The Style Councilのアルバム・その3 [The Style Council]
スタカンのアルバム紹介も今回が最後になりますが、残り3枚をまとめてご紹介します。
まずは'86年リリースのライヴ・アルバム「HOME & ABROAD」から。
このアルバムは「OUR FAVORITE SHOP」と「THE COST OF LOVING」の間の'86年春にリリースされた現役時代唯一のライヴ盤。
余談ですが、ちょうどこの頃は私がCDプレーヤーというものを初めて導入した時期で、最初に買ったCDが中森明菜のベスト盤でした(笑)。その数日後にタワレコでLed Zeppelin「PHYSICAL GRAFFITI」のUS盤CD(これメチャクチャ音が悪い!)といっしょに購入したのが、当時リリースされて間もないこのアルバムでした^^。ちなみにドイツ・プレスです。
アナログ盤でも当然リリースされましたが、CDの方を購入した理由のひとつとして、アナログ盤には未収録の「The Big Boss Groove」、「Our Favorite Shop」の2曲が入っていたから。
初期のCDはブックレットが二つ折り程度のペラペラで情けないものが多かったですが、しかも輸入盤なのでこのCDにも録音場所や日時のクレジットが一切なく、詳しいことは未だに知りません^^;
でもなかなか素晴らしいライヴを展開しているし、シングル・ヒット曲が少ないマニアックな選曲になっているのもこのグループらしいと思います。
次は実質的なラスト・アルバムとなった'88年の「THE CONFESSIONS OF A POP GROUP」。
このアルバムはコンセプトが二つに分かれており、前半が"THE PIANO PAINTINGS"とサブタイトルが付いた部分で、アコースティックで静的、後半の"CONFESSIONS OF A POP GROUP"と名付けられた部分はそれよりももっとポップで聴きやすい曲が並んでいますが、正直言ってどうも精彩に欠けるアルバムですねえ。当時なかなか好きになれなかったのを思い出します。
この頃ポール・ウェラーは音楽的に行き詰まっていた頃で、なかなか曲が書けずスランプに陥りつつあったらしいです。そのせいかどうも焦点が定まっていない印象で、久々に聴きましたが、やっぱり今もあんまりいいとは思えませんでした。
UK国内では前作の「THE COST OF LOVING」の頃からセールス的にも振るわない状態で、もうこの時期かつての勢いはほぼ失われていました。
思い返せばスタカン解散後ソロになったポール・ウェラーを私がほとんどフォローしなかったのもこの時期の良くない印象を引きずっていたせいだし、新たな契約先がなかなか見つからないほどイギリスの業界では彼の才能を買ってくれず、やっと出たアルバムを聴いても今いちパッとせず、方向性を見失って何だか情けないことになっている彼に付いて行けなかったのが大きな原因だったなあ、と思います。
オリジナル・アルバムとしては結局これを最後にPolydorから契約を切られてしまい、翌'89年8月、ついにスタカンは約6年の歴史に幕を下ろし解散してしまいます。
実は解散前にもう1枚リリースする予定のアルバムがあったのですが、それはセールス的に見込みがないと判断したレーベル側に発売を拒否され、オクラ入りとなってしまいました。
そのアルバムがこの「MODERNISM : A NEW DICADE」です。
これは紙ジャケで日本だけでリリースされたもので、海外では単体発売はされていません。これは快挙だと思います。音源そのものは'98年にリリースされたBOXセット「THE COMPLETE ADVENTURES OF THE STYLE COUNCIL」からで、ジャケはこのBOXセットのプロモーション用に制作されたLPが元になっているらしいです。
内容の方は収録されている8曲すべてが何とハウス・ミュージック。当時UKハウスが盛り上がりつつあった時代とは言え、なぜスタカンまでが突然ハウスなのか?というと、やっぱり当時音楽的に行き詰まっていたポール・ウェラーがハウスに新たな表現手段としての可能性を感じ取ったということなのでしょう。
ただUKハウスが最盛期を迎えるのは'90年代に入ってからなので、ハウスに取り組むには1〜2年ほど早すぎました。セールス的に不振の時期にこんな内容のアルバムを出そうとするタイミングも悪かったです。レコード会社が内容を理解出来ずに発売を拒否したのも当然だったかも、というくらいかなり本格的でハード・コアなハウスで、以前のポップでキャッチーなスタカンとはほど遠い内容ですが、取り組んだ意欲は私はエライと思います。
ソロになったポール・ウェラーにはあんまり興味がなくなってしまったのですが、でもまた機会があったら聴いてみようかなあ、と思っております^^。
最後にオマケで、スタカンの3つの映像作品やPVをまとめた2枚組DVD「THE STYLE COUNCIL ON FILM」をご紹介します。
ビデオ/LD時代に単品で出ていたライヴ映像作品やショート・フィルム、別テイクも収録されたPV集をDVD2枚にまとめ、インタビュー映像なども観られるなかなか濃い内容で、ファン必携のDVDです。
まずは'86年リリースのライヴ・アルバム「HOME & ABROAD」から。
このアルバムは「OUR FAVORITE SHOP」と「THE COST OF LOVING」の間の'86年春にリリースされた現役時代唯一のライヴ盤。
余談ですが、ちょうどこの頃は私がCDプレーヤーというものを初めて導入した時期で、最初に買ったCDが中森明菜のベスト盤でした(笑)。その数日後にタワレコでLed Zeppelin「PHYSICAL GRAFFITI」のUS盤CD(これメチャクチャ音が悪い!)といっしょに購入したのが、当時リリースされて間もないこのアルバムでした^^。ちなみにドイツ・プレスです。
アナログ盤でも当然リリースされましたが、CDの方を購入した理由のひとつとして、アナログ盤には未収録の「The Big Boss Groove」、「Our Favorite Shop」の2曲が入っていたから。
初期のCDはブックレットが二つ折り程度のペラペラで情けないものが多かったですが、しかも輸入盤なのでこのCDにも録音場所や日時のクレジットが一切なく、詳しいことは未だに知りません^^;
でもなかなか素晴らしいライヴを展開しているし、シングル・ヒット曲が少ないマニアックな選曲になっているのもこのグループらしいと思います。
次は実質的なラスト・アルバムとなった'88年の「THE CONFESSIONS OF A POP GROUP」。
このアルバムはコンセプトが二つに分かれており、前半が"THE PIANO PAINTINGS"とサブタイトルが付いた部分で、アコースティックで静的、後半の"CONFESSIONS OF A POP GROUP"と名付けられた部分はそれよりももっとポップで聴きやすい曲が並んでいますが、正直言ってどうも精彩に欠けるアルバムですねえ。当時なかなか好きになれなかったのを思い出します。
この頃ポール・ウェラーは音楽的に行き詰まっていた頃で、なかなか曲が書けずスランプに陥りつつあったらしいです。そのせいかどうも焦点が定まっていない印象で、久々に聴きましたが、やっぱり今もあんまりいいとは思えませんでした。
UK国内では前作の「THE COST OF LOVING」の頃からセールス的にも振るわない状態で、もうこの時期かつての勢いはほぼ失われていました。
思い返せばスタカン解散後ソロになったポール・ウェラーを私がほとんどフォローしなかったのもこの時期の良くない印象を引きずっていたせいだし、新たな契約先がなかなか見つからないほどイギリスの業界では彼の才能を買ってくれず、やっと出たアルバムを聴いても今いちパッとせず、方向性を見失って何だか情けないことになっている彼に付いて行けなかったのが大きな原因だったなあ、と思います。
オリジナル・アルバムとしては結局これを最後にPolydorから契約を切られてしまい、翌'89年8月、ついにスタカンは約6年の歴史に幕を下ろし解散してしまいます。
実は解散前にもう1枚リリースする予定のアルバムがあったのですが、それはセールス的に見込みがないと判断したレーベル側に発売を拒否され、オクラ入りとなってしまいました。
そのアルバムがこの「MODERNISM : A NEW DICADE」です。
これは紙ジャケで日本だけでリリースされたもので、海外では単体発売はされていません。これは快挙だと思います。音源そのものは'98年にリリースされたBOXセット「THE COMPLETE ADVENTURES OF THE STYLE COUNCIL」からで、ジャケはこのBOXセットのプロモーション用に制作されたLPが元になっているらしいです。
内容の方は収録されている8曲すべてが何とハウス・ミュージック。当時UKハウスが盛り上がりつつあった時代とは言え、なぜスタカンまでが突然ハウスなのか?というと、やっぱり当時音楽的に行き詰まっていたポール・ウェラーがハウスに新たな表現手段としての可能性を感じ取ったということなのでしょう。
ただUKハウスが最盛期を迎えるのは'90年代に入ってからなので、ハウスに取り組むには1〜2年ほど早すぎました。セールス的に不振の時期にこんな内容のアルバムを出そうとするタイミングも悪かったです。レコード会社が内容を理解出来ずに発売を拒否したのも当然だったかも、というくらいかなり本格的でハード・コアなハウスで、以前のポップでキャッチーなスタカンとはほど遠い内容ですが、取り組んだ意欲は私はエライと思います。
ソロになったポール・ウェラーにはあんまり興味がなくなってしまったのですが、でもまた機会があったら聴いてみようかなあ、と思っております^^。
最後にオマケで、スタカンの3つの映像作品やPVをまとめた2枚組DVD「THE STYLE COUNCIL ON FILM」をご紹介します。
ビデオ/LD時代に単品で出ていたライヴ映像作品やショート・フィルム、別テイクも収録されたPV集をDVD2枚にまとめ、インタビュー映像なども観られるなかなか濃い内容で、ファン必携のDVDです。
幻のラストを含めてスタ・カン最後の2枚は、なかなか馴染めないアルバムでしたね。それぞれコンセプトがあったと思いますが、初期のバンドのイメージを期待すると、特に幻のラストはスタ・カンのアルバムとはとても思えません。正規リリースされていたとしても惨憺たる結果だったかもしれませんね。
実はスタ・カンのライブは2回行きまして、1回は相撲でお馴染みの両国国技館。もう1回がハウスに傾倒していた頃のライブで、臨時に作られた会場でのライブでした。このライブでプレイされたた曲がそれまでのアルバムと全くイメージが違う曲ばかりで、本当にスタ・カンのライブか?! という雰囲気でした。後から振り返るとこの頃に『モダニズム』を作っていたんですね。
by MCMLXV_65 (2010-04-02 02:41)
スタカンもこの頃になるとちょっと冴えない感じでしたねー。
おっしゃるとおりオクラ入りしたアルバムは当時出せたとしてもあの内容では時代が早すぎて全然売れなかったでしょうね。
おー、2回もライヴ観てるんですか、いいなあ〜。
2回目に観たライヴはかなりハウス寄りの内容だったんですね。
その当時は「モダニズム」を出す気満々だったんでしょうけどねー(笑)。
by MASA (2010-04-02 23:09)
「HOME & ABROAD」のライブの雰囲気がものすごく好きでした
当時、カセットデッキを新調するために秋葉原の電気屋を回ったとき、
このLPをダビングしたテープを店に持ち込んで、
最も自分がしっくりくる音を鳴らした機種を選んだのを思い出しました
(結局買ったのは、今はなきA&D(AKAI&DIATONE)のGX-Z9100EXでした)
by HIKKY (2010-04-06 23:48)
HIKKYさん、こんばんはー。
この記事のために久しぶりに「HOME & ABROAD」を聴いたんですけど、いやあ、やっぱりいいですね、このライヴ。
HIKKYさんにとっても思い出深いアルバムなんですね。
カセット・デッキは今まで3台ほど買い替えましたが、全部壊れて、今カセットが聴けるのは20年前に買ったCDラジカセだけです(笑)。
by MASA (2010-04-07 00:21)
「HOME & ABROAD」聴くと、ライブ行きたかったな・・と強く思います
ソロのライブは行ったんですがね・・
やはり、最後の2枚は馴染めませんでした
でも、最近あらためて聴いてみたくなっています
映像作品も興味ありますが、まぁ、ゆっくりやっていこうかな~^^
by bluebird (2010-04-16 08:49)
あ、いいなあ、姐さんもソロだけどライヴ経験ありかあ。
やっぱり最後の2枚は人気なさそうですねえ(笑)。
DVDは機会があれば是非。持ってて損はない充実の内容だす。
by MASA (2010-04-17 00:48)