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XTCの変名バンド、The Dukes Of Stratosphear [XTC]

みなさん、連休いかがお過ごしでしたかー?
さて、今回ご紹介するのはXTC The Dukes Of Stratosphear という変名で発売した2枚のアルバムをご紹介。
サイケにとことんこだわった、本人たちの趣味丸出しの楽しいアルバムである。

dukes.jpg


上の写真はは1985年発売の「25 O'CLOCK」
ド派手な60年代サイケ風のデザインが目を引くジャケだが、内容の方もこのジャケどおりのモロにサイケな曲が揃っていて、XTCの面々が影響を受けたと思しきいろんなサイケデリック・ナンバーのパロディが詰まっている。

'84年のアルバム「THE BIG EXPRESS」(次回取り上げる予定)の翌年、何の前触れもなく突然このような変名を使って発売されたアルバムだが、'83年のアルバム「MUMMER」の時のゴタゴタ以降、ライヴもやらずメンバーも一人減り、マネージャーとの金銭面での確執もあったりしてモチベーションが下がっていたので、ここでひとつ自分たちの好きなことをやってリフレッシュしたかったのだろうと思われる。

全6曲のミニ・アルバムだが、出してみたらこれが本家よりも面白い!と大評判になり、今でもかなり人気が高いアルバムでファンならずとも聴いて損はない出来である。このアルバムを発表して以降、本家の方のアルバムにもサイケな感じが色濃く出て来るようになる。

メンバーも変名を使っており、アンディ・パートリッジ=Sir John Johns、コリン・モールディング=The Red Curtain、デイヴ・グレゴリー=Lord Cornelius Plumとなっている。
プロデュースはXTCの初期の2枚を手掛けたジョン・レッキーとDukesの面々との共同プロデュース。

レーベルもVirginレーベルが発足した70年代中期に使われていた、いにしえのデザインが使われているのがまたいい。

dukes2.jpg

私はサイケにはあんまり詳しくないが、元ネタとなっているのはエレクトリック・プルーンズ、ブルー・チアーズ、中期ホリーズ、初期サイケ時代のピンク・フロイドなどといったところのようだ。
分かりやすいところでは、中期のビートルズ「PET SOUNDS」期のビーチ・ボーイズなどがある。
しかしそういった元ネタをそんなに知らなくてもサイケの雰囲気が分かっていればそれだけで十分楽しめるアルバムである。

出てくる音はもいかにも60年代風にドラムスが右、ギターが左などという具合に左右泣き別れ型のミックスになっていたり、サウンド自体も40年くらい前の録音みたいな感じになっていて、思わずニンマリとしてしまう。実に楽しいアルバムだ。

このアルバムの好評ぶりに答えて、'87年には10曲入りのセカンド・アルバム「PSONIC PSUNSPOT」を出す。

PsonicPsunspot.jpg

このアルバムの発売と同時に「25 O'CLOCK」との2 in 1の内容の「CHIPS FROM THE CHOCOLATE FIREBALL (An Anthology)」がCDのみで発売された。

dukes3.jpg

私は当時こっちの方を買ったので、アナログの「PSONIC PSUNSPOT」は買わなかった。今思えばそっちも買っておくんだったなあ。限定カラー盤だったし(泣)。

まあとりあえずどんな音楽なのか聴いていただきたい。思わずニンマリすること必至。
まずは「25 O'CLOCK」から、そのタイトル曲。



いやー、スゴイっすねえ(笑)。
続いてはビートルズ「I Am The Warlus」のパロディになっているPVで「The Mole From The Ministry」
途中から始まり途中で終わっているのが残念だが、貴重なPV。



Red Cartain(コリン)作の「What In The World??...」も実に傑作なサイケ・ナンバーだ。



「25 O'CLOCK」からは1枚もシングル・カット曲はないが、セカンドの「PSONIC PSUNSPOT」からは1枚だけ「You're a good man, Albert Brown」がアルバムに先駆け先行発売された。



「You're a good man, Albert Brown」の12インチ・シングルと7インチ・シングル。
7インチの方は5,000枚限定のマーブル・カラー盤。


dukes4.jpg

あと、映像の方はないが、明らかにビーチ・ボーイズ風の「Pale And Presious」「PET SOUNDS」に入っててもおかしくない出来でなかなか面白い。

まあとにかく裏家業であるこっちの方も本家を凌ぐほどの人気と評価が高く、非常に楽しめるアルバムだが、アナログ時代には2枚とも日本やアメリカでは発売されたことがなく、UK本国とヨーロッパの一部だけでワールドワイドな発売はなかった。このことから分かるとおり、このプロジェクトは売り上げ度外視の自己満足的な遊びの意味合いの方が強いようだ。

CDの「CHIPS FROM THE CHOCOLATE FIREBALL (An Anthology)」もほぼ同様で、日本では今はなきヴァージン・ジャパン時代の'87年と'92年に発売されたことがあるだけで、発売が東芝EMI(現EMI Music Japan)に移ってからは一度も発売されたことがない。聴きたい方は輸入盤で入手して下さい。





Chips from the Chocolate Fireball

Chips from the Chocolate Fireball

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 2001/06/19
  • メディア: CD


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コメント 12

幻燈遮断機さん

うひょ~。これはサイケ好きなら堪りませんね!

XTCが紙ジャケになったときも、コレは無視されちゃったもんね。

来日・・・は無いだろうし。(笑)

海外でリマスター盤が出てる今だからこそ、リィシューしてほしいですね。
by 幻燈遮断機さん (2008-10-13 23:58) 

MASA

幻燈さん、さっそくどーもです^^。
発売したことがないんだから、紙ジャケ化の際にも無視だったんでしょうね。
残念な話です。こんな名盤が国内発売がないなんてねー。

リマスター盤は持ってないんですが、XTCのリマスター盤の音質が素晴らしいんで、是非そのうちに入手したいです。
by MASA (2008-10-14 01:00) 

がぁこ

ETC~~♪(しつこいっw)
いやいやサイケちっく爆発ですね~♪
懐中時計の筋肉ムキーっなまっちょがちと夢に出てきそうな気配^^;
最初のPV・・・目がチカチカしてきました(笑)
曲はすっきーかも♪(ΦωΦ)ノ
by がぁこ (2008-10-14 01:35) 

MASA

はい、ETCです(もうどうでもいい)。
見ろやこの筋肉、カッチカッチやぞ!ゾクゾクするやろ!って感じでしょ(笑)。

がぁこちゃんもサイケ好きか〜、よかった^^。
確かに夢に出て来そうなジャケだよね。
by MASA (2008-10-14 01:43) 

bluebird

ETC~~♪(つっこんだら、コロス)

「What In The World??...」って曲名?これ好きです。
ジャケットのアートワークもいいっすねー。

山盛りの仕事をこなしている横で、ベアさんがピンクフロイドなんてかけやがるんで、トリップしそうになったよ~(笑)
1曲目もそういう時、ヤバそうです。

道端で放尿したらダメ、我慢プレイだ!!
by bluebird (2008-10-14 10:41) 

PETTY


「25 O'CLOCK」なかなか笑かしてくれますね。
むか〜し昔、ビートルズ好きならXTC聴かんでど〜するって言われ、
無理矢理XTCの「Oranges and Lemons」とIT'S IMMATERIALのなんだか解らないモノを知り合い(友人ではない)から渡されたけど、懐の狭い私はど〜してみようもなく・・・1回聴いて返しました(笑)
IT'S IMMATERIALはともかくとして・・XTCくらいは聴いておけばよかったなぁ〜って思う昨今です。

>道端で放尿したらダメ、我慢プレイだ!!

姐さんたら・・・
by PETTY (2008-10-14 16:31) 

MASA

いやぁ〜、bluebirdさんに殺されるぅ〜!
ガクガク(((゜Д゜)))ブルブル。

「What In The World??...」に反応するとは、サイケの素養がありますね^^。
仕事のBGMにピンク・フロイド!素敵(笑)
by MASA (2008-10-14 22:10) 

MASA

なんだー、PETTYさん、XTC聴いたことあったのかー。
早く言って下さいよー、UK嫌いだから聴いたことがないものとばっかり(笑)。
えー、「ORANGES AND LEMONS」ピンと来ませんでした?
それは残念。
IT'S IMMATERIALは私も以前持ってましたけど、これは私もピンと来なくてヤフオクに出して処分しました^^。
by MASA (2008-10-14 22:20) 

pinkisland

PSONIC PSUNSPOTの発売は1987年ですね。当時は輸入のCDも高かったので、レコードとCDを分けて買ってました。U2のヨショアトリーとかEURYTHMICSのSAVAGEはレコードで買いました。このアルバムもカラーレコードだったので、レコードを買いました。ゲイトフォールドジャケでマーブルのレコードでした。マトは癖のある手書きで、両面1です。しばらくして、CDも買いました。

パートリッジのソロもこの間、やっとレコードで買いましたけど、良いですね。
by pinkisland (2008-10-18 23:42) 

MASA

pinkさん、毎度です。
PSONIC PSUNSPOTは私も当時迷ったのですが、結局はCDの方を買ってしまいました。

そうそう、その頃の輸入盤のCDはアナログより500円くらい高かったですよね。
私もお金がないときは仕方なくアナログの方を買ったりしてましたねー。

アンディのソロは私はアナログ持ってないんですよ。「GO+」と2 in 1になったCDの「EXPLODE TOGETHER」を買ったので、そっちで聴いてます。

by MASA (2008-10-19 00:33) 

ひで

MASAさん、はじめまして!
ポポスケさんの所から来ました「ひで」というモノです。以後よろしくお願いいたします!
ペットショップボーイズの疑問に答えて下さってありがとうございました(笑)

この「25O'Clock」は私も持ってます。
この当時はネオサイケみたいなプチブームがあった様に記憶してます。私はその中の"DOCTOR & THE MEDICS"ってバンドが好きでした。そのバンドはアンディ・パートリッジがプロデュースした"Miracle Of The Age"っていうシングルもリリースしてるんですよ。どうやらこのレコードに影響されたらしいのです。

私はXTCにそれ程入れ込んで無かったのですが、「オレンジズ&レモンズ」とか「ノンサッチ」(特殊パッケージのやつ)とか断片的に買ってました。新しくアップされた記事の丸いジャケットのやつも懐かしいですね。私も買おうかな〜って迷ってたレコードです…
by ひで (2008-11-02 01:35) 

MASA

ひでさん、ご訪問ありがとうございます!
雑多で節操のないブログですが、以後よろしくお願いします。
ひでさんのブログも拝見させていただきましたが、プロのイラストレーターなんですね。すごいなあ^^。

DOCTOR & THE MEDICS、知ってます知ってます。
ノーマン・グリーンバウムの「Spirit In The Sky」をカヴァーしてましたよね。
なるほどー、アンディがシングルのプロデュースをしてるんですか。

円形ジャケの「THE BIG EXPRESS」は地味ですがXTCらしくないヘヴィな音を聴かせてくれるアルバムです。
機会があれば是非お聴き下さい。
by MASA (2008-11-02 02:15) 

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