キンクスのアナログ盤/オリジナル・アルバム編 [The Kinks]
前々回の記事でキンクスを取り上げたのをきっかけに、なぜかこのところずっとキンクスのアルバムをいろいろと聴いてます。
以前書いたとおり、私はキンクスのアルバムは91年頃にCDで集めたので、アナログ盤ではあんまり持っていませんが、今回は私が所有しているその数少ないアナログ盤をご紹介したいと思います。
オリジナル・アルバムと編集盤がありますが、そのうち今回はオリジナル・アルバムを取り上げてみたいと思います。
上の写真のとおり、オリジナル・アルバムのアナログ盤は現在この3枚しかありません^^;以前はもう数枚ありましたが、状態が悪かったので処分してしまいました。
ちなみにキンクスのPYE時代のUKオリジナル盤はとにかく高くて容易には入手出来ません。なぜこんなに高いのかというと、当時ほとんど売れなかったから(笑)。
シングル曲こそチャートのNO.1をはじめベスト10ヒットも数々あるのに、とにかくアルバムが売れなかった。
UKでは「THE KINKS」「KINDA KINKS」「THE KINK KONTOROVERSY」の初期の3枚はNME誌のアルバム・チャートに登場し、しかもそれぞれ2位/2位/10位と好成績を収めたのに、ところがそれ以降のアルバムは解散状態の現在に至るまでただの1枚もチャート・インすらしていないという信じ難い記録が残っています(一部の音楽雑誌ではチャート・インしています)。
USではそこそこ売れたアルバムもけっこうあるのに、UKでは何でこんなにアルバムが売れなかったんだろうか?そんなわけで、売れてないので絶対的な流通量が極端に少ないために現在UK盤はレア盤のようになってしまっています。
私が現在持っている中でいちばん古いものがUKではサード・アルバム、USでは5枚目のアルバムとして発売された「THE KINK KONTROVERSY」で、US REPRISEのオリジナル盤(mono盤)です。
曲目は同じですが、ご覧のとおりUKオリジナルとはジャケ違い。UK盤もあまり感心出来ないつまんないデザインですが、こっちも今イチかなあ(笑)。
でもこれは数あるキンクスのアルバムの中でも傑作の1枚でしょう。ビートルズの「RUBBER SOUL」とほぼ同じ時期の'65年11月に出ていますが、ビートルズに比べると音質やレコーディング技術は3年くらい遅れた感じながら、音楽性では一歩も引けを取っていないほどの素晴らしさ。
レーベルは初期の3色Reprise。
この年キンクスは全米ツアーの時に行く先々で問題を起こし、全米音楽家連盟から以後4年間のアメリカでの公演禁止処分を食らってしまいます。そんなことが歌詞に反映されたと思しき曲もありますが、1曲目の「Milk Cow Blues」を除いてこのアルバムからほぼ全曲レイ・デイヴィスのオリジナル曲だけになります。
全英8位の大ヒットとなった「Till The End Of The Day」をはじめ、キンクスとしては珍しいビーチ・ボーイズ風の曲調の「When I See That Girl Of Mine」、ストーンズの「Lady Jane」みたいな「Ring The Bells」、ポップな「I'm On An Island」など、出来のいい曲が揃っているアルバムです。
続いてはキンクスのアルバムの中でも名盤中の名盤のコンセプト・アルバム「VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY」。
これは'97年にUK CASTLEから出た5,000枚のみの限定プレス盤で、シリアル・ナンバーが振ってあります。私のは590番。
ご覧のようにオビが付いていて、ゲイトフォールド・ジャケの内側からレコを取り出す方式。
オマケとして、いい曲なのにまったくヒットしなかった'64年のセカンド・シングル「You Still Want Me / You Do Something To Me」の復刻版が付いています。
このアルバムはビートルズの「WHITE ALBUM」と全く同じ'68年11月22日発売で、あっちに比べるとあまりに録音技術が貧相なことに唖然としてしまいますが(ていうか、ビートルズって同時代のいろんなアーティストと比べても絶対的に音質良すぎ)、しかし内容の方はさすがに素晴らしい。英国の片田舎のヴィレッジ・グリーンを舞台に繰り広げられる一大フォーク・ロック叙情詩、といったところでしょうか。
イギリスの詩人、ディラン・トーマスの「ミルクの森で」という詩集にインスパイアされレイ・デイヴィスが書き上げた全曲捨て曲なしの展開で非の打ち所がないです。
このアルバムは全15曲のstereoヴァージョンで、当初の予定だった曲順と選曲による12曲の幻のヴァージョンは'99年に出ているリマスター盤CDにボーナス・トラックとして同じくstereoで収録されていますが、あれでは聴けないstereoミックスの曲がもう3曲聴けるのがこのアルバムのいいところ^^。
ちなみに発売当時からしばらくの間はヨーロッパの一部を除いてこのアルバムはmono盤しか発売されていませんでした。
その12曲ヴァージョンに収録予定だった曲でシングル・ヒットもした「Days」。
こちらは3枚組のDXエディション。私はまだ買ってません。
次は一気に時代は80年代に変わりますが、'83年発売のARISTAレーベルからのアルバム「STATE OF CONFUSION」
私のはドイツ盤ですが、このアルバムはUKでは相変わらず全くチャート・インしなかったものの、これまでもわりと人気を保っていたアメリカでは12位まで登る大ヒットとなって、キンクスにとって久々にワールドワイドに人気を高めたアルバムとなりました。
ドイツ盤ARISTAのレーベル。
ヒット作だけあって、全体的に躍動感のあるソリッドなロックやポップ・ロックが満載の聴きやすいアルバムです。日本ではもっとも売れたアルバムとなっているので、このアルバムで初めてキンクスを知ったファンも多いかも。
このアルバムから2曲。両方とも監督はあのジュリアン・テンプル。
ちなみに、'81年に出たこのアルバムの前作「GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT」もこのアルバムと似た傾向のアルバムでなかなかいいのでオススメです。
アメリカでは15位のヒットを記録しています。
その中から、こちらもジュリアン・テンプルが監督した「Predictable」のPV。何となく曲がストーンズっぽく、当時のニュー・ウェーヴも意識したサウンドがいいっす^^。
以上。次回はキンクスのアナログ盤のうち、編集盤を取り上げたいと思います。
以前書いたとおり、私はキンクスのアルバムは91年頃にCDで集めたので、アナログ盤ではあんまり持っていませんが、今回は私が所有しているその数少ないアナログ盤をご紹介したいと思います。
オリジナル・アルバムと編集盤がありますが、そのうち今回はオリジナル・アルバムを取り上げてみたいと思います。
上の写真のとおり、オリジナル・アルバムのアナログ盤は現在この3枚しかありません^^;以前はもう数枚ありましたが、状態が悪かったので処分してしまいました。
ちなみにキンクスのPYE時代のUKオリジナル盤はとにかく高くて容易には入手出来ません。なぜこんなに高いのかというと、当時ほとんど売れなかったから(笑)。
シングル曲こそチャートのNO.1をはじめベスト10ヒットも数々あるのに、とにかくアルバムが売れなかった。
UKでは「THE KINKS」「KINDA KINKS」「THE KINK KONTOROVERSY」の初期の3枚はNME誌のアルバム・チャートに登場し、しかもそれぞれ2位/2位/10位と好成績を収めたのに、ところがそれ以降のアルバムは解散状態の現在に至るまでただの1枚もチャート・インすらしていないという信じ難い記録が残っています(一部の音楽雑誌ではチャート・インしています)。
USではそこそこ売れたアルバムもけっこうあるのに、UKでは何でこんなにアルバムが売れなかったんだろうか?そんなわけで、売れてないので絶対的な流通量が極端に少ないために現在UK盤はレア盤のようになってしまっています。
私が現在持っている中でいちばん古いものがUKではサード・アルバム、USでは5枚目のアルバムとして発売された「THE KINK KONTROVERSY」で、US REPRISEのオリジナル盤(mono盤)です。
曲目は同じですが、ご覧のとおりUKオリジナルとはジャケ違い。UK盤もあまり感心出来ないつまんないデザインですが、こっちも今イチかなあ(笑)。
でもこれは数あるキンクスのアルバムの中でも傑作の1枚でしょう。ビートルズの「RUBBER SOUL」とほぼ同じ時期の'65年11月に出ていますが、ビートルズに比べると音質やレコーディング技術は3年くらい遅れた感じながら、音楽性では一歩も引けを取っていないほどの素晴らしさ。
レーベルは初期の3色Reprise。
この年キンクスは全米ツアーの時に行く先々で問題を起こし、全米音楽家連盟から以後4年間のアメリカでの公演禁止処分を食らってしまいます。そんなことが歌詞に反映されたと思しき曲もありますが、1曲目の「Milk Cow Blues」を除いてこのアルバムからほぼ全曲レイ・デイヴィスのオリジナル曲だけになります。
全英8位の大ヒットとなった「Till The End Of The Day」をはじめ、キンクスとしては珍しいビーチ・ボーイズ風の曲調の「When I See That Girl Of Mine」、ストーンズの「Lady Jane」みたいな「Ring The Bells」、ポップな「I'm On An Island」など、出来のいい曲が揃っているアルバムです。
続いてはキンクスのアルバムの中でも名盤中の名盤のコンセプト・アルバム「VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY」。
これは'97年にUK CASTLEから出た5,000枚のみの限定プレス盤で、シリアル・ナンバーが振ってあります。私のは590番。
ご覧のようにオビが付いていて、ゲイトフォールド・ジャケの内側からレコを取り出す方式。
オマケとして、いい曲なのにまったくヒットしなかった'64年のセカンド・シングル「You Still Want Me / You Do Something To Me」の復刻版が付いています。
このアルバムはビートルズの「WHITE ALBUM」と全く同じ'68年11月22日発売で、あっちに比べるとあまりに録音技術が貧相なことに唖然としてしまいますが(ていうか、ビートルズって同時代のいろんなアーティストと比べても絶対的に音質良すぎ)、しかし内容の方はさすがに素晴らしい。英国の片田舎のヴィレッジ・グリーンを舞台に繰り広げられる一大フォーク・ロック叙情詩、といったところでしょうか。
イギリスの詩人、ディラン・トーマスの「ミルクの森で」という詩集にインスパイアされレイ・デイヴィスが書き上げた全曲捨て曲なしの展開で非の打ち所がないです。
このアルバムは全15曲のstereoヴァージョンで、当初の予定だった曲順と選曲による12曲の幻のヴァージョンは'99年に出ているリマスター盤CDにボーナス・トラックとして同じくstereoで収録されていますが、あれでは聴けないstereoミックスの曲がもう3曲聴けるのがこのアルバムのいいところ^^。
ちなみに発売当時からしばらくの間はヨーロッパの一部を除いてこのアルバムはmono盤しか発売されていませんでした。
その12曲ヴァージョンに収録予定だった曲でシングル・ヒットもした「Days」。
こちらは3枚組のDXエディション。私はまだ買ってません。
The Village Green Preservation Society
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Sanctuary
- 発売日: 2009/06/16
- メディア: CD
次は一気に時代は80年代に変わりますが、'83年発売のARISTAレーベルからのアルバム「STATE OF CONFUSION」
私のはドイツ盤ですが、このアルバムはUKでは相変わらず全くチャート・インしなかったものの、これまでもわりと人気を保っていたアメリカでは12位まで登る大ヒットとなって、キンクスにとって久々にワールドワイドに人気を高めたアルバムとなりました。
ドイツ盤ARISTAのレーベル。
ヒット作だけあって、全体的に躍動感のあるソリッドなロックやポップ・ロックが満載の聴きやすいアルバムです。日本ではもっとも売れたアルバムとなっているので、このアルバムで初めてキンクスを知ったファンも多いかも。
このアルバムから2曲。両方とも監督はあのジュリアン・テンプル。
ちなみに、'81年に出たこのアルバムの前作「GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT」もこのアルバムと似た傾向のアルバムでなかなかいいのでオススメです。
アメリカでは15位のヒットを記録しています。
その中から、こちらもジュリアン・テンプルが監督した「Predictable」のPV。何となく曲がストーンズっぽく、当時のニュー・ウェーヴも意識したサウンドがいいっす^^。
Give the People What They Want
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Velvel Records
- 発売日: 2004/08/24
- メディア: CD
以上。次回はキンクスのアナログ盤のうち、編集盤を取り上げたいと思います。
いやぁ、自分のはNo.0061でした、うふ♪
そして、State Of〜はリアルタイムで聴いた初キンクスなので、その中からの2大ヒットはなんとも愛おしい2曲。
でも、この前のボックスには「想い出のダンス」は未収録で…ふぅ
by へどろん (2009-10-29 23:18)
へどろんさん、ど−もです。
おー、0061ですか、若い番号ですね。
「STATE OF CONFUSION」でキンクスに入った人はやっぱり多いんでしょうね。
私も当時はちょっと買おうかと思いましたからねー。
あのボックス、買ってないんですよー、予算の関係で(泣)。
そのうちに買います^^。
by MASA (2009-10-30 00:13)
MASAさん こんばんは
『THE KINK KONTROVERSY』のUS盤は羨ましいですね~♪
これはジャケのダサさ加減が絶妙だと思います(笑)
私もいつかはUS盤を揃えたいです。
でも、UK盤ほどではないにしても、最近ではUS盤も(オリジナルのモノラル盤だと)結構いい値段がしますよね。
by poposuke (2009-10-31 23:22)
POPOSUKEさん、こんばんはー。
確かにアメリカ盤のジャケはダサカッコイイという表現が当てはまるかもしれませんね(笑)。
US盤は微妙な違いも含めてジャケ違いが何枚かあるので持ってて損はないですよね。
そうですか、最近はUS盤も高いですか。何でも高くなると困るなあ^^;
by MASA (2009-11-01 00:25)