The Beatles UK盤EP BOX [The Beatles]
09/09/09のリマスター盤発売に伴い、5/31いっぱいでビートルズのアルバムの現行CDが出荷停止=廃盤になったそうで、もう入手出来るのは各CDショップの店頭にある在庫分のみ、という話も伝わって来た今日この頃ですが、今回はUK盤のEP BOXを取り上げたいと思います。
基本的に4曲が収録されているEPは当時値段の高いLPをなかなか簡単には買えなかったティーンエイジャーなどにはありがたい存在だったし、2曲しかないシングル盤に比べればお得感もありました。
ビートルズのEPの場合はほとんどがシングル曲やアルバム収録曲から4曲をセレクトした内容ですが、既成曲の二次使用で儲かるEPはレコード会社としてはオイシかったに違いありません。
経年劣化によってちょっと上の方がヨレてたりしていますが、このBOXはビートルズが残した全13組14枚+ボーナスEP1枚の計15枚のEPをセットにして'81年12月にUKで限定発売されたもの。音源はボーナスEPを除いてすべてオリジナル・モノ・ヴァージョンです。
ほとんどがモノ盤のアルバムやシングルで聴けるものばかりなのでマニア向けのブツですが、その中で4曲全曲がアルバム未収録でしかもモノ・ヴァージョンである「LONG TALL SALLY」と、2枚組の「MAGICAL MYSTERY TOUR」だけは内容的に価値があると言えるでしょう。
このBOXはもちろん再発盤ということになりますが、'76年のUK再発シングル同様、このEPのほとんどのものにもラン・オフ部分に"KT"の刻印があり、音質はかなりいいです。
国内盤のEPだと33回転が通例ですが、UK盤のEPはシングル盤と同じ45回転。このことも音質的に有利に働いています。
オリジナル盤のEPはラミネート・コーティングされたジャケットですが、この再発盤には「MAGICAL MYSTERY TOUR」を除いてコーティングがないものが使われています。
しかし一部のBOXにはコーティング・ジャケを使っているものがあるそうなので、これはちょっと残念〜。
このEPではすべてジャケ裏の折り返し部分もオリジナルのような丸みのある裁断ではなく、角張ってカットされています。
このうち、ファーストEPである「THE BEATLES' HITS」はジャケ違いのオーストラリア盤のオリジナルも持っています。
右がオーストラリアEMI / Parlophone盤。
この2枚、ラン・オフ部分に刻印されているマトリクスは枝番まで同じで、"KT"の刻印がある位置まで全く同じ。どうやらこのオージー盤はUKから送られたマザーかスタンパーを使ってプレスされているようで(オージー盤はアルバムでもそういうのがある)、そのせいで音質はこの2枚よく似ています。
同時にこのUK再発盤は'63年当時と同じマザー/スタンパーが使われているということにもなります。
レーベルは下の写真のようになっており、UK盤が全部文字色がシルヴァーなのに対し、オージー盤は一部が白い文字になっています。
「MMT」はモノ盤のUKオリジナルも持っていますが、詳しい比較検証は私のメイン・サイト、ROLLING BEAT BOYSの「MMT」のページに載っているので、そちらを参照して下さい。
右がオリジナル・モノ盤、左がこのBOXのステレオ盤。
そしてこれがこのBOXの最大の目玉だったボーナスEP。
収録されている4曲すべてが当時はレアだったステレオ・ヴァージョンで収録されています。
「The Inner Light」のステレオ・ミックスはこのEPが初登場で、しかもシングルよりもイントロが長いヴァージョン、「Baby, You're A Richman」のステレオ・ミックスは当時ドイツ盤の「MMT」とUK盤カセットの「MMT」でしか聴けなかったもの。
「She's A Woman」と「This Boy」のステレオ・ミックスもオーストラリアで発売されていた編集盤やシングル盤でしか聴けないレアなものでしたが、「She's A Woman」はそれに加えてイントロにポールの"1, 2, 3, 4"というカウントが入っていて、初めて聴いたときは驚きました。
残念なのが「This Boy」で、EMI側のマスター・テープの取り違えのミスにより疑似ステレオ・ヴァージョンが収録されてしまいました。
しかし'92年に発売されたCD版のEP BOXではこれがリアル・ステレオ・ミックスに差し替えになっています。めでたしめでたし。
そのCD版EP BOXとの比較写真。CD BOXの「MMT」はステレオ盤とモノ盤のうれしい2枚組。
BOXの側面はこのようになっています。
ちなみに、'82年の春頃?には赤盤を使った国内盤も発売されましたが、この際に何と東芝EMIはステレオ・ヴァージョンをモノ化しただけの"なんちゃってモノ・ヴァージョン"で発売するという大ミステイクを犯しました。
国内盤だけの特典として「MAGICAL MYSTERY TOUR」だけは苦労して入手したというリアル・モノ・ヴァージョンを使っているのに、ワケの分かんないことをやらかしてます。
恐らくこの当時はまだあの名著「ビートルズ・レコーディング・セッション」もなく、モノとステレオでミックスを別々に作っていたという事実を、発売している東芝EMIですら認知しておらず、ステレオをモノ化すれば同じだろうという判断だったのではないかと思われます。
ただそれにしてもモノとステレオでヴァージョンが明らかに違う曲が何曲かあることは当然分かっていたはずなのに、それを無視したというのはどうも解せません。
基本的に4曲が収録されているEPは当時値段の高いLPをなかなか簡単には買えなかったティーンエイジャーなどにはありがたい存在だったし、2曲しかないシングル盤に比べればお得感もありました。
ビートルズのEPの場合はほとんどがシングル曲やアルバム収録曲から4曲をセレクトした内容ですが、既成曲の二次使用で儲かるEPはレコード会社としてはオイシかったに違いありません。
経年劣化によってちょっと上の方がヨレてたりしていますが、このBOXはビートルズが残した全13組14枚+ボーナスEP1枚の計15枚のEPをセットにして'81年12月にUKで限定発売されたもの。音源はボーナスEPを除いてすべてオリジナル・モノ・ヴァージョンです。
ほとんどがモノ盤のアルバムやシングルで聴けるものばかりなのでマニア向けのブツですが、その中で4曲全曲がアルバム未収録でしかもモノ・ヴァージョンである「LONG TALL SALLY」と、2枚組の「MAGICAL MYSTERY TOUR」だけは内容的に価値があると言えるでしょう。
このBOXはもちろん再発盤ということになりますが、'76年のUK再発シングル同様、このEPのほとんどのものにもラン・オフ部分に"KT"の刻印があり、音質はかなりいいです。
国内盤のEPだと33回転が通例ですが、UK盤のEPはシングル盤と同じ45回転。このことも音質的に有利に働いています。
オリジナル盤のEPはラミネート・コーティングされたジャケットですが、この再発盤には「MAGICAL MYSTERY TOUR」を除いてコーティングがないものが使われています。
しかし一部のBOXにはコーティング・ジャケを使っているものがあるそうなので、これはちょっと残念〜。
このEPではすべてジャケ裏の折り返し部分もオリジナルのような丸みのある裁断ではなく、角張ってカットされています。
このうち、ファーストEPである「THE BEATLES' HITS」はジャケ違いのオーストラリア盤のオリジナルも持っています。
右がオーストラリアEMI / Parlophone盤。
この2枚、ラン・オフ部分に刻印されているマトリクスは枝番まで同じで、"KT"の刻印がある位置まで全く同じ。どうやらこのオージー盤はUKから送られたマザーかスタンパーを使ってプレスされているようで(オージー盤はアルバムでもそういうのがある)、そのせいで音質はこの2枚よく似ています。
同時にこのUK再発盤は'63年当時と同じマザー/スタンパーが使われているということにもなります。
レーベルは下の写真のようになっており、UK盤が全部文字色がシルヴァーなのに対し、オージー盤は一部が白い文字になっています。
「MMT」はモノ盤のUKオリジナルも持っていますが、詳しい比較検証は私のメイン・サイト、ROLLING BEAT BOYSの「MMT」のページに載っているので、そちらを参照して下さい。
右がオリジナル・モノ盤、左がこのBOXのステレオ盤。
そしてこれがこのBOXの最大の目玉だったボーナスEP。
収録されている4曲すべてが当時はレアだったステレオ・ヴァージョンで収録されています。
「The Inner Light」のステレオ・ミックスはこのEPが初登場で、しかもシングルよりもイントロが長いヴァージョン、「Baby, You're A Richman」のステレオ・ミックスは当時ドイツ盤の「MMT」とUK盤カセットの「MMT」でしか聴けなかったもの。
「She's A Woman」と「This Boy」のステレオ・ミックスもオーストラリアで発売されていた編集盤やシングル盤でしか聴けないレアなものでしたが、「She's A Woman」はそれに加えてイントロにポールの"1, 2, 3, 4"というカウントが入っていて、初めて聴いたときは驚きました。
残念なのが「This Boy」で、EMI側のマスター・テープの取り違えのミスにより疑似ステレオ・ヴァージョンが収録されてしまいました。
しかし'92年に発売されたCD版のEP BOXではこれがリアル・ステレオ・ミックスに差し替えになっています。めでたしめでたし。
そのCD版EP BOXとの比較写真。CD BOXの「MMT」はステレオ盤とモノ盤のうれしい2枚組。
BOXの側面はこのようになっています。
ちなみに、'82年の春頃?には赤盤を使った国内盤も発売されましたが、この際に何と東芝EMIはステレオ・ヴァージョンをモノ化しただけの"なんちゃってモノ・ヴァージョン"で発売するという大ミステイクを犯しました。
国内盤だけの特典として「MAGICAL MYSTERY TOUR」だけは苦労して入手したというリアル・モノ・ヴァージョンを使っているのに、ワケの分かんないことをやらかしてます。
恐らくこの当時はまだあの名著「ビートルズ・レコーディング・セッション」もなく、モノとステレオでミックスを別々に作っていたという事実を、発売している東芝EMIですら認知しておらず、ステレオをモノ化すれば同じだろうという判断だったのではないかと思われます。
ただそれにしてもモノとステレオでヴァージョンが明らかに違う曲が何曲かあることは当然分かっていたはずなのに、それを無視したというのはどうも解せません。
タグ:THE BEATLES
最近のビートルズ特集、とても楽しく拝見しています。このEPボックス、私も当時、学生だったにも関わらず買い、MMTのジャケットを初めて手にしました。確か、まだ実家にあるハズなので、今度帰ったときにMASAさんの記事と見比べてみたいと思います。
そういえば、日本のHMVでも今度のBOXセットが予約開始をしましたね。輸入盤だけのようですが、価格が妥当か、そうでないかで少々心が揺らいでいます。^^;
by MCMLXV_65 (2009-06-04 09:57)
MCMLXV_65さん、お久しぶりです。
ご覧いただいていたようでうれしいです。
MCMLXV_65さんもこのEP BOXお持ちですか。
私も当時は社会人3年目の若僧でした(笑)。
当時確か15,000円だか18,000円くらいで買った記憶があります。
リマスター盤のボックスセット、まともに買うと35,000円近いんですね。
高いなあ〜^^;
でもモノ・ボックスの方は日本製の紙ジャケを採用するようで、これはうれしいですね。
09/09/09が楽しみです。
by MASA (2009-06-04 23:07)
MASAさん、こんばんわ。EP、7インチの記事が連発で大変うれしいですー
UKのEPボックスセットはまだ学生でとても買えませんでした。
国内盤はMMTだけ単品で見つけ購入しました。
僕のUK盤ボックスのMMTはコーティングジャケットでしたが発売時期を考えると
70年代後半の在庫をUK EMIが入れちゃったのかな(笑)
ところですでに今のCDが5/31で廃盤とは..。ちょっとさびしい気がします。
by tamachi (2009-06-05 00:03)
tamachiさん、こんばんは〜。
このところビートルズづいっちゃってます、ここ(笑)。
tamachiさんのも「MMT」だけコーティングありですか。同じですね。
実は「MMT」はこのBOXが出る前に既に持っていたのですが、ダブったので処分しました^^。
そちらもコーティング・ジャケで'70年代後半プレスだったようです。
現行CD、廃盤です。すでにこれを見越したファンが買い漁っているようですね。
でも私はあんまり興味ないです^^。
by MASA (2009-06-05 00:24)
すんごい今さらなんだけど国によって違うんだね~(爆)
中身の音源は同じなんでしょう?
っていうかそこまで集めるのってほんとに毎度毎度すごいなーって感心しちゃう♪
使ったお金で家が買えちゃったりして~(* ̄m ̄)ププ
by がぁこ (2009-06-05 01:15)
中身の音は同じだけど、違う(笑)。
やっぱり元になっているマスターが違うし、プレスの仕方も違うから、同じものでも違った音になるんだよん^^。
当然UK本国のが一番いいわけなのね。
そうねえ、今までレコードやCDに使ったお金を合計すると家ぐらい建っちゃうかもね。
っていうか、コワくてあんまり想像したくない(笑)。
by MASA (2009-06-05 01:28)
良くわかんないんで、なかなかコメントできません(笑)
ごめんなちゃい^^
気のせいか・・・アイコンの青リンゴ雰囲気変わったような・・・
by bluebird (2009-06-05 17:07)
・・・って、良く見たら、
デサイン変えましたって書いてあった^^
by bluebird (2009-06-05 17:08)
MASAさん、こんばんは!
ビートルズの特集楽しく拝見しております。
EPも45回転でシングルに負けず劣らずなかなか良い音で鳴ってくれるので、僕もとてもお気に入りです〜。
シングルには無いピクチャースリーブも魅力ですしね。
by タコ星人 (2009-06-05 22:00)
MASAさん、こんばんは~♪
久しぶりに来たら、連発で「お宝見せびらかし」状態じゃ、
ないですかぁ~^^いい加減にして下さいよ(^^;)!
by chan_yukky (2009-06-05 23:49)
bluebrid姐さん、マニアックすぎてスンマソン^^;
最近ちょっとコレクター魂が全開になっちゃってますが、「ふ〜ん、なるほどねー」くらいで見といて下されば結構でございます。
そうです、アイコンはUS AppleからUK Appleに替えました。
私自身もまだ馴染んでませんが、以後よろしゅうお頼もうします。
by MASA (2009-06-06 00:15)
タコ星人さん、どーもです。
楽しんでいただけて何よりです。
シングルよりもちゃんとしたスリーヴが付いていて4曲入りというのがEPのいいところですね。
まあしょっちゅう聴くことはないですが、持ってて満足感がありますね^^。
by MASA (2009-06-06 00:20)
chan_yukkyさん、どーもです。
このところビートルズづいてるんです(笑)。
ビートルズ関係のグッス紹介はメインサイトでやっているので、ホントはこのブログで大々的に取り上げるのは自分的にタブーにしていたんですが、その禁を破りました^^;
何しろ09/09/09が控えているんで、それに因んでみました。
もうちょっと続ける予定なのでお楽しみに〜。
by MASA (2009-06-06 00:26)
MASAさん こんばんは
ビートルズのEPはあんまり所有していないんですよね・・・
UKシングル盤はコンプリート目前なので次の課題はEPなのですが、ビートルズのEPは枚数が多いのでかなり大変そうです。
ストーンズみたく枚数が少ないと楽なのですが・・・(笑)
by poposuke (2009-06-06 23:15)
poposukeさん、こんばんは。
シングルがもうすぐコンプリートですか。すごいなあ。
EPはシングルよりは少ないとは言え、「MMT」を除いて13枚ありますから、めんどくさいですね^^。
by MASA (2009-06-06 23:35)
こんばんは。
のんびりとお邪魔してすんません^^;
若い僕には(爆)
EP盤ってリアルな感覚がないんですが、
なんかイイっすね。
まだ小遣いの少ないガキの時代にEP盤があったら、
たぶんハマってたと思います。
EP盤って言葉の響きも好きです。
マキシ・シングルとかって呼ばれると風情がない感じがして^^;
ピクチャー・スリーヴってのもポイント高かったんでしょうね当時。
こんなジャケットだったらLP持ってても欲しくなりますね^^。
by DEBDYLAN (2009-06-12 00:56)
DEBさん、いらっしゃいまし〜。
まあDEBさんの世代ならEPに馴染みがないのは分かります。
私自身もビートルズ以外はそんなに持ってませんもん。
他はキャンディーズのEPとかあったなあ(笑)。
この13組のEPのUKオリジナル盤はなかなか人気があって、ヤフオクなどでもしょっちゅう出品されてますね。
CDも出てるので、機会があれば是非。
って、これからリマスター盤のBOXも出るのにそれどころじゃないですね(笑)。
by MASA (2009-06-12 01:13)