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Madonna「The Confessions Tour」 [Rock / Pops]

今日の記事はなぜかですます調でなはい(笑)。
去年DVD+CDという体裁で出た「I'M GOING TO TELL YOU A SECRET」に続くマドンナの最新ライヴ「THE CONFESSIONS TOUR」が同じくDVD+CDという仕様で発売された。

マドンナ コンフェッションズ・ツアー・ライヴ

マドンナ コンフェッションズ・ツアー・ライヴ

  • アーティスト: マドンナ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/03/07
  • メディア: CD

※ちなみに私が買ったのはUS盤でDVDはリージョン1のため、やはりここは国内盤をオススメします。

昨年の「I'M GOING TO TELL YOU A SECRET」は2005年のThe Re-Invention Tourからのライヴで、作りがかつての「IN BED WITH MADONNA」のようなドキュメンタリー形式となっており、DVDに収録された映像の方はコンサートの合間合間にバックステージの模様などが入ったり、パフォーマンスも途中で切られていたりと観る方の欲求不満を誘う内容だったが、今回のこの「THE CONFESSIONS TOUR」ではDVDに収録されているライヴは途中にそんな邪魔も入らず、およそ2時間に及ぶフル・サイズのステージをたっぷりと楽しめる。CDの方はこのライヴからの音源を13曲抜粋した内容で、まあオマケみたいなもんだ。ここではあくまでDVDの方をご紹介する。

しかしまあこのライヴが想像以上の感動ものの素晴らしさ!あまりの素晴らしさに2時間強のライヴを立て続けに2回も観てしまった(笑)。
デビュー以来20余年、同時期にブレイクしてよく比較されたシンディ・ローパーマイケル・ジャクソン、プリンスといった'80年代のポップ・アイコンが'90年代に入る頃にはみんなことごとく失速していった中、マドンナだけは全くといっていいほどその勢いを失わず、シワ・たるみ取りのため顔にヒアルロン酸注射を打って若さを保ちつつあくまでポジティヴに突き進んでいるが、そんなマドンナの底知れないパワー全開のパフォーマンスを堪能出来る内容で、円熟期を迎えた年齢でのマニッシュな女っぷりが実にカッコイイ!

昨年8月のロンドンでのパフォーマンスを収録したこのDVDは一昨年発売のアルバム「CONFESSIONS ON A DANCE FLOOR」の曲を中心にかつてのヒット曲も若干織り交ぜた選曲で4つのパートで構成されている。

まず最初がEquestrian Sectionと題されたセクションで、そのモチーフはなぜか。馬と言えばマドンナは2年前乗馬中に落馬して全治数か月という骨折事故にあっているが、これがトラウマになっていて何とかそれを克服しようとしているのか、あるいは落馬事件を単に自嘲しているのか、執拗に馬にこだわった演出が続く。意表をつく方法でステージに登場したマドンナは騎手に扮した出で立ちで、ムチを打ちつつ馬に見立てたダンサーにまさに馬乗りになったり、ロデオ・マシーンのようなセットの演出があったり、しまいにはおそらくマドンナ本人のものと思われる骨折した足のレントゲン写真がステージ後ろとサイドの巨大モニターに映し出されるという、掴みとしては十分なステージを繰り広げる。
Donna Summer「I Feel Love」のリフを使用した「Future Lovers」で幕を開け、「Get Together」などアルバム「Confessions ~」収録曲や、新たなアレンジによる「Like A Virgin」などを披露。

続くBedouin Sectionはマドンナがパフォーマンスを通して120万人にも及ぶアフリカのエイズに蝕まれるこどもたちやイラク戦争、環境問題など、地球規模のクライシスに対する彼女の辛辣な姿勢を感じるメッセージ性が強いセクション。曲は「Live To Tell」「Issac」「Sorry」など。

続くセクションはNever Mind the Bollocks Sectionで、マドンナが黒のエナメルっぽいジャケットに黒いレス・ポールを引っさげ、スーツも楽器も機材も真っ白なバンド・メンバー数人を従えロックなステージを披露する。ギターは'98年のアルバム「LAY OF LIGHT」の頃に習得していてホントに弾いており一応サマにはなっている。まあちょっと表面的な演出っぽい感じは否めないがそこはご愛嬌。意外性があって楽しく、けっこうエキサイティングでロックなマドンナが観られる。曲は「I Love New York」「Ray Of Light」など。

そして最後のパートは'70年代ディスコ風のステージングで大盛り上がりのDisco Section。マドンナは「Saturday Night Fever」のジョン・トラボルタを彷彿させる真っ白のスーツで登場、ローラースケートでステージを駆け回るダンサーを従えThe Trammpsのヒット曲「Disco Inferno」のリフをモチーフにその上に2000年のヒット曲「Music」を乗っけた「Music Inferno」で場内は総立ち、「Erotica」「La Isla Bonita」と続き、最後の曲は昨年のヒット曲でABBA「Gimme Gimme Gimme」をサンプリングした「Hung Up」のリフに乗せた「Lucky Star」〜「Hung Up」のメドレーで終わる。


それにしてもここでのマドンナのまったく手を抜かないパフォーマンスはまるで格闘技並みの運動量・カロリー消費率だ。このステージはまさに彼女にとってのコロシアム。数年前一時的に再結成してツアーを行ったピンク・レディの二人もマドンナと同世代だが、同じく激しい振り付けがある連日のコンサートで、一回のステージが終わるたびにもう動けないほどクタクタになるけれど、いったんステージに上がればそんなところは微塵も見せずに頑張っていると、あるテレビ番組で語っていたが、3人とも50を目の前にした年齢であそこまで激しいステージをこなすのはホントに大変だと思う。マドンナは中盤にはフーフー言いながらステージの上で「ちょっと休むわね」と言ってマイクを握ったまんまその場に寝転んでしまうが、それが何だか微笑ましく、いいよ、無理しないでちょっと休みなよ、といたわってあげたくなる(笑)。

そしてまたマドンナって人はまったくもって男前だ(笑)。どんなにセクシーな衣装を着ようが、エロいパフォーマンスをしようが、かつてベストセラーとなった写真集のヘア・ヌードを見たときですら私は今までマドンナにほとんどセックス・アピールを感じたことがない。その肉体が日頃鍛え上げられた筋肉質であることが理由ではないし、女性としての魅力をまったく感じないということでもない。自己表現のための取りつく島がないほどのポシティヴで貪欲な勢いがセックスを感じさせる余裕を与えないのである。そう言った意味ではマドンナは性を超越した存在であり、そういうひた向きな姿勢が彼女を彼女足らしめるパワーの源だろう。

年齢的・体力的問題であと何年こういったステージをこなせるのかは分からないが、マドンナがマドンナであるためのアイデンティティがそこにある限り、そして体力の続く限り彼女がステージを降りることはないのだろうと思う。

I'm Going to Tell You a Secret

I'm Going to Tell You a Secret

  • アーティスト: Madonna
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 2006/06/20
  • メディア: CD
イン・ベッド・ウィズ・マドンナ


イン・ベッド・ウィズ・マドンナ

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/07/16
  • メディア: DVD

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ルースターズ

最高です。
by ルースターズ (2007-03-12 18:49) 

MASA

ルースターズさん、お久です^^。
マドンナの来日公演も観に行かれてるんですね。羨ましいまあ。このDVDを観たら絶対ナマのステージを体験したかったなあと思いました。TBさせていただきますのでよろしくです^^。
by MASA (2007-03-12 21:11) 

最高です。WOWOWでこのライブ見ました^^
SMチックな演出がちょっと???でしたが、パフォーマンスの純度がずば抜けていますね。「CONFESSIONS ON A DANCE FLOOR」も聴きましたが、ディスコティックの懐かしい感じがしてやはり最高です。どっから来るんですかねー、このエネルギー。
by (2007-03-14 00:19) 

MASA

WOWOWで放送されたのは知ってましたが、何しろ出張中で観られなかったんですよねえ。でもこうしてDVD化されてよかったです。放送版より長いコンプリート・ヴァージョンだし^^。

SMチックはもうマドンナの十八番ですからねえ(笑)。それにしてもショウとして完璧ですね。寸分の隙もないって感じで。
まったくマドンナのあのエネルギーは得体が知れません。
by MASA (2007-03-14 00:48) 

英会話

マドンナ/Sorryを日本語訳してみました♪歌詞のテーマは別れです。最近はJUMPといい女性の自立を強く訴える内容が多いです♪マドンナつながりで書き込みさせていただきました♪また遊びに寄らせてもらいます。
by 英会話 (2007-09-26 12:05) 

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