守るラスベガスのリングに上がる・・・・。

どーしよーもない駄作だった前作「ロッキーV」から17年振りに復活した「ロッキー」だが、今回のこの作品では「III」から「V」までがなかったかのようなことになっており、基本的に30年前に公開された第1作目のオマージュとなっている。
ロッキーがかつて住んでいたアパートがある住宅街や飼っているカメのエサやり、生卵3コの一気飲み、ぶら下がった牛肉サンドバッグ・パンチ、フィラデルフィア美術館の階段を駆け上がった後の両手を上げてのガッツ・ポーズ、そして帽子に革ジャンという当時と同じ格好のロッキーと、あざとい演出だと思いながらもこういったお馴染みの要素が敢えて入っていることで思わず懐かしさが込み上げ1作目を彷彿させる仕掛けになっている。

「自分を信じない人生など意味がない」とか「常に前に突き進め」とかいう説教臭いセリフがあったり、物語の展開もある程度予想が付く予定調和のベタな展開で、冷ややかに見ればそれほどでもないかも知れないが、それでも第1作目に原点回帰しロッキーという一人の人間を追った人生ドラマ的内容には所々感動して目頭が熱くなってしまった。ロッキー・ファンなら一応観て失望はしない作品だろう。あのビル・コンティのテーマ音楽を耳にすればこの映画にある程度思い入れがある人なら心躍らないわけにはいかない!

原題は「ロッキー・バルボア」で、まさにロッキーの生き様そのものに焦点を当てたタイトルで作品の内容を象徴したものだが、邦題の「ロッキー・ザ・ファイナル」ではちょっと意図が違ってくるので邦題もそのまんまでよかったんじゃないかなと思う。

この作品のため60近い年齢で厳しいトレーニングに耐えて中年太りした体を絞り込むのは大変だったと思うが、「T3」のときのシュワちゃん同様、どうしたって若い頃の肉体にはなり得ていないのがちょっと悲しい。
また、リングにロッキーが上がるときにかかる曲がフランク・シナトラ「High Hope」という和やかムードの曲だが、訳せば「高望み」というタイトルも曲調もあくまで単なる余興にしかすぎない試合に臨む、しかも元チャンプであるというロッキーをナメてる雰囲気を強調させているが、これがロッキー本人の秘めたる闘志とまったく相反するBGMであるところが、ジェームズ・ブラウンを登場させてお祭り騒ぎだった「ロッキーIV」のアポロとドラゴの試合を彷彿させるニクイ演出でなかなかいい。

しかしストーリーがほとんどそっくりそのまま主役のシルベスター・スタローンのこれまでの役者人生と重なって見えてしょうがないというのはこの映画を観た人の中でも多いようだ。
「ロッキー」シリーズと「ランボー」シリーズ以外にヒット作が少なく、アクション映画からのリタイアを宣言してからはスクリーンからやや遠ざかっており、結局こうして過去の栄光に頼るしかないほどけっこう焦燥感みたいなものを抱えていたに違いない。
そしてロッキーもこの作品の生みの親でもあるスタローン自身もこの作品でもう一度勝負して矢吹ジョーのように真っ白に燃え尽きることでケリを付けたかったのだと思う。

結局ついに2本ある伝家の宝刀のうち「ロッキー」という名の1本をここで抜いてしまったわけだが、結果的にはこれが世界中で大ヒットして好成績のボックス・オフィスを上げることは出来た。でもこの後どーすんのよ?最終兵器使っちゃって、と思ったら、もう1本の伝家の宝刀「ランボー」も復活する予定だという。邦題は「ランボー・ザ・ファイナル」ってか?
でも二つもと切り札を使い切っちゃったその後はホントにどーするんでしょ、スタローンさん。

ちなみにこのDVDには映像特典としてカットされたシーン、勝敗が真逆の別エンディング、制作時の裏側などを収録、スタローンなどによる音声解説も入っている。

上映時間102分、ビスタ・サイズ(スクイーズ)、英語ドルビー・デジタル5.1ch、
フランス語吹き替えドルビー・デジタル5.1ch
字幕;英語、フランス語、スペイン語

作品 ★★★★☆
映像 ★★★★☆
音声 ★★★★☆
(5点満点、☆はオマケ)



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