「EXILE ON MAIN ST.」ボーナス・ディスクとDVDの内容 [Rolling Stones]
前回に引き続き、今回はスーパーDXエディションのボーナス・ディスクやDVDの内容についての私の感想です。
左がUSアナログ盤、右がスーパーDXエディションのBOX。赤っぽいスーパーDXエディションの色味が未だに気になります。
●ボーナス・ディスクの内容
今回のリマスターの目玉であるDisc 2の方ですが、なかなか興味深い曲もあって聴き所は満載。
ここに収められている10曲(国内盤は11曲)は、当時税金逃れのため住んでいた南フランスのキースの自宅の地下で行なわれた「EXILE ON MAIN ST.」のレコーディング・セッションのうちアルバムから外されお蔵入りになっていたものを中心に、'69年頃から'72年あたりまでに(ひょっとするとそれ以降も含む?)録音されたマルチ・マスター・テープが元になっているとのこと。
そこに「VOO DOO ROUNGE」「BRIDGES TO BABYLON」などを手掛けているドン・ウォズのプロデュースで追加録音やヴォーカルの取り直しが行なわれ、今日のテクノロジーで完成させたもの。
そのためこれがとても40年ほど昔の録音とは思えないような新鮮さで、まるで新作アルバムのような印象まで受けてしまいそうな内容です。
多くの曲がかなり手が加えられている感じで、ミック・ジャガーのヴォーカルなんかはほとんどが新たに録り直されたものと差し替えが行なわれているようです。当時のまんまのヴォーカルだな、と思うのは「Loving Cup」のオルタネイト・ヴァージョンと「Tumbling Dice」のオルタネイト・ヴァージョンである「Good Time Women」くらいでしょう。
他では「Soul Survivor」のオルタネイト・ヴァージョンのヴォーカルは何とキースですが、ラリって歌ってるのか?というほどラフな感じ。
80年代後半以降にお馴染みのサポート・メンバーとなったリサ・フィッシャーなどによる女性コーラスが追加されていたり、ギターやハーモニカなどの楽器が録り直されたり追加録音されているようですが、どこがそれなのかは詳しいクレジットが一切ないので分からないのが残念。
全くの新曲が7曲に、オルタネイト・テイクが3曲ありますが、国内盤にはさらに輸入盤には未収録のボートラ「All Down The Line」のオルタネイト・テイクが収録されています。
これは海外で限定でシングル発売された「Plundered My Soul」のB面に収録されているものと同じようですが、聴いていないので果たしてホントに同じものなのかどうかの確証はありません(ちなみにこのシングルはただ今US amazonに注文中)。
未発表曲の中から、バラードの「Following The River」。
このアルバムのカラーから言うとちょっと場違いな感じもしますが、曲そのものとしてはなかなかいい曲です。
この曲のミックのヴォーカルは明らかに今の声の差し替えですね。
このボーナス・ディスク1枚だけで発売しても立派に新作アルバムとして機能しそうなほどの内容ですが、そう思っていたら「EXILE ON MAIN ST. : RARITIES EDITION」というタイトルで限定ですがこのボーナス・ディスクだけ単体でも発売されています(CDのみ)。
日本ではHMVなどで取り扱いがあるようですが、US amazonにはTシャツとギター・ピックが付いた限定セットもあり、今ならまだ出品しているセラーから30$ほどで何とか入手出来そうです。まあ私は買いませんけどね^^;
その限定セットの写真。
こちらは通常盤で、US amazonでは13.99$で同じくセラーから入手可能。
●ボーナスDVDの内容
これには日本では7月以降に劇場公開とソフト化がほぼ同時期に行なわれる「SOTNES IN EXILE」と、今までまともな形で日の目を見たことがない伝説の記録映画「COCKSUCKER BLUES」「LADIES & GENTLEMEN」の3本のダイジェストが入っています。
前回の「GET YER YA-YA'S OUT」に付いていたDVDには輸入盤にも関わらず日本語字幕がしっかり収録されていたので今回も大丈夫だろう、と勝手に思っていたら、何とこれには日本語字幕は入っていませんでした。
全部で6カ国ほどの字幕が入っているのに、何で今回は日本語ないねんっ!と思うとちょっとガッカリです〜。特にインタビューが多い「STONES IN EXILE」は字幕がないとちょっと困る^^;
まあこのDVDに収録されているのは10分ほどのダイジェストなのでまだいいですが、今後単体で出るDVDは輸入盤は買えないな^^。
DVDのメニュー画面。
「STONES IN EXILE」はアルバム「EXILE ON MAIN ST.」のレコーディング当時に撮られたフィルムなどを中心に制作されたドキュメンタリーで、全米では今月すでにテレビで放映済みのものらしいです。
7月以降に劇場公開や同時期にDVD化もされますが(海外では6月にDVD化予定)そっちは60分ほどのテレビ版を150分ほどに拡張したものらしいです。そのうちここには10分ほどのほんのサワリだけを収録。
南フランスのキースの自宅の地下で行なわれたレコーディング風景が動画や静止画で観られるのは興味深いです。
変わって「COCKCUCKER BLUES」はスイスの写真家ロバート・フランクが撮った'72年のストーンズの全米ツアーの記録映画ですが、これは未だかつて一度もソフト化されたことはなく、上映もごく限られた場所で数回しかされたことがない、世界にたった1本のプリントしかないと言われる作品。
今まではキースがホテルの窓からテレビを放り投げるシーンなど一部が「25X5」などいくつかのドキュメンタリーに収録されていたりはしていますが、今後これが全編フルでのソフト化における「振り」なのでしょうか?
このDVDには22分ほどがダイジェストで収録されていますが、画質が今イチ。
ちなみにこちらが80年代までのストーンズ版「アンソロジー」と言うべき貴重で濃い内容のドキュメンタリー「25x5」の2枚組LD。
映画版ジョン・レノン「IMAGINE」、エルヴィス・プレスリー「THIS IS ELVIS」などの名作ドキュメンタリーを手掛けたアンドリュー・ソルトの制作ですが、これもDVD化してくれないかなあ〜。
最後は同じく'72年のストーンズの全米ツアーのコンサートの模様を収めた映画「LADIES & GENTLEMEN」。これも80年代初頭にごく短期間アメリカなどでビデオ化されたことがあるだけで、その後すぐ廃版となり、これのブートのビデオが出回ったりした幻の作品。
このDVDにはそのうち「Happy」「All Down The Line」の2曲(約10分)が収録されていて、画質も音質も悪くなく音声はstereo収録されています。
ちなみにこの「LADIES & GENTLEMEN」は今後ソフト化される予定ありということで、発売が楽しみ。
以上、ざっとご紹介しました。CDx2+アナログx2+DVDというスーパーDXエディションの名に相応しい豪華で充実した内容で、私は大変満足です。
(DVDからの画像は画像ソフトからキャプチャーしたものです。)
左がUSアナログ盤、右がスーパーDXエディションのBOX。赤っぽいスーパーDXエディションの色味が未だに気になります。
●ボーナス・ディスクの内容
今回のリマスターの目玉であるDisc 2の方ですが、なかなか興味深い曲もあって聴き所は満載。
ここに収められている10曲(国内盤は11曲)は、当時税金逃れのため住んでいた南フランスのキースの自宅の地下で行なわれた「EXILE ON MAIN ST.」のレコーディング・セッションのうちアルバムから外されお蔵入りになっていたものを中心に、'69年頃から'72年あたりまでに(ひょっとするとそれ以降も含む?)録音されたマルチ・マスター・テープが元になっているとのこと。
そこに「VOO DOO ROUNGE」「BRIDGES TO BABYLON」などを手掛けているドン・ウォズのプロデュースで追加録音やヴォーカルの取り直しが行なわれ、今日のテクノロジーで完成させたもの。
そのためこれがとても40年ほど昔の録音とは思えないような新鮮さで、まるで新作アルバムのような印象まで受けてしまいそうな内容です。
多くの曲がかなり手が加えられている感じで、ミック・ジャガーのヴォーカルなんかはほとんどが新たに録り直されたものと差し替えが行なわれているようです。当時のまんまのヴォーカルだな、と思うのは「Loving Cup」のオルタネイト・ヴァージョンと「Tumbling Dice」のオルタネイト・ヴァージョンである「Good Time Women」くらいでしょう。
他では「Soul Survivor」のオルタネイト・ヴァージョンのヴォーカルは何とキースですが、ラリって歌ってるのか?というほどラフな感じ。
80年代後半以降にお馴染みのサポート・メンバーとなったリサ・フィッシャーなどによる女性コーラスが追加されていたり、ギターやハーモニカなどの楽器が録り直されたり追加録音されているようですが、どこがそれなのかは詳しいクレジットが一切ないので分からないのが残念。
全くの新曲が7曲に、オルタネイト・テイクが3曲ありますが、国内盤にはさらに輸入盤には未収録のボートラ「All Down The Line」のオルタネイト・テイクが収録されています。
これは海外で限定でシングル発売された「Plundered My Soul」のB面に収録されているものと同じようですが、聴いていないので果たしてホントに同じものなのかどうかの確証はありません(ちなみにこのシングルはただ今US amazonに注文中)。
未発表曲の中から、バラードの「Following The River」。
このアルバムのカラーから言うとちょっと場違いな感じもしますが、曲そのものとしてはなかなかいい曲です。
この曲のミックのヴォーカルは明らかに今の声の差し替えですね。
このボーナス・ディスク1枚だけで発売しても立派に新作アルバムとして機能しそうなほどの内容ですが、そう思っていたら「EXILE ON MAIN ST. : RARITIES EDITION」というタイトルで限定ですがこのボーナス・ディスクだけ単体でも発売されています(CDのみ)。
日本ではHMVなどで取り扱いがあるようですが、US amazonにはTシャツとギター・ピックが付いた限定セットもあり、今ならまだ出品しているセラーから30$ほどで何とか入手出来そうです。まあ私は買いませんけどね^^;
その限定セットの写真。
こちらは通常盤で、US amazonでは13.99$で同じくセラーから入手可能。
●ボーナスDVDの内容
これには日本では7月以降に劇場公開とソフト化がほぼ同時期に行なわれる「SOTNES IN EXILE」と、今までまともな形で日の目を見たことがない伝説の記録映画「COCKSUCKER BLUES」「LADIES & GENTLEMEN」の3本のダイジェストが入っています。
前回の「GET YER YA-YA'S OUT」に付いていたDVDには輸入盤にも関わらず日本語字幕がしっかり収録されていたので今回も大丈夫だろう、と勝手に思っていたら、何とこれには日本語字幕は入っていませんでした。
全部で6カ国ほどの字幕が入っているのに、何で今回は日本語ないねんっ!と思うとちょっとガッカリです〜。特にインタビューが多い「STONES IN EXILE」は字幕がないとちょっと困る^^;
まあこのDVDに収録されているのは10分ほどのダイジェストなのでまだいいですが、今後単体で出るDVDは輸入盤は買えないな^^。
DVDのメニュー画面。
「STONES IN EXILE」はアルバム「EXILE ON MAIN ST.」のレコーディング当時に撮られたフィルムなどを中心に制作されたドキュメンタリーで、全米では今月すでにテレビで放映済みのものらしいです。
7月以降に劇場公開や同時期にDVD化もされますが(海外では6月にDVD化予定)そっちは60分ほどのテレビ版を150分ほどに拡張したものらしいです。そのうちここには10分ほどのほんのサワリだけを収録。
南フランスのキースの自宅の地下で行なわれたレコーディング風景が動画や静止画で観られるのは興味深いです。
変わって「COCKCUCKER BLUES」はスイスの写真家ロバート・フランクが撮った'72年のストーンズの全米ツアーの記録映画ですが、これは未だかつて一度もソフト化されたことはなく、上映もごく限られた場所で数回しかされたことがない、世界にたった1本のプリントしかないと言われる作品。
今まではキースがホテルの窓からテレビを放り投げるシーンなど一部が「25X5」などいくつかのドキュメンタリーに収録されていたりはしていますが、今後これが全編フルでのソフト化における「振り」なのでしょうか?
このDVDには22分ほどがダイジェストで収録されていますが、画質が今イチ。
ちなみにこちらが80年代までのストーンズ版「アンソロジー」と言うべき貴重で濃い内容のドキュメンタリー「25x5」の2枚組LD。
映画版ジョン・レノン「IMAGINE」、エルヴィス・プレスリー「THIS IS ELVIS」などの名作ドキュメンタリーを手掛けたアンドリュー・ソルトの制作ですが、これもDVD化してくれないかなあ〜。
最後は同じく'72年のストーンズの全米ツアーのコンサートの模様を収めた映画「LADIES & GENTLEMEN」。これも80年代初頭にごく短期間アメリカなどでビデオ化されたことがあるだけで、その後すぐ廃版となり、これのブートのビデオが出回ったりした幻の作品。
このDVDにはそのうち「Happy」「All Down The Line」の2曲(約10分)が収録されていて、画質も音質も悪くなく音声はstereo収録されています。
ちなみにこの「LADIES & GENTLEMEN」は今後ソフト化される予定ありということで、発売が楽しみ。
以上、ざっとご紹介しました。CDx2+アナログx2+DVDというスーパーDXエディションの名に相応しい豪華で充実した内容で、私は大変満足です。
(DVDからの画像は画像ソフトからキャプチャーしたものです。)
メイン・ストリートのならず者(スーパー・デラックス・エディション)(初回限定盤)(2SHM-CD+2LP+DVD付)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: CD
Exile on Main Street (W/Dvd) (Dlx)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Umvd Labels
- 発売日: 2010/05/18
- メディア: CD
こんばんはー、MASAさん。ウチにもようやくボーナスCDだけの単品『Rarities Edition』が届き、今、聴いてます! これを没テイクのお蔵だしとみなすか、今のストーンズの新曲とみなすか、まさにビミョウなサウンドですねぇ…^^; 私のブログでも紹介候補の一枚ですが、聴けば聴くほど不思議なボーナスの10曲に感じます。
DVD収録された3つの映像は後にリリース予定の予告編みたいですね。『Cocksucker Blues』の部分だけは今後もリリースされるか分からないので、貴重な映像かもしれませんね。LDの『25×5』は私も持っています! 貴重なメンバー自らが振り返るドキュメンタリーでしたね。私もコレはDVD化希望です! ^^
by MCMLXV_65 (2010-05-30 20:44)
こんばんはー、まいどです^^。
おー、ついに届きましたか。
是非MCMLXV_65さんの詳しい感想をお聞きしたいので、ブログで取り上げるのを楽しみにしてます。
最近はこのボーナス・ディスクばっかりを聴いてますが、確かにビミョーだし同時にすごく面白いですねえ。
少なくともただの没テイク集ではないですね。もしもこういうかたちじゃなくオルタネイト曲を除いて新作として出したら、立派にそれで通用しそうなアルバムだと思います。
「TATOO YOU」がそういうアルバムでしたからね^^。
DVDは内容が短いし、あくまでプロモーション的な部分が強いですね。
「COCKSUCKER BLUES」はソフト化されるんでしょうか。期待したいです。
おっ、MCMLXV_65さんも「25X5」お持ちですか。あれはいいですよね。
DVD化をずっと待ってるんですが、出ないもんですかねえ〜。
by MASA (2010-05-31 00:42)
こんにちは、はじめまして。
TBさせていただきました。exileの詳細、どうもありがとうございましたっ!
by みやがわ (2010-07-22 09:30)
みやがわさん、はじめまして。
トラバありがとうございます。
参考になれば幸いです。
by MASA (2010-07-22 21:08)