「BAND ON THE RUN」DX Edition [The Beatles]
上の写真は数十年のあいだにこんなに集まっていたワタシの「BAND ON THE RUN」コレクションですが、忙しくてなかなか記事に出来なかった「BAND ON THE RUN」のDXエディションを今回やっと取り上げます。
ポールの過去の作品の発売権がHEAR MUSICへ完全移行したのに伴って、今後いくつかのタイトルが今回のような豪華版で再発されるみたいですが、この「BAND ON THE RUN」がその第1弾である模様です。
CD2枚組+DVD1枚、2枚組アナログ盤など数種のヴァリエーションがあるうち、ワタシが購入したのはCD3枚+DVD1枚の4枚組で、布張りハード・カヴァーの立派な書籍のようなジャケのもの。
各種の中で最も高価なタイプですが、US Amazonで送料を入れて$82.97=約¥6,932という国内盤に比べるとかなりリーズナブルな価格でした。円高さまさまですなあ(笑)。
限定ナンバー入りで、ワタシのは"30209"。
ジャケの中身は120ページほどで、解説やスナップショット、当時の宣材写真、販促用ポスター、各国のシングル盤の写真など充実した内容です。
いちばんウラにCD3枚+DVD1枚が収納されています。
レーベルを1999年の25周年記念盤(右側)のものと比べてみました。今回のDXエディションの方が3人の写真がキレイで(左側)ハッキリクッキリしたものが使われています。
ジャケには「Band On The Run」「Helen Wheels」「Jet」など各国盤のシングルのレーベル写真が載っているのが何ともマニアック。
ちなみに下がワタシが持っている「Band On The Run / Zoo Gang」のUK盤シングル。
B面の「Zoo Gang」は当時はこのUK盤シングルでなければ聴くことが出来なかったのでレア曲扱いされ、海賊盤に収録されたりもしました。
ちなみにこの曲はイギリスで放送されていた同名のテレビ番組のテーマ曲としてポールが書いた短いインスト曲。
下の写真ははUS盤の「Band On The Run」シングルで、日本を含めイギリス以外の国ではB面に「Nineteen Hundred and Eighty Five」が収められました。
こちらは「Helen Wheels(愛しのヘレン)/ Country Dreamer」の国内赤盤シングル。「BAND ON THE RUN」のセッションで録音され、先行シングルとしてリリースされましたが、アメリカ盤「BAND ON THE RUN」には「Helen Wheels」が収録されているのは有名です。
これらのシングル曲は今回はすべてDisc 2に収録されています。
この他、ジャケの解説では「Helen Wheels」が収録されたUS盤とオリジナルのUK盤とのジャケの違いにも触れられていますが、そちらはワタシも過去記事で取り上げてますのでよろしければご覧下さい。
音質もCDどうしで比較してみました。比較に使用したのは'93年のリマスター盤(下の写真左上)、'99年の25周年記念BOX(下)です。
で、軽くですが聴き比べてみたところ、今回のDXエディションと25周年記念BOXではほとんど大差のない音質で、'93年の初リマスター盤との比較では'93年盤では若干低音域がボワ〜ンとした暴れ気味なところがDXエディションではスッキリと歯切れがよくなっているように感じました。
中高音域に関してはどちらもあまり変わりはないみたいです。
ちなみに24bit / 96Hzのハイレゾ音源をサイトからダウンロード出来るコードが書かれたカードが入っていますが、まだダウンロードはしていません。したところで聴ける機材がないのが残念ですなあ〜。
あと特筆すべきはDVDに収録されている「ONE HAND CLAPPING」の映像です。
この映像が作られたのは「BAND ON THE RUN」発売から約2年後の'75年ですが、テレビ用に収録されながら現在まで未公開の幻の映像としてファンの間では昔から注目されていた映像。今回ついに公式に日の目を見たのはめでたい限りです。いやあ、よかった。なかなかロックな当時のウィングスの熱い演奏が観れますねえ。
ドラマーが短い期間ウィングスに在籍していたジェフ・ブリットンで、リード・ギターは加入して間もない頃のジミー・マッカロック。
「ONE HAND CLAPPING」から、'76年の全米のライヴでも演奏されお馴染みになった「Soily」の映像。
それにしてもこの「BAND ON THE RUN」、レコーディング直前にメンバーがふたりもいっぺんに脱退したり、当時軍事政権下で治安の悪かったナイジェリアのラゴスまでわざわざレコーディングに出かけて強盗に遭い命の危険に晒されたり、「白人がまたオレたちの音楽を盗みに来たのか?!」と、地元のミュージシャン・フェラ・クティにケンカを売られたりと散々だったようですが、そういった最悪の状況下でレコーディングされたのがウソのような傑作に仕上がっていると思います。
レコーディングは残ったポール、デニー、リンダのたった3人だけで行なわれましたが、とてもそうとは思えない充実した素晴らしい内容で、逆境による緊張感がもたらした好結果なのかも知れません。ウィングス名義のアルバムの中ではやっぱりこれが最高傑作でしょう。
バンド・オン・ザ・ラン スーパー・デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/11/03
- メディア: CD
バンド・オン・ザ・ラン デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/11/17
- メディア: CD
2CD+1DVDのデラックス・エディション(日本盤)を買いました。
今後のリリースが楽しみであるような、心配であるような・・・。
ポールって、バンドという形態で本領を発揮するというか、決してシンガー・ソングライターではなくロッカーだなあと思います。
by はじめたろう (2010-11-22 21:18)
はじめたろうさん、お久しぶりです。
おー、はじめたろうさんは3枚組の方ですか。
ワタシも3枚組でもよかったのですが、大好きなポールなので奮発しました(笑)。
おっしゃるとおり、ポールはバンド形態でやるとこの上なくロックなのですが、ソロ活動になるとメロディ重視でポップになりますね。
両方を兼ね備えているところがこの人のすごいところだと思います。
by MASA (2010-11-22 22:33)
なんか・・・
5~6記事まとめて拝見したら、すごい振れ幅で笑ってしまいましたw
でも、音楽ってなんでもありっていうか・・・
洋楽ばっか聴いて邦楽バカにする人とか、
ロックロック言ってる人とか、
レイドバックしすぎで、最近のは・・とか敬遠するのとか、
それってつまんないですよね。
雑食ばんざーい!(笑)
・・・って、ぜんぜん記事と関係なくてごめんなさい。
最近忙しくて疲れます。
by bluebird (2010-11-22 22:51)
私、変なシングル1枚持ってるんですよ。「Band On The Run/Zoo Gang」なんですけどね。レーベルはパープル・キャピトルなんです。ジャケットはありません。ブートじゃないと思うんですけどね。また調べてみます。
by petbottler (2010-11-22 23:11)
bluebird姐さん、まいどです。
いやあ、AKBに少女時代、Perfumeと来ていきなりポールだから、まあ確かに振り幅はありますね。
我ながら「こいつどんな趣味やねん」と思いますもん(笑)。
ロックならロックだけに執着するのもけっこうですが、逆にロックを知ろうとするなら、外からロックを見た方が中からじゃ見えなかったものがいろいろ見える場合があるし、ジャンルに拘らずにいろんなものを聴いてる方が幅が広がるし面白いです。
ノンジャンルで聴いていると音楽の深みというか、そういったものも分かって来ますね。
by MASA (2010-11-22 23:32)
petさん、どーもです。
ええっ?パープル・キャピトルの「Band On The Run / Zoo Gang」ですか?
てことはUS盤でしかも再発でしょうか?
う〜ん、そんなものがあったとはワタシも初めて知りました。
今となってはけっこうレアかも知れませんね。
by MASA (2010-11-22 23:37)
MASAさんこんばんは・・・
私は今回のバンド・オン・ザ・ラン結構気に入っています。私もスーパーデラエディを買いましたがビートルズ関連はアナログ盤も買うようにしていますので一緒に買いました。今回のアナログ盤かなり出来がいいですよ~
ジャケットもCDと同デザインとなり少しジャケット写真のトリミングは変わりましたがこれはこれでいい感じです。音もCDよりマイルドで聴きやすくしかも太い音が出ています。ブログでアップしましたので宜しければどうぞ!!(あんまり詳しくないですけど・・・)
by tetsupc2 (2010-11-23 00:53)
いやぁ、たっぷりなブツと検証、ナイスです♪
自分はようやく、再到着して楽しんでおります…が、DVDは明日にでも鑑賞と行きたいっす。
しかし、2CD+DVDでいいや、って思うも、たっぷりのブックレット、いや写真集?には心引かれますね、うふ♪
by へどろん (2010-11-23 01:02)
おお、素晴らしいコレクションですね。
今回は3枚組のを買いました。1万近くだと先立つものが・・でも豪華写真集は心惹かれました。
ポールは追い込まれないと底力を発揮しない人ではないでしょうか。これしかり、タッグオブウォーしかり。他のアーカイヴも楽しみですね。
by pinkisland (2010-11-23 07:10)
おはようございます。
ここまで揃うと壮観です!
特に写真集には心惹かれます。
しかし、こういった再発
何度あってもワクワクしてしまいますね
まずはオール・シングスがんばります!!
by paddies (2010-11-23 07:19)
tetsuさん、どーもです。
おー、アナログまで買いましたかー。
ワタシも欲しかったんですが、予算の関係で断念しました〜^^;
のちほどブログを覗きに伺います。
by MASA (2010-11-23 23:27)
へどろんさん、どーもです。
いやあ、この書籍のようなジャケ、大変中身が充実してます。
これだけでひとつの資料として成立するくらい立派ですねえ。
値段が高かったけど、これならまあ納得ですね^^。
by MASA (2010-11-23 23:29)
pinkさん、どーもです。
豪華写真集というか、中身は資料満載の書籍ですね^^。
追い込まれないと真価を発揮しない、というのはある意味当ってるかも知れませんね。
おしゃるとおり「BAND ON THE RUN」にしろ「TUG OF WAR」の時にしろ、ある程度の緊張感が加わるとものすごくパワーを発揮する場合があるみたいですね。
まあ元々が天才ですからね、この人は^^。
by MASA (2010-11-23 23:35)
Paddiesさん、どーもです。
いやあ、初めて買ったのが'73年の暮れで、それから今日までの間に気が付けばこんなに、って感じですねえ。
「ALL THINGS MUST PASS」の40周年記念盤、ワタシは事情により断念しましたが、paddiesさんのブログの記事、楽しみにしてますよ!
by MASA (2010-11-23 23:40)