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誰も知らない?1970年の洋楽ヒット・シングル [Rock / Pops]

先週の記事で1970年11月にヒットしていたシングルを取り上げましたが、この年のシングルがもうちょっとあるので、残りをご紹介したいと思います。
ただし、今ではあまり知られていない1〜2発で消えたB級アーティストのものばかりで、知っているのは私と同じアラフィフ世代の人だけでしょう(笑)。
ご存じない方は「昔はこういうのがヒットしてたのね〜」というスタンスでご覧下さい^^;

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まずは全員10代だった60年代初期から活躍していた兄弟グループ、オズモンド・ブラザース「ミュージック天国( Make The Music Flow)」

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オズモンド・ブラザースと言えば、全米No.1ヒットとなったこの次のシングル「One Bad Apple」が有名ですが、この曲はマイケル・ジャクソンを思わせるダニー・オズモンドの歌声とソウルフルな曲調がジャクソン・ファイヴに瓜二つで、明らかに二番煎じ狙いの曲した。

この「ミュージック天国」は日本でも全米でもそんなにヒットしませんでしたが私は大好きだった曲で、白人版ジャクソン・ファイヴ路線へ行く前にリリースしたロックな1曲。

オズモンド・ブラザースは日本には何回も来日し、当時カルピスのCMに出演したりしてなかなか人気がありました。のちにオズモンズに改名しています。
オズモンズ全体としてはヒット曲は少ないですが、メンバーのうちダニーがソロ活動で「Go Away Little Girl」などのヒットを飛ばしたり、長女のマリーと組みダニー&マリー・オズモンドとして70年代中盤には全米ヒットを放っています。
そう言えば、名前は忘れましたが長男の息子が「アメリカン・アイドル シーズン8」の予選に出てましたっけね。落ちましたけど(笑)。


続いてはイギリスのグループ、オリジナル・キャスト(The Original Caste)「ミスター・マンディ(Mr. Monday)」

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この曲は日本では当時まあラジオでかからない日がないくらいよくかかっていた大ヒット曲。全英でも大ヒットを記録しているようです。
この前年にヒットした「天使の兵隊」に次ぐ2枚目のシングルがこれでしたが、当時日本での人気も高く、来日してコンサートを行なったりNHKの音楽番組に出演したのを憶えています。
その後も何枚かシングルをリリースしますが結局どれも大ヒットには至らず、そのうちに解散したようです。




当時のイギリスの音楽シーンには現在ほとんど語られることもない一発屋が実に多かったのですが、次もそんな一発屋のエジソン・ライトハウス(Edison Lighthouse)が放った大ヒット曲「恋のほのお(Love Grows )」

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この曲は当時日本はもちろん全英でもNo.1ヒットになっている名曲。ただしこのバンドは実態がよく分からないバンドで、リード・ヴォーカルのトニー・バロウズはこのグループの他、ホワイト・プランズというグループや'74年の「ビーチ・ベイビー」のヒットでご存知の方も多いファースト・クラスなどいったグループのセッション・ヴォーカリストとして渡り歩いて来た人。




次もイギリスの3人組バンド、クリスティー(Christie)「イエロー・リバー(Yellow River)」

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この曲もラジオで聴かない日はなかったほどの日本・全英での大ヒット曲。当時は珍しい3ピース・バンドですが、このバンドも大ヒットとなったヒット曲はこれくらいしかなく、そのうちに消えて行きました。




続いてはアメリカのB級ソフト・ロック・グループ、カフ・リンクス(The Cuff Links)「ラン・サリー・ラン(Run Sally Run)」

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このグループはこの前のシングル「トレイシー(Tracy)」が最も有名ですが、その次に出たシングルがこの曲。

7人編成の大所帯グループですが、リード・ヴォーカルのロン・ダンテトニー・バロウズと同じくセッション・ヴォーカリストとしていろんなバンドやプロジェクトに参加したことで有名。

※ 追記;11/19
その後詳しく調べたところ、この曲に関してはロン・ダンテはコーラス程度の参加で、リード・ヴォーカルは何と当時無名のルパート・ホルムズだそうです。知らなかった〜!

ロン・ダンテのこれ以外の代表作に、実体のないTVアニメのバンド、ジ・アーチーズ(The Archies)の'69年のヒット曲「シュガー・シュガー(Sugar Sugar)」などがあります。

「ラン・サリー・ラン」の映像がないので、代わりにレアなロン・ダンテ本人のパフォーマンスによる「シュガー・シュガー」を。



これはなぜか'87年頃に出た「シュガー・シュガー」の12インチ・リミックス盤。

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最後はこれもアメリカのB級ポップ・シンガー、ルー・クリスティ(Lou Christie)「魔法(She Sold Me Magic)」

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アメリカ本国ではまずまずのヒットでしたが、日本ではものすごくヒットしました。60年代中期から地味に活動していた人のようで、日本ではこれ1曲しかヒットした曲はないと思います。
B面がどこかのライヴ・ヴァージョンによるミラクルズ「Mickey's Monkey」のカヴァーなのですが、こっちも悪くないです。

こんなレアな映像がありました。やっぱりスゲエなあ、You Tube。




この時代、ニューロックだ、サイケだ、ウッドストックだと盛り上がっていた一方で、このような有象無象のB級アーティストの活躍もたくさんあったのでした。上に挙げたアーティストたちはほとんどがシングル数枚だけで終わり、ろくにアルバムも残していない、あるいは残していてもほとんど評価されていない人たちばかり。

これはさながら80年代のニュー・ウェーヴ後の音楽シーンにもよく似ていますが、80年代のアーティストは多くの場合複数のヒット曲やアルバムを残し、そこそこ評価されている人たちが多いのが70年代のB級アーティストとの大きな違いでしょうか。

当時の日本の洋楽シングル・チャートを賑わせていたのはジミヘンでもクリームでもドアーズでもジャニス・ジョプリンでもありませんでした。
もちろんこのような有名アーティストたちにもシングル・ヒットはありましたが大ヒットは少なく、ほとんどは当時からアルバム中心でマニアックに評価されていました。
チャート上位にランクするようなシングル・ヒットはほとんどが今まで紹介したようなB級アーティストたちが中心だったのです。

まあかたちはどうあれ、一時代にヒットを放ち我々音楽ファンを楽しませてくれたのは事実。そんな一発屋B級アーティストたちに栄光あれ!

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poposuke

MASAさん おはようございます

さすがにいろいろなシングルをお持ちですね~♪
やはり、これらは発売された当時に買われたものなのでしょうか?

こうして見ると、(今でもそうですが)日本独自のヒット曲が結構多かったことが分かりますね!
このような記事は勉強になります♪

by poposuke (2009-11-19 08:31) 

ノーバッド

ぉお!!!!
ほとんど知ってますよ (^o^)v
ってか、
ほとんどシングル盤持ってますしmp3プレイヤーに入ってます。

by ノーバッド (2009-11-19 12:57) 

MASA

poposukeさん、どーもです。
そうですね、1、2枚を除けば、当時リアルタイムで買って聴いてたものです。
B級バンドがお好きな(笑)poposukeさんも、この時代はあまりご存じないでしょうし、音楽史的にもミッシング・リンクみたいなところがありますね。
確かに本国以上に日本でヒットした曲はたくさんありました。

何しろまともにアルバムを残していないか、あるいは残していても現在CD化もされないシングルだけのアーティストばっかりなので、それがなかなか評価されにくい原因のかも知れません。
by MASA (2009-11-19 18:44) 

MASA

ノーバッドさん、こんばんはー。
おー、ほとんどシングル盤お持ちですか。
てことは私とほぼ同年代でしょうか(笑)。
今でもお聴きとは恐れ入ります^^。
今の若い世代の人たちにも機会があればこういう昔のあまり知られていない洋楽ヒットを聴いて欲しいですね。
by MASA (2009-11-19 18:48) 

黒ちゃん

こんばんは^^

さすがにこの時期の曲は家になかったので、ほとんど知りません。
YELLOW RIVERだけは何度か耳にしてますね。
社用車でたまに聴くFENだと思いますが。

洋楽を意識して聴くようになったのが'75年くらいからなんです。

今回取り上げた曲を全部知っていたらMASAさんびっくりしてしまうでしょう。
当時6歳ですから(笑)
by 黒ちゃん (2009-11-19 20:02) 

MASA

黒ちゃんさん、どーもです。
黒ちゃんさんとはやはり世代がちょっと違うし、6才じゃ知りませんよね(笑)。
「イエロー・リバー」や「トレイシー」は今でもたまに耳にしますね。
この時代のB級ヒット曲が全く無視されていないのはうれしいです^^。
by MASA (2009-11-19 22:48) 

parlophone

こんばんはー。
「恋のほのお」と「イエロー・リヴァー」はiPodに入っていていまでもよく聴きますねー。
あと「シュガー・シュガー」も。
「魔法」も大好きだったんですが、ルー・クリスティってB級ポップ・シンガーだったんですかー。
もっと有名な人かと思ってました。
でもやっぱりシングル盤っていいですね。
なんか青春がよみがえります^^;
by parlophone (2009-11-21 23:46) 

MASA

遼さん、こんばんはー。
遼さんならこの辺の曲はよくご存知だと思います。
今聴いても懐かしさと同時にある意味新鮮さすら感じます^^。

ルー・クリスティは日本はもとよりアメリカでも少なくとも記録的なヒット曲は残してないようですね。
歌手として人気があった期間もそんなに長くないみたいです。
そういう意味ではB級と言って差し支えないでしょう(笑)。
by MASA (2009-11-22 00:27) 

えねま

 突然おじゃまします。

 ルー・クリスティーは1963年から1969年にかけて全米1位となった『Lightnin' Strikes』を含む3曲のTop10ヒットを放っていますので、本国アメリカではそれなりに人気シンガーだったのではないでしょうか。
 もっとも、日本で大ヒットしたのは『魔法』だけですけれどね(^^;)

by えねま (2010-04-04 02:42) 

MASA

えねまさん、初めまして。
こんな夜中にご訪問ありがとうございます^^。

ルー・クリスティ、けっこう全米ではスターだったんですね。
この記事を書くに当ってそれなりに調べてはみたんですが、その時は詳しい情報がほとんど得られませんでした。
なので、てっきり向こうでも大した人気はないものと勝手に思ってしまいました^^;
古い記事にコメントいただき、詳しい情報ありがとうございます。
by MASA (2010-04-04 03:10) 

JOHN BEATLE LENNON

はじめまして~
オズモンド・ブラザーズの「ミュージック天国 Make The Music Flow」のジャケット写真を何気なく検索していましたら、こちらのブログに・・・

この曲、僕が初めて買った思い出の洋楽のレコードなんですわ!
全てはこの曲から始まった・・・ということですね(笑)

この曲は、「雨に消えた初恋」でお馴染みのカウシルズの1968年に出したアルバム『Captain Sad & His Ship Of Fools 』にも入ってることを最近発見したんですが、年代的にカウシルズがオリジナルなんでしょうね!

また寄らさせていただきます
by JOHN BEATLE LENNON (2010-06-11 23:03) 

MASA

JOHN BEATLE LENNONさん、初めまして〜。
ご訪問ありがとうございます。
お名前から判断して、ビートルズ・ファンのようですね。
私もビートルズはマニアックにファンですよ(笑)。以後よろしくです。

オズモンズのこの曲をご存知ということは私とほぼ同世代ですね^^。
この曲は日本ではそんなにヒットはしませんでしたけど、私も大好きでした。

そうですか、カウシルズがオリジナルらしいということですか。
それは私も知りませんでした。情報ありがとうございます。

とっ散らかった内容のブログですが、よろしければたまに覗きにいらして下さい^^。
by MASA (2010-06-11 23:22) 

おりーぶ

MASAさん、はじめまして。

2009/11/19、5年も前の記事へのコメントでごめんなさい。
もうすっかり忘れていることかと思います。

洋楽に詳しいかたに、一部のアーティストしか知らない、ど素人のコメントですが。

長~い空白の後、今年Osmondsファン復活しまして、いろいろ調べて検索していたところ、こちらのブログを見つけました。

彼らは、(おそらく)ビートルズの影響を受け、アンディ・ウィリアムスショーのレギュラーを降りて、ロックをやりたいと活動していたようです。
MGMレコードのマイク・カーブの戦略でしょうか。プロデュースを頼んだのが、フェイムスタジオの創設者リック・ホールです。人種に関係なく、多くのR&Bの名曲を生み出したスタジオのようです。そこで自身の曲もレコーディングしていた、ジョージ・ジャクソンの曲「One Bad Apple」、ソウルフルになりますね。

>今ではあまり知られていない1〜2発で消えたB級アーティストのものばかりで~

調べていると、米国で’71年、年間のゴールドレコード9個を記録し、これまでのビートルズの記録を超えたようです。OsmondsとソロとしてのDonnyを合わせてですけどね。
B級アーティスト、ビートルズ超え?

ポール・マッカートニーの娘(妻の元夫の子)がDonnyのファンで、Osmondsが宿泊していたホテルにポール・マッカートニーと一緒に訪ねて来たようです。
他のブログで見つけた記事には、Donnyが歌っているTVを見て「パパ!Donnyは私に恋しているのよ!」と興奮ぎみに言ったとか。
by おりーぶ (2014-11-19 23:47) 

おりーぶ

昨年11月のコメントに、勘違い、間違い情報を書いてしまいました。
>ポール・マッカートニーの娘(妻の元夫の子)が
と書きましたが娘さん違いで、メアリーさんのことでした。
Donny Osmondが今年リリースしたアルバムで「THE LONG AND WINDING ROAD」をカバーし、そのエピソードとして話しをていました。
大変申し訳ありませんでした。
by おりーぶ (2015-06-23 22:25) 

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