私が選ぶストーンズ・ソングズ BEST 20 - Part 1 [Rolling Stones]
ホントはデビューとしては来年が50周年なのですが、結成は'62年だからということで今年を50周年ということにして盛り上がっているローリング・ストーンズ。
そこまでしてなぜ今年を無理矢理50周年にするん?来年でいいじゃん、と思うのですが(笑)、まあそれは置いといて、最近ファンの間で盛り上がっている2冊のローリング・ストーンズ関連本が出ました。
左が「マイルスを聴け!」などの「聴け!」シリーズやいくつかのビートルズ関連本などで持ち前の痛快なスタンスでアーティストをブッタ斬る中山康樹氏の新刊「ローリング・ストーンズを聴け!」、右はストーンズの名曲100曲をランキングするという企画の「レコードコレクターズ」8月号。
「ローリング・ストーンズを聴け!」の方は相変わらずの中山節が展開されていますが、マイルズやビーチ・ボーイズ、ビートルズなどの「聴け!」シリーズに比べるとちょっとおとなしめの印象で切れ味がイマイチな感じが。
ブライアン・ジョーンズの功績に拘りすぎるあまりに、ほとんどCD化されておらず一般的には聴くことが出来ないUKオリジナル盤を中心にした分析はまあその意図は分からないではないものの、これはちょっと、と思いました。
というのもストーンズの場合はビートルズやキンクスなどと異なり、US盤も決して無視出来ないものがいくつかあると思うのです。
中山氏が言うとおりシングルとアルバムは分けるべきという意見はもっともなのですが、結果としてアルバムの中身がよくなるのならまあいいじゃんか、とも思うし、ヒット・シングルを収録することによってキャッチーな側面を見せていたり躍動感があったりするUS盤「OUT OF OUR HEADS」を筆頭に、同じくシングル曲を収録しそれがフックとなっている「~NOW!」や「12×5」などに比べると、個人的にはUKオリジナルの「NO.2」やUK版「OUT OF OUR HEADS」などは地味でもの足りない印象を拭えないのが正直なところです。
大体アナログ時代は「NO.2」やUK版「OUT OF OUR HEADS」は日本では未発売で(初リリースは'80年代初め)US盤の方がリリースされていたので、40代後半〜50代の我々のような世代の日本人リスナーには馴染みが極めて薄いということもあります。
まあ今回はこういうことろで中山氏お得意の独断と偏見が出たか、という感じですが(笑)、でも全体的には買って損はない内容なので、ストーンズ・ファンの方は是非。
一方の「レココレ」の方は"ベスト・ソングズ100"というランキング企画で、またしてもこの雑誌本来のスタンスらしからぬ安易な企画かよ、と呆れがちになりつつも(笑)、まあ50周年企画ということで楽しんじゃおうと思えばそれも許せます。
ベスト100のうち20位くらいまでのランキングはけっこうベタな感じで意表を突いたところがないです(笑)。でもやっぱりどの曲もストーンズを語る上では外せないものばかりが並んでいるし、ワタシがベスト10を作ってもこんな具合になるかな、というランキングです。
じゃあということで、今回の企画の各選定者が選ぶベスト20に倣って、ここでワタシも個人的に好きな曲でベスト20を挙げてみようと思います。
カウントダウン形式で20位から行きたいと思います。
20. Get Off Of My Cloud
「Satisfaction」「Heart Of Stone」「Time Is On My Side」などと並んで好きな初期の名曲。♪Hey hey , You you ♪の扇動的なサビのカッコよさはアヴリル・ラヴィーンが受け継いだ?んなこたあないか(笑)。レココレ・ランキングでは10位。
写真は旧西ドイツ盤シングル。
19. Beast Of Burden
'78年のアルバム「SOME GIRLS」からのシングル・カット曲ですが、今やストーンズ屈指のロッカ・バラード・ナンバーの中の1曲と言っていいでしょう。レココレでは24位。
18. Let's Spend The Night Together
この曲を初めて聴いたのはデヴィッド・ボウィの「PINUPS」に収録のカヴァーが最初でした。
当時はオリジナルのストーンズ・ヴァージョンはそれに比べるとユルイ感じがしたものですが、今ではやっぱりオリジナルの方がサイコー。ピアノ・ロックと言ってもいい傑作。
エド・サリヴァン・ショーで歌詞を変えて歌わざるを得なくて、ミックが"違和感あるんですけど〜”的な表情を浮かべながら歌ったのが印象深い。レココレでは27位。
17. Emotional Rescue
当時台頭していたニュー・ウェーヴに対するストーンズ側からの回答みたいな内容の'80年にリリースされた同名アルバムからのタイトル曲ですが、ニュー・ウェーブを充分に意識したちょっと異色なレゲエ調のサウンドに乗っかるミックのファルセットが何しろ特徴的。レココレでは43位。
16. If You Can't Rock Me
'74年の「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」の冒頭を飾る曲。ストーンズのアルバムって、初っぱなからアガる曲を持って来る場合が多いですが、この曲もそんな1曲。オシッコチビりそうになるくらいにカッコエエ〜!特にチャーリーのドラムのリフがサイコー。レココレではランク外なのが信じられなーい。
15. Ruby Tuesday
ビートルズの背中を追いかけていた時代、「Lady Jane」などと並ぶ、彼らを意識したような作風のバラードの代表曲。クラシカルなバラード風の演奏からサビでドラムスが入って雰囲気が変わるあたりがサイコー。レココレでのランキングは14位。
14. Happy
キースのやさぐれたヴォーカルがヘタウマっぽくもカッコイイ逸品。ストーンズらしさ/キースらしさ全開で、キースがヴォーカルを務める曲の中ではコレが一番好き。レココレでは25位。
13. Tumbling Dice
「EXILE ON MAIN ST.」からの曲が続きますが、この曲もストーンズらしいまさにロックな1曲。引きずるようなダルい感じの演奏がタマラン。こういう味は彼らにしか出せませんな。レココレでは7位。
写真は国内盤シングル。
12. Time Waits For No One
マイナー調の曲で、曲そのものよりもイントロの歌謡曲のようなメロディを持つギター・フレーズがものを言い、これによってストーンズの曲の中でもちょっと変わった印象を与える異色作。
アナログ盤の「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」ではA面のラストに入っているため、B面にひっくり返すまでの間にあのギター・フレーズを思わず脳内再生してしまうのです(笑)。レココレでは28位。
11. Under My Thumb
アルバム「AFTERMATH」の中でもひと際印象深いポップなナンバーで、ブライアン・ジョーンズのマリンバのリフがどことなく可愛い印象を与えます。こんな楽器をロックに導入したのは当時は画期的だったはず。
'69年の"オルタモントの悲劇"ではこの曲の演奏の最中にあの事件が・・・。レココレでは8位。
ということで長くなったので、10位〜1位は次回に持ち越します。
そこまでしてなぜ今年を無理矢理50周年にするん?来年でいいじゃん、と思うのですが(笑)、まあそれは置いといて、最近ファンの間で盛り上がっている2冊のローリング・ストーンズ関連本が出ました。
左が「マイルスを聴け!」などの「聴け!」シリーズやいくつかのビートルズ関連本などで持ち前の痛快なスタンスでアーティストをブッタ斬る中山康樹氏の新刊「ローリング・ストーンズを聴け!」、右はストーンズの名曲100曲をランキングするという企画の「レコードコレクターズ」8月号。
「ローリング・ストーンズを聴け!」の方は相変わらずの中山節が展開されていますが、マイルズやビーチ・ボーイズ、ビートルズなどの「聴け!」シリーズに比べるとちょっとおとなしめの印象で切れ味がイマイチな感じが。
ブライアン・ジョーンズの功績に拘りすぎるあまりに、ほとんどCD化されておらず一般的には聴くことが出来ないUKオリジナル盤を中心にした分析はまあその意図は分からないではないものの、これはちょっと、と思いました。
というのもストーンズの場合はビートルズやキンクスなどと異なり、US盤も決して無視出来ないものがいくつかあると思うのです。
中山氏が言うとおりシングルとアルバムは分けるべきという意見はもっともなのですが、結果としてアルバムの中身がよくなるのならまあいいじゃんか、とも思うし、ヒット・シングルを収録することによってキャッチーな側面を見せていたり躍動感があったりするUS盤「OUT OF OUR HEADS」を筆頭に、同じくシングル曲を収録しそれがフックとなっている「~NOW!」や「12×5」などに比べると、個人的にはUKオリジナルの「NO.2」やUK版「OUT OF OUR HEADS」などは地味でもの足りない印象を拭えないのが正直なところです。
大体アナログ時代は「NO.2」やUK版「OUT OF OUR HEADS」は日本では未発売で(初リリースは'80年代初め)US盤の方がリリースされていたので、40代後半〜50代の我々のような世代の日本人リスナーには馴染みが極めて薄いということもあります。
まあ今回はこういうことろで中山氏お得意の独断と偏見が出たか、という感じですが(笑)、でも全体的には買って損はない内容なので、ストーンズ・ファンの方は是非。
一方の「レココレ」の方は"ベスト・ソングズ100"というランキング企画で、またしてもこの雑誌本来のスタンスらしからぬ安易な企画かよ、と呆れがちになりつつも(笑)、まあ50周年企画ということで楽しんじゃおうと思えばそれも許せます。
ベスト100のうち20位くらいまでのランキングはけっこうベタな感じで意表を突いたところがないです(笑)。でもやっぱりどの曲もストーンズを語る上では外せないものばかりが並んでいるし、ワタシがベスト10を作ってもこんな具合になるかな、というランキングです。
じゃあということで、今回の企画の各選定者が選ぶベスト20に倣って、ここでワタシも個人的に好きな曲でベスト20を挙げてみようと思います。
カウントダウン形式で20位から行きたいと思います。
20. Get Off Of My Cloud
「Satisfaction」「Heart Of Stone」「Time Is On My Side」などと並んで好きな初期の名曲。♪Hey hey , You you ♪の扇動的なサビのカッコよさはアヴリル・ラヴィーンが受け継いだ?んなこたあないか(笑)。レココレ・ランキングでは10位。
写真は旧西ドイツ盤シングル。
19. Beast Of Burden
'78年のアルバム「SOME GIRLS」からのシングル・カット曲ですが、今やストーンズ屈指のロッカ・バラード・ナンバーの中の1曲と言っていいでしょう。レココレでは24位。
18. Let's Spend The Night Together
この曲を初めて聴いたのはデヴィッド・ボウィの「PINUPS」に収録のカヴァーが最初でした。
当時はオリジナルのストーンズ・ヴァージョンはそれに比べるとユルイ感じがしたものですが、今ではやっぱりオリジナルの方がサイコー。ピアノ・ロックと言ってもいい傑作。
エド・サリヴァン・ショーで歌詞を変えて歌わざるを得なくて、ミックが"違和感あるんですけど〜”的な表情を浮かべながら歌ったのが印象深い。レココレでは27位。
17. Emotional Rescue
当時台頭していたニュー・ウェーヴに対するストーンズ側からの回答みたいな内容の'80年にリリースされた同名アルバムからのタイトル曲ですが、ニュー・ウェーブを充分に意識したちょっと異色なレゲエ調のサウンドに乗っかるミックのファルセットが何しろ特徴的。レココレでは43位。
16. If You Can't Rock Me
'74年の「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」の冒頭を飾る曲。ストーンズのアルバムって、初っぱなからアガる曲を持って来る場合が多いですが、この曲もそんな1曲。オシッコチビりそうになるくらいにカッコエエ〜!特にチャーリーのドラムのリフがサイコー。レココレではランク外なのが信じられなーい。
15. Ruby Tuesday
ビートルズの背中を追いかけていた時代、「Lady Jane」などと並ぶ、彼らを意識したような作風のバラードの代表曲。クラシカルなバラード風の演奏からサビでドラムスが入って雰囲気が変わるあたりがサイコー。レココレでのランキングは14位。
14. Happy
キースのやさぐれたヴォーカルがヘタウマっぽくもカッコイイ逸品。ストーンズらしさ/キースらしさ全開で、キースがヴォーカルを務める曲の中ではコレが一番好き。レココレでは25位。
13. Tumbling Dice
「EXILE ON MAIN ST.」からの曲が続きますが、この曲もストーンズらしいまさにロックな1曲。引きずるようなダルい感じの演奏がタマラン。こういう味は彼らにしか出せませんな。レココレでは7位。
写真は国内盤シングル。
12. Time Waits For No One
マイナー調の曲で、曲そのものよりもイントロの歌謡曲のようなメロディを持つギター・フレーズがものを言い、これによってストーンズの曲の中でもちょっと変わった印象を与える異色作。
アナログ盤の「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」ではA面のラストに入っているため、B面にひっくり返すまでの間にあのギター・フレーズを思わず脳内再生してしまうのです(笑)。レココレでは28位。
11. Under My Thumb
アルバム「AFTERMATH」の中でもひと際印象深いポップなナンバーで、ブライアン・ジョーンズのマリンバのリフがどことなく可愛い印象を与えます。こんな楽器をロックに導入したのは当時は画期的だったはず。
'69年の"オルタモントの悲劇"ではこの曲の演奏の最中にあの事件が・・・。レココレでは8位。
ということで長くなったので、10位〜1位は次回に持ち越します。
レコード・コレクターズ 2012年 08月号 [雑誌] (-)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ミュージックマガジン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 雑誌
MASAさん、こんばんは~。
Stones 20 お待ちしておりました。
ぼくの極端に偏ったランキングに比べると
「Beast Of Burden」や「Emotional Rescue」など80年前後の曲も入って
みなさん納得の10曲ですね。
ぼくも最初は「一人ぼっちの世界」や「アンダー・マイ・サム」を入れてたんですが、
いつの間にか落っこちちゃって…(笑。
ちなみに今ぼくの部屋に流れているのは「If You Can't Rock Me」です^^
by parlophone (2012-08-02 19:43)
遼さん、どーもです。
一応'80年代の曲も少しだけ入ってはいるものの、やっぱり'60年代や'70年代が大方を占めています。でもこれは致し方ないでしょうねえ。
いやあ〜、でもやっぱりたったの20曲に絞るというのはキツイ作業ですね。
「If You Can't Rock Me」絶対にカッコイイと思います。
レココレ選定者の中にもこれを挙げた人は確か誰もいなかったですねえ。変だなあ、いい曲なのになあ(笑)。
by MASA (2012-08-02 21:41)
こんばんは。
楽しく拝読させていただきました。
ストーンズの曲 MY BEST 20。
僕なりにもなんて『レココレ』誌を読んでからランキング考えようとしてたんですが、
なかなか決めれず・・・
「IF YOU CAN'T ROCK ME」は僕も好きな曲です。
アルバムだとソレに続く「AIN'T TOO PROUD TO BEG」もカバーながら好きな曲なんですよ。
レココレで選ばれなかったのが不思議でした。
by DEBDYLAN (2012-08-05 00:00)
DEBさん、どーもです。
ワタシも随分考えた末の20曲ですが、あれはもっと上でも良かったとか、あれは外してこの曲入れときゃよかったなあ、なんて未だに迷っていて、結局これはこのランキングを考えた時点でのベスト20って感じです^^。
「If You Can't Rock Me」から「Ain't Too Proud To Beg」そして「It's Only Rock'n Roll」と続く流れ、サイコーにいいですよね。
レココレではあのアルバムから選ばれている曲が少ないですけど、人気ないんですかねえ。
by MASA (2012-08-05 00:28)