「地球が静止する日」BDを観る [映画・BD・DVD]
今年のお正月に公開されてヒットしたキアヌ・リーヴス主演の映画「地球が静止する日」のブルーレイを購入、先日さっそく観た。
環境破壊などにより危機を迎えている地球を救うため、その危機を招いている元凶である人類に警告し、最終的に人類を抹殺するべきか否かの判断を下す目的で、キアヌ・リーヴス演じる宇宙人クラトゥが地球にやって来る。果たして人類の、そして地球の運命はいかに〜?!という内容の映画である。
共演は女性科学者ヘレンにジェニファー・コネリー、国務長官に「ミザリー」のキャシー・ベイツなどが出演している。
この映画は「ウエストサイド物語」などの巨匠ロバート・ワイズ監督による1951年公開の映画で、今やSF映画の古典となっている「地球の静止する日」のリメイク作品。
当時は戦後わずか6年後、冷戦時代が始まって間もないという背景の時期にこんな地球規模の危機を描いた作品がすでに作られていたというのが時代の先を読んでいたようで驚異的だ。
私はこのオリジナル版は大昔にWOWOWで一度観たことがあるだけなので、最早内容はうろ覚えだ。モノクロ作品で、「宇宙戦争」なんかと比べて派手な作品ではない印象があるが、それでよく覚えていないのかも知れない。
1951年のオリジナル版公開時のポスター。今見るとレトロでいいねえ。
この映画で印象的なのが、クラトゥを守るためいっしょに地球に来たロボットのゴートだが、リンゴ・スターの'74年のアルバム「GOOD NIGHT VIENNA」が、そのゴートとクラトゥが円盤から出てくる場面をアルバムのジャケットに使用したことでこの映画は一部のビートルズ・ファンに知られている。
こちらがオリジナルの写真。クラトゥはヘルメットをかぶっているが、「GOOD NIGHT VIENNA」では頭がリンゴにすげ替えられており、宇宙服の胸に星のマークがあったり背景が違ったりしている。
で、このリメイク版の方だが、クラトゥが乗った不思議な球体がニューヨークのセントラル・パークに降り立ち米軍が出動するあたりまでの、始まってから30分〜40分ほどは「一体どうなっちゃうの?」というハラハラ・ドキドキの展開ですごい緊張感に満ちている。
その後はわりと淡々と進み、アクション・シーンも意外と少なく、ラストもけっこうあっさりしているのでもの足りないという声も多いようだが、大筋はオリジナルに忠実なようだしCGによる特殊効果も迫力があり、私は飽きることなく一気に観ることが出来た。
派手な活劇を期待すると間違いなく拍子抜けするだろうし、この映画の基本テーマが何なのかを見落としていると楽しめないかも知れない。ただ、それにしてももうちょっと展開に抑揚があった方がよかったかなあ、と思う。これもオリジナル版にこだわった結果なのかも知れないが、淡々とストーリーが進みすぎる印象を持ってしまうのは否めない気がする。
そしてあのペプシマンみたいなゴート、あれはいかがなものかと(笑)。ただあのデザインに落ち着くまでにはかなりの紆余曲折があって、結局はオリジナルのデザインを尊重したああいうシンプルなものになったということだ。
キアヌ・リーヴスは終止表情に乏しい抑えた演技で、ジェニファー・コネリーはちょっとフケたけど、昔のかわいらしさを残しつつも女性科学者という知的なイメージを醸し出している。黒人の義理の息子がいるという設定はオリジナルとはかなり異なっている。
「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる。」というセリフどおり、クラトゥの目的はあくまで地球そのものを救うためであり、人類救済ではないというところが何とも宇宙人の視点である。
そのクラトゥが「宇宙人なのに何で人間そっくりの姿なんだ?」という観る側のツッコミに対応するべく、地球の環境に適応するためあらかじめ採取した地球人のDNAを使い地球人の姿でやってくるという設定になっている。これは斬新で悪くない。
地球外の知的生命体が突然やって来て、地球のためになんないからお前らみんな抹殺しちゃうよ、なんてとんでもないことを言うのは内政干渉もいいとこだし、地球が滅びようがどうなろうが本来は全くもって余計なお世話なのだが、しかしそこをツッコんではこの作品は元も子もない(笑)。
この映画のテーマとするところは環境破壊など地球が抱えている様々な問題に対して観客・視聴者に改めて向けられた危機意識の喚起である。
この映画では終盤にどこぞの大統領がよく口にしていたchangeという言葉がところどころ出てくる。ヘレンはクラトゥに「私たちは今の危機を乗り越えるために変われる。Yes, We Can.(とは言ってないけど・笑)だから人類を助けて!」と説得する。その結果はこの映画をご覧いただくとして、現実問題として置かれている地球規模の危機に対して、この映画を観たあと「人間は変わる努力をしなくちゃ」と考える人が一人でも増えればこの映画は成功である。
ブルーレイとしては、これは見事な画質・音質でほぼ文句なしの素晴らしさでした。
カラー104分 HD 1080p シネスコ・サイズ
作品評価 ★★★★☆
画質 ★★★★★
音質 ★★★★☆(DTSサラウンドで視聴した結果)
下の2組はオリジナル版とのお徳用2枚組。
環境破壊などにより危機を迎えている地球を救うため、その危機を招いている元凶である人類に警告し、最終的に人類を抹殺するべきか否かの判断を下す目的で、キアヌ・リーヴス演じる宇宙人クラトゥが地球にやって来る。果たして人類の、そして地球の運命はいかに〜?!という内容の映画である。
共演は女性科学者ヘレンにジェニファー・コネリー、国務長官に「ミザリー」のキャシー・ベイツなどが出演している。
この映画は「ウエストサイド物語」などの巨匠ロバート・ワイズ監督による1951年公開の映画で、今やSF映画の古典となっている「地球の静止する日」のリメイク作品。
当時は戦後わずか6年後、冷戦時代が始まって間もないという背景の時期にこんな地球規模の危機を描いた作品がすでに作られていたというのが時代の先を読んでいたようで驚異的だ。
私はこのオリジナル版は大昔にWOWOWで一度観たことがあるだけなので、最早内容はうろ覚えだ。モノクロ作品で、「宇宙戦争」なんかと比べて派手な作品ではない印象があるが、それでよく覚えていないのかも知れない。
1951年のオリジナル版公開時のポスター。今見るとレトロでいいねえ。
この映画で印象的なのが、クラトゥを守るためいっしょに地球に来たロボットのゴートだが、リンゴ・スターの'74年のアルバム「GOOD NIGHT VIENNA」が、そのゴートとクラトゥが円盤から出てくる場面をアルバムのジャケットに使用したことでこの映画は一部のビートルズ・ファンに知られている。
こちらがオリジナルの写真。クラトゥはヘルメットをかぶっているが、「GOOD NIGHT VIENNA」では頭がリンゴにすげ替えられており、宇宙服の胸に星のマークがあったり背景が違ったりしている。
で、このリメイク版の方だが、クラトゥが乗った不思議な球体がニューヨークのセントラル・パークに降り立ち米軍が出動するあたりまでの、始まってから30分〜40分ほどは「一体どうなっちゃうの?」というハラハラ・ドキドキの展開ですごい緊張感に満ちている。
その後はわりと淡々と進み、アクション・シーンも意外と少なく、ラストもけっこうあっさりしているのでもの足りないという声も多いようだが、大筋はオリジナルに忠実なようだしCGによる特殊効果も迫力があり、私は飽きることなく一気に観ることが出来た。
派手な活劇を期待すると間違いなく拍子抜けするだろうし、この映画の基本テーマが何なのかを見落としていると楽しめないかも知れない。ただ、それにしてももうちょっと展開に抑揚があった方がよかったかなあ、と思う。これもオリジナル版にこだわった結果なのかも知れないが、淡々とストーリーが進みすぎる印象を持ってしまうのは否めない気がする。
そしてあのペプシマンみたいなゴート、あれはいかがなものかと(笑)。ただあのデザインに落ち着くまでにはかなりの紆余曲折があって、結局はオリジナルのデザインを尊重したああいうシンプルなものになったということだ。
キアヌ・リーヴスは終止表情に乏しい抑えた演技で、ジェニファー・コネリーはちょっとフケたけど、昔のかわいらしさを残しつつも女性科学者という知的なイメージを醸し出している。黒人の義理の息子がいるという設定はオリジナルとはかなり異なっている。
「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる。」というセリフどおり、クラトゥの目的はあくまで地球そのものを救うためであり、人類救済ではないというところが何とも宇宙人の視点である。
そのクラトゥが「宇宙人なのに何で人間そっくりの姿なんだ?」という観る側のツッコミに対応するべく、地球の環境に適応するためあらかじめ採取した地球人のDNAを使い地球人の姿でやってくるという設定になっている。これは斬新で悪くない。
地球外の知的生命体が突然やって来て、地球のためになんないからお前らみんな抹殺しちゃうよ、なんてとんでもないことを言うのは内政干渉もいいとこだし、地球が滅びようがどうなろうが本来は全くもって余計なお世話なのだが、しかしそこをツッコんではこの作品は元も子もない(笑)。
この映画のテーマとするところは環境破壊など地球が抱えている様々な問題に対して観客・視聴者に改めて向けられた危機意識の喚起である。
この映画では終盤にどこぞの大統領がよく口にしていたchangeという言葉がところどころ出てくる。ヘレンはクラトゥに「私たちは今の危機を乗り越えるために変われる。Yes, We Can.(とは言ってないけど・笑)だから人類を助けて!」と説得する。その結果はこの映画をご覧いただくとして、現実問題として置かれている地球規模の危機に対して、この映画を観たあと「人間は変わる努力をしなくちゃ」と考える人が一人でも増えればこの映画は成功である。
ブルーレイとしては、これは見事な画質・音質でほぼ文句なしの素晴らしさでした。
カラー104分 HD 1080p シネスコ・サイズ
作品評価 ★★★★☆
画質 ★★★★★
音質 ★★★★☆(DTSサラウンドで視聴した結果)
地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]
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下の2組はオリジナル版とのお徳用2枚組。
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タグ:地球が静止する日
がぁこちゃん、f-designさん(初めまして)、nice!ありがとうでございます^^。
by MASA (2009-05-12 00:54)