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Zombies「Time Of The Season(ふたりのシーズン)」 [7インチ・シングル]

洋楽・邦楽問わずいろいろな7インチ・シングル盤を取り上げようというこのエントリー、ちょっと間があいてまたまた再開です。
今回はゾンビーズ'68年の大ヒット曲「Time Of The Season(ふたりのシーズン)」を取り上げます。

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このシングルは'06年に中古盤シングルを大量にゲットした時にここで記事にしていますが、再びの登場です。
ワタシが中2だった'69年にアメリカでは全米3位となり、日本でもこの年大ヒットしました。
当時は全く売れなかったものの、近年の再評価のおかげで今や名盤の誉れ高い'68年のアルバム「Odessey And Oracle」に収録されている曲ですが、アルバムよりもまだまだシングル中心で動いていた当時の日本の音楽シーンで、ワタシの中では忘れられない名盤シングルのひとつという認識です。

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日本ではそれまでコロムビア・レコードが配給していたCBS Columbiaレーベルが'68年に当時設立間もないCBSソニー・レコードに移り、そこから'69年に発売されたシングルですが、所謂ドーナツ盤ではなくレーベルがソリッド・センターになっています。
当時のCBSソニーのシングルってみんなこんな感じだったのでしょうか?ワタシは残念ながらこれしか知りません。

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裏打ちの手拍子と"Ah〜"というため息のリフが印象的でちょっとメランコリックなメロディを持つこの曲、アルバムの中では最後の12曲目に収録されひと際印象に残る曲ですね。ちなみにこのシングルは両面ともmonoヴァージョン。
ただし音質は低音域はタップリあるものの高音域があまり出ていないこもり気味の音で、後述するリマスター盤に比べると決して褒められたものではないのが残念。


実はゾンビーズ「Odessey And Oracle」をリリースした当時すでにグループからメンバーが3人も脱退し解散状態でした。
しかしアル・クーパーがこの曲を気に入り、レコード会社にシングル・カットをすすめたことをきっかけに、この「ふたりのシーズン」はアメリカで思わぬ大ヒットとなりました。

それを受け急遽脱退したメンバーを呼び戻して臨時的にバンドは再結成、その後全米ツアーを行なったという説と、リーダーのロッド・アージェントが頑なに再結成を拒んだという説とのふたつがあるみたいですが、実際はどうやら後者のようです。

この曲が収録されているアルバム「Odessey And Oracle」はワタシも大好きでホントに名盤だと思いますが、よくこのアルバムは「SGT. PEPPERS」シンドロームが生んだ名作みたいな言われ方をします。
まあそれも全くの間違いではないでしょうが、それよりもこのアルバムを聴いて明らかなのは多くの収録曲の曲調やアルバム全体の雰囲気が「PET SOUNDS」の方に極めて近いということです。

1曲目の「 Care of Cell 44」なんかはバック・コーラスがモロにビーチ・ボーイズだし、あまりエレキ・ギターをフィーチャーしない楽器アレンジや全体を覆う叙情的な雰囲気は「PET SOUNDS」にそっくり。リリース当時は大して売れずに90年代に入った頃からようやく再評価され出したというところでもこの2枚は共通しています。

'97年にUK BIG BEATから再発された「Odessey And Oracle」のアナログ盤と、'87年にUS RIHNOから初CD化された時のリマスターCD。
両方とも音質バツグンですが、オリジナルのアナログ・マスター・テープからカッティングされたとの記載がある'97年のアナログ盤の方はさらに音質が上がっていて非常にクリア。 ちなみに'08年発売の40周年記念盤や紙ジャケCDはさらなるリマスター盤(ワタシは未所有&未聴)です。


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ちなみにゾンビーズというバンド名を聞いて怪奇映画のゾンビを連想する人も多いみたいですが、'60年代から「I Love You(好きさ好きさ好きさ)」「Tell Her No」、「She's Not There」などのヒット曲を耳にしてこのバンドをリアルタイムで知っている世代はそういう連想はほとんどしないと思います。

ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ映画の元祖「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が公開されたのが'68年ですが、この頃はまだ"ゾンビ"という言葉は使われていないようです。
その続編で、題名もズバリの「ゾンビ」が公開された'78年あたりをきっかけに'80年代に入ると数々のゾンビ映画が作られていますが、ゾンビが一般的に認知されるようになったのは実はこの頃で、意外に最近ということになります。

ということで、まだゾンビ映画が公開される前の'60年代からゾンビーズを知っている我々のような50代以上のオッサン世代の音楽ファンはゾンビーズ=ゾンビという連想はほぼ皆無で全くの別物として無意識的に分けて捉えていて、バンド名を聞いて気持ち悪いイメージを抱く人はほとんどいないと思いますね。
まあ最後はあんまり関係ない話になっちゃったけど、以上(笑)。






Odessey & Oracle: 40th Anniversary Edition

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Repertoire
  • 発売日: 2008/03/07
  • メディア: CD

ODESSEY AND ORACLE(紙ジャケット仕様)

ODESSEY AND ORACLE(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インペリアルレコード
  • 発売日: 2010/02/17
  • メディア: CD

ODESSEY AND ORACLE<SHM-CD>

ODESSEY AND ORACLE<SHM-CD>

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: TEICHIKU ENTERTAINMENT(TE)(M)
  • 発売日: 2008/12/17
  • メディア: CD

Odyssey & Oracle [12 inch Analog]

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Big Beat UK
  • 発売日: 1998/05/19
  • メディア: LP Record



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コメント 4

井戸ビシャス

このジャケ、イカしてますよね。サイケデリックなかんじで。

僕は1969年生まれなので、もちろんリアルタイムではないですが、1993年頃から、自分の中で60年代ブームがあって、そのときにゾンビーズ含め、いろいろ聴いたことを思い出しました。ストーンズ、ヤードバーズ、フーあたりは基本で、もっと(たぶん)有名ではないスタンデルズとかナッズとか。

幅が広いですよね、こちらのブログ。AKBからゾンビーズ、ステキです!
by 井戸ビシャス (2013-05-30 22:41) 

Cold Sun

MASAさん、ご無沙汰しています。
Cold Sunです。今はnicohoiと名乗ってます。
CBSソニーのGS第一弾シングル、手持ちの「アダムス/旧約聖書(1968年9月)」もソリッド・センターでした。
「ふたりのシーズン」、永遠の名曲ですね。
UKオリジナル盤が安価の頃に入手すればよかった「Odessey And Oracle」は紙ジャケで聴いてます。
ゾンビといえばゴブリンを連想するので、ゾンビーズのバンド名は気持ち悪くはないです(笑)
by Cold Sun (2013-05-31 17:58) 

MASA

井戸ビシャスさん、どーもです。
おー、1969年生まれですか。「ふたりのシーズン」がヒットした年に生まれたんですね。
けっこうマイナーなロックも聴いてるんですね。スタンデルズって知らないなあ。

アイドルからロックまでとっ散らかったブログですが、ヨロシクです^^。

by MASA (2013-05-31 23:27) 

MASA

Cold Sunさん改めnicohoriさん、お久しぶりです。
アダムスの「旧約聖書」懐かしい〜!貴重なものをお持ちですね。
やっぱりソリッド・センターですか。この頃はそうだったんですね。
「Odessey and Oracle」のUK盤なんかほとんど見かけないし、あってもバカ高くて手に入りませんよね。

「ゾンビ」のゴブリンのサントラは聴いたことないですねえ。「サスペリア」なら何となく覚えてますけどね。
by MASA (2013-05-31 23:36) 

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