The DOORSの3枚組ベスト盤

珍しく20日ほども休めた今回の休暇もあっという間に終わり、明日からまた長期出張に赴きます。
というわけで、今回が休暇中最後のエントリー記事となりました。
最後はVELVET UNDERGROUNDと並び、パンク／ニュー・ウェーヴやグランジといった音楽ジャンルに多大な影響を与えたバンド、The DOORSのベスト盤。

来週の29日には紙ジャケも発売されるドアーズだが、今月号の「レココレ」でも特集が組まれている。更に今回の紙ジャケは今年でデビュー40周年を記念して新たにリミックスが施された最新マスターが使用されている。

この紙ジャケに先駆け、すでにこのリミックス・ヴァージョンで構成されたベスト盤「THE VERY BEST OF THE DOORS」が3/26に欧米では発売済み、国内盤はこの7/25に発売されたところだ。

私も輸入盤を4月にすでに入手済みだが、取り上げる機会を逸していた（苦笑）。しかしこれがまあ、実に素晴らしい音質なのである！
マルチ・マスターにまで遡ってのリマスター／リミックスなので、ドラムスや低音部は音に厚みが出て迫力が増し、高域もキレイに延びている。
しかもリミックスされた音源にはこれまでのアナログや旧CDとは楽器の音像定位が異なっていたりしているので、ファンには見逃せない内容である。

このベスト盤には2枚組の通常盤と、1968年のヨーロッパ・ツアーからのライヴの模様を5曲収録したDVD付きの限定3枚組仕様があるが、私が買ったのは3枚組限定盤の方。
DVDのパッケージほどの大きさのデジ・パック仕様で、30ページ以上に及ぶブックレットが綴じ込みになっている。

裏表紙にはDVDが収納されている。ちなみにDVDはNTSC、リージョンは0なので、輸入盤でも通常のDVDプレーヤーで視聴可能。

紙ジャケを全買いする予定がない人や、ドアーズの歴史をリマスター音源で手っ取り早く掴むには持ってこいのベスト盤である。やはりDVD付きの限定盤がオススメ。

ドアーズと言えばやはり名曲「Light My Fire」や'79年のフランシス・フォード＝コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」に使用され、これがドアーズ再評価に拍車をかけるきっかけとなった「The End」などが収録されているファーストが代表作としてあげられることが多いが、私もやはりこのアルバムが一番好き。

マニアックな話で恐縮だが、実はこのアルバムのmonoヴァージョンがスゴイのである！
楽器がほぼ左右泣き別れ状態の音像定位のためちょっと間の抜けた感じのstereoヴァージョンに比べると、monoヴァージョンの音がひと固まりになって迫って来る様子はちょっとないくらいの迫力で、数ある名盤のmonoヴァージョンの中でもその衝撃度はかなり高い。私は未聴だが、セカンド・アルバムの「STRANGE DAYS」もかなりスゴイらしいので、この2枚のmono盤はマニアなら必聴かも知れない。

私も以前このmono盤を持っていたが、ジャケと盤のコンディションが悪かったためいつか買い替えるつもりで処分してしまった。しかしその後まったく入手の機会がない。こんなことなら売るんじゃなかったなぁと後悔しきりである（苦笑）。

しかしこんなこともあろうかと、処分する前に私はCD-Rにこのmono盤を焼いて、ジャケもすでに持っていた通常のCDをコピーしてmono用に加工したものを作っておいたのだった（笑）。
それがこれである。

ゴールドのオリジナル・レーベルもコピーして印刷した。
ちなみに、「レココレ」によるとレーベルに"MONO"の表記があるのはセカンド・プレスで、ファースト・プレスにはないらしい。

私はファーストを聴くときは今やこのCD-Rしか聴かない。パチパチいうノイズは多いものの、その迫力にもうstereoには戻れなくなってしまったのである（笑）。

ところが今回のこのベスト盤に収録されている「Light My Fire」や「Break On Through (To The Other Side)」といったファースト収録曲はstereoヴァージョンでもリマスター／リミックスによってmono盤に負けないくらいの迫力が備わっているのには驚きだ。
出来ればドラムスをセンターに定位させてくれればもっとよかったと思うのだが、そこがちょっと残念。

ついでに紹介したいのが、ディスクリート4チャンネル盤である"Quadra Disc"の'73年に発売されたベスト盤「THE BEST OF DOORS」。

このレコードでちゃんとした4チャンネル再生を行うには当時の4チャンネル対応カートリッジとアンプがいるので現在では再生は困難だが、AVアンプのドルビー・プロロジック・モードで再生すると疑似4チャンネルを体験出来る。まあでもあくまで疑似なので効果はそこそこ（笑）。

ちなみに、スリーヴには4チャンネルのmonoとstereoとの比較や再生方法が書かれた説明文が印刷されている。

レーベルは'70年代中頃まで使われていた蝶々のレーベルで、"Quadra Disc"のロゴがある。

4チャンネルと言えば、ラスト・アルバムである「L.A. WOMAN」のDVDオーディオというものもある。
ここではこのアルバムのプロデューサーであるブルース・ボトニックがリミックスを手掛けた5.1chリミックス・ヴァージョンが堪能出来る。

8チャンネルのマルチ・マスター・テープからの音源をうまいこと5チャンネルに振り分けていてなかなかに面白く、各楽器の輪郭がクリアでこれもまた非常に音質がいい。
しかもここに収録されている「Cars His By My Window」はオリジナルにはなかった第4の歌詞が歌われている驚きのヴァージョン。
しかしこのヴァージョンのstereoミックス・ヴァージョンが今回のこのアルバムの紙ジャケに収録されている模様である。

今回の40周年ニュー・リマスターもブルース・ボトニックが手掛けているが、2001年に発売されたこのDVDオーディオのリマスタリング作業時のノウハウが今回のリマスターに生かされていると思われる。

さ〜て、紙ジャケは全買いは無理だけど、何タイトル買おうかな。
とりあえず、明日からまた出張頑張りま〜す＾＾。

ザ・ヴェリー・ベスト・オヴ・ザ・ドアーズ~40周年記念ミックス~(DVD付)

• アーティスト: ドアーズ
• 出版社/メーカー: WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
• 発売日: 2007/07/25
• メディア: CD

タグ：The Doors ドアーズ

コメント 10

☆ ドアーズとジミ（ヘンドリクス）は，次から次に色々なものが出てきますね。それだけ欲しい人も多いのだと思います（その「掘り出し物」のあまりの多さに「安楽宣言」をしてしまった者がここにも一人^^;）。
by deacon_blue (2007-08-21 17:41) 

す、素敵だす・・・・・
出張前の置き土産ありがとうです～(涙)
by (2007-08-21 18:55) 

MASAさん、またしても長期出張ですか！
暑さ厳しき折からお体にはお気をつけくださいね。

ところでMASAさんがここまでのドアーズ・フリークとは知りませんでした。
オリジナル･モノラル盤をソフトで拾ってCD-Rに焼くなんざ、なかなかふつうの人にはできませんものね。

今まで『ヴェリー・ベスト・オヴ』を見てもあまり心惹かれませんでしたが、きょうばかりは「シミジミ」と眺めてきました＾＾
by parlophone (2007-08-21 22:16) 

deaconさん、どうもです。
確かにドアーズはベスト盤やライヴ盤だけでもけっこう種類がありますよね。
ちょっと乱発気味ですが、まあそれも人気があることの証ですね。
by MASA (2007-08-21 22:59) 

あるじさんてば、さては上半身ヌードのジム・モリソンにウットリってとこですね？（笑）そういやイギー・ポップみたいですもんね。
ドアーズのいいところはポップな面とダークな面とを持ち合わせた音楽性とやっぱりジム・モリソンのカリスマ性ですね。
by MASA (2007-08-21 23:05) 

遼さん、ありがとうございます。また出張行ってきます。

いやあ、持ってないアルバムもあるし決してフリークというほどじゃないんですが、ドアーズは大好きですね。
再びmono盤をゲットするまでCD-Rは宝です（笑）。
by MASA (2007-08-21 23:13) 

はっ、何でバレたんだろう・・・・・(恥)
でもジムも胸毛ふっさり系だからなぁ・・カッコいいんだけど。
IGGYはトゥルットゥルだからいいんですよ～！(ばか・・)

いやいや、そんな話は置いといて、ジムがいてこそのドアーズですから。
(説得力なし；苦笑)
by (2007-08-22 00:14) 

やっぱりか（笑）。
あるじさんはセクシー系男子がお好みのようですね＾＾。
どうでもいいけど、私もトゥルットゥルですよー（笑）。
by MASA (2007-08-22 01:09) 

MASAさんこんにちは・・・
もう、出張でられたのかなぁ・・・
私はdoorsのTHE VERY BEST OF THE DOORSを未だに買おうかどうしようかまよっているんですよ・・・今回の紙ジャケも40周年リミックスが収録されると聞いて余計手が出せなくなってしまいました。
一応今回の紙ジャケは全買いで予約しております・・・でもライブ映像も見たいので迷っているんですよね・・・今月終わりから来月初旬はまたまた紙ジャケラッシュですので無駄買いは禁物なのでやっぱり難しいかもと思っております。
毎回ですがお体にお気を付けて仕事がんばってください・・・
トラバさせて頂きますね。。。
by tetsupc2 (2007-08-25 10:32) 

tetsupc2さん、こんばんはー。トラバありがとうございます。
そうですねえ、紙ジャケ全買いならこのベスト盤は確かに微妙かもしれませんね＾＾。
でもDVD付きの限定盤というのがやっぱりそそられますね。私なんぞは限定という言葉にヒドく弱いので、迷わず買いましたけど（笑）。
でもDVDは5曲くらいしか入ってませんし、正直ちょっともの足りないですよ＾＾。
by MASA (2007-08-25 23:33)