Scritti Politti のアルバム その2 [Rock / Pops]
前回に続き今回はスクリッティ・ポリッティのアルバム紹介第2弾です。
上の写真は驚くなかれ、グリーン・ガートサイドの近影。80年代のあの美形からは想像がつかないヒゲをたくわえたシブイ顔になり、まるで80年代中期の痩せてヒゲを生やしていた頃のブライアン・ウィルソンそっくり(笑)。
ちょっとビックリのビフォー・アフターですが、現在はこの風貌同様に音楽性もやや変化を見せています。
その前に話は遡り、まずは記念すべき'82年のデビュー・アルバム「SONGS TO REMEMBER」(Rough Trade ROUGH 20)をご紹介します。
このアルバムはポップ・グループ、モノクローム・セット、エヴリシング・バット・ザ・ガールなどの先鋭的なアーティストのアルバムを数多くリリースしていたインディ・レーベルのRough Tradeからの発売。
この3年後にリリースされる名作「CUPID & PSYCHE 85」のようなデジタル・サウンドとは全く違って、バンド・メンバーや編成も異なっています。
やっている音楽はレゲエやスカを基本にしたものや幾分アヴァンギャルドな面もあり、なかなか一筋縄ではいかないポスト・パンクを展開しています。
グリーンの中性的なヴォーカルはこの頃から変わらず非常に個性を放っていますが、曲の出来不出来の差が激しいアルバムで、面白い曲もあれば取っ付きにくい曲もあり、という感じ。ただ、この頃からすでに何か光るものがあり当時から注目はされていたバンドでした。
このアルバムには未収録の'78年のデビューから発表したシングルがたくさんあるのですが、それは現在「EARLY」というタイトルでアルバム化されています。
ただ、私的にはぶっちゃけどうも初期は取っ付きにくいので持っていません。
そして'85年に「CUPID & PSYCHE 85」、'88年に「PROVISION」の2枚のヒット作を発表した後、3年後の'91年に突如シングルの「She's A Woman」をリリースします。
ご存知ビートルズのカヴァーですが、これをデジタル・サウンドのレゲエにアレンジし、ゲストに迎えたシャバ・ランクスのラガマフィン・ラップが絡む佳作。
CDシングルには特殊デジパック仕様のCD-1(上の写真右)とプラケのCD-2(写真左)がありますが、それぞれ収録曲やヴァージョンが異なり、現在廃盤でこれ以外で聴くことが出来ないのが残念。
しばらくして同じ年に次のシングル「Take Me In Your Arms」もリリースしましたが、残念ながらこれは当時出たのも知らず未入手。
そしてこの2枚のシングル発売から8年、アルバムとしては前作の「PROVISION」から数えると実に11年、もうアルバムは出さないのかと諦めかけた頃、長い沈黙の末ついにリリースされたアルバムが'99年の「ANOMIE & BONHOMIE」。
このアルバムはヒット作2作で見せたバキバキのデジタル・サウンドから一転、今度は血の通った普通のロックに加えヒップ・ポップにかなり歩み寄りを見せている内容で、ラップも入ったかなり本格的に取り組んだヒップ・ホップ・ナンバーが多く、過去に比べると別なかたちで冒険しています。
まあこうなる兆しがすでに'91年のシングルの頃からあったことはヒップ・ホップのファッションに身を包んだグリーンが出ているPVを観れば分かるわけですが、ブラック・ミュージックに強い憧憬の念を持つグリーンがヒップ・ホップに新たなる表現手段を見いだした、というところでしょうか。出来としてはまずまずの佳作と言える内容です。
ゲストでベースにミッシェル・ンデゲオチェロ、ギターに元プリンス&ザ・レヴォリューション、ウェンディ&リサのウェンディ・メルヴォイン、その他当時人気があったニューヨークのラッパーたちが参加しています。
シングル第1弾となった"Umm"のPV。
そしてこれ以降またグリーンは長い沈黙を守り、7年振りとなる2006年に今のところの最新作となるアルバム「WHITE BREAD BLACK BEER」をようやくリリース。
レーベルも古巣のRough Tradeに変わり心機一転、なのかどうかは分かりませんが、このアルバムでまたもやスクポリはイメージ・チェンジ。
今までのアルバムが「動」とするなら、このアルバムは「静」という印象で、非常に内省的な感じのアルバムです。最初はあまりにらしくない地味な印象のため、数回聴いただけで放り投げていました。
ところがしばらくぶりに聴いてみたらこれが意外にいい!何かに雰囲気が似てるなあ、と思ったら、これまるで「PET SOUNDS」ぢゃないかー(笑)。
前作から7年のブランクの間にグリーンは「PET SOUNDS」を聴いてその影響でも受けたんじゃないか?と思いたくなるほどよく似た雰囲気で、曲調や曲の展開はもちろん、コーラス・ワークなんかもまるでビーチ・ボーイズという曲も多い。それで風貌までブライアン・ウィルソンそっくりになっちゃったのかな?(笑)。
この間グリーンは結婚して幸せだった一方でいい曲が書けなかったりしていろいろと悩んでいたそうですが、そういう環境の変化や心理状態のせいか、このアルバムは今までのサウンドやビート主体の音楽ではなく、メロディが主体の美しいアルバムになっています。
このアルバム発売からすでに4年弱。彼らのインターバルからすると、次の新作はもう数年先かな(笑)。
上の写真は驚くなかれ、グリーン・ガートサイドの近影。80年代のあの美形からは想像がつかないヒゲをたくわえたシブイ顔になり、まるで80年代中期の痩せてヒゲを生やしていた頃のブライアン・ウィルソンそっくり(笑)。
ちょっとビックリのビフォー・アフターですが、現在はこの風貌同様に音楽性もやや変化を見せています。
その前に話は遡り、まずは記念すべき'82年のデビュー・アルバム「SONGS TO REMEMBER」(Rough Trade ROUGH 20)をご紹介します。
このアルバムはポップ・グループ、モノクローム・セット、エヴリシング・バット・ザ・ガールなどの先鋭的なアーティストのアルバムを数多くリリースしていたインディ・レーベルのRough Tradeからの発売。
この3年後にリリースされる名作「CUPID & PSYCHE 85」のようなデジタル・サウンドとは全く違って、バンド・メンバーや編成も異なっています。
やっている音楽はレゲエやスカを基本にしたものや幾分アヴァンギャルドな面もあり、なかなか一筋縄ではいかないポスト・パンクを展開しています。
グリーンの中性的なヴォーカルはこの頃から変わらず非常に個性を放っていますが、曲の出来不出来の差が激しいアルバムで、面白い曲もあれば取っ付きにくい曲もあり、という感じ。ただ、この頃からすでに何か光るものがあり当時から注目はされていたバンドでした。
このアルバムには未収録の'78年のデビューから発表したシングルがたくさんあるのですが、それは現在「EARLY」というタイトルでアルバム化されています。
ただ、私的にはぶっちゃけどうも初期は取っ付きにくいので持っていません。
そして'85年に「CUPID & PSYCHE 85」、'88年に「PROVISION」の2枚のヒット作を発表した後、3年後の'91年に突如シングルの「She's A Woman」をリリースします。
ご存知ビートルズのカヴァーですが、これをデジタル・サウンドのレゲエにアレンジし、ゲストに迎えたシャバ・ランクスのラガマフィン・ラップが絡む佳作。
CDシングルには特殊デジパック仕様のCD-1(上の写真右)とプラケのCD-2(写真左)がありますが、それぞれ収録曲やヴァージョンが異なり、現在廃盤でこれ以外で聴くことが出来ないのが残念。
しばらくして同じ年に次のシングル「Take Me In Your Arms」もリリースしましたが、残念ながらこれは当時出たのも知らず未入手。
そしてこの2枚のシングル発売から8年、アルバムとしては前作の「PROVISION」から数えると実に11年、もうアルバムは出さないのかと諦めかけた頃、長い沈黙の末ついにリリースされたアルバムが'99年の「ANOMIE & BONHOMIE」。
このアルバムはヒット作2作で見せたバキバキのデジタル・サウンドから一転、今度は血の通った普通のロックに加えヒップ・ポップにかなり歩み寄りを見せている内容で、ラップも入ったかなり本格的に取り組んだヒップ・ホップ・ナンバーが多く、過去に比べると別なかたちで冒険しています。
まあこうなる兆しがすでに'91年のシングルの頃からあったことはヒップ・ホップのファッションに身を包んだグリーンが出ているPVを観れば分かるわけですが、ブラック・ミュージックに強い憧憬の念を持つグリーンがヒップ・ホップに新たなる表現手段を見いだした、というところでしょうか。出来としてはまずまずの佳作と言える内容です。
ゲストでベースにミッシェル・ンデゲオチェロ、ギターに元プリンス&ザ・レヴォリューション、ウェンディ&リサのウェンディ・メルヴォイン、その他当時人気があったニューヨークのラッパーたちが参加しています。
シングル第1弾となった"Umm"のPV。
そしてこれ以降またグリーンは長い沈黙を守り、7年振りとなる2006年に今のところの最新作となるアルバム「WHITE BREAD BLACK BEER」をようやくリリース。
レーベルも古巣のRough Tradeに変わり心機一転、なのかどうかは分かりませんが、このアルバムでまたもやスクポリはイメージ・チェンジ。
今までのアルバムが「動」とするなら、このアルバムは「静」という印象で、非常に内省的な感じのアルバムです。最初はあまりにらしくない地味な印象のため、数回聴いただけで放り投げていました。
ところがしばらくぶりに聴いてみたらこれが意外にいい!何かに雰囲気が似てるなあ、と思ったら、これまるで「PET SOUNDS」ぢゃないかー(笑)。
前作から7年のブランクの間にグリーンは「PET SOUNDS」を聴いてその影響でも受けたんじゃないか?と思いたくなるほどよく似た雰囲気で、曲調や曲の展開はもちろん、コーラス・ワークなんかもまるでビーチ・ボーイズという曲も多い。それで風貌までブライアン・ウィルソンそっくりになっちゃったのかな?(笑)。
この間グリーンは結婚して幸せだった一方でいい曲が書けなかったりしていろいろと悩んでいたそうですが、そういう環境の変化や心理状態のせいか、このアルバムは今までのサウンドやビート主体の音楽ではなく、メロディが主体の美しいアルバムになっています。
このアルバム発売からすでに4年弱。彼らのインターバルからすると、次の新作はもう数年先かな(笑)。
「WHITE BREAD BLACK BEER」これは知っています(笑)
っていうか。これしか聴いたことないです。
誰かに薦められたんだと思うんだけど・・・思い出せません。
MASAさんかな?
by PETTY (2010-02-03 17:56)
おー、PETTYさんが知っているとは、これは意外です^^。
いや、私はオススメしたことはないなあ(笑)。
でも「WHITE BREAD BLACK BEER」はPETTYさんでも十分聴けるアルバムだと思いますよ。
あ、DVD今日送っときました^^。
by MASA (2010-02-03 21:42)
次のアルバムは来月に予定されている「Best Of」ですよ!!!
by MF1984 (2010-02-04 23:36)
MF1984さん、情報ありがとうございます。
でもベスト・アルバムなんですよね、これ。
そんなものしか出ないところを見ると、やっぱりオリジナル・アルバムは当分先になりそうですね^^。
by MASA (2010-02-04 23:45)
なぜか、高校時代に聴いていました
一番雑食だった時代かもしれません
名前自体、超ひさしぶりで、今ちょっとめまいが・・・(笑)
by bluebird (2010-02-06 22:22)
おっ、姐さんもグリーンの色気にやられたクチですか?(笑)。
今でも熱心なファンが多いみたいですよ、スクポリ。
機会があればまた聴いて下さい。
by MASA (2010-02-07 00:18)