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THE BEATLES U.S. ALBUMS BOX [The Beatles]

仕事が忙しくてなかなか更新する暇がなく、久々のエントリー記事です。
実はその間に昨年末に注文していた新しいスピーカーが注文から1ヶ月ほどかかってようやく到着、そしてそのスピーカーで早速聴いていたビートルズ「THE U.S.ALBUMS」BOXも到着済みです。

新しいスピーカーは次回にでも取り上げたいと思いますが、まず今回はすでにいろんな方々のブログで話題になっているU.S. BOXを取り上げます。

usbox.jpg

今年はビートルズの全米進出50周年ということで現地アメリカでは盛り上がっているようですが、それを記念しての今回の発売。しかしほとんどの音源が'09年のUKリマスター使用ということで「これじゃ出す意味ないんじゃね?」という意見を多く耳にします。

これに関してはワタシも全く同意見でとっても残念に思いますが、独特のイコライジングが勝手に施されたUSヴァージョンは本来世に出すべきではないし市場に混乱を来す、というのが旧EMI側の考えなのではないかと個人的には推察します。

それにオリジナルのUSヴァージョンでの発売を望んでいるのはワタシのようなコアなマニアに限られるだろうし、一般的に見れば音質的に優れているUKヴァージョンでの発売が相応しいというあちらの判断なのでしょう。まあそう考えればこれは仕方がないのかも知れません。

かつてはUSヴァージョンなんか変なエコーがかかったりしていて音質も良くないし聴くならUKヴァージョン、なんてことが言われていたのに、いざUS盤のアルバムがCD化されるとなると「UKヴァージョンに差し替えかよ!」と文句を言う。まあ分かるんですけど、自分を含めなんてマニアって勝手なことばっかり言うんでしょうか(笑)。

ということで、今回のBOX、マニアでない限り強くは購入をオススメは出来ないシロモノですが、取りあえずワタシは40年以上に及ぶこよなきビートルズ愛によってこのBOXを購入するに至りました(笑)。

usbox2.JPG

1枚ずつじっくりと聴いている暇がないのでざっとですが、一応全アルバムを聴きました。オリジナルのUS盤とどう異なるのか、以下アルバムごとに気が付いた点を箇条書きにしてみたいと思います。

● MEET THE BEATLES!
オリジナルでは疑似stereoだった「I Want To Hold Your Hand」「This Boy」の2曲はリアルstereoヴァージョンに差し替え。それ以外はmono、stereoとも'09年UKリマスター・ヴァージョン。

● THE BEATLES' SECOND ALBUM
「Thank You Girl」のmonoヴァージョンは間奏とエンディングにハーモニカが入るstereoヴァージョンを単にmono化したヴァージョンでしたが、ここではハーモニカがないオリジナルのmonoヴァージョンに差し替え。

疑似stereoだった「She Loves You」「I'll Get You」はリアルstereoが存在しないためmonoヴァージョンを収録。

疑似stereoだった「You Can't Do That」はリアルstereoに差し替え。

USのみの貴重なミックスの「I Call Your Name」stereoヴァージョンはちゃんとUSミックスを使用。その他はUKリマスター・ヴァージョン。

● A HARD DAY'S NIGHT
今回驚いたのがこれ。アナログ時代のstereo盤は全編monoヴァージョンを疑似stereo化しただけのものでしたが、ここではすべてリアルstereoに変更。
ビートルズの楽曲はもちろんですが、インスト曲がリアルstereoになったのはひょっとして今回が初めて?それとも'80年代にCapitolに版権が移ってからリリースされた再発盤ではすでに全編リアルstereoだったんでしょうか?その辺は持っていないため未確認ですが、BOX未購入のファンもこれは単品で買う価値ありかも。

2/13 訂正; インスト曲がリアルstereoだというのはアナログ盤の当初からそうだったようです。現在は手放してしまいましたが、以前疑似stereo盤は持っていたものの、しばらく聴いていなかったため勘違いしていたようです。訂正させていただきます。

その他ではこのアルバムだけのロング・ヴァージョンである「I Cry Instead」"I'll~"ではなくこのように表記)はmonoヴァージョンのみ(stereoミックスは存在しない模様)。残りの全曲はstereo、monoとも'09年リマスター・ヴァージョン。

hdn.JPG

レーベル、インナースリーヴもオリジナルどおり。

hdn2.JPG

● SOMETHING NEW
stereo、monoともに全曲UKリマスター・ヴァージョン。特に変わったところはなし。
ちなみにワタシはこのアルバムのアナログ盤はUSオリジナルmono盤、再発Appleレーベルstereo盤、ドイツElectorola / Odeon盤、旗帯国内盤の白レーベル見本盤の4種類を持っています。

somethingnew.JPG

● THE BEATLES' STORY
アナログ盤では2枚組だったものを1枚のCDに全編収録。このアルバムのアナログmono盤はstereoミックスを単にmono化しただけのため、stereoミックスのみ収録ですが、特に変化はなし。

● BEATLES '65
オリジナルではmonoミックスを疑似stereo化しエコーを深くかけた「She's A Woman」「I Feel Fine」はリアルstereoヴァージョンに差し替え。一方この2曲のmonoヴァージョンはオリジナルと同じくエコーがかかったUSヴァージョンを収録。その他はmono、stereoともにUKリマスター・ヴァージョン。

このアルバムのアナログ盤はオリジナルmono盤、ドイツElectorola / Odeon盤の2種類を所有。

65.JPG

● THE EARLY BEATLES
mono、stereoともに全曲UKリマスターと同一。特に変わったところはなし。もちろんstereoミックスが存在しない「Love Me Do」「P.S. I Love You」の2曲はmonoヴァージョン。

● BEATLES Ⅵ
オリジナルでは疑似stereoの「Yes It Is」はリアルstereoで収録。それ以外はmono、stereoともにUKリマスターと同一。

● HELP!
このアルバムのアナログmono盤も全曲stereoヴァージョンをmono化しただけの「なんちゃってmono」ですが、ここではすべてリアルmonoヴァージョンを収録。「Help!」のmonoヴァージョンもここではシングル・ヴァージョンと同じタンバリンの入っていないオリジナルmono。
疑似stereoだった「Ticket To Ride」のstereoヴァージョンはリアルstereoヴァージョンに差し替え。
それら以外はmono、stereoともにUKリマスターと同一ですが、stereoは'87年版リミックスの方。

● RUBBER SOUL
「I'm Looking Through You」のstereoヴァージョンはオリジナルどおりのイントロのやり直し入りヴァージョン、「The Word」ジョンのヴォーカルがダブル・トラックで楽器とコーラスの定位が異なるUS独自のミックスをちゃんと収録。
その他はmono、stereoともにUKリマスターと同一ですが、ただし残念ながらこちらもstereoは'87年リミックスの方を収録。

● YESTERDAY AND TODAY
ファンの間でもっとも残念だという意見が多いのが「I'm Only Sleeping」で、なぜかmono、stereoともに通常のUK版ミックスの方を収録。本来はUS盤独自のミックス違いなのですが、これが収録されなかったのは解せません。何か理由がありそうです。

2/13 訂正;JDさんのご指摘を受け聴き直してみたところ「I'm Only Sleeping」のmonoヴァージョンに関してはミックス違いのUSヴァージョンでした。これもワタシの勘違いです。失礼しました(汗)訂正させていただきます。

この曲を含め初期プレスではmonoミックスを疑似stereoで収録の「Dr. Robert」「And Your Bird Can Sing」の3曲は今回リアルstereoヴァージョンの方で収録(アナログ盤でもAppleレーベル以降のプレスではリアルstereoに差し変わっています)。

今回の紙ジャケではブッチャー・カヴァーが復活。このアルバムのみジャケがコーティングされていて、シール仕様になっているトランク・カヴァーを貼ったり剥がしたり出来るようになっています。まあ誰もそんなことをする人はいないと思いますが(笑)。

y&t2.jpg

このアルバムのアナログ盤は3種類持っています。オリジナルstereo盤(上)、上記3曲がリアルstereoに差し替えられたオレンジCapitolレーベルの'70年代後期プレス(真ん中)、誤ってmonoマスターを使ってプレスされたためオリジナルmonoミックスで収録されている'80年代の再発Capitol盤(下)。

y&t.JPG

ちなみに「BEATLES Ⅵ」の'80年代再発盤にも手違いによりmonoマスターでプレスされたものが存在します。

● REVOLVER
mono、stereoともに'09年UKリマスターと同一で、異なる点は特になし。これと「THE EARLY BEATLES」の2枚に関しては持っていてもほとんど意味がないアルバムです(笑)。

● HEY JUDE
このアルバムのmono盤は存在しないのでstereoミックスのみの収録ですが、全曲UKリマスターと同一で特に違いはなし。オリジナル・アナログ盤よりもジャケの色味がキレイ。
出来れば初期プレスのアナログどおりアルバム・タイトルを「THE BEATLES AGAIN」、レコード番号をSO-385にして欲しかったと思うのはワタシだけではないはず。

2/13 追記;「Paperback Writer」はアナログ盤では左右のチャンネルが逆に収録されていましたが、今回はUKリマスターを採用しているため正常に直っています。

以上、内容は大体このような感じです。
今回は精巧な紙ジャケが採用され、インナースリーヴもオリジナルと同じく年代ごとに異なるCapitolのアド・スリーヴが再現されていますが、ワタシが購入した輸入盤はジャケがオリジナルと同じ前貼り式ではなく裏貼りになっているのはちょっと残念。「A HARD DAY'S NIGHT」「HEY JUDE」以外はオリジナル・アナログ盤とは異なる仕様ということになりますが、この2枚以外の国内盤はちゃんと前貼り式が採用されている模様です。

ジャケに拘る人なら値段が3万円超えの国内盤を選択するしかありませんが、オリジナル・アナログ盤を持っている人なら特にそこに拘らなくても値段が国内盤の半額近い輸入盤で充分ではないでしょうか。
まあ、たまに気分を変えてこのUS盤でビートルズを聴くのもオツなものです(笑)。




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Speakeasy

MASAさん、こんばんは。

The U.S. Albumsのレポートごくろうさまです。私は国内盤のThe U.S. Boxの購入を予定しているのですが、金が無いのでまだ入手しておりません(涙)スピーカーの話題も楽しみにしております。

by Speakeasy (2014-02-10 23:46) 

MASA

Speakeasyさん、早速のコメントありがとうございます。
国内盤、高いのが玉にキズですねえ。早く購入出来るといいですね。

スピーカーはJBLのトールボーイ型を購入したのですが、まずまずの音質で満足です。次回記事にする予定ですが、相変わらず仕事が忙しいので、もうちょっと後になるかもです^^。
by MASA (2014-02-11 00:15) 

路傍の石

MASAさん、どうもです。

拙は今回非常に興味はあったのですがスルーしました。音源使用の判断についてはいろいろ残念ではありますが、やっぱり2009リマスター以降の公式リリースとしては、こうせざるを得なかったというところなんでしょうね(一部のミスと思われる部分は除いて)。それでも紙ジャケの完成度が海外制作にしては飛躍的に上がったというところは評価すべきかもしれません。A式前貼りにしなかったというのは加工における精度の問題かもしれません。普通に考えたら、あの大きさでほとんどずれることなく機械でキッチリとあの位置に貼り込むことは容易なことではないと思います。でもそこは世界でもトップレベルの日本の印刷・加工技術のなせる技、日本盤ではそれを成し遂げたでしょうから,大したものですね(それでも、Y&Tのブッチャーカバーの前貼りのサイズとトランクカバーのシールのサイズが合わないという報告も聞きましたが)。

> ● A HARD DAY'S NIGHT
> 今回驚いたのがこれ。アナログ時代のstereo盤は全編monoヴァージョンを> 疑似stereo化しただけのものでしたが、ここではすべてリアルstereoに変更。
> ビートルズの楽曲はもちろんですが、インスト曲がリアルstereoになったのはひょっとして今回が初めて?

拙が所有しているUAオリジナル盤は78年に購入したレイトですが、インスト曲はリアルstereoでした。
by 路傍の石 (2014-02-11 10:41) 

parlophone

ミックスに関する詳細なメモ、お疲れさまです。
とても参考になりました。
自分のブログにも書きましたが『ア・ハード・デイズ・ナイト』だけは買おうかな?なんて思ってます(笑。
by parlophone (2014-02-11 21:59) 

JD

MASAさん、こんばんは。
久しぶりに書き込みします。

僕もこのセットを買いましたが、「I'm Only Sleeping」のmonoはちゃんと米国mixでしたよ。
stereoは英国mixに置き換えられましたが。

それと、路傍さんの書かれた通り、A HARD DAY'S NIGHTのインストは、発売当時から正しいstereoでした。

by JD (2014-02-13 02:35) 

MASA

路傍さん、こんばんは。
コメントは書き込みませんでしたが、このBOXについての路傍さんの記事は拝見しました。
輸入盤の紙ジャケは前貼り式でありさえすればほぼ完璧な再現度で、以前に比べると確かに完成度が上がっていますね。
それでも日本製の精度の高さにはまだ今一歩かなわず、これが精一杯だったのかも知れません。
おっしゃるとおり、ジャケとトランク・カヴァーの大きさは微妙にずれていて、ピッタリとは合いませんし。

「HDN」ですが、私の勘違いのようですね。以前は疑似stereo盤を持っていたのですが現在は手放してしまい確認出来ませんが、インスト曲はリアルstereoだったんでしょうね。あとで記事を訂正しておきます。
by MASA (2014-02-13 23:33) 

MASA

遼さん、こんばんは。
ざっと聴いた上でのワタシの感想なので、ちょっと勘違いや間違いもあったようで、その辺はあとから訂正させていただきますが、「HDN」に関しては路傍さんのレスにあるとおりワタシの勘違いのようです^^;

それでも単品で何か数枚というのなら、これは買いかも知れませんね。
by MASA (2014-02-13 23:38) 

MASA

JDさん、お久しぶりです。
レスはさせていただいていませんが、JDさんのブログはたまに拝見させてもらってますよ。とても興味深い記事ばかりで毎回楽しみにしています。

「I'm Only Sleeping」ですが、これもワタシの確認不足で、確かにmonoはUS独自ヴァージョンでした。
「HDN」もワタシの思い違いのようです。失礼いたしました。あとから訂正させていただきますのであしからず、です^^;
by MASA (2014-02-13 23:44) 

JD

MASAさん、こんばんは。

>レスはさせていただいていませんが、
>JDさんのブログはたまに拝見させてもらってますよ。
>とても興味深い記事ばかりで毎回楽しみにしています。

どうもありがとうございます。
僕の方こそ、毎回楽しみにしています。

ところで、少し前の猫を飼う記事にはびっくりしてしまいました。
僕も子供の頃に猫を飼っていたので、猫は大好きです。

by JD (2014-02-17 00:07) 

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