デヴィッド・リンチ作品のBD2本 [映画・BD・DVD]
3年ほど前にワタシが加入しているJ:COMのCATVチューナーをブルーレイHDRに変更してからというもの、映画はもっぱらWOWOWなどから録画する一方になってしまい、ほとんどブルーレイ・ソフトを買わなくなってしまったのですが、そのおかげで主な新作や過去の超有名作を除けば一体何がブルーレイ化されているのかという情報にちょっと疎くなってしまいました。
そんな中、先日WOWOWでデヴィッド・リンチ作品が何本か放送されました。今回が何回目かのリピート放送だったのですが、そのうち長編としてはこれが処女作となる'76年の「イレイザーヘッド」と「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」('92年)を録画し、BD-Rに収めました。
残念ながらこの時同期間に放映された「ロスト・ハイウェイ」は録画し損なってしまったのですが(乞う、リピート放送)、リストアされ美しい画質になったリンチ作品を久しぶりに観て、おー、こんなにキレイにリストアされてるのかー、と感激したのと同時に、あの悪夢のような独特の世界観で描かれるデヴィッド・リンチ作品の魅力を再確認することとなりました。
そこで今回WOWOWでは放送されなかった作品もBDで観たくなり、上記のとおりリリース状況に疎かったワタシはリンチ作品は一体どれだけブルーレイ化されているのか調べてみました。その結果個人的に大好きな作品のブルーレイを取りあえず2本購入することに。
買ったのは「ブルー・ベルベット」と「マルホランド・ドライブ」の2作品です。
「ブルー・ベルベット」はお金をかけた超大作だったにも拘らず大コケしたこの前作「デューン/砂の惑星」(日本では未BD化)に続いて大物プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスの下でリンチが監督した'86年の作品。
主演は「砂の惑星」でも主役を演じ、この3年後にはTVの「ツイン・ピークス」でFBI連邦捜査官デイル・クーパーを演じるカイル・マクラクランのほか、イザベラ・ロッセリーニ、ローラ・ダーンなどが出演。
そして何と言ってもこの作品の中で鬼気迫る強烈な演技を見せるのがデニス・ホッパー。あの妙なガスを吸いつつ「ママ、ママ」と叫びながらイザベラ・ロッセリーニと性行為に及ぶ異常なキャラクターを熱演しているところが見もの。
カイル演じるとある青年が道ばたに落ちていた切り取られた人間の耳を拾ったことからすべてが始まる不思議で奇妙な世界観で描かれているこの作品、リンチ・ワールド全開です。このブルーレイの画質も見事なリストアぶりでした。
ちなみにこれは10年ほど前にリマスターされたDVDと同じくイザベラ・ロッセリーニのヘアも見える無修正解禁版。
もう1本は個人的にはリンチ作品の中で最も好きな2001年の作品「マルホランド・ドライブ」のブルーレイ。
これも久しぶりに観ましたが、相変わらず不可解な作品です。ひと言でこの作品を言い表すなら、"死人が死んだ後に見ている夢"、とでも言いますか。主な登場人物が最初と後半で名前と役柄が入れ替わるという不可思議な展開を見せますが、最初に観た時はなんのこっちゃ?と混乱気味だったのを思い出します。
全体的に霊的なものが基本にあるという部分ではまさにあの「ツイン・ピークス」によく似ていて、非常にスピリチュアルで不可思議な世界観に満ちた作品です。「ツイン・ピークス」に出ていたあの"赤い部屋”の小人を演じた役者さんも重要な役割で出演してます。取りあえず「ツイン・ピークス」ファンは必見と言っていい作品でしょう。主演のナオミ・ワッツがいろんな意味でサイコー。
残念なのがこの作品、ブルーレイ用にリストアされていないマスターを使用しているようで、画質が今イチです。ちょっとノイズっぽいガサ付いた感じの画質ですが、これは海外盤もそうなのかなあ。まあDVDと比べればそれよりはかなりマシな画質なので何とか許せる範囲内ではありますが、リストアでの再発を望みます。
そして実はこの映画、今まで日本語字幕のない輸入盤DVDで観ていたため、字幕付きでちゃんと観るのはその昔WOWOWで1回だけ観て以来です。英語字幕だけでは言ってる意味がよく分からなかったシーン(謎のカーボーイが出てくるシーンなど)も「あー、そういうこと言ってたんだ」と今頃ようやく理解出来ました。遅いって(笑)。
リンチ作品はなぜか未見の「インランド・エンパイア」('06年)を除いて長編作品は一応全部観てますけど、やっぱり一番キョーレツなのがこの中ではこないだ録画した本格的なデビュー作に当る「イレイザーヘッド」ですかねえ。このあとリンチ作品の常連となり、「ツイン・ピークス」ではローラ・パーマーの遺体の第一発見者、ピート・マーテルを演じている主演のジャック・ナンスの怪演が見もの。
ものすごくシュールで不気味でキモチ悪いのになぜか惹き付けられてしまうという、観客や視聴者の神経を逆撫でするようなリンチ・ワールドはすでにこの作品で確立されています。
リンチ作品は観る側を選ぶ作品が多いという意味では誰にでもオススメ出来る作品は少ないですが(唯一の例外は心温まる作風の「ストレート・ストーリー」)、それでも観るには覚悟が要りますね(笑)。
ちなみに明日あたり「HELP!」のブルーレイ(輸入盤)が到着予定。こちらは視聴後においおい記事にしたいと思います。
そんな中、先日WOWOWでデヴィッド・リンチ作品が何本か放送されました。今回が何回目かのリピート放送だったのですが、そのうち長編としてはこれが処女作となる'76年の「イレイザーヘッド」と「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」('92年)を録画し、BD-Rに収めました。
残念ながらこの時同期間に放映された「ロスト・ハイウェイ」は録画し損なってしまったのですが(乞う、リピート放送)、リストアされ美しい画質になったリンチ作品を久しぶりに観て、おー、こんなにキレイにリストアされてるのかー、と感激したのと同時に、あの悪夢のような独特の世界観で描かれるデヴィッド・リンチ作品の魅力を再確認することとなりました。
そこで今回WOWOWでは放送されなかった作品もBDで観たくなり、上記のとおりリリース状況に疎かったワタシはリンチ作品は一体どれだけブルーレイ化されているのか調べてみました。その結果個人的に大好きな作品のブルーレイを取りあえず2本購入することに。
買ったのは「ブルー・ベルベット」と「マルホランド・ドライブ」の2作品です。
「ブルー・ベルベット」はお金をかけた超大作だったにも拘らず大コケしたこの前作「デューン/砂の惑星」(日本では未BD化)に続いて大物プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスの下でリンチが監督した'86年の作品。
主演は「砂の惑星」でも主役を演じ、この3年後にはTVの「ツイン・ピークス」でFBI連邦捜査官デイル・クーパーを演じるカイル・マクラクランのほか、イザベラ・ロッセリーニ、ローラ・ダーンなどが出演。
そして何と言ってもこの作品の中で鬼気迫る強烈な演技を見せるのがデニス・ホッパー。あの妙なガスを吸いつつ「ママ、ママ」と叫びながらイザベラ・ロッセリーニと性行為に及ぶ異常なキャラクターを熱演しているところが見もの。
カイル演じるとある青年が道ばたに落ちていた切り取られた人間の耳を拾ったことからすべてが始まる不思議で奇妙な世界観で描かれているこの作品、リンチ・ワールド全開です。このブルーレイの画質も見事なリストアぶりでした。
ちなみにこれは10年ほど前にリマスターされたDVDと同じくイザベラ・ロッセリーニのヘアも見える無修正解禁版。
もう1本は個人的にはリンチ作品の中で最も好きな2001年の作品「マルホランド・ドライブ」のブルーレイ。
これも久しぶりに観ましたが、相変わらず不可解な作品です。ひと言でこの作品を言い表すなら、"死人が死んだ後に見ている夢"、とでも言いますか。主な登場人物が最初と後半で名前と役柄が入れ替わるという不可思議な展開を見せますが、最初に観た時はなんのこっちゃ?と混乱気味だったのを思い出します。
全体的に霊的なものが基本にあるという部分ではまさにあの「ツイン・ピークス」によく似ていて、非常にスピリチュアルで不可思議な世界観に満ちた作品です。「ツイン・ピークス」に出ていたあの"赤い部屋”の小人を演じた役者さんも重要な役割で出演してます。取りあえず「ツイン・ピークス」ファンは必見と言っていい作品でしょう。主演のナオミ・ワッツがいろんな意味でサイコー。
残念なのがこの作品、ブルーレイ用にリストアされていないマスターを使用しているようで、画質が今イチです。ちょっとノイズっぽいガサ付いた感じの画質ですが、これは海外盤もそうなのかなあ。まあDVDと比べればそれよりはかなりマシな画質なので何とか許せる範囲内ではありますが、リストアでの再発を望みます。
そして実はこの映画、今まで日本語字幕のない輸入盤DVDで観ていたため、字幕付きでちゃんと観るのはその昔WOWOWで1回だけ観て以来です。英語字幕だけでは言ってる意味がよく分からなかったシーン(謎のカーボーイが出てくるシーンなど)も「あー、そういうこと言ってたんだ」と今頃ようやく理解出来ました。遅いって(笑)。
リンチ作品はなぜか未見の「インランド・エンパイア」('06年)を除いて長編作品は一応全部観てますけど、やっぱり一番キョーレツなのがこの中ではこないだ録画した本格的なデビュー作に当る「イレイザーヘッド」ですかねえ。このあとリンチ作品の常連となり、「ツイン・ピークス」ではローラ・パーマーの遺体の第一発見者、ピート・マーテルを演じている主演のジャック・ナンスの怪演が見もの。
ものすごくシュールで不気味でキモチ悪いのになぜか惹き付けられてしまうという、観客や視聴者の神経を逆撫でするようなリンチ・ワールドはすでにこの作品で確立されています。
リンチ作品は観る側を選ぶ作品が多いという意味では誰にでもオススメ出来る作品は少ないですが(唯一の例外は心温まる作風の「ストレート・ストーリー」)、それでも観るには覚悟が要りますね(笑)。
ちなみに明日あたり「HELP!」のブルーレイ(輸入盤)が到着予定。こちらは視聴後においおい記事にしたいと思います。
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タグ:デヴィッド・リンチ
こんばんはMASAさん
デイヴィッド・リンチ・・・訳が分からない作品ばかりですが、好きか嫌いかと言えば好きです(笑)
あまり海外ドラマを見ない私ですが、『ツイン・ピークス』にはがっつりハマりました。
ローラ役のシェリル・リーが、若き日のジョン・レノンを描いた『バック・ビート』にアストリッド役で出演していたのも、懐かしい話ですね(遠い目)
by Speakeasy (2013-06-30 00:00)
こんばんはー。
ワタシも「ツイン・ピークス」にはハマりまくったクチです。
昨年だったか、WOWOWでリマスター・ヴァージョンが放送された時には全話録画しました^^。
シェリル・リーのアストリッド、けっこう本人の雰囲気出てましたよね。
最近見かけないのが残念です。
by MASA (2013-06-30 00:21)