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WINGSメルボルン公演のカセット・テープ [The Beatles]

ときどきお邪魔するてらださんのブログを先日拝見したら、「レココレ」6月号でも紹介されている'75年11月30日にTBS系列で放送されたウィングスのオーストラリア/メルボルン公演の音声をてらださんが当時TVから録音されており、そのカセット・テープについての記事が実に詳細な内容とともに書かれておられました。

おー、てらださんもかー!と妙にうれしくなったのですが、そう、ワタシも当時夏のバイトで買ったばかりのTEACのカセット・デッキで録音したカセット・テープを今でも持っているのです。

当時ビデオ・デッキはこの年に製品化されたばかりで、まだまだ一般的には普及していなかった時代。ビートルズ/ポール・ファンの中にはせめてもの思いでこの時のTVの音声をラジカセやテープ・デッキ(カセットはもちろん、オープン・リールも現役でした)で録音した人も多かったのではないでしょうか。

wings-live.jpg

この前年の'74年に買ったビクターのシステム・コンポに付いていたチューナーはAMとFM以外に何とTVのVHF放送の音声も選曲出来る回転式のTVチャンネルが付いた今思えば変わり種のチューナーだったのですが、これを使って録音しました。

下の写真がその当時使っていたチューナーで、いまだに捨てずに取ってある取説からのもの。懐かし〜。
左寄りの丸いツマミがホンモノのTVのようにガチャガチャと回すTV音声用チャンネル。
1〜12チャンネルのVHF放送しか受信出来ないので、このチューナーに外付けのUHFチューナーを取り付けて13〜62チャンネルのUHF放送の音声も聴けるようにして使っていました。

tuner.jpg

ちなみにカセットは当時ノーマル・ポジション・テープの中では高音域がもっとも伸びる音質だったFUJIFXというワタシが当時よく使っていたテープで録音しました。

'90年代までに3台買い替えたカセット・デッキはすべてとっくの昔にオシャカになり、現在このテープを再生出来るのは20年以上前に買ったCDラジカセのみ(笑)。
もう38年も前に録音したカセットですが、このラジカセで久しぶりに再生してみたところ、ドルビーNRをONで録ったこのカセット、ドルビーをかけたままでは音がこもって高音域が全く出ません。外すとテープのヒス・ノイズは出るものの高音域は出るようになり、これで何とか聴ける状態になります。

さらにソース自体の問題として、サ行がキツめで音が割れています。残念ですがこれはさすがにどうにもなりません。これならひょっとしてTVのイヤフォン端子からピン・ジャックでデッキに接続した方がよかったかも知れませんねえ。まあ今となってはどうしようもありませんが(笑)。

番組は90分で、ワタシも90分テープ1本を用意して録音に臨みました。てらださんはカセットを2本用意してCMの時にテープ・チェンジしたようですが、オープニングからエンディングまですべてを録音され、番組の司会進行役の音楽評論家、故・福田一郎氏とTBSアナウンサー、遠藤泰子氏のふたりによる解説も入っています。

ワタシはウィングスの演奏シーン以外の余計な部分はデッキのポーズ機能ですべてカットし、A面で足りない分はCMの時に急いでテープを早送りしてB面にひっくり返しました。

ウィングスの演奏部分だけの正味時間は約50分ですが、余計な部分をカットしたおかげで90分テープが40分も余ってしまい、その余った部分にはあとからシングル・ヴァージョンの「Love In Song」や友人に借りた海賊盤のビートルズのシェア・スタジアムのライヴから数曲、あとは全然関係ないよしだたくろうのデビュー・アルバムからの曲などがなぜかブチ込んであります(笑)。

で、肝心のウィングスの演奏ですが、「WINGS OVER AMERICA」に比べるとTV局が録った音声なのでやや貧弱。ポール「Venus And Mars」の出だしでヴォーカルの入りをトチったり、小さな演奏のミスもところどころありますが、でもそういう生々しさが逆に臨場感を与えていますね。今となってはなかなか貴重な音源です。

映像の方も是非もう一度観てみたいですが、この映像は「WINGS OVER AMERICA」のようにフィルム撮りではなくビデオ撮りなのでとても映像が鮮明だったのを憶えています。
ちなみにオーストラリアのVTRはPAL方式のため日本のTV用にNTSCに変換しなければならず、多分放送日ぎりぎりになってビデオが日本に届いたんじゃなかったかなと思いましたが(うろ覚えの記憶なので間違ってたらゴメンナサイ)、当時これを変換出来る機材がNHKにしかなく、TBSが放送日に間に合うよう急いでやってくれとそのNHKに頼み込んだという逸話を当時どこかで耳にした覚えがあります。

もしそのビデオがオーストラリアのTV局に今でも残っているのなら、何とかソフト化されないものでしょうかねえ。


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コメント 8

へどろん

いやぁ、なんとも見てみたい映像っすね♪
そして、カセットテープの懐かしさよ!
ポールのイラストのカセットレーベルもいい感じっすね…♪

こないだのクロスビート誌に、仰られるように編集など全て終わったのがオンエアの30分前だったってありましたよ…うふ♪
by へどろん (2013-06-23 23:39) 

MASA

へどろんさん、こんばんは〜。
今や時代の流れと共に姿を消したカセット・テープですが、昔はみんなお世話になりましたね。
レーベルは短命に終わった小学館の音楽雑誌「ザ・ミュージック」に付いていた付録です。

おー、「クロスビート」にそんな記事が?そうですかー。
じゃあ多分NTSCに変換されたビデオがNHKから戻って来たあと、放送用の尺に合わせる編集作業に時間がかかったんでしょうね。
by MASA (2013-06-24 00:40) 

paddies

この頃は録音ボタンを押すタイミングとか、
テープを裏返すタイミングとか・・・
いつもドキドキしていた記憶があります(笑)
by paddies (2013-06-24 14:34) 

てらだ

当時はテレビでビートルズ関係の映像が見られるだけでも貴重でしたから、ビデオは無くても、録音した人は多かったことと思います。

「イエスタデイ」のイントロからわざと間違えて違う曲を歌うっていうのも貴重な音源だと思うので、ぜひビデオ化してほしいところですね。

「ザ・ミュージック」付録のポールのカセット・インデックスは私も使っていたので、「おっ、MASAさんも使ってる。」って嬉しくなりました。

フジのFXカセットもいいですね。私はひとつ下のFXjrを1本だけ買いましたが、当時使っていたラジカセでも音の違いが分かる高音質で、FXにはあこがれましたが、結局FXは高価で買えなかったです。
by てらだ (2013-06-24 20:09) 

MASA

paddiesさん、どーもです。
そうそう、ポーズ・ボタンに指をかけて頭切れしないようにドキドキしながら押すタイミングを図っていたもんです^^。

テープを裏返すタイミングも、このテープの場合はまだけっこうA面が余っている状態でしたが、演奏途中で切れたら困るので、CM中に少し余っているまま早送りして、B面にひっくり返しました。
いやあ、緊張感あったなあ(笑)。
by MASA (2013-06-24 22:39) 

MASA

てらださん、どーもです。
「Yesterday」を歌うと見せかけて、もったいぶってイントロをわざと間違うというドSな対応(笑)、これでしか聴けないんじゃないでしょうかね。

カセット・インデックスはてらださんと同じくワタシも「FMレコパル」に付いていたものもずいぶん使わせてもらいましたよ。懐かしいですね。

そう言えば確かFUJIのFXは1本1,000円くらいしてたと思います。いやあ、この頃はまだまだカセットが高級品でしたね。安めのFX Jrも使ってましたよ。

by MASA (2013-06-24 22:51) 

MORE

ははは・・・私はオープンリールでエアチェックしていた世代ですから(笑)
カセットはパナソニックの最初のモデル(フィリップスのOEM?)を長年使っていました。モノでしたが・・・
TVからの録音というと、アンディ・ウィリアムス・ショーにビーチ・ボーイズが出たとき、マイクをTVのスピーカーにくっつけて、雑音が入らないように録音しました。
懐かしい思い出です・・・ライン出力がなかったので・・・(というか小学生にはその程度の知恵しかなかった?)

by MORE (2013-06-28 12:18) 

MASA

MOREさん、どーもです。
ワタシもこのウィングス以外に「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」と「ヘルプ」が初めてテレビで放送された時('71年)にもやっぱり音声だけ録音しましたねえ。

この時はまだラジカセがそんなに普及していない時代でワタシも持っておらず、知り合いのおじさんにもらったオープンリールのテープ・レコーダーが家にあって、それでライン録りしましたね。
懐かしい思い出です。

by MASA (2013-06-28 19:02) 

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