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まだやるの?(笑)フレンチ・番外編 [フレンチ・ポップス]

これまでいろいろなフレンチ・ポップスのアーティストを取り上げて先日の記事で一旦最終回としましたが、今回はその番外編ということで、あんまり数はないですがもっと古くてマイナーなものやシングル単位でしか紹介出来ないものを取り上げてみます。

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まずはこの中ではいちばん有名なミッシェル・ポルナレフのシングル「シェリーに口づけ (Tout, Tout Pour Ma Cherie)」。この曲はCMなどで聴いたことがある人がたくさんおられるでしょう。1969年の曲ですが、日本では'71年に発売されたシングルで、大ヒットしました。

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フランスでは「ノンノン人形」という曲で'66年にデビューし、すでに売れっ子アーティストになっていました。この曲は当時日本でもテイチクから発売されたそうですが、その時はほとんど話題にはなっておらず、本格的なブレイクはこの「シェリーに口づけ」が最初です。

初期のアルバムにはジミー・ペイジが参加していることでコアなゼップ・ファンには有名なようですが、この曲がヒットしていた当時はそんな情報は知る由もありませんでしたねえ。
このあともたくさんヒット曲を出しますが、'70年代後半に活動拠点をL.A.に移してから音楽シーンの全面に出ることは少なくなりました。今もトレードマークのサングラスをかけ、3年前には全仏ツアーを行なったりして地道に活動しているようです。



次は1970年前後に日本で人気があったアイドル歌手、ダニエル・ヴィダル
下の写真は数年前にもちょっとご紹介したことがありますが、ヒット曲の「天使のらくがき」「カトリーヌ」をフィーチャーした4曲入りEPです。

danielle.jpg

この人に関してはよく分からない部分があるのでちょっと調べてみたのですが、結局活動の実態はよく分かりませんでした(笑)。'69年に「天使のらくがき (Aime ceux qui t'aiment)」でデビューしているのですが、これが本国のフランスではリリースされておらず日本だけでの発売のようで、どうもこの人はその後もほぼ日本だけでレコードがリリースされ、日本でしか知名度がなかった人のようです^^。

しかしまさにフランス人形のようなキュートなルックスや歌声でかなりの人気があり、「カトリーヌ」「ピノキオ」などが大ヒットしました。当時まだ17〜18才くらいでしたが、この時期はほとんどフランスには帰らずずっと日本に長期滞在していたようです。
しかしそれも'71年くらいまでで、次第に人気が下降し、その後まったく姿を見なくなってしまいました。現在は母国で歌手を続けているようですが、詳しい消息は分かりません。



さ〜て、次にご紹介する曲は現在はほとんど話題になることがないので、私と同年代かそれ以上の方しかご存じないかも知れません^^。
ベルギーの尼さんスール・スーリールが歌って'63年に世界中で大ヒットした「ドミニク (Dominique)」という曲です。

dominique.jpg



こんなシンプルで地味な曲が世界中でヒットしたとは今の感覚からするとちょっと信じられないです(笑)。
最初に書いたようにこの人はベルギーの修道女で、修道院でギターを習得してみんなの人気者になり、「レコード出してみれば」という周りの勧めでこの曲「ドミニク」をリリース。

ところがこれが何とアメリカでビルボードのシングル・チャートでNo.1になり、これをきっかけにあれよあれよという間に世界中で大ヒットして一躍有名人となりました。その後アルバムも全米チャートのNo.1になっています。

エド・サリヴァン・ショーにも出演し、アメリカではThe Singing Nun(歌う尼さん)と呼ばれ、この人の半生がデビー・レイノルズ主演で「歌え!ドミニク」というタイトルで映画化されたりもして、ちょっとした社会現象となったようです。

もちろん日本でもヒットしましたが、この曲を当時ペギー葉山がカヴァーしたり、NHK「みんなのうた」で歌われたのを遠い記憶として思い出します。
ちなみにこの1963年という年は坂本九「上を向いて歩こう」も全米チャートの1位になっていますが、この時代はまだまだ外国語の曲でも全米トップを狙えるいい時代だったんですねえ。

最後はかなりベタな音楽で申し訳ないですが(笑)、ポール・モーリアです。

mauriat.jpg

上の写真は昔中古で100円くらいでゲットした2枚組のベスト・アルバムですが、70年代中頃に日本フィリップスが当時ポール・モーリア・オーケストラの結成10周年を記念して国内仕様で販売したフランス・オリジナル盤。
ポール・モールアなんて大した興味はなかったのですが、フランス盤が100円だということだけで思わずゲットしたもの(笑)。取り出し口が破れているのが残念です。

ジャケの右上にこのようなステッカーが貼られています。ちなみにジャケはラミネート・コーティングでピカピカ。

mauriat2.jpg

この手の音楽はかつては手品のBGMに使われたり、天気予報のBGM、デパートのBGMと、公共の場で使える人畜無害の当たり障りのない音楽として大変重宝されました(笑)。
チャラララララ〜♪という「オリーブの首飾り」なんか聴いたら思わずマジシャンの手からハトが出る絵が浮かびますが(笑)、それでも元々は'69年に5週連続全米チャートNo.1となった「恋はみずいろ」のヒットによって世界中にその名が知れ渡りました。
ヘンリー・マンシーニ、パーシー・フェイス、レーモン・ルフェーブル、カラベリなどといったオーケストラ・ブームが起こった中で"イージー・リスニング"というジャンルを作ったひとりでもあります。

こういう音楽にはどうも安っぽいイメージが付きまとってバカにされがちだし、ロック・ファンには全く無縁のジャンルでしょうが、でも変な先入観抜きで素直に聴くといい曲も多くて意外に悪くないなあ^^。
まあさすがに普段よく聴くってことはないですが、たま〜に疲れた時に聴くと癒されそうです。
そしてやっぱりこの曲は名曲。



フレンチ番外編、もうちっと続くかも、です(笑)。

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MCMLXV_65

MASAさん、毎回おつかれさまです。密かにフレンチ・シリーズを楽しんでいますので、前回で時代が現代に戻ってきたので、ちょうど区切りがいいかな…と思っていたので、継続がちょっと嬉しくも思っています。

この展開は、もしかしたら3月に発売されるかもしれないアノお方のDVDに続く伏線なのか?…などと勝手な予想もしていますが、真偽のほどは…。^^; また、次回も楽しみにしていますネ!
by MCMLXV_65 (2010-02-28 19:34) 

MASA

考えたら取り上げたいフランスのアーティストがまだ何人かいるんですよね。
アノお方は感想を書くのが難しいんでどうしようかなあ、という感じです(笑)。
あまり期待しないでお待ち下さい^^;
by MASA (2010-02-28 22:16) 

t2

こんばんわ、ダニエル・ビダル(Danièle Vidal)を取り上げて
いただいてありがとうございます

私自身も、知ってるのは「私はシャンソン(Je Suis Une Chanson)」
くらいのものなので、恐縮です
http://youtu.be/X9BNRiheOIU

仏国ですと、こちらのウェブログで教えていただいたMylène Farmer
のPoint de Sutureを購入しまして、昨年の今頃はヘビーローテー
ションで毎日聴き続けてました

またいろいろな情報を期待しております、ありがとうございました
by t2 (2010-03-02 04:46) 

MORE

The Singing NunのLPを持っているふとどきモノです・・・
なあんと見開きの豪華なジャケットですよ。
見事な一発屋でしたが・・・
ダニエル・ビダルはいかにもな日本マーケット狙いのアーティストでしたね。
当時もそんなにおいがプンプンしていました。
ポルナレフはエルトンのフランス版だったでしょうか・・・才能の差は歴然でしたけどね。

最近のフレンチというとパトリシア・カースしか良く知りません。
by MORE (2010-03-02 21:01) 

MASA

t2さん、どーもです。
「私はシャンソン」も懐かしいですね。
今はフランスでどんな風になっているんでしょうかねえ。

おおっ、ミレーヌ・ファルメールのアルバム購入されたんですね。
近々新しいライヴDVDも出るみたいですよ^^。
また何かあったらコメント下さい。
by MASA (2010-03-02 22:11) 

MASA

MOREさん、どーもです。
おーっ、何とスール・スーリールのアルバムお持ちですかー。
今ならけっこうレアなんじゃないでしょうか?

ダニエル・ヴィダルって完全な日本仕様のフランス人だったんですね(笑)。
まあそういう外国人アーティストって昔は何人かいましたよね^^。

確かにポルナレフはフランス版エルトン・ジョンってイメージがありますね。
フランスでは未だに根強い人気があるみたいで、日本での印象とはちょっと違うようです。

パトリシア・カース、いましたねえ。私はアルバムは持ってませんけど、一時期日本でも人気がありましたね。
by MASA (2010-03-02 22:19) 

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