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「ツイン・ピークス」再び [テレビ]

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みなさんは憶えてますか?今からちょうど20年前の'91年4月に当時開局したばかりのWOWOWで初放送され、それまでの海外ドラマになかった異色かつ鮮烈な内容で多くの熱狂的なファンを生み今や伝説となったドラマ「ツイン・ピークス」
このドラマの高画質HDリマスター版が、古巣のWOWOWで現在再び放送中です。

「ツイン・ピークス」は4年ほど前に第2シーズンがDVD化された時にもここで記事にしたことがありその時も書きましたが(過去記事はコチラ)、ワタシも「ツイン・ピークス」にはドップリとハマったクチでした。

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ご覧のとおり、テレビドラマ版はもちろん、映画版「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」と、'86年の「ブルー・ベルベット」のサントラ盤のCDや、その「ブルー・ベルベット」以降デヴィッド・リンチ作品の音楽をずっと手掛けているアンジェロ・バダラメンティがプロデュースし、「ツイン・ピークス」にも時折出演したジュリー・クルーズのアルバムなど、いろいろ買いました。

この他にも「ローラ・パーマーの日記」など関連本なんかもあったんですが、探したところ見つかりませんでした。

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とにかくこの「ツイン・ピークス」、奇才デヴィッド・リンチ監督が描くシュールでスピリチュアルな独特の世界感にはドラッグのような中毒性があり、当時観る者を魅了しましたが、いやあ、もう何回観たか分からないほど当時は全話を繰り返し観てたにも拘らず、今もその毒性の強さは10,000ミリ・シーベルトの危険値レベル。
今回はHDリマスターで画質は最高だし、内容も20年振りに観ても全然古びておらず「なんじゃこりゃー」という不可思議な展開や強烈キャラの登場人物を改めて新鮮な気持ちで楽しんでおります。

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毎週金曜日夜に5話ずつまとめて放送されていますが、カイル・マクラクラン演じるデイル・クーパーFBI捜査官が何者かに銃で撃たれ倒れたところで終わるシーズン1の最終回である第7章から急展開を見せ、シーズン2から物語は俄然面白くなってくる。

シーズン2の初回である第8章の冒頭シーンは何回観てもすごいねえ。銃で撃たれたクーパー捜査官がホテルの部屋で血まみれで倒れてるとこへ、ボケ老人のウェイターがホットミルクを持ってヒョコヒョコやって来る。
でも彼はなぜか親指を立て「グッジョブ!」サインを出すだけで捜査官にはほぼ無頓着、クーパーが撃たれる前に警察からかかってきていて話し中だった電話も切ってしまい、もちろん救急車も呼ばずに「ミルクが冷めますよ」などと言いつつ部屋を出て行ってしまう。
と思ったら、またグッジョブ・サインを出しに戻って来たりする。

またクーパー捜査官もなぜか瀕死の状態でこのボケ老人に対してとても丁寧な応対で、決して「早く医者呼んでくれよ、このクソジジイ〜!」なんて怒鳴ったりしない。それどころかずっと笑顔での対応に終止している。

代わりに視聴者の誰もがここで「早よ助けろや〜ぁぁぁ!」と絶叫したくなる場面ですが、この視聴者のイライラ度・ハラハラ度をMAXにまで持ってくるリンチ監督のシュールで意地悪な演出、さすが見事です。このドラマ、こんなボケ老人ウェイターの他にも丸太おばさんをはじめ、クーパー捜査官の夢の中に出てくるナゾの小人にナゾの巨人など、不思議なキャラの人が何人も出て来るのも見どころのひとつ。

シーズン2の半ばでローラ・パーマーを殺害した犯人が分かりひと段落しますが、ところがリンチ監督はこれでお話をおしまいにはしなかった。
まだこの先があって、とある理由からクーパー捜査官を恨むFBIの元同僚だったウィンダム・アールが出て来くるシーズン2後半からはさらにドラマはシュールでダークで不可解な方向に展開し、そして凝り過ぎゆえの視聴率不振で途中打ち切りとなり、あの中途半端な最終回を迎えますが、それまでまた毎回新たな気分で楽しみに観たいと思います。

ドラマ本編にも出演して歌っているジュリー・クルーズ「Rockin' Back Inside My Heart」。この映像はデヴィッド・リンチが撮りアンジェロ・バダラメンティが音楽を担当した「INDUSTRIAL SYMPHONY NO.1」という短編作品からのクリップ。






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  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1994/06/17
  • メディア: CD



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コメント 8

MCMLXV_65

こんばんはー、MASAさん。なかなか寝られずに、こんな時間のコメントになってしまったことお許し下さい。^^;

『Twin Peaks』懐かしいですねぇ~。紹介されたDVDの上から3つは、これでいつでも好きなときに『Twin Peaks』が見られる! と思い、発売されると即購入しましたね!! あのシュールな世界はホント独特です。ハマると途中で止められませんね。映画版も買いました、Bowieが出てるんですよね。

リンチ監督作では『マルホランド・ドライブ』も『Twin Peaks』に劣らず不可思議な映画で、その難解さは一度や二度では理解できません。『Twin Peaks』に登場した俳優も何人か見かけますので、こちらもお勧めですヨ!
by MCMLXV_65 (2011-03-30 01:48) 

MASA

MCMLXV_65さん、深夜のコメント、どーもです^^。
おー、DVD-BOXを買ってましたかー。
ワタシは当時WOWOWから録画したビデオもあるしと思い、予算の関係で迷った末に結局買わなかったんですよー。

「マルホランド・ドライヴ」はDVD持ってますよ。
ワタシもあの映画はリンチ作品の中で一番好きですね。
何を隠そう、デヴィッド・リンチ作品のファンなので、この他にも映画はほとんど観てます。
「デューン/砂の惑星」や「ブルー・ベルベット」、「ワイルド・アット・ハート」には「ツイン・ピークス」に出演している役者さんが何人かすでに出てますよね。

ピート・マーテル役の故ジャック・ナンスなんか処女作の「イレイサー・ヘッド」から死ぬまでずーっとリンチ作品の常連として出てましたからねー^^。
by MASA (2011-03-30 18:11) 

HIKKY

あ、懐かしい、私もハマりました(サントラも買いました)
オードリー役のシェリリン・フェンのキャラが好きでした
リンチ、フロストの手を離れてから支離滅裂な展開になっていった気がしたのですが、それはそれで今見るとおもしろいのかも?
by HIKKY (2011-03-31 00:43) 

MASA

おー、HIKKYさんもハマったクチでしたか^^。
シェリリン・フェン、いいですねえ〜。
シェリー役のメッチェン・アミックもタイプでした(笑)。

ローラを殺した犯人が分かったあたりからマーク・フロストが事実上ドラマから手を引くかたちになりましたが、あれから確かに支離滅裂というか、ものすごい展開ですもんね。
20年振りにその辺も改めてじっくりと楽しみたいと思います。
by MASA (2011-04-01 02:18) 

yukihiro

残念ながら「ツインピークス」は見たことないですが
ジュリークルーズはよく聴いてました。

by yukihiro (2011-04-01 07:46) 

MASA

yukihiroさん、こんにちは。
「ツイン・ピークス」、もしまたどこかで再放送されることがあれば、是非ご覧下さい。
ハマることウケアイです^^。
ジュリー・クルーズ、いいですよね。「ツイン・ピークス」は全く関係なしでひとりの女性アーティストとしても大好きです。
by MASA (2011-04-01 13:00) 

Kawa

こんにちは、最近、妙に赤い部屋が気になり「ツインピークス」をもう一度見直しました。…が、やっぱり理解が出来ませんでした。それに疑問がまた増えました。ドナの親は結局、誰?オードリの父親ならば、過去の話が気になります。それとローラの父親に乗り移ったところの話も見たくなりました!……謎のままがいいのかなぁ?あぁ、気になります。でも、満足する作品ですね。奇妙な話なのに雰囲気がいい感じに話がながれます。笑もありですね。

by Kawa (2011-09-04 18:29) 

MASA

kawaさん、どーもです。
途中打ち切りで終わったためにいろいろとナゾを残した部分があるドラマですが、その辺は我々が勝手に解釈したり想像したりするしかなさそうですね^^。

おっしゃるとおり、ミステリアスな中にも笑えるユーモアがあるのもこのドラマのいいところですよね。
by MASA (2011-09-06 15:27) 

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