SSブログ

The Beach Boys「TEN YEARS OF HARMONY」 [Beach Boys]

ブライアン・ウィルソンの新作を聴いて以来、このところビーチ・ボーイズ関連のものを久しぶりにあれこれと聴いているのですが、今回は'81年にリリースされたBrother / Caribu時代をまとめた2枚組ベスト・アルバム「TEN YEARS OF HARMONY」をご紹介。

harmony.jpg

タイトルの「TEN YEARS OF HARMONY」のとおり、このアルバムは当時CapitolからBrother / Reprise ~ CBS /Caribuに移籍して10年目を迎えたことを記念して、'70年の「SUNFLOWER」から'80年の「KEEPIN' THE SUMMER ALIVE」までのアルバムの中からセレクトされた内容のベスト・アルバムです。

ジャケの見開きに載っている写真。

harmony2.jpg

しかもこのアルバム、未発表曲や入手困難なシングル・ヴァージョンの曲、さらにデニス「PACIFIC OCEAN BLUE」からの曲やセレブレイション「It's A Beautiful Day」も入っていて、コアなファンには見逃せない内容になっています。

80年代の終わり頃にCDも出ましたが、現在は廃盤。ちなみにワタシが持っているCDはその頃に出たオーストリア・プレスのEU流通盤で、リマスターされていないアナログ・マスターからのCDです。
90年代に入ってから発売されたアメリカ盤はリマスターで、一部未発表ヴァージョンの曲がある代わりに、シングル・ヴァージョンだった曲がここでは通常のアルバム・ヴァージョンに差し替えになっているらしいです。
どちらも一長一短ありますが、中古でお探しの際はご注意を。

60年代のCapitol時代のベスト盤は数々あれど、現在はこの70年代のBrother / Caribu時代もCapitolが全発売権を持ったため特にこの時代にフォーカスを絞ったベスト盤は全く出ていませんが、ビーチ・ボーイズの評価がどうもCapitol時代に偏りがちなのはこういうアルバムがないということも大きいと思いますねえ。残念な話です。

それにこの時代はブライアンが不在で、'75年のアルバム「15 BIG ONES」で長い隠居生活からやっと復帰したもののまだまだ本調子ではなく、貢献度がそう高くないということも人気が今イチの理由でしょうか。

ビーチ・ボーイズの話題になるとどうしてもブライアンを中心にした捉え方になりがちになるのは今や仕方ない部分なのでしょうが、でもこの時代は残ったカールを筆頭に、デニスマイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンが一丸となって必死にグループ存続のために頑張ってました。

確かに今イチだなあ、という出来のアルバムもぶっちゃけ2〜3枚ありますが、しかしほとんどはどのアルバムにも聴き所があり、もっと評価されてしかるべきというアルバムも少なくないと思います。
もし70年代以降のアルバムを敬遠している方がおられましたら、これを機会に是非認識を改めていただけるとウレシイです。

最後にこの時代のオススメ・アルバムを何枚か挙げておきましょう。輸入盤は2 in 1なのでお買い得で、リマスターされた音質もバツグンです。


「SUNFLOWER」は'70年代の中では群を抜く傑作。

Sunflower / Surf's Up

Sunflower / Surf's Up

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2000/07/13
  • メディア: CD

「LOVE YOU」も隠れた名作。

15 Big Ones / Love You

15 Big Ones / Love You

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2000/07/29
  • メディア: CD

「M.I.U.」も秀逸な出来の隠れ名盤。もっと評価されるべきアルバム。

M.I.U. / L.A. Album

M.I.U. / L.A. Album

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2000/07/29
  • メディア: CD

「HOLLAND」は個人的に大好きなアルバム。名曲「Sail On Sailor」「The Trader」収録。

オランダ(紙ジャケット仕様)

オランダ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ビーチ・ボーイズ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

名曲「Getcha Back」収録。'85年のロンドン録音のアルバム。

ビーチ・ボーイズ’85(紙ジャケット仕様)

ビーチ・ボーイズ’85(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/08/27
  • メディア: CD



タグ:The Beach Boys
nice!(1)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 8

PETTY

MASAさん・・・質問してもいいでせうか。

コレ・・・長年の疑問なんでやんすが、
「TEN YEARS OF HARMONY」に納められている
「Rock And Roll Music」ってシングルバージョンでしょ?
でも、国内盤の「ロックン・ロール・ミュージョック」のシングルって
アルバムバージョンなんです。
これってどういうことなんすかね?

USシングルの「Rock And Roll M
usic」持っていないし、
そうした資料も持っていないので
このことが、あの分厚い2枚組のEU盤CD買った時からの
疑問なのであります。

教えて!! MASAさん!!

by PETTY (2010-09-08 13:29) 

paddies

やっぱり順にコツコツ
全部聴かないとガマンできそうもなくて・・・(泣)
ゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせています(笑)
by paddies (2010-09-08 13:39) 

MASA

PETTYさん、まいど〜。
うむ。教えてしんぜよう。
なんて実は私もよく分かりません(笑)。
国内盤のシングルはアルバム・ヴァージョンなんですか。それは知らなかったなあ。

ストーンズのシングルなんかにもありますが、日本だけアルバムのマスターから作ったと思しきものや、あるいはアメリカだけ独自のシングル・ヴァージョンを使っている、なんていう場合もあるし、この「Rock And Roll Music」もひょっとしてアメリカ以外はアルバムと同じヴァージョンなのかも?

まあ実情は分かりませんが、多分そんなとこでしょうねえ。こういうのは当時は案外珍しいことではないと思いますね^^。
by MASA (2010-09-08 23:03) 

MASA

paddiesさん、どーもです。
まあpaddiesさんのペースでじっくりと聴いて行って下さい。
この時代のアルバムを聴く段階に入った時にこの記事が参考になればウレシイです^^。
by MASA (2010-09-08 23:06) 

MORE

そうでしたね、未発表曲が入っていたので「義理買い」した2枚組です。(笑)
CDではさすがに持っていません。
70年代以降はLOVE YOUまでですね・・・
それ以降は仰るとおり1-2曲は「まだやれるじゃん」というのもあるんですが、殆どが過去のサウンドの「もじり」でしかないんですよね。
あのドームに入ったイラストのアルバムなんて、一度聴いたきりで箪笥の肥やしと化しました・・・(手放しはしませんけどね)
もちろんCDで買い直しなんてしていません。
この頃の彼らをザクっと知るには、The Best Of Brother Yearsというのがありますね。
by MORE (2010-09-09 09:51) 

MASA

MOREさん、どーもです。
ワタシも未発表曲が入っていなかったら、このアルバムは買ってなかったかも知れないっすね^^。

あー、ドームというと「KEEPIN' THE SUMMER ALIVE」ですね。
あれとか「CARL AND THE PASSIONS / SO TOUGH」なんかはいい曲も入ってるんですけど、正直アルバム全体としては駄作かも知れないですねえ。

反面、この頃のアルバムは当時聴いた印象が今イチだなあ、と思ったものが今聴くと意外に良かったりするものが多いですよ。
「M.I.U.」なんかはその代表例です。

「The Best Of Brother Years」も残念ながら確かもう廃盤だったような。
いずれにしてもこの時代のベスト盤を何か1枚また出して欲しいところですね。
by MASA (2010-09-09 21:30) 

MORE

>「CARL AND THE PASSIONS / SO TOUGH」なんかはいい曲も入ってるん
>ですけど、正直アルバム全体としては駄作かも知れないですねえ。

このアルバムはカールが頑張ったんですが(タイトル通り)、その割にパッションがあまり感じられなかったのと、当時はPet Soundsとカップリングの2枚組で出された、というところがマイナス・イメージでしたね。
なあんかおまけにつけた筈のPSのおまけになってしまった感が・・・(苦笑)

M.I.U.は意固地になって(?)いつまでもマイクがマハリシに傾倒していた結果のアルバムなんですが、他のメンバーはどう思ってたの?という疑問が付きまとうんですよ。
やはり70年代後半以降のBB5、苦悩と試行錯誤の連続で、結局到達点が見つからないでオールディーズ・アクトになってしまった・・・んですかね。
ブートのライヴで聴くと判るんですが、マイクはしょっちゅう自虐的に人気が落ちたこと、自分たちは世間が言うほどuncoolではないことを主張していましたが、その辺りの「世間体」を気にし過ぎた結果なんでしょうね。
もっと、自分達がやりたいことを続けていれば良かったのになあと思います。
by MORE (2010-09-10 09:55) 

MASA

そうそう、売上げアップを狙ったのか、「PET SOUNDS」との抱き合わせっていうのがなんか情けないというか(笑)。

「M.I.U.」は単純にいい曲が揃ったアルバムだと思うんですよね。
アル・ジャーディンがけっこう頑張っている印象がありますし。
まあブライアン不在の時代はライヴを継続することで何とか人気を維持していましたけど、マイク・ラヴなんかはそれで手っ取り早く稼げるのでまあいいや、みたいな感じもあったのかも知れませんねえ^^。
by MASA (2010-09-11 00:16) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。