SSブログ

Kate Bush「DIRECTOR'S CUT」アナログ&限定盤CD [Analog]

kate-directors.jpg

日本のamazonでの価格があまりに高いのでUK amazonに注文していたケイト・ブッシュ待望の新作「DIRECTOR'S CUT」のアナログ盤とCD3枚組の限定盤が発売から2週間近く経ってやっと到着しました。

kate.jpg

12年振りにリリースされファンを喜ばせた'05年の前作「AERIAL」からおよそ5年半、今回もちょっと待たされましたが無事新作が届けられました。

ただし今回のアルバムは純粋な新作ではなくて、'89年の「SENSUAL WORLD」と次の'93年リリースの「THE RED SHOES」の2枚のアルバムの収録曲の中から11曲を選び再録音したという、ちょっと異色のアルバムです。

限定盤のCDはその「SENSUAL WORLD」「THE RED SHOES」のリマスター盤がセットになった3枚組で、ブック型パッケージ仕様。

kate2.jpg
kate6.jpg

アナログ盤は「DIRECTOR'S CUT」のみですが2枚組で、CDとほぼ同じ内容のブックレット封入。

kate3.jpg

今回なぜこのような再録アルバムなのかというと、ケイト「SENSUAL WORLD」「THE RED SHOES」の2枚の出来についてはあまり納得出来ていないらしく、"今ならこういう風に作るのになあ”と感じる部分が常々あったようなのです。納得出来ない要因として最愛の母親の死など、レコーディングに集中出来ない背景が当時はあったためらしいです。

そこでブックレットのコメントに"今までは間違ったカギでドアを開けようとしていましたが、今回はカギを替えてドアを開けてみようと思いました"と書かれているとおり、ここらでそろそろ何曲か作り直しちゃえ、ということになったのがこのアルバムです。

「SENSUAL WORLD」US CBS Columbiaアナログ盤と「THE RED SHOES」UK EMI盤のCD。

kate7.jpg

オリジナルのトラックをちょっと手直ししヴォーカルだけを録り直している曲もあれば、「This Woman's Work」「Moments Of Plesure」などはバックの演奏からすべて新たにレコーディングし直し、オリジナルよりキーを下げて歌っています。

海外での評価は概ね好評で酷評は少ないようですが、ワタシの個人的な感想としては、一番最初に聴いた時は正直言ってビミョーだなあと思いました。しかし2回、3回と聴き込むうち違和感が取れて「悪くないな」という印象に変わって来ました。

初めて聴いた時には現在のケイトの持つパワーが昔よりも衰えていると感じてしまいました。
このアルバムの元になっている2枚のアルバムは22年前と19年前のもので、そのオリジナル・ヴァージョンと比べると今回のはダイナミズムに欠けるし、現在52才となるケイトがその頃よりも年を取っちゃってる分、曲によってはやっぱりヴォーカルに力も精彩もなくなったな、と思ったのでした。

それに元になっている2枚のアルバム自体が地味でぶっちゃけあんまり好きではなく、印象に残っているほど聴き込んでもいないということも大きかったです。
まあその辺の不満はケイト自身も感じていたからこその今回のリメイクなのかも知れません。

音数が少な過ぎでヴォーカルも頼りない感じの「This Woman's Work」や、まるでローリング・ストーンズみたいなロック風アレンジに変わった「Rubberband Girl」はデモ・ヴァージョンかと思うほど音がスカスカでヴォーカルがラフですが、こういう部分をファンが良しと出来るか否かで評価が変わってくるのはないかと思います。

kate8.jpg

そんなワケで個人的には最初はピンと来なくて「なんだかなあ」と思いながら聴いていたのですが、聴き込むに連れレコーディング時期が異なる2枚のアルバムが元になっているわりにはこれが「まっさらな新作です」と言ってもいいほどの見事な統一感があるなあ、という印象に変わってくると、これ悪くないじゃん、と思うようになってきました。
それに「Lily」、「Deeper Understanding」のようにオリジナルよりも出来がいい曲もあることに気が付きました。

ケイトがこのアルバムのタイトルを「DIRECTOR'S CUT」とした真意をあくまで汲み取るとするならば、これが彼女なりの納得出来る完璧なかたちなのでしょう。そこは長年のファンとして理解してあげたいと思います。
地味な曲が多いため全体的に派手さに欠ける印象が拭えない面はありますが、あとはこのアルバムを実際に耳にするファンの方々それぞれの捉え方次第で評価が異なるでしょう。

セールス的には絶好調で、5年以上待った人気アーティストの新作という渇望感もあり、全英チャートでは最高2位になっています。
なお、ケイトは早くもこの次の新作のレコーディング中とのことなので、そちらにも期待したいですね。

ちなみに今回のこのアルバム、リリースがEMIからではなく、FISH PEOPLE / NOBLE & BLITE LTD.というケイトが立ち上げた新レーベルからのリリース。
今後ケイトの全アルバムの発売権はこちらに移行するようです。

fp.jpg


'89年の「THE SENSUAL WORLD」に入っている「Deeper Understanding」の新録ヴァージョン。これは悪くない出来だと思う。







Director's Cut: Deluxe

Director's Cut: Deluxe

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pid
  • 発売日: 2011/05/16
  • メディア: CD

Director's Cut

Director's Cut

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Fish People
  • 発売日: 2011/05/16
  • メディア: CD

Director's Cut [12 inch Analog]

Director's Cut [12 inch Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Fish People
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: LP Record



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。