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Kylie Minogue "X" [Rock / Pops]

パンク/ニュー・ウェーヴもひと段落した1980年代半ばから90年代半ばにかけて、当時UKをはじめとしたヨーロッパや日本などのディスコを中心に一世を風靡したのがユーロ・ビート。
'70年代のディスコ・サウンドを土台にクラフトワークジョルジオ・モロダー、それにY.M.Oなどの影響によるシンセや打ち込みを多用したテクノの要素を取り入れたエレクトロ・ディスコ・サウンド、それがユーロ・ビートだったと言えるだろう。

3人のプロデューサー兼コンポーザー・チーム、ストック/エイトキン/ウォーターマンの手によって繰り出されるそのユーロ・ビートによるヒット曲はノリのいいテクノなダンス・ビートにキャッチーなメロディが乗った誰にでも楽しめる大衆性の強いものだったが、コアな音楽ファンからは軽佻浮薄な音楽の極みのように言われることが多かった。
実は私も最初はそういう偏見を持っていたし、今でも基本的にはそんなに好きなジャンルではない。

しかし、カイリー・ミノーグリック・アストリー、シニータ、デッド・オア・アライヴ、バナナラマなど、ストック/エイトキン/ウォーターマンが手掛けたアーティストの楽曲はポップな音楽好きの私にとってどれも抵抗し難い魅力を放っていた。
要するに私はストック/エイトキン/ウォーターマンのユーロ・ビートを上質のポップ・ソングとして捉えて聴いていたのだった。
彼ら3人の仕事ぶりは'60年代モータウンのコンポーザー・チーム、ホランド・ドジャー・ホランドを彷彿させる職人気質のそれであったと言っていいだろう。

彼らが楽曲を提供したアーティストの中でもいちばん気に入って聴いていたのが'87年19才の時に全英No.1ヒットとなった「I Should Be So Lucky」でデビューしたオーストラリア出身のカイリー・ミノーグだった。
ちなみに、Kylie Minogueって最初なんて読むのか分かんなかったっけなあ(笑)。

ユーロ・ビートが下火になった'90年代半ば当たりから一時低迷していた時期もあったが、アイドル路線からセクシーでアダルトなイメージの本格派シンガーへと脱皮をはかり2000年以降に人気が復活。イギリス国内では今やすっかりセックス・シンボルとなり、昨年はデビュー20周年を迎えますますノリにノっているカイリーちゃんである。

2005年に乳癌によって闘病生活を送ることとなり、一時は芸能活動が危ぶまれたが無事に生還し、翌2006年には再起を果たした記念の大規模なツアーを行なうまでに復活したが、そんな中、闘病後初めてとなるアルバム「X」を昨年の11月に発売した。

上の写真はアルバムと、先行シングル「2 Hearts」の限定12インチ・ピクチャー盤。

UK盤よりも3曲多いため国内盤を買ったが、国内盤のアルバムにはカイリーちゃんがプロデュースした香水ダーリンのサンプルが付いていた。
ウラをめくると香りが出て来るようだが、CDや部屋が臭くなるのでこのままにしておくことにする(笑)。

現在のカイリーちゃんの音楽はユーロ・ビートとは全く違う、かなり緻密に作り込んだサウンドによるエレクトリックなものだが、今回のアルバムではシングル「2 Hearts」など一部にロック色も取り入れ、雰囲気は近年のマドンナのアルバムに近い構築美を感じさせる出来だ。
病気からの再起第1作目としては上々の出来である。

シングル第1弾「2 Hearts」



X-スペシャル・エディション(DVD付)

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  • アーティスト: カイリー・ミノーグ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: CD


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コメント 4

ishrock

懐かしい意匠ですねぇ!
帯すらも当時の雰囲気を出そうとしているのが解りますw
偏見と言えば、私と出会った当時のMASAさんも、リック・アストリーやデッド・オア・アライブには、かなり偏見を持っていたように記憶しています。私がバナナラマのベストを買った時も、「えぇ!?」という反応を示されたのを覚えていますよ^^;
かくいう私も、MASAさん以上にポップに対しての偏見の塊でしたが、今では、「軽かろうが重かろうが、良い曲は良い」という考えに変わってきました。
、見る人から見れば、こだわりが少なくなってしまったように見られるのかもしれませんが、無駄な所に神経を使わなくなったと、自分では思っています。

でもコレ、David Bowieの先行性を再確認させれるデザインですね…(^o^;;


p.s.某サイトの「足跡」ですが、そんなに気にしない方が良いですよ。
 どんなサイトでも、ロック状態でも無い限り、誰が見ているかなんてわからないものですし、自動で足跡を付けるプログラムなんかも有るそうなので、見てるかどうかすら怪しいです。
 メッセージや書き込み等の接触行為をされたならば、又違ってきますが。
by ishrock (2008-01-17 06:29) 

MASA

カキコした時間を見ると、朝起きて書いたんじゃなくてまだ起きてたんだよね。早よ寝んかい(笑)。

デッド・オア・アライヴはともかく、リック・アストリーやバナナラマは大好きだったから、その辺には偏見はなかったよ。
偏見を持ってたのはドイツとかオランダとかの安っぽいユーロ・ディスコ。ああいうのは今でもダメだな(笑)。

このジャケは確かにグラム時代のボウィみたいだね。

某サイトの件はもうあんまり気にしてません。てか、あきらめた(笑)。
by MASA (2008-01-17 11:37) 

がぁこ

ご訪問ありがとうございました♪
この曲CMでも流れてますよね?
この時代の曲だとキムワイルドのyou cameとか聴いてますよ♪(^-^*)
by がぁこ (2008-01-18 01:34) 

MASA

がぁこさん、ご訪問ありがとうございます。
何でもありの節操のないブログですが、以後よろしゅうおたの申します^^。
「I Should Be So Lucky」は現在mihimaruGTがヒップ・ホップのアレンジでカヴァーしてヒットしてますね。

キム・ワイルド、懐かしいっすねえ。アルバムは持ってませんけど、私も結構好きでしたよ。
by MASA (2008-01-18 10:24) 

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