モーニング娘。10周年記念ベスト

今のモー娘。はもうどうでもいい、と以前書いておきながらまた記事にするのも何なのだが（笑）、今年で結成10周年を迎えた記念のベスト盤が出るとあっては話は別だ。
まずそのジャケ写真に予定されている写真が面白いのである。
それがこれ　↓

ファンじゃない方々にはピンと来ないかもしれないが、現メンバー9人が並んでいるこの写真はモー娘。が国民的アイドルとなるきっかけとなった'99年の大ヒット曲「LOVEマシーン」のジャケの再現になっているのである。

このアイデアはプロデューサーのつんく♂によるもので、小学生時代から家にあってよく聴いていたというビートルズの赤盤・青盤のアイデアを拝借したのだという。
ご覧のとおり10年前のモー娘。と現在のモー娘。とではメンバーがもはや一人もカブらず全く別もののグループになってしまっている。やろうと思えば卒業したメンバーでオリジナルのモー娘。が再結成出来るのだ（笑）。

現在までに総勢25人ものメンバーの加入と脱退を繰り返し新陳代謝を計って10年持たせたわけだが、もちろんこんなのは今までの日本の音楽シーンにはなかった前代未聞の戦略であり、考えてみればかなり大胆でスゴいことだ。失敗すれば人気急落の危険性を伴う大博打であり、最初はリスクも覚悟の上だったと思う。
しかしその戦略は当時弱冠13歳だった後藤真希の加入直後に放った、モー娘。人気の社会現象化を生んだ「LOVEマシーン」の成功以来慣例化するのである。

ごっちんの加入によりこれまでのメンバーの誰とも違う彼女の圧倒的な存在感にインスパイアを受けたつんく♂は「LOVEマシーン」という作品でそれまでのしっとりムードが多かった楽曲から一転して"ハジけたモー娘。"という方向に大胆な軌道修正を行った。そしてこの曲の大ヒットにより当時人気に若干の翳りを見せ伸び悩んでいたモー娘。を国民的アイドルの座まで一気に引き上げることに成功したのだった。

このあとハロー・プロジェクトを立ち上げ業界を席巻していくつんく♂自身にとっても「LOVEマシーン」はプロデューサーとしての転機となった作品であるのだが、それを考えると今回のベスト盤のジャケが「LOVEマシーン」のパロディであるのと同時に、自分がロックの道に進むきっかけとなったビートルズのアルバムのジャケのパロディにもなっているというのもうなずけるというものだ。
話が長くなったが、このジャケを見て何やらそんなことをちょっと思ってしまったのだった。

このベスト盤、「モーニング娘。ALL SINGLES COMPLETE~10th ANNIVERSARY」というタイトルで発売は10/24。
これまでモー娘。が発売したシングルのA面曲すべてを収録した2枚組のベスト盤だが、初回盤として現メンバーと元メンバーによるメッセージや彼女たちがセレクトしたライヴ映像などを収録したDVDをプラスした3枚組仕様のものも発売される。

このブログへ来られる方々はモー娘。のPVなどちゃんとご覧になったことがある人はおそらく少ないと思うので、まあついでにちょっと黄金期のモー娘。のうち、私が選んだベスト3を観ていただきましょうか（笑）。

ジャケ写真をCLICKすると観られます。
リンクしたものはYou Tubeなどより画質がよく音声はステレオ音声です。出来ればオーディオなどの外部音声に出力して出来るだけの大ヴォリュームでご覧下さい。

まずは「LOVEマシーン」。'99年9月9日のゾロ目に発売された7thシングル。
楽曲の良さ、遊び心満載の歌詞、アイドルなのにドジョウすくいの要素まで取り入れたインパクトあり過ぎの振り付け、演奏とアレンジを担当したダンスマンの見事さ、それらすべてが融合された結果生まれた奇跡の名曲。
当時のメンバーは中澤裕子、安倍なつみ、飯田香織、石黒彩、矢口真理、保田圭、市井紗耶香、そして加入したばかりの後藤真希の黄金の8人。

2000年5月発売の9thシングル「ハッピー・サマー・ウェディング」
この曲から辻、加護、石川梨華、吉澤ひとみによる4期メンバーが加入。
アラベスクな真っ赤な衣装に沖縄民謡のようなあいの手という無国籍な感じがいい。
中澤ねーさんの「紹介します。証券会社に勤めてる杉本さん。」というセリフもユニークな、妙なインパクトを持つ曲だ。

2001年7月発売の12thシングル「ザ☆ピ〜ス！」。
センターに石川梨華を持って来た初めての曲。この曲のハジケ具合も生半可じゃない。数あるヒット曲の中でも白眉の1曲。
終わりそうで終わらないビーチ・ボーイズの「Help Me, Rhonda」みたいな終盤が面白い。

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