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HARVESTレーベルとBe-Bop Deluxe [Rock / Pops]

遅ればせながら「レココレ」3月号をやっと買いました。今月号はハーヴェスト・レーベルの特集。

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イギリスEMIレコード傘下に'69年に設立されたレーベルで、先進的な音楽をリリースして来たことで知られるレーベルですが、それゆえプログレ系のマニアックなアーティストが多く、国内盤が発売されていないほどマニアックなアルバムもいくつかあるようで、プログレがチョイ苦手なワタシにはVertigoレーベルなどと並んでぶっちゃけあまり縁のないレーベルです(笑)。

日本ではこのレーベルのアルバムは東芝EMIから発売されていましたがハーヴェストのレーベルが使われたことはなく、このレーベルやParlophone、Columbia、HMVなどのUK EMI傘下の傍系レーベルをまとめてディストリビュートしていたOdeonレーベルや、普通のEMIのレーベルが使われていたと思います。
このレーベルを代表する最大のアーティストとしては何と言っても一般的にはピンク・フロイドですが、彼らのアルバムも当初はOdeonレーベルでリリースされていました。

ディープ・パープルも今ではこのレーベルに在籍していたのが当たり前みたいに言われていますが、'70年代に日本で彼らのアルバムをリリースしていたのは日本グラモフォン→ワーナー・パイオニアで(レーベル契約ではなく、アーティスト契約だったから?)、当時ロックをリアルタイムで聴いていた世代なら、ディープ・パープルハーヴェスト・レーベルのアーティストというイメージは全くありません(これは当時同じく日本盤と米盤がワーナー/エレクトラからリリースされていたEMIレーベルのクイーンも同じですけどね)。

プログレ不得意なワタシもピンク・フロイドだけはなぜか例外的に好きで何枚かアルバムを持っていますが、どれもOdeonレーベルやCBSソニー・レーベルの国内盤ばっかりでUKオリジでは持っていません。

そんなワタシが例外的にというか、2枚だけハーヴェストのUKオリジナルで持っているのが、天才肌のビル・ネルソン率いるバンド、ビ・バップ・デラックスのアルバムです。

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このバンドも日本では昔からマニアックな人気しかなく、ワタシも当時は名前は知っててもほとんど聴いたことがないバンドでした。
上の2枚は10数年前に縁あってたまたま入手したものですが、この2枚を聴いてすっかり気に入ってしまいました。

ハーヴェストに6枚のアルバムを残した彼らですが、ワタシが持っているこの2枚はそのうち'74年のデビュー・アルバムと'78年のラスト・アルバムで、真ん中の4枚がありません(笑)。

こちらがデビュー・アルバムの「AXE VICTIM(美しき生贄)」

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ジャケがちょっとおどろおどろしい感じですが、中身の方は当時隆盛だったグラム・ロック。
リーダーのビル・ネルソンのギターをメインに据えた比較的ポップな音楽性で、ちょっと荒削りな感じもしますが、リリース当時はグラム・ロックのブームに乗って日本のロック・ファンにも注目されました。

ウラ・ジャケ。ご覧のとおり、いかにもグラム・ロックという感じでメンバー全員メイクを施しています。

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こちらがハーヴェスト・レーベル。

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このあとバンドはメンバー・チェンジを行ない、クイーンでお馴染みのロイ・トーマス・ベイカーXTCの初期のアルバムを手掛けたジョン・レッキーのプロデュースによるアルバムをリリース、音楽性も次第に変わり、'78年のラスト・アルバム「DRASTIC PLASTIC(プラスティック幻想)」では、この数年後にニュー・ウェーヴ・シーンを席巻するシンセ・ポップを先き取りしたようなテクノ色の強いアルバムを発表します。

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このアルバムのジャケ・デザインはあのヒプノシス。ちなみにビートルズでもお馴染みのGarrod & Lofthouse社製です。

全曲の歌詞が載ったスリーヴ付き。

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レーベル。

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個人的にはファーストよりもまるでニュー・ウェーヴのようなこちらのアルバムの方が好きです。強いて言えば、ギターとシンセとの融合サウンドという意味ではミッジ・ユーロ加入後のウルトラヴォックスあたりに近い感じですかね。独特のセンスが光っているアルバムです。

'70年代中頃の写真。ギターを持っているのがビル・ネルソン

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このアルバムのB面トップを飾る「Panic In The World」のライヴ映像。リフがデヴィッド・ボウィ「ヒーローズ」に似ているのはご愛嬌ということで(笑)。


類い稀なる音楽性とポップ・センスを誇るリーダー兼リード・ヴォーカルのビル・ネルソンは、ビ・バップ解散後新たにテクノ・バンドを結成したり、'80年代にはすべて自分ひとりで楽器を演奏したソロ・アルバムを出したりしてますが、最近はまったく音沙汰がないですねえ。

ビ・バップ・デラックスはワタシの苦手なプログレではなくパワー・ポップ系ロックだったおかげで聴けた数少ないハーヴェスト・レーベルのバンドです。
彼らのアルバムは'08年に紙ジャケ化されましたが、その時はワタシは迷った末に結局未購入。でもさすが不人気バンド(笑)、調べてみたらまだ入手可能みたいです。持ってないアルバム買っちゃおうかなあ〜。





美しき生贄(紙ジャケット仕様)

美しき生贄(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

プラスティック幻想(紙ジャケット仕様)

プラスティック幻想(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD



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コメント 6

想也

レココレ買われたんですね。
昨日本屋で見つけたんでパラパラ見たんですが、
あんまり食指が動かされず、別の本買っちゃいました(^^;

Be Bop Deluxeって、ボクは何故か未だに聴いたことがないんですが、
英ニッチ・ポップ好きの友人が絶賛してたんで、
そのうち聴いてみようかなぁとずっと思ってました。

今度レコ屋で見つけたら、買ってみようかなぁ。

by 想也 (2013-03-03 12:04) 

MASA

想也さん、どーもです。
ワタシも基本的には門外漢のレーベルなのですが、一応買っちゃいました。

Be Bop Deluxe、今の音楽シーンから捉えればまさにニッチ・ポップですねえ。
このバンドの素晴らしさをみんなに知っていただきたい(笑)。
是非機会があったらお聴き下さい。
by MASA (2013-03-03 15:14) 

OASI-Z

MASAさん、お久しぶりです。
Be Bop Deluxe、私はヘビメタ風のジャケットじゃなくなった4枚目の
『Modern Music』が、お気に入りです。
グラム・ロックとニュー・ウェイヴの、橋渡し的な役割を果たした作品と
言われておりますが、スペーシーでメランコリーであの時代を象徴する
「近未来ポップ」なアルバムです。
by OASI-Z (2013-03-03 21:49) 

shinkuro

こんにちは。時々のぞきに来ているshinkuroと申します。

これはファーストとラストですね。この間に出た3枚が好きですが、特に2枚目の
Futuramaと3枚目のSunburst Finishは甲乙つけがたいです。もっとも、自
分がオリジナル・アナログで持っているのはSunburst Finishだけで、あとはCD
なんですけどね~。
by shinkuro (2013-03-04 04:50) 

MASA

OASI-Zさん、お久しぶりです。
Be Bop Deluxeはワタシが持っているこの2枚しか聴いたことがほとんどないのですが、3枚目と4枚目の評価が高いみたいなので、オリジナルのアナログ盤があったら是非欲しいです。

解散後発表したRed Noiseのアルバムも良さそうなので聴いてみたいですね。
by MASA (2013-03-07 21:56) 

MASA

shinkuroさん、初めまして。ご訪問ありがとうございます。
マニアック・ネタからアイドル・ネタまでと、とっ散らかった内容のブログですが、今後ともよろしくです。

そうですか、あのヘヴィメタみたいなジャケの2枚目もいいですか。
こりゃ全部集めなきゃダメかなあ(笑)。

by MASA (2013-03-07 22:00) 

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