Ringo Starr「BEAUCOUPS OF BLUES」

paddiesさんがご自分のブログでリンゴのアルバムを取り上げておられるのに便乗して、どうもコアなビートルズ・ファンにしか聴かれていないようであるリンゴのアルバム啓蒙のために（笑）、今回は私もリンゴのアルバムを1枚取り上げます。



ほとんどがUS盤ばっかりの中、私が唯一UKオリジナル盤で持っているリンゴのアルバムがこの'70年9月発売の2nd.アルバム「BEAUCOUPS OF BLUES」。

同じ年の3月に出したファースト・ソロの「SENTIMANTAL JOURNEY」はスタンダード・ナンバー中心のカヴァー・アルバムでしたが、タイトルがフランス語と英語がチャンポンのこのアルバム「BEAUCOUPS OF BLUES」はリンゴがカントリーの本場、ナッシュヴィルまで出向いて録音したカントリー・アルバム。リンゴはヴォーカルのみに専念し、ドラムは叩いていません。

レコーディング・メンバーはスティール・ギターにこのアルバムのプロデューサーでもあるピート・ドレイク、エルヴィス・プレスリーのバック・バンドとして有名なジョーダネアーズなどナッシュヴィルの大御所ミュージシャンを起用した本格的な内容ですが、正直言ってカントリーが今イチ不得意な私にはあまりピンと来ないアルバムです＾＾；私が持っているリンゴの唯一のUK盤だという理由だけで取り上げてみました（笑）。

このアルバムをカントリー好きの人が聴くとどう聴こえるのかは分かりませんが、私が聴く限りではコレ！という特徴がなく、リンゴの声質がカントリーにそう合っているとも思えず、カントリーを歌うことに必然性があまり感じられないです。大体このアルバム制作の動機もこの前作同様、単なる本人の趣味だったようです。
ただ一流ミュージシャンを起用して出来は決して悪くないだけに、全体的にもう少しキャッチーさがあれば名盤になれたような気がします。そういう意味で残念ながら今一歩の感じが否めないアルバムですねえ。

ポールの「McCARTNEY」、「RAM」、ジョージの「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」などのUK盤と同じく、このアルバムも開くとパリパリと音がするGarrod & Lofthouse社製の全面ラミネイト・コーティングの見開きジャケです。



中古ではなく'78年頃に新品で買ったものですが、レーベルがダーク・グリーン・アップルなので、それよりももっと以前にプレスされたもののデッド・ストックだった可能性があります。
"PAS-10002 A-1U"（A面）、"PAS 1002 B-1U"（B面）という刻印が取り消し線で消され、その上に"YEX 799-1U"（A面）、 "YEX 800-1U"（B面）と彫ってあります。



ついでに、シングル・カットされた「Beaucoups Of Blues」もご紹介。
このシングルはアメリカや日本、ヨーロッパの一部でしか発売されておらず、そのためアルバム未収録曲であるB面の「Coochy-Coochy」は、'95年にこのアルバムがCD化された際そこにボーナス・トラックとして収録されるまでUK本国では何と未発表でした。



リンゴのアルバム啓蒙のための記事なのに、あんまり褒めてなかったなぁ（笑）。
でも機会があれば是非一度は聴いて下さい＾＾。

カントリー・アルバム(紙ジャケット仕様)

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
• 発売日: 2008/06/18
• メディア: CD

Beaucoups of Blues

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Emi Japan
• 発売日: 1995/08/01
• メディア: CD

タグ：Ringo Starr リンゴ・スター

コメント 10

コーティングジャケ、綺麗ですね。
近くの中古屋さんでこのUK盤見つけましたが、高かったです。
by はじめたろう (2010-02-11 01:40) 

おはようございます。
密かに考えている次のミッションがあるんです。
リンゴ・コンプリート（笑）
この最初の2枚と4th・バッドボーイが抜けていて・・・
しかし、これはジャケット見ているだけでワクワクしていまいます！
あのUKパリパリ・ジャケットなんですね。
聴いてみたいです！
by paddies (2010-02-11 05:55) 

MASAさん！UK盤で持っているんだぁ。
このアルバムを初めて聴いたのは発売から随分経ってからです。
このアルバムも「センチメンタル・ジャーニー」もやっぱ地味ですもんね。
時代から考えたら、カリフォルニアでカントリーロックってのがヒップな時代に、敢えて、ナッシュヴィルでカントリーってことを考えると、単なる趣味趣味ミュージックだったんでしょうね。
いくら元ビートルズのリンゴでも、こんなに売れないアルバム立て続けにだされちゃかなわん・・・の答えが「リンゴ」だったのではないでしょうか？

＞UKパリパリ・ジャケット

「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」なんて・・・
開くのが怖いくらいです。（あんまり開きませんけど）

by PETTY (2010-02-11 11:23) 

ＭＡＳＡさん、こんにちは。

私がソロ作品を聴くようになったのは高校生の時で何を聴いても楽しかった（？）１０代の時だったという事もあるかもしれませんが、リンゴの初期２作品やジョージの「不思議の壁」なんかもかなり聴き込んでいたこともあって、個人的にはどれも愛着があって好きですねえ。

たしかにビートルズ・ファンの間でもそれほど人気のないアルバムというのは間違いないと思いますが、ジョンやポールのロックンロール・アルバムに対してリンゴだからこそ出せた「スタンダード作品集」と「カントリー作品集」としてこれからも楽しんで聴いていきたいアルバムです。


by てらだ (2010-02-11 12:31) 

はじめたろうさん、こんにちは〜。
リンゴの初期2枚のUK盤は今は高いですよね。
私も「SENTIMENTAL JOURNEY」のUK盤が欲しいのですが、高いし入手の機会も少ないのでなかなか手に入りません＾＾；

by MASA (2010-02-11 14:43) 

paddiesさん、勝手に便乗してすいません＾＾；
リンゴのコンプリートですかー。私もオールスターズのライヴ盤がポロポロ抜けているので、コンプリートでは持ってませんねえ。
初期の2枚はUK盤で入手するならちょっと高いので大変ですけど、是非入手して下さい。
「RINGO THE 4TH」はけっこう好きなアルバムですし、なかなかいいですね。


by MASA (2010-02-11 14:50) 

PETTYさん、まいどです。
これが唯一UK盤で持っているリンゴのアルバムです。もっと欲しいです（笑）。
そう、もうちょっとリンゴにセンスがあってもっとロック寄りの内容だったら、今頃はカントリー・ロックの初期の名盤になったかも知れませんね。
そう考えると惜しいアルバムです。

>いくら元ビートルズのリンゴでも、こんなに売れないアルバム立て続けにだされちゃかなわん・・・の答えが「リンゴ」だったのではないでしょうか？

おっしゃるとおりで、初期の2枚は自分の趣味を優先しすぎてセールス的に失敗したことで、なかったことにして欲しい、という感じでしたもんねー（笑）。
それで3枚目の「RINGO」が本格的なソロ・アルバム第1弾という認識になってましたからね、昔は。

ラミ・コーティングは開くうちに真ん中がボロボロになってはげ落ちて来そうなので確かにコワイです（笑）。
by MASA (2010-02-11 15:06) 

てらださん、お久しぶりです。
てらださんはいい時期にこのアルバムを聴いていたんですね。
私は20代半ばにさしかかった頃に聴いたのが悪かったようです（笑）。
「SENTIMENTAL JOURNEY」はけっこう好きなんですが、これは今イチで＾＾；
ジョージも「不思議の壁」は好きですが「ELECTRONIC SOUND」はダメですね（笑）。
by MASA (2010-02-11 15:13) 

MASAさん( ｡･-･)ﾉ(* ･｡･)ﾉこんばんわぁ♪
リンゴのソロって地味なので私もジョン→ジョージ→ポール→リンゴの順に集めてきましたがリンゴのソロの良さが分かるようになったのは比較的最近かなぁ・・・ある意味年齢を重ねたころにならないとカントリー等は分からなかったですね～何せ私は若い頃（今でも充分若いと思っていますが(-Д-＼)=３）ZEPP命だったのでカントリーは腑抜けた感じで馴染めませんでしたが最近は初期2枚このテンポが良いですよね～
「RINGO THE 4TH」は言うまでも無く名盤ですのでこれは学生の頃でも聴けたと思うのですが・・・でも聴きませんでした(^_^;
私の以前のブログ記事でリンゴの記事がありましたのでトラバしときま～す♪


by tetsupc2 (2010-02-11 21:00) 

tetsuさん、どーもです。
tetsuさんはUK盤でたくさん持っているので羨ましいです。
このアルバムは悪くはないけどちょっと地味すぎる感じがしますよね。
PETTYさんのレスにも書きましたけど、もっとカントリー・ロックだったら売れたかも、と思います＾＾。

by MASA (2010-02-11 22:07)