YAZOO再結成 [Rock / Pops]
カイリー・ミノーグ、Perfumeに続き、テクノの話題ですが＾＾；
1982年に元デペッシュ・モードのヴィンス・クラーク（現・イレイジャー）と女性ヴォーカルのアリソン・モイエの二人のよって結成され、アルバム2枚を残して解散したテクノ・ユニットYAZOOが、なんと今年6月に25年振りに再結成しイギリスで5公演のコンサートを行なうらしい。
CD Journalのサイトによれば、これは5月に発売されるYAZOOの4枚組ボックス・セットの発売に合わせたもので、このボックスには2枚のアルバムとリミックスやアルバム未収録のシングルB面曲などを収録したディスク、それにPVやインタビューを収めたDVDが入ったセットらしい。
クラフトワークやY.M.Oの活躍によって70年代の終盤からしだいに市民権を得て行くテクノだが、ゲイリー・ニューマン、ヒューマン・リーグなど、その後の'80年前後に台頭し出した頃のテクノ・ポップというと、シンセや打ち込みによる無機質なピコピコ・サウンドをバックに直立不動かつ無表情で歌うヴォーカル、という機械的な冷たいイメージがあった。
しかし、YAZOOのアリソン・モイエはテクノにそういった先入観を持たず、従来どおりのスタイルでしかもかなりソウルフルで力強いヴォーカルで歌い上げ、それをピコピコ・サウンドの上に乗せた。このコロンブスの卵唱法（？）によってテクノを初めて血の通ったものにすることに成功した最初のヴォーカリストだったと言っていいだろう。
そんなYAZOOの代表曲で、いろんなアーティストにカヴァーされている名曲「Only You」。
お聴きのとおり、黒人顔負けのソウルフルで太い声である。
今はごく当たり前のことだが、当時は一見違和感がありそうに見られていたテクノとソウルの融合をアリソン・モイエはサラリとやってのけたのであった。
これに影響を受けたのか偶然なのかは知る由もないが、このYAZOO登場の1年後の'83年と同じ'82年にソウル界の大御所マーヴィン・ゲイが発表した「Sexal Healing」は、まさにこのYAZOOと同じ方法論を用いて作られた大ヒット・ナンバーだ。
テクノ界で当時一世を風靡したRoland TB-808によって作られたサウンドとマーヴィン・ゲイの見事なヴォーカルが完全に一体化した名曲である。
何はともあれ、そんな形で地味ながらその後のテクノに影響を与えたYAZOOの再結成、ボックス・セットの発売とともにちょっと楽しみだ。
※1/23 追記；
私の古い友人、ishrockくんによれば、テクノとソウルフルなヴォーカルの融合は偶発的に生まれたものではなく、ヴィンス・クラークによって意図されたものだったらしいということです。だとすると、その発想がコロンブスの卵ってことになりますね。
いずれにしてもYAZOOの方法論は画期的だったと思います。
マーヴィン・ゲイの「Sexal Healing」も発売は同じ'82年なので、一部文章を訂正させていただきました。
ishrockくん、これからもツッコミどころがあったらどんどんツっこんでいいからね（笑）。
1st.アルバム「UPSTAIRS AT ERIC'S」
※このUS盤ではユニット名がYAZになっているが、当時アメリカにYAZOOという同名の黒人バンドが存在したため（全然売れてないバンドだったらしい＾＾）、アメリカ進出の際に名前を変えざるを得なかったといういきさつがあった。
- アーティスト: Yaz
- 出版社/メーカー: Sire
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
2nd.アルバム「YOU AND ME BOTH」
- アーティスト: Yazoo
- 出版社/メーカー: Mute
- 発売日: 1995/05/01
- メディア: CD
ちなみにアリソン・モイエは昨年10月に久々の新作を出している。
- アーティスト: Alison Moyet
- 出版社/メーカー: Universal
- 発売日: 2007/10/15
- メディア: CD
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YAZOO、懐かしいですね。久しぶりに聴いてみたくなりました。
by takanobu (2008-01-23 03:34)
YAZOO、あまり熱心には聴いていなかったのですが、（と言うか、ほぼ聞いていない）当時はYMOが好きでテクノサウンドにそれなりの聴き齧っていたので、今回MASAさんの文章を読んで、又興味が湧きました。
…ですが私の知る限り、このユニットは結成自体からヴィンスの意図するサウンドが有っての事で、アリソンのソウルフルな歌唱も彼女の先入観の有無からではなく、無機質な音に有機的＝ソウルフルなヴォーカルを載せる、と言うヴィンスの意図が存在していた、と記憶しています。
比してマーヴィンのミッドナイト･ラブは、当初従来の彼のスタイルと同様ミュージシャンを集めて完成され計画も有ったものの、資金繰り等の問題も有りあの形になったものなので、影響云々はどうかと…＾＾；
アルバムの発表年も同じ82年ですしね。
by ishrock (2008-01-23 04:09)
takanobuさん、初めまして。ご訪問ありがとうございます。
確かに懐かしいですね。私もアルバムはずいぶんと聴いてませんが、再結成にはちょっと興味が湧きます。
by MASA (2008-01-23 10:29)
ishrockくん、おはようございます。仕事の合間にレスしてます＾＾。
さすがこの時代に関しては詳しいなあ。でもピコピコ・サウンド＋ソウルフルなヴォーカルってのは当初から意図されたものだったの？
私は偶然の産物みたいにして生まれたと何かで当時読んだ記憶があるんだけど、記憶違いだったかな。
マーヴィン・ゲイの場合は確かに予算の関係はあったにせよ、それでもYAZOOを耳にして、じゃあこれでいいじゃん、て具合に作っちゃった可能性があるけど、でも海を隔てて同時期に同じようなものが出来たんだとするとすごい偶然だね＾＾。
by MASA (2008-01-23 10:41)
YAZOOって知らなかったです。。
YAHOOならよく知ってるけどｗ
YMOはもちろん知ってます（ΦωΦ）ﾉ
by がぁこ (2008-01-25 16:56)
がぁこさんの世代ならYAZOOは知らないかも。日本ではものすごい人気があったワケでもないしね。
そうかー、ZとHの違いで大違いですね＾＾。
by MASA (2008-01-25 23:31)
テクノポップと言われる以前からKRAFTWERKは聴いてました＾＾；
YMOは「増殖」しか持ってません...
なんせ、目的が違いますから（笑）
YAZOOは知りませんです。
by 黒ちゃん (2008-01-30 20:55)
じゃあ黒ちゃんさんは'70年代後半からすでに聴いてたんですね。早いですねえ。
私はY.M.O.経由で'80年頃からかなあ。でも「THE MAN MACHINE」1枚しか持ってませんけどね＾＾。
Y.M.Oなら大体は持ってます。
by MASA (2008-01-30 23:30)
はじめまして、こんにちは。ゆうこです。
YAZOOの曲、Only Youを最近耳にしたのですが、
そのテクノサウンドに聞きほれてしまいました。
まず曲を知り、アーティストを調べるという順序で、
ＹＡＺＯＯを知りました。
テクノサウンドの曲をこれまであまり聞いたことがなかったので、
新鮮な音色に感激です。
おすすめの、アーティストがいれば教えてください。
by ゆうこ (2008-02-24 08:07)
ゆうこさん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
内容がトッ散らかったブログですが、以後よろしくお願いします。
「Only You」は名曲ですね。ファースト・アルバムもなかなかいいですよ。
テクノのおすすめですかー、そうだなあ、YAZOOと同じ頃の'85年に発売されて大ヒットしたスクリッティ・ポリッティというグループの「Cupid & Psyche'85」は名盤ですね。ヴォーカルのグリーンの中世的な声やイケメン度も高いグループです（笑）。もちろん曲もいいです。
↓
http://www.amazon.co.jp/Cupid-Psyche-85-Scritti-Politti/dp/B000025JQD/
最近の私のお気に入りは今大人気のPerfumeですね。これはバリバリのテクノです。アイドルなんてことを感じさせない出来の良さと、聴いてて気持ちがいいノリのいい楽曲が並んでいて、アイドルってところに抵抗がなければ超オススメです。
↓
http://www.amazon.co.jp/Perfume~Complete-Best~-DVD付-Perfume/dp/B000LPRLEM/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=music&qid=1203842660&sr=1-3
by MASA (2008-02-24 18:21)