XTCの編集盤 [XTC]
それは君、エアロスミスやないか。
と、このところお気に入りのビーグル38のギャグをぶちかましたところで、今回はエアロスミスではなくXTCのアルバム紹介です。前回の「NONSUCH」からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回が一応最終回です。
'92年の「NONSUCH」を最後にXTCはVirginから契約を切られ、'99年にマイナー・レーベルのIdeaレコーズに移籍して「APPLE VENUS」シリーズを出しますが、これ以降は私も完璧にはフォローしておらず、内容の方もあまり面白くないので取り上げません^^;
で、最終回の今回は、Virgin時代のいろいろな編集盤を取り上げたいと思います。
まずはビクター音産時代の'81年に限定発売された6曲入りミニ・アルバム「LIVE & MORE」。
見たところ7インチ・シングルのようですが、普通よりもふた周りくらい大きいビッグ・レーベルを使った6曲入り12インチ盤です。
'80年のアルバム「BLACK SEA」から切られたシングル「Towers Of London」「Sgt. Rock」などのB面曲が中心で、当時日本では未発表だったものをまとめたもの。
現在は「BLACK SEA」のCDのボートラとして聴ける「Don't Loose Your Temper」「Smokeless Zone」などの他、ライヴ・ヴァージョンによるメドレーの「Living Through Another Cuba ~ Generals And Majors」など、他ではなかなか聴けない貴重なものも収録されています。
SIDE 1
1. Don't Loose Your Temper
2. Smokeless Zone
3. Living Through Another Cuba ~ Generals And Majors (Live Medley)
SIDE 2
1. Scissor Man (Studio Live At BBC)
2. The Somnambulist
3. Set Myself On Fire (Live)
続いてはカナダの編集盤「5 SENSES」。
これも'81年にカナダだけで発売された5曲入りのミニ・アルバムで、上の日本編集盤と同じくUKで発売されていた「BLACK SEA」周辺のシングルのB面曲を集めたもの。日本編集盤と2曲ダブりますが、シングルのみで発売された「Wait Till Your Boat Goes Down」が入っているのがミソ。
現在はすべてアルバムのボートラや他の編集盤のCDで聴けます。
SIDE 1
1. Smokeless Zone
2. Officer Blue
3. Wait Till Your Boat Goes Down
SIDE 2
1. Don't Loose Your Temper
2. Strange Tales, Strange Tales
続いては名作「ENGLISH SETTLEMENT」と同じ'82年秋に2枚一組で発売された編集盤「WAX WORKS」と「BEES WAX」。
「WAX WORKS」は'77年のデビュー・シングル「Science Friction」から'82年の「Ball And Chain」までのシングルA面曲12曲が収録され、「BEES WAX」の方にはシングルのB面曲ばかり13曲が収録されています。
それぞれのレーベル写真。
XTC初のベスト盤で、当時はまとめてシングル曲が聴けるので重宝したアルバムでした。特に「BEES WAX」はシングルを持っていないと聴けなかった曲ばかりで、未だにCD化されていない曲も何曲かあるので、今でもそれなりの価値を保っています。
ここに収録されている「Heaven Is Paved With Broken Glass」(「Ball And Chain」の12インチ・シングルのカップリング曲)はリミックスされたヴァージョンですが、あとで紹介する「RUG AND BONE BUFFET」でCD化された際にこちらのヴァージョンが使われたため、オリジナルのシングル・ヴァージョンは未CD化のままです。
ちなみにこの2枚のアルバムはあとから廉価盤価格で別々でも発売されました。UKではCD化されていませんが、日本ではVirgin Japan時代の'92年に両方ともCD化されたことがあります。「BEES WAX」のCDはレアなので中古で見つけたら即ゲット!アメリカではGeffenから「WAX WORKS」だけCD化されています。
次からはCDで発売された編集盤です。
まずはファンなら絶対に持っていた方がいい内容の濃い編集盤2枚をご紹介。
左が'90年に出た「RUG AND BONE BUFFET」で、上の「BEES WAX」にも収録されていないシングルのB面曲や別ヴァージョンをはじめ、映画のサントラに提供した「Happy Families」やThree Wise Men、The Colonelという変名で出したシングル曲など、オリジナル・アルバムには未収録のレアな音源が満載の全24曲入りの編集盤。ビートルズで言えば「RARITIES」みたいなアルバムで、これはコアなファンにはたまらない内容です。
右側の「EXPLODE TOGETHER」は、'77年のセカンド・アルバム「GO 2」の初回盤に付いていたEP「GO+」と、'80年にMr. Partridge名義で出たアンディのソロ・アルバム「TAKE AWAY / LURE OF SALVAGE」を2 in 1収録したアルバム。
内容は'77年から'80年に発表したXTCのいろんな曲をアンディがダブ・ミックスの手法で原型を留めないほどに解体/再構築したもので、今聴くとダブ真っ盛りだった'80年初頭の空気を感じ取れるアルバムです。ヴォーカルは引っ込められほとんど入っていません。こちらはかなりのマニア向けです。
次は正統派のベスト・アルバムで、'96年に発売された2枚組「FOSSIL FUEL : THE XTC SINGLES 1977 - 92」。
全31曲のシングル曲を2枚のCDに収録したベスト盤で、オリジナル・アルバムに収録されている曲はシングル・エディットで入っているので、マニアも納得の内容。
初回盤は写真のようにアンモナイトの化石の部分が立体的に浮き出た特殊仕様のケースでした。
何か入門用にベスト盤を1枚というのなら、文句なくこれをオススメします。
次は'97年に日本だけで発売されたベスト盤「THE GREATEST / XTC」。
'97年はEMI 創立100周年で、これを記念して東芝EMIはTHE GEARESTシリーズという完全限定発売のベスト盤を出しましたが、その中の1枚がこれ。
このシリーズは他にジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ビーチ・ボーイズ、ロキシー・ミュージック、ブライアン・フェリー、ザ・バンドなど全部で36タイトルが発売されたようです。
で、これがただのベスト盤と思いきや、なかなかニクイ内容でした。全部で18曲が収録されているうちこちらもオリジナル・アルバムからのシングル・カット曲はシングル・エディット・ヴァージョンで収録されていますが、何と言っても'80年のシングル「Making Plans For Nigel(がんばれ!ナイジェル)」のB面として日本とオーストラリアでしか発売されなかったシドニーでのライヴ・ヴァージョンの「Are You Receiving Me?」や、同じくオーストラリアやアメリカ、カナダでしか発売されていない「This Is Pop」のシドニーでのライヴが収録されているのが目玉。
他には一番最初に取り上げた日本編集のミニ・アルバムに収録されていた「Living Through Another Cuba ~ Generals And Majors」もこれが初CD化で、この3曲のライヴはCDでは未だにこれでしか聴けません。これも中古で見つけたら速攻でゲットです。
最後は2002年にUKのみで発売された究極の4枚組BOX「COAT OF MANY CUPBOADS」。
4枚組60曲というヴォリュームのこのBOXは、厳密にはBOXではなく書籍型になったデジ・パック仕様。
内容がこれまたマニアックで、既発のヴァージョン曲も収録されていますが大半は未発表曲や未発表のライヴ、デモ・ヴァージョンなどで構成されていて、XTCの最深部に迫るディープなコンピレーションです。
綴じ込みになった80ページに及ぶ分厚いブックレット部分はレアな写真や解説が載っており、充実してます。コアなファン必携のBOXです。
これ以外にもBBCスタジオ・ライヴを集めた4枚組BOXセットの「TRANSISTOR BLAST」や数種類のベスト盤が発売されていますが、「TRANSISTOR BLAST」以外は持っていないので取り上げられません。まあ主だったところはこのようなところです。
Fossil Fuel (Singles 1977-1992)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Virgin/EMI
- 発売日: 1996/09/02
- メディア: CD
タグ:xtc
ああ、4枚組ボックスいいですね、前から狙っているのですが、やっぱりまだ高いし見ないです。
ビクターからの12インチは他にもジャパンとかカルチャークラブなんかがありましたね。ワックスワークスってCDでありませんでしたっけ?持っていたような・・
アンモナイトは私も当時店で見かけて、すぐ買いました。究極のベストCDではないでしょうか。
また何かあったら取り上げて下さい。楽しみにしています。
by pinkisland (2009-07-11 06:50)
こんにちは、MASAさん。私も4枚組みとアンモナイトは買いました。後者は最初、「なんだろう?」的な印象で購入したモノでしたが、聴き易かった印象が。でも、前者はあまりにコア過ぎて…(~_~;)
XTCは紙ジャケ・リリースの際にアルバムを集めていましたので、MASAさんの一連のXTCシリーズは楽しく拝見していました。オリジナル以外にも多作なバンドで、ファン泣かせな英国出身バンドのひとつですネ。
私も、また何かXTCにあったらMASAさんのレビューを期待しているひとりですので、これで最後と仰らずに今後ともよろしくお願い致します!!!
by MCMLXV_65 (2009-07-11 12:35)
pinkさん、毎度です。
ボックス、現在¥6,600ちょっとになってますね。
「あと1点在庫あり」になってるので、なくならないうちにポチッとして下さい(笑)。
ビクターの12インチ、何種類かありましたよね。
私はこれしか持ってませんけど。
「WAX WORKS」はVirgin Japan時代の国内盤とGeffen時代のUS盤があります。
pinkさんのはどっちですか〜?
by MASA (2009-07-11 14:56)
MCMLXV_65さん、どーもです。
4枚組ボックス、確かにちょっとキツイ面がありますね^^。
既発曲もちょっと多いのが玉にキズです。
私は紙ジャケは初期と後期の何枚かは買わなかったんですよねー。
今思えば全部行っとくんだったかなあ、とちょっと後悔してます。
XTCはアルバム、シングル共に限定盤も多いし、未CD化曲も多いし、すごくマニア泣かせのバンドですねえ。
音源的にはほぼ完璧に持ってますが、買い逃した限定シングルとか、まだまだあります。
また何かXTCに動きでもあれば、ここで記事にしたいと思います。
by MASA (2009-07-11 15:06)
ビーグル36って初めて見た~^^
あ~ごめんなさい、またETC。。。としか言えないワタシ( ̄∇ ̄;)
by がぁこ (2009-07-12 00:46)
うんうん・・・そやからそれは君、XTCやないか(笑)。
ビーグル38にハマってまるんだよね^^;
「レッドカーペット」と「あらびき団」しか出ないから知らないかー。
今度チェックしてね。
by MASA (2009-07-12 01:30)
あ、しかも君、それは36やないか(笑)。
by MASA (2009-07-12 01:38)