知る人ぞ知る?Melanieの代表作2枚 [中古盤]
今回は前回ご紹介したロバート・パーマーの5枚セットのアルバムといっしょにヤフオクで落札したメラニーのアルバム2枚をご紹介します。
アルバムをご紹介する前に、まずみなさんの中でメラニーをご存知の方は果たして何人おられるでしょうか。多分この人を知っている方はワタシと同じ50代以上の音楽ファンで、それ以下の世代だと知っている人は極端に少ないと思います。
日本では未だかつてオリジナル・アルバムがCD化されたことが一度もないようなので、知らなくて当然といった状況です。
ざっくりとプロフィールを紹介すると、フル・ネームはメラニー・サフカ(Melanie Safka)、1947年ニューヨーク生まれ。ローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルなどとほぼ同時期の1968年デビューで、翌'69年に行なわれたウッドストック・フェスティバルにも出演したニュー・フォーク系のシンガー・ソング・ライターです。
歌手デビュー以前には女優をやっていて、ミュージカルなどに出演していたという経歴の持ち主です。
'70年代初頭に最も人気がありましたが、今でも現役で音楽活動を続けていて全米No.1となったヒット曲まであるのに、同世代のローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルなどに比べ、この人の場合はなぜか全くと言っていいほどちゃんとした評価が未だになされていません。
日本はもちろん、本国アメリカでさえほとんどまともなかたちではアルバムがCD化されておらず、出ているのはベスト盤ばっかりという状態です。
調べてみると全米チャートNo.1ヒットの「Brand New Key」を放った'71年以降これといったシングル・ヒットは少ないようですが、それでも'70年代にはアルバムは毎年のようにコンスタントにリリースし、'80年代以降現在に至るまでアルバムは出し続けています。
それにも拘らずアルバムを出してもなぜか音楽雑誌等で取り上げられることもなくセールス的にも振るわないようで、同世代のジョニ・ミッチェルなどの活動に比べると話題性がなく地味。そんなB級アーティストっぽいイメージがどうやら彼女がレジェンドになれない理由のような気がします。
メラニーのアルバムは今までは昔中古盤で買ったアナログ時代のベスト盤1枚しか持っておらず、オリジナル・アルバムは今回ゲットした2枚以外はまったく聴いたことがないのでエラそうには言えないのですが、とにかく個人的には同時代の他の女性シンガー・ソング・ライターたちの影に隠れてこんな素晴らしいアーティストがいることをひとりでも多くの音楽ファンに知ってもらいたいと切に思う次第です。
これが30年くらい前にゲットした日本コロムビアから出ていた日本編集のベスト盤。発売は'70年で、それまでにリリースしていた3枚のアルバムからの曲がセレクトされています。
残念ながら音質は高音域不足のこもった感じで今イチ。
レーベルはこのようなカラフルなBUDDAH(ブッダ)レーベル。
今回ゲットした2枚のアルバムは両方とも彼女の全盛期にリリースされた代表作かつ重要作です。
ワタシは長年この2枚を探していたのですが、出回っている数が少ないのか今まで全く縁がなく一度も出会えずに終わっていました。
欲を言えば原盤であるUSオリジナル盤が欲しかったところですが、何はともあれそれがいっぺんに入手出来たのは何ともうれしい限りで、やっと念願が叶いました。
まずは'70年にリリースされた3枚目のアルバム「CANDLES IN THE RAIN」のUK BUDDAH オリジナル盤。
BUDDAHレーベルは1910フルーツガム・カンパニー、ルー・クリスティなどが在籍していたことで知られていますが、'70年代初頭までのメラニーのアルバムはすべてこのレーベルからのリリース。
ディストリビュートはUKのPolydorが行ない、US盤や国内盤のものとはレーベル・デザインが異なります。
ジャケは見開きジャケ。全曲の歌詞が載っています。
このアルバムにはメラニーの最初のヒット曲となった名曲「Lay Down」が収録されています。この曲がCash Box誌の全米チャートで最高3位となり、一躍脚光を浴びました。
ゴスペル・グループのエドウィン・ホーキンス・シンガーズの面々をバック・コーラスに迎えた迫力あるナンバーで、当時中3だったワタシが受験勉強中その傍らで聴いていたラジオの深夜放送でよくかかっていて大好きだった曲です。
メラニーの歌はとても力強く、しかもそれまでこんなゴスペル風の曲を聴いた経験がなかったので、15才の少年にとってはかなりインパクトがあって非常に心に引っかかる曲でした。
当時のドイツのTV局が収録した現地での圧巻のライヴ映像。本人もノリノリです。
このアルバムのUSオリジナル盤や国内盤に収録されているこの曲はシングルと同じ3:49ほどのヴァージョンだということですが、このUK盤はタイムは3:49となっているものの、実際には8分以上に及ぶフル・ヴァージョンが収録されているのが特徴です。
ワタシは今回初めてこのフル・ヴァージョンを聴きましたが、これがなかなかの迫力です。
ワタシと同じ世代の人ならご存知でしょうが、当時土居まさるが司会をやっていた日曜お昼の番組「TVジョッキー」のエンディングでかかっていた曲で、フランスの歌手、ダリダが歌って中ヒットを放った「傷ついた小鳥」もこのアルバムに収録されている「What Have They Done To My Song」がオリジナル。この曲もこのアルバムの中の代表曲です。
この2曲以外にもストーンズの「Ruby Tuesday」のカヴァーなどが収録されていて、当時のキャッチ・フレーズだった"ニュー・フォークの彗星"の名に相応しいなかなかの傑作アルバムです。
このあとライヴ盤とさらにもう1枚スタジオ録音のアルバムを挟み、'71年にリリースされたのがこの「GATHER ME」というアルバム。こちらもUKオリジナル盤です。
こちらも見開きジャケ。ちなみにレーベルは「CANDLES IN THE RAIN」と同じデザインなので写真は省略。
このアルバムには全米シングル・チャートNo.1、'72年の年間シングル・チャートでは9位を記録した大ヒット曲「Brand New Key(心の扉を開けよう)」が収録されていて、恐らく彼女のアルバムの中では最も売れたアルバムではないかと思います。
そう言えばこないだクルマを運転中カーラジオを聴いてたら珍しくこの曲がかかり、うれしくなりました。当時日本でもまあまあのヒットだったと記憶しています。
ホンキートンク調の不思議なメロディで1回聴くとサビの部分が妙に耳に残る曲です。
これ以外にもいい曲がたくさん収録された充実した内容のアルバムで、今回初めて聴きましたが思った以上に聴きごたえがありました。名作だと思います。
ちなみに音質はどちらのアルバムもややハイ上がりで高音域がキツめ。先に上げた国内ベスト盤とは対照的ですが、どうもこの2枚のUK盤はマスタリングが今イチのようです。
それにしてもこんなに素晴らしいアルバムを出しているアーティストにも拘らず、しかも今でも地道にアルバム・リリースやコンサート活動も行っている現役バリバリなのに、現在のメラニーの知名度と評価はあまりにも低すぎです。
メラニーよりも遥かにマイナーな存在だったジュディ・シルやヴァシュティ・バニヤンみたいな女性SSWが再評価されているのなら、じゃあこの人だって、と思わずにはいられません。
アルバムがCD化され紙ジャケとかになって再評価ブームでも起きないもんでしょうかねえ。
最後に最近のライヴの時の写真を。今年66才、今はずいぶんと貫禄が付いているようです(笑)。
アルバムをご紹介する前に、まずみなさんの中でメラニーをご存知の方は果たして何人おられるでしょうか。多分この人を知っている方はワタシと同じ50代以上の音楽ファンで、それ以下の世代だと知っている人は極端に少ないと思います。
日本では未だかつてオリジナル・アルバムがCD化されたことが一度もないようなので、知らなくて当然といった状況です。
ざっくりとプロフィールを紹介すると、フル・ネームはメラニー・サフカ(Melanie Safka)、1947年ニューヨーク生まれ。ローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルなどとほぼ同時期の1968年デビューで、翌'69年に行なわれたウッドストック・フェスティバルにも出演したニュー・フォーク系のシンガー・ソング・ライターです。
歌手デビュー以前には女優をやっていて、ミュージカルなどに出演していたという経歴の持ち主です。
'70年代初頭に最も人気がありましたが、今でも現役で音楽活動を続けていて全米No.1となったヒット曲まであるのに、同世代のローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルなどに比べ、この人の場合はなぜか全くと言っていいほどちゃんとした評価が未だになされていません。
日本はもちろん、本国アメリカでさえほとんどまともなかたちではアルバムがCD化されておらず、出ているのはベスト盤ばっかりという状態です。
調べてみると全米チャートNo.1ヒットの「Brand New Key」を放った'71年以降これといったシングル・ヒットは少ないようですが、それでも'70年代にはアルバムは毎年のようにコンスタントにリリースし、'80年代以降現在に至るまでアルバムは出し続けています。
それにも拘らずアルバムを出してもなぜか音楽雑誌等で取り上げられることもなくセールス的にも振るわないようで、同世代のジョニ・ミッチェルなどの活動に比べると話題性がなく地味。そんなB級アーティストっぽいイメージがどうやら彼女がレジェンドになれない理由のような気がします。
メラニーのアルバムは今までは昔中古盤で買ったアナログ時代のベスト盤1枚しか持っておらず、オリジナル・アルバムは今回ゲットした2枚以外はまったく聴いたことがないのでエラそうには言えないのですが、とにかく個人的には同時代の他の女性シンガー・ソング・ライターたちの影に隠れてこんな素晴らしいアーティストがいることをひとりでも多くの音楽ファンに知ってもらいたいと切に思う次第です。
これが30年くらい前にゲットした日本コロムビアから出ていた日本編集のベスト盤。発売は'70年で、それまでにリリースしていた3枚のアルバムからの曲がセレクトされています。
残念ながら音質は高音域不足のこもった感じで今イチ。
レーベルはこのようなカラフルなBUDDAH(ブッダ)レーベル。
今回ゲットした2枚のアルバムは両方とも彼女の全盛期にリリースされた代表作かつ重要作です。
ワタシは長年この2枚を探していたのですが、出回っている数が少ないのか今まで全く縁がなく一度も出会えずに終わっていました。
欲を言えば原盤であるUSオリジナル盤が欲しかったところですが、何はともあれそれがいっぺんに入手出来たのは何ともうれしい限りで、やっと念願が叶いました。
まずは'70年にリリースされた3枚目のアルバム「CANDLES IN THE RAIN」のUK BUDDAH オリジナル盤。
BUDDAHレーベルは1910フルーツガム・カンパニー、ルー・クリスティなどが在籍していたことで知られていますが、'70年代初頭までのメラニーのアルバムはすべてこのレーベルからのリリース。
ディストリビュートはUKのPolydorが行ない、US盤や国内盤のものとはレーベル・デザインが異なります。
ジャケは見開きジャケ。全曲の歌詞が載っています。
このアルバムにはメラニーの最初のヒット曲となった名曲「Lay Down」が収録されています。この曲がCash Box誌の全米チャートで最高3位となり、一躍脚光を浴びました。
ゴスペル・グループのエドウィン・ホーキンス・シンガーズの面々をバック・コーラスに迎えた迫力あるナンバーで、当時中3だったワタシが受験勉強中その傍らで聴いていたラジオの深夜放送でよくかかっていて大好きだった曲です。
メラニーの歌はとても力強く、しかもそれまでこんなゴスペル風の曲を聴いた経験がなかったので、15才の少年にとってはかなりインパクトがあって非常に心に引っかかる曲でした。
当時のドイツのTV局が収録した現地での圧巻のライヴ映像。本人もノリノリです。
このアルバムのUSオリジナル盤や国内盤に収録されているこの曲はシングルと同じ3:49ほどのヴァージョンだということですが、このUK盤はタイムは3:49となっているものの、実際には8分以上に及ぶフル・ヴァージョンが収録されているのが特徴です。
ワタシは今回初めてこのフル・ヴァージョンを聴きましたが、これがなかなかの迫力です。
ワタシと同じ世代の人ならご存知でしょうが、当時土居まさるが司会をやっていた日曜お昼の番組「TVジョッキー」のエンディングでかかっていた曲で、フランスの歌手、ダリダが歌って中ヒットを放った「傷ついた小鳥」もこのアルバムに収録されている「What Have They Done To My Song」がオリジナル。この曲もこのアルバムの中の代表曲です。
この2曲以外にもストーンズの「Ruby Tuesday」のカヴァーなどが収録されていて、当時のキャッチ・フレーズだった"ニュー・フォークの彗星"の名に相応しいなかなかの傑作アルバムです。
このあとライヴ盤とさらにもう1枚スタジオ録音のアルバムを挟み、'71年にリリースされたのがこの「GATHER ME」というアルバム。こちらもUKオリジナル盤です。
こちらも見開きジャケ。ちなみにレーベルは「CANDLES IN THE RAIN」と同じデザインなので写真は省略。
このアルバムには全米シングル・チャートNo.1、'72年の年間シングル・チャートでは9位を記録した大ヒット曲「Brand New Key(心の扉を開けよう)」が収録されていて、恐らく彼女のアルバムの中では最も売れたアルバムではないかと思います。
そう言えばこないだクルマを運転中カーラジオを聴いてたら珍しくこの曲がかかり、うれしくなりました。当時日本でもまあまあのヒットだったと記憶しています。
ホンキートンク調の不思議なメロディで1回聴くとサビの部分が妙に耳に残る曲です。
これ以外にもいい曲がたくさん収録された充実した内容のアルバムで、今回初めて聴きましたが思った以上に聴きごたえがありました。名作だと思います。
ちなみに音質はどちらのアルバムもややハイ上がりで高音域がキツめ。先に上げた国内ベスト盤とは対照的ですが、どうもこの2枚のUK盤はマスタリングが今イチのようです。
それにしてもこんなに素晴らしいアルバムを出しているアーティストにも拘らず、しかも今でも地道にアルバム・リリースやコンサート活動も行っている現役バリバリなのに、現在のメラニーの知名度と評価はあまりにも低すぎです。
メラニーよりも遥かにマイナーな存在だったジュディ・シルやヴァシュティ・バニヤンみたいな女性SSWが再評価されているのなら、じゃあこの人だって、と思わずにはいられません。
アルバムがCD化され紙ジャケとかになって再評価ブームでも起きないもんでしょうかねえ。
最後に最近のライヴの時の写真を。今年66才、今はずいぶんと貫禄が付いているようです(笑)。
Candles in the Rain / Leftover Wine
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Edsel Records UK
- 発売日: 2007/02/20
- メディア: CD
Beautiful People: The Greatest Hits of Melanie
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Buddha
- 発売日: 1999/07/13
- メディア: CD
メラニーについて詳しく解説してくださりありがとうございます。私も東京タワーと同じ年齢です。小学校高学年当時から聞いていたように覚えています。あの頃の洋楽ポップス・ロックはとても新鮮で、心に沁み入りいつまでも忘れませんね。今の時代は簡単に視聴できて本当にいい時代ですね。
by bluewood (2013-08-28 10:57)
bluewoodさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
ワタシとほぼ同世代なんですね。
メラニーについては情報が少なくワタシもそんなに詳しいわけでもないのですが、我々世代には懐かしいアーティストですね。
by MASA (2013-09-02 00:10)