The Beach Boys「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」

ここ何年もメンバーの活動はてんでんバラバラで、一時はマイク・ラヴとブライアンの仲もこじれて、もうブライアンが参加してのフル・メンバーでの再結成などまずないのだろうと思っていたビーチ・ボーイズ。
ところが結成50年という節目に当る今年、何とここに来てブライアンをはじめ現存するメンバーが集結して、新作「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」をリリースしました。



というワケで何と今回の新作、ビーチ・ボーイズ名義の新作アルバムとしてはブライアン抜きで作られた'92年の「SUMMER IN PARADISE」以来20年振りで、ブライアンが参加したアルバムとしては'89年の「STILL CRUISIN'」以来実に23年振り！まさかまさかの新作です。

昔は新作を出してもコアなファンしか喜ばなかったものですが、'90年の「PET SOUNDS」初CD化以降その20年の間にすっかり再評価され人気も安定した現在、今回はその再評価後初となる久々の新作リリースということになります。

そのため興味津々でこの新作を受け止めるファンも多いのではないかと察しますが、そのせいかオリコンの6/4付けアルバム・デイリー・ランキングでは何と5位に初登場。こんな快挙は昔の彼らならあり得なかったですねえ。

そしてもちろん今回はブライアンを筆頭にマイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンに加え、'64年の4th.アルバム「LITTLE DEUCE COUPE」まで在籍し、素行不良でクビになった初期メンバーのデヴィッド・マークスも参加と、現存するメンバー全員が集結。ここにデニスとカールもいてくれたらなあ (ノд・。) ｸﾞｽﾝ。



プロデューサーはブライアン、それにエクゼクティヴ・プロデューサーという多分名義上だけで大したことはしてないんじゃないかと思われるポジション（またどうせゴネたんじゃないの？笑）にマイク・ラヴというこの新作、内容はなかなかの出来だと思います。

ブライアンのソロと区別が付きにくい感じが全体的に漂っていたり、「PET SOUNDS」、「SMiLE」を意識したアレンジの曲も多く、正直ちょっと姑息なやり方だなあ、と感じる部分もありますが、まあその辺はそういうのを期待しているファンへのサービスってことで大目に見ましょう。

それでも全体としての出来はなかりのもので、シングルにもなったポップな作風のアルバム・タイトル曲をはじめ、収録されている12曲はどれもよく、個人的には期待を裏切らない内容でした。
何だかんだ言ってもやっぱりマイク・ラヴのあのオヤジのクセに甘ったるい独特の歌声を聴くと、あー、ビーチ・ボーイズだなあ、と思います。今回は彼がヴォーカルを務める曲は多くはないものの、でも結局ビーチ・ボーイズの顔としての彼のヴォーカルの存在感は、昔みたいなキレイなファルセットが出ず声質も変わったブライアンのヴォーカルよりもある意味大きいことを感じずにはいられません。

そんな久々の新作、夏にもピッタリで買ってからはこのところヘビロテで聴いてます。
ちょっと遅れてリリースされるアナログ盤も注文中＾＾。

That's Why God Made the Radio

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Capitol
• 発売日: 2012/06/04
• メディア: CD

Thats Why God Made the Radio [Analog]

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Cap
• 発売日: 2012/06/19
• メディア: LP Record

That's Why God Made the Radio [Analog]

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Capitol
• 発売日: 2012/07/03
• メディア: LP Record

ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
• 発売日: 2012/06/04
• メディア: CD

50th Anniversary Retrospective (+Mini-Mag+Postcard)

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Capitol
• 発売日: 2012/05/29
• メディア: CD

タグ：The Beach Boys ビーチ・ボーイズ

コメント 8

初めての新譜で聴くビーチボーイズ
1曲目、犯則技のアカペラでまんまと策略に嵌り、
あとはただ身をゆだね・・・
楽しんでいます！
by paddies (2012-06-11 05:28) 

あまり期待していなかったBB5の新譜、まだ一度しか聴いていませんが・・・
どの曲もタイトルが「いかにも１００％」で、アレンジも"Kokomo"風ばかりなのが×なんですが、最後の方になると少し点数が上がりました。
ラストナンバーはゴージャスなブライアン節で気に入りましたよー。
ただ、やはりもう少し「冒険」もして欲しいなあ・・・
Billboardアルバムチャートの上位にも顔を出すそうで、それはそれで嬉しいことです。"Endless Summer"以来かな？
by MORE (2012-06-12 14:38) 

出遅れました（笑）
僕は結構好きになれるアルバムでしたね。
ビーチ・ボーイズらしい「あざとさ」をどのくらい挿入してくるんだろうと思ったけど、いやらしさはなくすっきりまとまった作品になっていると思います。ちょっとブライアンのソロっぽい・・・なんというかクオリティーが高過ぎる構成の曲がいくつか目につきますが、それも良しとします。
MASAさんいうようにマイクの「声」ってやはり不可欠です。もともとバツグンに歌唱力があるタイプじゃないけど、あの声に複雑なコーラスが重なってこそのビーチ・ボーイズだと思うので。アルバムの主役はブライアンでもライブの主役は老いてもマイク。マイクが老体に鞭打ちながらライブを通してビーチボーイズを貫いてきたから、今日のリユニオンがあるんじゃないかと思います。
アルバムの裏ジャケの爺になったメンバーのなかに、もしカール（贅沢いえばデニスも）いたら・・・なんて思うとしんみり。カールが生きていたら、もっとR&BっぽいBBサウンドも楽しめたのかなぁ・・なんて思うとしんみりしちゃいます。
by Alterna大安 (2012-06-12 17:59) 

paddiesさん、どーもです。
のっけからいきなりのちょっと思わせぶりな暗めのアカペラ・コーラス、「おおーっ」って感じですね。
買ってたらずっと聴いてますが、飽きません。
当分ヘビロテです＾＾
by MASA (2012-06-12 22:25) 

MOREさん、どーもです。
KOKOMO風は確かにありますが、どれもなかなか曲に厚み・深みがあるので飽きずに何回も聴けますね。
久々の新作ということで、期待度が高まってチャート・アクションもいいのではないでしょうか。

by MASA (2012-06-12 22:29) 

大安さん、まいどです。
ブライアンのソロっぽくてクオリティが高すぎるというご意見、まったくいっしょですが、まあ久しぶりの新作だし今回はそれでいいんですよね。
願わくばもっと初期のような明るく軽快な曲があったらなあという思いもありますが、欲張りというもんでしょうか（笑）。

そう、おっしゃるとおり、せめてカールが生きていれば彼の力強いヴォーカルも聴けたし、もっとロック色やR&B色が出てさらにいいアルバムになったかも、と思うとホントに残念です。
by MASA (2012-06-12 22:36) 

お久しぶりです。
ちょうど今日入手して聴いてました。
ただただ心地良く聴いてます。
コレ好きです僕。

by DEBDYLAN (2012-06-29 00:58) 

DEBさん、チョーお久しぶり。ご無沙汰でした。
久しぶりの新作、かなりいい出来ですよね。
ワタシももう飽きるほど聴いてます。
by MASA (2012-06-30 22:39)