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レココレ9月号「日本のロック・アルバム・ベスト100」80年代編 [雑誌 / 書籍]

レココレ9月号は8月号に続く「日本のロック・アルバム・ベスト100」の80年代編。

レコード・コレクターズ 2010年 09月号

レコード・コレクターズ 2010年 09月号

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ミュージックマガジン
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 雑誌

中を読んで、この時代もワタシは日本のロックのアルバムは買ってないなあ、ということを思い知らされたランキングですが、80年代はほぼニュー・ウェーヴ一辺倒だったワタシでもさすがにこれは買った大滝詠一「ロンバケ」が1位なのはまあ妥当な線でしょう。

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かつて洋楽ロックのベスト・アルバム100で見せたこの雑誌ならではの意外性が前回・今回とあまり感じられない予定調和的な部分も目につきますが、80年代という時代は初頭のパンク・ブームや後半のバンド・ブームによってようやく日本にちゃんとロックが根付き多様化しサマになって来た時代でもあるので、そういった動きを象徴するようなアルバムが順当に入っているようには感じます。

ただワタシの場合はじゃがたら、フリクション、INU、Phewなど、名前だけは知ってはいるものの、肝心の音の方はちゃんと聴いたことがないアーティストも多くて、当時フォローしきれないほどのバンドがたくさんいたことを改めて感じるランキングですなあ。

このようなマニアックなバンドが多いのも特徴ですが、この辺の80年代のロックは60年代や70年代に比べると洋楽・邦楽問わずあまり再評価が進んでいないため、この頃10代そこそこくらいだったリスナーにはまだまだ認知度が低いものばかりです。
そういうリスナーを中心に今回のランキングに「選んだ評論家の知識のひけらかしじゃん」みたいな意見や違和感が一部であるようですが、実際はそんなことはなく、まあ妥当だと思えるものが多いです。でも違和感持たれてもしょうがないなあ、と思うような結果ですね^^。

クラッシュの音楽性の一面の影響なのは分かるけど、誰でも鼻歌で書けそうなヨナ抜き音階の童謡みたいな曲だらけでアホっぽいので大キライなブルーハーツが8位という上位に入っているのもこの雑誌の性格からいうと意外だし(ファンの方、スンマソン。あくまで個人的な意見です。)、サザン、山下達郎のアルバムが何枚も入っているのも、一般大衆ウケが過ぎるものはあまり取り上げないこの雑誌としては驚きだし意外だなあ。

ワタシの場合80年代を代表する日本のアーティストというと、真っ先に浮かぶのが戸川純
この人はまあすごかったよね(笑)。あの不思議ちゃん系のキャラから放たれる鬼気迫る強烈な存在感には圧倒されました。文学的かつ過激な歌詞も面白かったなあ。
20位の「玉姫様」は当時の大のお気に入りアルバムだったし、ライヴ・ヴィデオなんかも買ったりしてかなりハマりました。

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あとはY.M.O.と並ぶテクノの代表格で、立花ハジメ、佐久間正英(元・四人囃子)など個性的なメンバーを擁し何ともチープでパンクなテクノ・サウンドが面白かった17位のプラスチックスもこのファーストだけは買いました。

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そして今回も近田春夫関係のアルバムが3枚もランクインされているのがウレシイねえ。残念ながらヒップ・ホップ方面に行っちゃったビブラストーンになってからは聴いてないんだけど、ちゃんとフォローしとけばよかったかなあ。

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次回は'90年代編か?と思いきや、さすがにこれは今回で終わりなのね(笑)。次回は何とHEAR MUSIC完全移籍後に再リリースされるポール&ウィングス「BAND ON THE RUN」特集だそうです。




玉姫様(紙ジャケット仕様)

玉姫様(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: CD

WELCOME PLASTICS

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2004/09/22
  • メディア: CD



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コメント 14

大介(東京都)

こんばんは!

フリクション、じゃがたら、EP-4、INU等は当時、宝島という雑誌によく取り上げられてましたね。当時はレコードなんて買えない時代でしたし、ソースは一部ラジオからが専ら、そんな小遣いない状態でしたからライヴなんか行けないし・・・。だからフォローできないから違和感ありありなのかもしれませんね。

でもランク外のアナーキー、ARB、モッズ、ジョニー、ルイス&チャーは各1枚はランクインしても良いのにと、欲を言えばキリが無いのは確かですがね。

また、「売れたもの=質がよくない」ってイメージがあるんですかね??

>「選んだ評論家の知識のひけらかしじゃん」

実際、定番を外してわざとかきまわすために選んでいる某氏もいるようです(苦笑)
by 大介(東京都) (2010-08-20 01:42) 

MASA

大介さん、夜中にどうもです^^。
あーそうそう、宝島には確かにマニアックなバンドがよく取り上げられてましたよねー。
あとは「フールズ・メイト」ね(笑)。あれはワタシも付いて行けないくらいマニアックだったなあ。

当時聴けなかったり知らなかったりしたのは確かに経済的事情も大きいですが、情報のアンテナの張り方も若い頃と今とではちょっと違ったようにも思います。

「売れたもの=質が良くない」という図式は私も好きじゃないんですが、でも80年代からこのバランスが顕著になったのも事実ですね。
誰とはいいませんが、売れてはいるけどコアなリスナーが聴いても興味をそそられるか、というと疑問な音楽もたくさんあったのは事実だと思います。

定番を外してかき回す目的で、というのもずいぶん意地悪ですが、でもその評論家はマイナーな音楽をもっと啓蒙したかったという意図があったと善意に解釈したいです(笑)。
by MASA (2010-08-20 02:12) 

PETTY

確かにあの時代、ミュージックマガジンの「JAGATARA」のプッシュは凄かったですね。「ニセ予言者ども 」と「裸の王様」くらいしか聴いたことがありませんが、凄いと思ってものめり込むことは無かったですね。あとはギリ80年代では「BO GUMBOS」ですかね。こっちの方が好きだったかな。
「JAGATARA」にしても「BO GUMBOS」にしてもライブが観れる環境にあったら、もっと身体に刻み込まれるものがあったと思います。ミュージックマガジンでの???な大絶賛で一気にメジャーレーベルにステップアップしたバンドも多かったのが80年代。特に後半は自分が何を聴いたらいいのかが解らなくなった時代でもあります。

「ロンバケ」が選ばれるのは確かに妥当ですね。
前作まで大滝をまったく知らない女の子たちが急に大滝ファンになるくらい時代のイメージを作っちゃった責任は大きい(笑)
聴いたことがない人(いるのかな?)は、発売から30年も経っているアルバムとは思えない音の洪水を改めてじっくり聴いてみるのもいいですね。

ちなみに・・・
ミュージックマガジンが取り上げたマイナー打ち込みファンクの雄、
フードゥー・フシミの「ケンカおやじ」持っています(笑)


by PETTY (2010-08-20 10:13) 

ベアトラック

「パンタ&HAL」はどうだったんでしょうか?ヒカシューは?
自分で買って読めばいいんですよね(笑)
by ベアトラック (2010-08-20 17:32) 

HIKKY

私にとって80年代の日本のロックといえば、佐野元春だったのですが、
24位の「SOMEDAY」が最高位と、ちょっと意外でした
「VISITORS」はベスト10に入ると思ったんだけどなあ(36位)
でも、ピチカート・ファイヴの「カップルズ」が11位、
このアルバム、自分だけの秘かな愛聴盤と思ってただけに、
こちらは、ある意味もっと意外でした
by HIKKY (2010-08-20 19:57) 

MASA

PETTYさん、どーもです。
じゃがたらをはじめ、かつてミュージック・マガジンが推していたアルバムがなかりランクインしてますよね。
そういう意味ではかなり独自のカラーが出ているランキングのかも知れませんね。

ワタシの場合はやっぱり洋楽優先で邦楽の方は後回しにしたのでたくさんは聴いてないんですが、ホント、音楽が多様化して選びづらい時代だったかも知れませんねえ。

ボ・ガンボス、懐かしいっすねえ。ワタシも嫌いじゃなかったです。
どんとが亡くなったときはそれなりに驚きました。
やっぱり「ロンバケ」を通じてナイアガラ関係にハマった人も多いだろうし、いまだに好きな人も多いし、まさに80年代を象徴するアルバムであることは間違いないですね。

フードゥー・フシミも懐かしい名前だなあ。聴いたことは全くないんですけどね(笑)。
この人もMM誌では常連で、本人がレコード評まで書いてましたっけね^^。



by MASA (2010-08-20 21:06) 

MASA

ベアトラックさん、どーもです。
パンタ&HALはは90位に「TKO NIGHT LIGHT」が、ヒカシューは53位にファーストが入ってますよ。
パンタは聴いたことないんですが、ヒカシューはちょっと好きだったなあ。
アルバムは持ってないんですけど^^;
by MASA (2010-08-20 21:12) 

MASA

HIKKYさん、まいどです。
佐野元春はワタシはまともに聴いたことがあるのは「VISITORS」だけなんですが、日本人で初めてヒップ・ホップ/ラップを取り入れた画期的なアルバムでしたね。
けっこう気に入って聴いてましたが、もうちょっと上位でも悪くないですね^^。

ピチカート・ファイヴもけっこう好きですが、「カップルズ」は聴いてないですねえ。
ワタシはアルバムは後期のものを2枚しか持ってないんですよ^^;

でもやっぱりみなさん80年代となるとさすがにリアルタイムなので、それぞれ思い入れがあるアルバムがあって面白いですね^^。
by MASA (2010-08-20 21:21) 

Cold Sun

MASAさん、こんにちは
お約束の「ロンバケ」1位はしょうがないとしても、戸川純、プラスチックス、ゲルニカ、ヒカシュー、ファントム・ギフト、アフター・ディナーが入ったので、今回はこれでいいんじゃないかと思います(笑)。プログレ&ハードロック&ヘビメタ&ブルースロックなど熱い男のロック系が、洋楽でも邦楽でも、きれいさっぱり抜け落ちるのはいつものことですから(笑)。
私も80年代は、オペラチックな戦前歌謡から、パンク、シャンソン、ぶりっこアイドルまでを自在に操る変幻自在な純ちゃんのヴォーカルに、圧倒(笑)されっぱなしでした。「玉姫様」「ゲルニカ/改造への躍動」は当時の愛聴盤です。プラスチックスの1stも買ってます。
ヒカシューも近田春夫プロデュースのテクノ・ポップなデビュー・アルバムが大好きでよく聴いてましたね。90年代にメジャー・デビュー前のデモ・テー プを起こしたアルバム「1978」が出まして、ヒカシューの素の姿はノイやカンみたいなクラウト・ロック的だったので驚きました。
by Cold Sun (2010-08-21 14:43) 

MASA

Cold Sunさん、こんにちはー。
ニュー・ウェーヴをはじめとする当時の音楽状況が反映されているランキングですね。
まあこういうランキングはどうしたって選定者の趣味・趣向がある程度反映されるのは仕方ない部分はありますねえ。

戸川純はワタシもホントにハマりました。表現者としてあんな希有な人はまだ当分は現れないでしょうね。
ヒカシューは買いそびれたアーティストで、興味はあったのに結局1枚もアルバムは買わずじまいでした^^;
by MASA (2010-08-21 15:24) 

黒ちゃん

こんばんは。

MASAさん同様、戸川純にはハマリましたね。
「玉姫様」「裏玉姫」「玉姫伝」はヘビーローテーションでした^^;

当時TVでいろんなバンドやらを見ましたが、なんとなく記憶してるのがヒカシューとジューシー・フルーツくらいですかね...
MASAさんの苦手なジャパメタもイマイチだったし。
好きなバンドもありますがなんのこっちゃわからんと思うので省略します。

戸川純のアルバムは「ゲルニカ/改造への躍動」「玉姫様」「好き好き大好き」「戸川純ユニット/極東慰安婦唱歌」「東京の野蛮」を所有していますよ。


by 黒ちゃん (2010-08-21 20:57) 

MASA

黒ちゃんさん、以前から戸川純ファンを公言してましたよね^^。
ワタシもシングル盤も含めて大体は持ってますが、「ゲルニカ」と「東京の野蛮」は買わなかったなあ〜。
ちなみにゲルニカのアルバムは31位に入ってます。
by MASA (2010-08-21 22:36) 

bluebird

ジャパメタ大好き~(笑)
甲本ヒロトも(爆)
ついでに弟の俳優さんも!

立ち読みしようっと^^
シーナ&ロケッツとか入ってました?
ゼルダは?

「BO GUMBOS」の話題が出ていてちょっと意外で驚きました。
好きなバンドでした・・・(ローザルクセンブルグもね)
キーボードのキョンさんが、今は小坂忠さんのサポートやってて、感慨深いんですよねぇ・・・
by bluebird (2010-08-21 22:56) 

MASA

いやあ、洋の東西を問わず、ハード・ロックやメタル系は苦手じゃあ〜。
甲本ヒロトって、なんかアタマ悪そうであんまり好きじゃないわぁ(笑)。

そういやあシーナ&ロケッツもゼルダも水玉消防団も少年ナイフも入ってないっす。
う〜ん、残念ですね。

おー、そうですか、小坂忠のサポートねえ。他のメンバーは今どうしているんでしょうねえ。
by MASA (2010-08-21 23:09) 

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