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Clashファン必聴!Ellen Foely「SPIRIT OF ST. LOUIS」 [Rock / Pops]

ただいま出張先の高知県内にいます。
今日は休暇中にアップ出来ずに持って来たネタをひとつ^^。

エレン・フォーリー「SPIRIT OF ST. LOUIS(邦題は『悲しみシアター』)」 というアルバム。大して売れなかったアルバムなので、ご存知の方はどのくらいおられるだろうか。
このアルバムは'81年の購入当時から現在に至るまで長年の私の愛聴盤なのだが、何年か前に一度CD化された後しばらく廃盤状態だったところ、この度ボーナス曲3曲を収録したリマスター盤として再発されたので取り上げてみたい。


'80年頃の写真。今はもうオバサンになっているはず。

エレン・フォーリーミート・ローフの'78年の大ヒット・アルバム「地獄のロック・ライダー」にゲスト参加し、そこで注目を浴びたのがキャリアのスタートだった。
しかし私はミート・ローフのこのアルバムにはそんなに興味を惹かれず、モット・ザ・フープルイアン・ハンター&ミック・ロンソンがプロデュースした'79年のエレンのソロ・デビュー・アルバム「NIGHT OUT」が出たときもそれなりにいいとは思ったが購入までには至らなかった。

そして'81年にこの2nd.アルバム「SPIRIT OF ST. LOUIS」がリリースされるのだが、このアルバムが大変な曲者だった。
実は当時エレンが付き合っていた彼氏というのがクラッシュミック・ジョーンズで、このアルバムをプロデュースしたのもミックだったのである。

インナー・スリーヴのクレジットには"PRODUCED BY MY BOYFRIEND"と表記されているのだが、微笑ましいというか、ええかげんにせえよというか、とにかくこういったところに当時のアツアツぶりを垣間みることが出来る。

しかし、このアルバムはそれだけではない。収録曲の半数はミック・ジョーンズとジョー・ストラマーによる書き下ろしで、なんとバックの演奏にもクラッシュのメンバーやファミリーが動員されているのである。内容はまさにクラッシュ・フィーチャリング・エレン・フォーリー
そのため一部のファンの間ではクラッシュの隠れ名盤的扱いをされてきたアルバムである。

レコーディング時期としてはちょうどクラッシュが3枚組の問題作「SANDINISTA!」を発表した頃と重なるが、エレンはこのアルバムに参加していて、Disc 1の2曲目「Hitsville U.K.」ではバック・コーラスでその声を聴くことが出来る。

サンディニスタ!(紙ジャケット仕様)

サンディニスタ!(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: CD

エレンのこのアルバムの内容もパンク一色かと思いきや、ミックとジョー・ストラマーが書いた曲はどことなく'60年代のヨーロピアン・ポップスを彷彿させる意外なキャッチーさを持っている。
それは「LONDON CALLING」「SANDINISTA!」の一部で聴かれるポップな感触に似た感じで、発売された時期や漂う雰囲気から「裏 SANDINISTA!」と言っていいかも知れない。
いかにもクラッシュ!というロックなサウンド・アレンジで繰り広げられているが、バックがクラッシュであることを抜きにして捉えてもこのアルバムはポップ・ロック・アルバムとして独特の個性を放っていて、かなりの出来の良さだ。
クラッシュ・ファンでこのアルバムを未聴の方、あるいは女性ポップ・ヴォーカルものがお好きな方には是非一度聴いてほしいアルバムである。

ちなみにこのアルバムの発売元はソニーBMGなので、いずれ紙ジャケになってもらいたいものだが、その際には是非買って聴いていただきたい。後悔はさせませんっ!

Spirit of St. Louis

Spirit of St. Louis

  • アーティスト: Ellen Foley
  • 出版社/メーカー: Wounded Bird
  • 発売日: 2007/10/30
  • メディア: CD

このあとエレンは'83年に3rd.アルバム「ANOTHER BREATH」を発売するが、大して話題にもならず、知らないうちにひっそりと発売されていたため私も未購入。いつの間にやらミックとも別れ、そのうち音楽シーンの表舞台からは姿を消してしまう。

ネットでその後の消息を調べてみたところ、音楽からほとんど足を洗った後何と彼女はハリウッド・デビューしており、「トッツィー」「カクテル」「危険な情事」などといった映画に女優として出演しているという。
この3本は私も観ているが、まさか出演していたとは知らず全然気にとめて観ていなかったので記憶にない。一体どこら辺に何の役で出ていたものやら。大体写真だけで実際に動くエレンは見たことがなかったので気が付かなかったのだろう。

またこの時期に音楽活動は全く行なっていなかったわけではなく、ボニー・タイラー「Hero」にバック・ヴォーカルで参加するなどしているらしい。
You Tubeには比較的最近のライヴがアップされていたりするところを見ると、現在も地道に活動しているようである。
久しぶりにまたアルバムを出して欲しいもんです。


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コメント 4

DEBDYLAN

こんばんは。

これ、全く知りませんでした。
THE CLASHのPOPな曲は好きなんで、このアルバムに興味津々です。

MASAさんの言葉通り紙ジャケCDになってくれれば文句ナシで買います(笑)

それにしても今回はずいぶん遠い所に出張ですね。
急に寒くなってきてますんで、お身体に気をつけてお仕事頑張って下さい。
(札幌と比べたら寒さなんて大した事ないですか?)
by DEBDYLAN (2007-11-18 21:22) 

MASA

DEBさん、こんばんは、です。

>これ、全く知りませんでした。

あ、やっぱりですか(笑)。ヒット曲があるわけでもないので、知ってる人は少ないのかなあ。

内容は二重丸なので、なるのかどうか分かんないけど紙ジャケ化実現の際には是非!

いやあ、高知はあったかくて天国ですね。北国生まれなのに寒いのが大の苦手な私にはサイコーです^^。
さすがに朝晩はちょっと冷えますけどね。
体には気をつけて頑張ります。
by MASA (2007-11-18 22:46) 

出張先からもアップされてる!と思って見に来ました。
僕は、最近上映された「ロンドン・コーリング」を観て、遅まきながらクラッシュのファンになりました。”パンク”のイメージとちょっと違うし。

で、わたしは、「クラッシュ・ファンでこのアルバムを未聴で、女性お好きな方」ですから、やはり聞いてみなければなりませんね。

高知でのご健闘をお祈りしとります!
by (2007-11-21 14:00) 

MASA

マルコメさん、どーもです。
出張先にも愛用のMacBookを持って行っているので、ネタがあればアップしてます。
まあ仕事で使うのがメインなんですけどね。

「ロンドン・コーリング」は観てみたいんですが、全国ロードショーじゃないんで上映されてない地方も多く観る機会がないですねえ。
DVD化まで待ちます^^。
by MASA (2007-11-21 18:11) 

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