Paul McCartney「NEW」2014 ジャパン・ツアー・エディション [The Beatles]
ポール・マッカートニーの再来日コンサートがこの17日から始まりますが、何と21日に急遽日本武道館での追加公演も決まりました。
このウワサは今年になってからチラホラあったものの、いったんはたち消えになったあと突如追加公演決定のニュースが駆け巡りました。
'66年のビートルズ公演から実に48年ぶりのゆかりの場所でのコンサートということになるのでもちろん感慨深いものがありますが、その反面いろいろとファンの失望や反感を買うようなことにもなっています。
まあ簡単にコンサートには行けない地方在住のワタシとしてはこの状況には比較的冷静ですが、結論から言えばこの武道館公演の混乱はもう無理矢理追加公演をねじ込んだ日本側の招聘元の責任だと思います。
年齢から言ってポールの次の来日コンサートはいつになるのか分からない、じゃあ是が非でも武道館公演を実現させようと事を急ぎすぎたような気がします。
5万人以上の集客力があるポールのコンサートを、いくらゆかりの武道館とは言えたったの1万人余りしか入らない会場で行なう事自体にまず無理がある。
日本側の勝手な希望で急遽決まった事ゆえ、契約で決まっているギャランティーを下げてくれなどと言うわけには行かない。そのような状況でコンサートを行えば、そのしわ寄せは当然チケット代に跳ね返り、その結果アリーナ席10万円などという恐ろしい値段になってしまった。
さらに無理矢理ねじ込んだことで日程や時間帯の調整もうまく行かず、演歌歌手の歌謡ショーみたいな平日の午後3時からの開演という結果にもなった。
これじゃあ行けるのは時間と金がどうにでもなる富裕層のファンか、サラ金で借金してでも会社をずる休みしてでも何が何でも行きたい!という貧乏だけど盲目的なファンのどちらかです。
25才以下100名限定で1,500円なんていう格安チケットを発売してファンのご機嫌伺いみたいなことをしたところで焼け石に水で、それくらいのことでは多くのファンは納得しないでしょう。
武道館公演ついに実現!とぬか喜びさせておいて、いざふたを開けてみればこの有様。ここまでしてそんなに武道館に拘る必要が果たしてあったんでしょうかねえ。
ところがとあるスポーツ新聞の記事によると、この10万円もするチケットが飛ぶように売れているといいます。さすがポールほどの大物ともなると値段は関係ないということでしょうか。富裕層はもちろん、かなり無理をしたファンも実際はけっこう多かったということのようです。
日本のプロモーターは「ポールのファンはたとえ10万が100万でもチケットを欲しがるだろう」なんてことを初めから見込んで、チケット代が高くなってもかまうもんかと踏んだんじゃないでしょうねえ。だとしたら完全に足もと見られてますよ。
これに対してポール本人は一体どう思っているのでしょうか。そもそもこのバカ高いチケット代のことは本人の耳に入っているのでしょうか。
開催が決定した時の「帰って来れてうれしいよ、武道館で待ってるよ」などという能天気なコメント以外、今のところ何のコメントもないのがちょっと気になります。
ということで、とにかく「無理矢理感」がひたすら強い印象の武道館公演決定ですが、今回の再来日公演を記念して昨年発売したアルバム「NEW」が「2014 ジャパン・ツアー・エディション」として再びリリースされました。
このブログでは昨年のリリース時に取り上げる機会を逸してしまいましたが、「NEW」はアナログ盤と通常盤のUK盤CDをすでに持っています。なので今回はパスするつもりだったのですが、日本盤のみのボーナス・トラックが収録されていることとオマケDVDが付く限定盤だということで、再来日のご祝儀で買ってみました。
CD本体はパッケージの色が赤に変わった以外は中身は通常盤と同一。オマケのDVDは別ジャケになっています。
こちらがDVD。紙パッケージ仕様です。
アナログ盤、UK盤CD、今回の来日記念盤とのそろい踏みの図。
DVDの内容は昨年11/21に東京ドームで行なわれた最終公演から「Save Us」「Everybody Out There」の2曲のライヴ映像、「New」「Queenie Eye」の2曲のPV、昨年前半のワールド・ツアーの様子を追った22分のドキュメンタリー「A RENDEZ-VOUS WITH PAUL McCARTNEY」、「NEW」制作過程の背景に焦点を当てた47分のドキュメンタリー「SOMETHING NEW」が収録されています。
東京ドームの最終公演やPV、それに「SOMETHING NEW」は先日CSで放送されたものを録画済みなので、個人的には「A RENDEZ-VOUS WITH PAUL McCARTNEY」しか見どころがないのですが、まあ来日記念なのでいいです(笑)。
アルバムの内容は70才を超えてなお好奇心と創造性が衰えることのないポールの才能がスパークしている先進性溢れる素晴らしい出来。
ファイアーマン名義を含め今世紀に入ってからリリースした全アルバムの中では最高傑作じゃないでしょうか。やっぱりポールはこうじゃなきゃ。
40年以上に及ぶポールのソロ・キャリアから抹殺したくなるような過去最低の駄作だった前作「KISSES ON THE BOTTOM」に比べると息を吹き返したようなアルバムです。
「A RENDEZ-VOUS WITH PAUL McCARTNEY」のみを収録したDVD付きの限定盤。
ポストカード付きなんてのも出てるんですね。ワタシは買わないけど(笑)。
New: Deluxe Edition (+collectible photo card)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: MPL
- 発売日: 2013/10/15
- メディア: CD
アナログ盤も作りが立派でなかなかいいです。
本当にチケット代の高さには驚かされましたね!
私もCSで録画したので来日記念盤は、スルーします。代わりにオアシスのリマスター盤でも聴いておきます。
by Speakeasy (2014-05-15 00:46)
高くなるだろうとは思っていましたが、まさかここまでとは
本当に驚きました。
武道館といえば、ここ最近は2年に一度のエリック専門でしたが
集客力が違うとはいえ、長い間、手の届く値段で武道館公演をしてくれたことにあらためて感謝です。
by paddies (2014-05-15 16:16)
Speakeasyさん、まいどです。
チケット代の高さは異常ですよね。そこまでして武道館公演を実現させたかったのかなあと思います。
次の機会はもうないかも知れないと思ったからかも知れませんが、バタバタと焦り過ぎですよ(笑)。
by MASA (2014-05-15 22:05)
paddiesさん、こんばんはー。
10万だの8万だのというチケット代、最初は冗談かと思いました(笑)。
これがポールのイメージ・ダウンに繋がらなければいいのですが。
クラプトンは武道館がお馴染みの会場になってますね。
by MASA (2014-05-15 22:15)
MASAさん、こんばんは。
ごぶさたしております。
こちらにお邪魔するのは何年ぶりでございましょうw
ポール好きのMASAさん故、手が伸びたところでしょうか^^
僕はアナログと初回限定のなんとかエディション(ど忘れしました)でもういいかなぁなんて思っています。
今まで僕らファンは色んな仕打ち(笑)を受けてきましたが、いつでも結構寛容だったと思うんですよ。
なんだかんだ文句を言っても、その状況を逆に楽しんでいたり...
しかし、今回の武道館の件は自分も含めて幻滅している方が多いような気がします。
土日と国立に行きますが、今のところ素直に楽しめる気がしないです...
愚痴ってしまってすいません。
by タコ星人 (2014-05-15 22:15)
タコ星人さん、実にお久しぶりです!
タコ星人さんのブログも拝見しましたが、やはりけっこう憤りを感じておられるようですね。
武道館公演が決定と聞いてチケットの発売を心待ちにしていた人は大勢いたと思いますが、まさかあんなに高額チケットだとは想像だにしていなかった分ショックも大きかったと思います。
それでも国立に行けるだけいいじゃないですかー。地方在住だし仕事の都合もあるのでワタシなんぞはなかなか難しいんですから^^;
国立だけでも楽しんで来て下さい。
by MASA (2014-05-15 22:37)