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夏はKid Creole & The Coconutsやね! [Rock / Pops]

80年代ニューウェーヴ期に日本でもそこそこの人気を誇ったキッド・クレオール&ザ・ココナッツ
かつて盛り上がったファンクとラテンを融合させたファンカラティーナというジャンルの代表格というか元祖的存在がこのグループですが、夏になると聴きたくなる音楽のひとつがコレです。

今回はその中でも最も人気が高い'82年のアルバム「TROPICAL GANGSTARS」をご紹介。

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ワタシが持っているのはイギリスのZE / Islandレーベルから限定発売されたご覧のとおりのピクチャー盤。
内容的には'80年のファーストや'81年のセカンドの方が好みなんですが、しかしこの3枚目のアルバムはセールス的に大成功したアルバムで、ここからの数曲のシングル・カット曲がヒットしてアメリカ本国よりも圧倒的にイギリスで支持を集めました。

ウラ面。

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実はワタシが最初に買ったのはSIREレーベルから発売されたアメリカ盤で、曲目はUK盤と同じながらジャケ違い、しかも「WISE GUY」という別タイトルでリリースされました。

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何でアメリカだけがジャケもタイトルも異なる形でリリースされたのかは不明ですが、昔小耳に挟んだ話では当時中心メンバーのオーガスト・ダーネル「WISE GUY」というタイトルのソロ・アルバムを出す、とかいうウワサがありました。それの発展型がこのアルバムだったのかも?

それはともかく、UKで大ヒットした「Annie, I'm Not Your Daddy」「Stool Pigeon」「I'm A Wonderful Thing, Baby」などのヒット曲を含むこのアルバム、今聴いても全然古くさくなく、やっぱりいいねえ。ファンキーでトロピカルで非常に独特な音楽性が面白い。

このアルバムからのシングルの一部(7インチだけは次のアルバムのでした^^;)。

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メンバーは昔キャブ・キャロウェイが着ていたのと同じダボダボのズート・スーツに身を包んだダンディなイメージのリーダー、キッド・クレオールことオーガスト・ダーネル、パーカッショニストの相棒、コーティ・ムンディことアンディ・フェルナンデス、それに女性コーラス3人組のココナッツの5人編成。
粋でオシャレでダンディズムも漂う音楽性に加え、特異なバンド形態やファッションで人気がありました。

米米クラブがこのグループの影響をモロに受けているのは明白で共演したことまでありますが、カールスモーキー石井=キッド・クレオール、ジェームズ小野田=コーティ・ムンディ、シュークリームシュ=ココナッツと、主要なメンバー構成はモロかぶり(笑)。

純粋な黒人音楽でもなければ白人のそれとも違うこのグループの独特の音楽はFMなどでオンエアーする際カテゴライズしにくく売りづらかったため本国アメリカではそれほどウケず、イギリスをはじめとしたヨーロッパでの人気の方がはるかに高かったようです。
80年代中盤までが人気のピークでしたが、日本では'83年にこんなCMにも出てました。



この曲はこのCMのためにざわざわオーガスト・ダーネルが書いた曲ですが、♪ Don't take my BLACK 50 ♪という歌詞を♪ Don't take my coconuts ♪に変えたシングル「DON, DON, ココナッツ ( Don't Take My Coconuts)」も日本だけで発売されました。

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'84年にはこの年公開された映画「カリブの熱い夜 (AGAINST ALL ODDS)」のサントラ用に「My Male Curiosity」を提供、映画に出演もしています。

どこぞの姐さんがこの曲によってその後の人生が変わったという(笑)「My Male Curiosity」UK Virginから発売された12インチ。Extended ヴァージョンです。

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ちなみにサントラ盤(これもUK Virgin盤)も持ってます^^。

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この後もアルバムをリリースしていきますが、80年代中盤まではよかったものの、その後だんだんとこのグループならではのよさが失われ、ネタ切れの果てに「ランバダ」のカヴァーまでやり出した'90年代に入るとさすがにもうアルバムは買わなくなってしまいました。次第に精彩を欠くかたちでグループが消滅したのは残念です。

話はちょっと前後して、'83年の夏にはココナッツのソロ・アルバム「DON'T TAKE MY COCONUTS」EMI AMERICAからリリースされています。でもこれはさほど売れず大して話題にもならなかったので、ご存知の方は少ないかも。

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セールス的には振るわなかったものの個人的には当時からお気に入りのアルバムで、内容はこれも夏っぽくてすごくいいです。全曲書き下ろしとプロデュースはもちろんオーガスト・ダーネル

雰囲気はほとんどキッド・クレオール&ザ・ココナッツのアルバムと大差ありません。単純に女性ポップ・グループのアルバムとしても出来はかなりいいんですが、これが売れなかったのはつくづく残念。

アルバム・タイトルでお分かりのとおり、このアルバムには日本のCMに使われた「Don't Take My Coconuts」のアルバム・ヴァージョンが1曲目に収録されています。

シングル・カットされた「Did You Have To Love Me Like You Did?」はいかにもオーガスト・ダーネルらしい作風のポップな佳作。
こんなココナッツ型の変形ピクチャー盤も出ました。

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PVの後半にはバナナラマが入ってますが、そっちはどうでもいいです(笑)。



このアルバム、残念ながら廃盤で入手困難ですが、不人気盤なので中古で見つけても多分激安で入手出来るはずです。興味をお持ちの方はどーぞ。





トロピカル・ギャングスターズ

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  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1998/04/15
  • メディア: CD

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OASI-Z

キッド・クレオール&ザ・ココナッツの「TROPICAL GANGSTARS」は、私にとって「夏がく~れば思い出すぅ」お中元のようなアルバムです。
MASAさんが持っているのは、ピクチャー・レコード(英盤)ですかぁ!それに、ジャケ違いの米盤まで所有しているとは!!

私はレゲエには、のめりこまなかったのですが、こういうファンカラティーナのような健康的なのは好きでしたね。
ヘアカット100、モダン・ロマンス、ローマン・ホリディ・・・。
エアコンが無かった青春時代、アパートの暑い夏を思い出します。
by OASI-Z (2010-08-04 16:16) 

MASA

OASI-Zさん、どーもです。
そう言えばOASI-Zさんのブログでも取り上げてましたよね。
夏にピッタリの音楽ですねえ、キッド・クレオール。

このピクチャー盤は当時たまたま運良く入手出来たものです。
レコーズ・レコーズっていう輸入盤/中古盤屋さんご存知でしょうか?
昔そこで入手したんですよ^^。

ファンカラティーナは私も好きなジャンルでしたけど、中でもやっぱりキッド・クレオールがいちばん気に入ってましたね。
by MASA (2010-08-04 18:34) 

bluebird

呼んだぁ?(笑)

はい、15にして自分の性癖というか、趣味に明確に気付いたきっかけでもある曲です・・・
「大箱キャバレー感」「ナイトクラブ感」が異常に好きなんですねぇ(笑)
あと、ちっちゃくてお洒落なおぢさんに、どうもうっかり惚れてしまったり(爆)

あ、今回の出張で、オットが1枚レコード買ってきてくれました^^
4枚目の画像の、向って右の写真がジャケ写の、ベスト盤です。
おなじみの曲ばっかりの、聴きやすくて嬉しい感じです。

キッド・クレオール&ザ・ココナッツを語ろうとすると、やはり「TROPICAL GANGSTARS」になる気がしますよね!
分かりやすいし楽しいし、何より売れたからかろうじて日本でも知名度が高いですし。
でも、初めて聴いた時は「My Male Curiosity」入ってないじゃん!!って一瞬がっかりした思い出も(笑)

おっしゃるように、このバンドは「持ち球」が少ないというか・・
まぁ、ライブが楽しそうだから(一度でいいから体験したかった!)いっつも同じ曲演っててもウケるんだろうけど・・
ライブ盤、ベスト盤も変に多いですしね・・
でも、アーティストにしてみれば、閉塞感というか行き詰まり感はあったでしょうね。

最近ご無沙汰してたんですが、新譜も出てるんですよね?
それは、どうなのかな・・?
2006年位のライブ映像見たんですが、相変わらずお馴染みの曲を演ってました(笑)
ココナッツ3人は入れ替わったようですね、さすがにもう無理かな(笑)

ブログサボってて、いつか書こうと思ってたキッド・クレオール&ザ・ココナッツのこともなかなか取り掛かれず・・
書きたいこと、それ以上のことをここで読めたので、もういいやー(笑)
一曲&ヒトコトくらいなら書くかもー
by bluebird (2010-08-04 22:00) 

bluebird

あ、書き忘れた!
腋毛!!
衝撃だったなー(爆)

☆さんに「My Male Curiosity」の動画のURL送って、腋毛びっくり!って書いたら、超ウケておったわ!
by bluebird (2010-08-04 22:37) 

MASA

姐さん、待ってたで(笑)。
ナイトクラブ感、確かにあるよねー。
15でそんなん好きって、まあマセた子だったんやねえ。
詳しいいきさつは憶えてないけど、ワタシは小4の頃オヤジとオヤジの会社の同僚や上司に連れられて入ったキャバレーの印象が強烈で、オトナのイヤな世界を見たような気がしてしばらくトラウマだったけどねー(笑)。

あー、あのジャケのベスト盤、なかなか選曲がよかったと思ったなあ。
そう言えばワタシもライヴのビデオ1本持ってるけど、きらびやかで妖しくてキャバレーのショーみたいっすね^^。
解散はしてなくてまだ地道にやってるみたいだけど、ここんとこ何年も新作は出ないはずだなあ。

ココナッツの腋毛にはワタシもビックリ!(笑)ネーナの腋毛以来の衝撃だった(笑)。
当時の欧米の女性は腋毛剃らない人普通にいましたよね。
今はアソコの毛までチュルンチュルンにしちゃうのがトレンドみたいだけど(笑)

姐さんもキッド・クレオールで一発記事書いて下さいよ〜。15のときの詳しい話も含めて(笑)。
楽しみにしてます^^。

by MASA (2010-08-04 23:49) 

MORE

My Male Curiosity,ハイハイ覚えていますねー。
確かにトロピカル・ドリンク片手に聴くにはぴったんこ。
ズート・スーツ・ファッションは結局ラティーノの方達の間
だけで流行りましたが、そこまでだったかな。

それにしてもMASAさん、Against All Oddsの英盤持ってる
なんてニクイ。(私はフツーにUS盤持ってました)
あの映画、オープニングのサンセット通り滅茶苦茶ぶっ飛ばしシーンは面白いんですが、そのあとラストまでテンション下る一方、ってとこが致命的でしたねー。
アー、懐かしの80年代・・・
by MORE (2010-08-05 10:04) 

MASA

MOREさん、どーもです。
トロピカル・ドリンクは確かにハマりますね^^。
ズートスーツはキッド・クレオール以外はモダン・ロマンスが着てたかなあ。
あとは米米クラブですね(笑)。

「AGAINST ALL ODDS」のUK盤は意外に珍しいかも知れませんが、当時たまたま入手したのがこれでした^^。
US盤はATLANTICからの発売でしたっけね。
映画の方は大昔に1,2度観ただけなので、もはや内容はほとんど憶えてません。
そんなに面白い映画じゃなかったような気はしますね(笑)。
by MASA (2010-08-05 21:13) 

machi

彼らの曲で 邦題が 楽園の中で っていうのがあったと思うんですが、それって原題は何でしょうか? You tubeで探したいんですが原題がわからないので。
by machi (2011-03-09 21:35) 

MASA

machiさん、はじめまして。
ワタシ、輸入盤派なのもので国内盤をよく知らないため邦題が分かりません。
そこでちょっとネットで調べたところ、最近Yahoo!知恵袋などにmachiさんと同じ質問をしておられる方がいて、そこで原題が 「I Stand Accused」との回答がありました。
この曲は2nd.アルバムの「FLESH FRUITS AND FORIGN PLACES」に収録されてます。
でもシングル・カットされてないしPVもないので、YOU TUBEに音源あるかなあ〜。
by MASA (2011-03-09 23:15) 

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