SSブログ

「ドリームガールズ」のDVDを観る。 [映画・BD・DVD]

今日は歯医者はお休み、家で一日ゴロゴロしていたが、そんな中ようやく「ドリームガールズ」のDVDを観た。

このDVDは通常のトール・ケース版とCDサイズのデジ・パック仕様のものとの2種類があるが、私が買ったのはデジ・パック仕様の方。このデジ・パック仕様版はどこのショップに行ってもほとんど見かけないが、売れないと判断されあまり在庫している店がないのだろうか?
あ、トール・サイズのDVDの棚に陳列した場合に目立たないというショップ側の都合かもね。
てことは結局は別にこんな仕様で出さなくても良かったってことじゃないの?(笑)。
2000年くらいまではソニー・ピクチャーズや東宝などがCDと同じジュエル・サイズで出していたが、それを彷彿させるパッケージでまあちょっと懐かしい感じではある。

すでにParlophone(遼)さんやDEBDYLANさんがこの映画をブログで紹介済みだが、お二人ともになかなか高評価だったので期待して鑑賞した。

'81年に初上演されてからロング・ラン・ヒットとなったブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、ストーリーはモータウンシュプリームスをモデルにしたフィクション。監督は同じくブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品である「シカゴ」(2002)に続いてのミュージカル作品となるビル・コンドンである。

フィクションとはいうものの、基本がモータウン・レコードとシュプリームスの歴史を参考にしたものだが、私はどこからどこまでがフィクションなのか細かいころまでは詳しくないので、すべて事実と錯覚してしまいそうなくらいのストーリー展開だった。
実際と決定的に違う主な点はキャンディーズみたいな(笑)リード・シンガーの交代はなく、ダイアナ・ロスがグループを抜けるのは人気を得たずっと後年になってから、しかも解雇じゃなく自主的だったってことろ。みなさんもこれくらいは当然ご存知でしょう。
50年代の終わりから70年代中盤までという時代背景の中で移り変わって行く懐かしいファッション、メイク、ヘア・スタイル、クルマなど、その年代描写はかなりリアルである。

そしてこの映画で一番の収穫は、最も才能がありながらルックスがいまいちという理由でメインを外され、しまいにはドリームズを追い出されてしまうエフィを演じた、これがデビュー作となるジェニファー・ハドソン。歌唱力のスゴさではもう圧倒的に主役のビヨンセを喰っている。

グループ解雇を言い渡され、曲名は忘れたがその場面で熱唱するシーンは圧巻だ。彼女の切実な心情を感情表現たっぷりに見事に歌い切っていて、その迫力に目頭が熱くなるくらい感動してしまった。新人ながらその存在感や豪華な共演者たちを目の前にしながらの演技や歌いっぷりは堂々たるものだ。アカデミー助演女優賞獲得もうなづける。うんうん(とホントにうなづく)。

それにしても、ルックスはいまいちだが歌唱力は最高のジェニファー・ハドソンと、ルックス抜群、歌唱力は決してヘタではないがハドソンと比較すると見劣りするビヨンセという、実際のそれぞれのキャラどおりのキャスティングがあまりにそのまんまで、観ていてちょっとリアルすぎる(笑)。
ハドソンとしては自分をブスと認めるようなこのような役での出演承諾までにはいろいろ複雑な思いや葛藤があったのではないだろうか。
まあそれはビヨンセも同様だろうが、ブス・キャラじゃないだけマシというものだ。

ほか、モータウンの創始者ベリー・ゴーディ Jr.をモデルにしたマネージャー役に「レイ」(2005)のジェイミー・フォックス「リーサル・ウェポン」シリーズのダニー・グローヴァー、どう見てもモデルはマーヴィン・ゲイと思われるシンガーを演じるご存知エディ・マーフィという布陣もなかなか豪華。エディ・マーフィはかつてアルバムを出していたことがあったと思うが、その歌唱力もかなりのものだ。

音楽がまた素晴らしい。いかにもシュプリームスやマーヴィン・ゲイが歌っていそうな、ホーランド=ドジャー=ホーランドが書いたモータウンの名曲の雰囲気をうまく再現した楽曲の数々。
明らかにジャクソン・ファイヴを彷彿させるグループが出て来て、「I Want You Back」みたいな曲を歌っているのには思わず大ウケ〜(笑)。ラトルズのジャクソン・ファイヴ版かよ!ってくらいにソックリで笑ったー。

アメリカのショウ・ビズ界の内幕を描いている側面もあるストーリーだが、60年代当時、黒人音楽を白人にもウケる商業ベースに乗せるためには手段を選ばないジェイミー・フォックス演じるマネージャーのいやらしいまでの強引なやり方も実際にあれに近いことが当時なら多かれ少なかれあったと思われ、その辺がなかなかにリアルでコワイ。

ちょっとテンポがバタバタしていて、次の場面ではいきなり数年後に飛んだりするのがちょっとせわしない感じもしたが、ミュージカルが基本的に苦手な私も十分楽しめる映画だった。
でもいくら舞台がデトロイトとは言え、実際のモータウンは自動車修理工場の中でレコーディングはやっちゃいないはずだけど(笑)。それとも私が知らないだけで、そういう事実が実際にあったのかも?

特典映像は本編では途中で切られている音楽シーンのフル・ヴァージョンが観られたり(ジャクソン・ファイヴもどきもフルで観られる・笑)、2枚目のボーナス・ディスクもメイキングを始め、本編より長い185分も収録されていてかなり充実している。

音声はドルビー・デジタル音声しか収録されていないが、出来ればドル・デジより迫力があるDTS音声も収録して欲しかった。
こういう音楽映画こそ5.1chサラウンドでの視聴が普通に観るよりはるかに臨場感があって素晴らしい。

パラマウント/ドリームワークス作品 上映時間130min.
シネスコ・サイズ(スクイーズ)
作品評価 ★★★★☆(5段階評価、☆はオマケ)
画質評価 ★★★★
音質評価 ★★★★


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 2

当面の問題は、ミュージカルの嫌いなだんなを
どうだまくらかしてこの映画を観るか、ってことです。
by (2007-08-10 00:49) 

MASA

大丈夫!私もコテコテなミュージカル映画は苦手で「ウエストサイド物語」なんかもまともに観たことがないクチですが、そこまでコテコテじゃないし、そんな私でも十分面白かったですから。

「シカゴ」や「ムーランルージュ」「ロッキー・ホラー・ショウ」なんかも私は大丈夫でしたし。あれ?こんなに観てる私って、ひょっとしてミュージカル好きなのか?(爆)。

まあ初めはいやいやでも、話が進むに連れて旦那様も知らないうちに引き込まれる映画だと思いますよ。
何とかうまくだまして観ちゃって下さい^^。
by MASA (2007-08-10 02:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。