リマスター盤を聴き比べる/「RUBBER SOUL」の巻 [The Beatles]
今回はビートルズがアーティスティックな方向性を打ち出した最初のアルバムである中期の傑作、'65年の「RUBBER SOUL」を聴き比べてみました。
今まで2枚のリマスター盤の音質を比較して今回が3枚目ですが、結局どれも同じような感想にしかならない気がして来ました(笑)。
mono盤は比較的オリジナル・アナログ盤に忠実な音質で、stereo盤はアナログ盤とは方向性が若干異なる音質ながらダイナミックで厚みのある音、私的には両方とも特に不満なし、という印象に落ち着きそうなんですが、まあ今回もお付き合い下さい^^。
[ アナログmono盤との比較 ]
聴き比べに使用したのはオリジナルのUK mono盤(マト両面「-4」)。A面だけマト「-1」という中途半端なラウド・カット盤も持ってますが、これは特殊なもののため、ここでは敢えて一般的な両面マト「-4」と聴き比べました。
このアルバムもリマスター盤はアナログのくすんだ感じの音質がけっこう再現されていて、大きな違和感は感じないです。Hi-Fi的な音質ならstereo盤に分がありますが、左右泣き別れ型ミックスのstereo盤で聴くより、やはりこのアルバムはmonoミックスの方が迫力があって自然で聴きやすい印象は変わりません。
stereoとのミックス違いも多くあり、「Drive My Car」ではカウベルの音がstereoミックスよりも小さめ、「Norwegian Wood」では最初のサビ部分で誰かの咳払いが聴こえ、「What Goes On」のエンディングではstereoミックスには入っているリード・ギターがmonoではまるまるカット、「I'm Looking Through You」はmonoの方がフェイド・アウトが長めで、stereoでは聴けないポールのアドリヴ・ヴォーカルが聴ける、などの違いが楽しめます。
[ stereo盤の比較 ]
旧版CDはジョージ・マーティンの手によるリミックスが施され、オリジナルのstereoヴァージョンとは別ものでしたが、今回のmonoリマスター盤はそのオリジナル・ミックスによるstereoヴァージョンも入っている2 in 1のうれしい仕様。
そのためオリジナル・ミックスはアナログのUK stereo盤、リミックスの方は旧版CDとそれぞれ比較してみました。
まずはオリジナル・ミックスの方の比較ですが、使用したのは1EMI MarkのSilver Parlophone盤(マト両面「-3」)。
これはいきなり1曲目の「Drive My Car」でド胆を抜かれてしまいました。強力でタイトなドラムス、前面に押し出たギター、パワフルさを増したポールのヴォーカル、どれもがスゴイ。しかもアナログのニュアンスをほとんど崩していないリマスター処理で違和感も少なく、ホントに感動的です。
その他「Michelle」ではベースの輪郭がハッキリし、アナログではこもり気味のポールのヴォーカルがやや鮮明になっています。
最後の「Run For Your Life」ではリミックスされた旧版CD同様に、アナログ盤では間奏部分の右チャンネルに入っている「ゴツッ!」というノイズが除去されています。
う〜ん、これもよく出来たリマスターだと思います。音に厚みが増すように調整されていながら、アナログのニュアンスをほぼ保っているところに感心します。
残念なのはやっぱり左右泣き別れミックスのために立体感が乏しいところ。そこ以外はmono盤の迫力を凌いでいる部分もあると思いました。
続いては旧版CDとリマスターstereo盤CDとのリミックス音源どうしの比較。旧版CDはUS Capitol盤です。
このリミックス、「Drive My Car」ではヴォーカルにオリジナル・ミックスよりも深めにエコーがかかっていたり、左右に別れているの楽器やヴォーカルを曲によっては中央側に寄せたりと、かなりいじられてますが、さすがリミックス、楽器の輪郭がオリジナルに比べて比較的はっきりとしています。ただ、オリジナル・ミックスに比べるとポールのベースが少し引っ込んでいるようです。
旧版CDとの比較ではやはりリマスター盤の方が少しだけ音圧も高いし腰の据わった音に仕上がっていると思います。でも今回はこのリミックスの2chマスターをリマスタリングしただけなので、また新たに4chマルチからリミックスし直したらもっとよかったのになあ、とも思いますねえ。
こっちも悪くはないですが、上のオリジナル・ミックスと比べるとアナログのニュアンスが出ている分、私ならオリジナル・ミックス版の方に軍配を上げたいです。
今まで2枚のリマスター盤の音質を比較して今回が3枚目ですが、結局どれも同じような感想にしかならない気がして来ました(笑)。
mono盤は比較的オリジナル・アナログ盤に忠実な音質で、stereo盤はアナログ盤とは方向性が若干異なる音質ながらダイナミックで厚みのある音、私的には両方とも特に不満なし、という印象に落ち着きそうなんですが、まあ今回もお付き合い下さい^^。
[ アナログmono盤との比較 ]
聴き比べに使用したのはオリジナルのUK mono盤(マト両面「-4」)。A面だけマト「-1」という中途半端なラウド・カット盤も持ってますが、これは特殊なもののため、ここでは敢えて一般的な両面マト「-4」と聴き比べました。
このアルバムもリマスター盤はアナログのくすんだ感じの音質がけっこう再現されていて、大きな違和感は感じないです。Hi-Fi的な音質ならstereo盤に分がありますが、左右泣き別れ型ミックスのstereo盤で聴くより、やはりこのアルバムはmonoミックスの方が迫力があって自然で聴きやすい印象は変わりません。
stereoとのミックス違いも多くあり、「Drive My Car」ではカウベルの音がstereoミックスよりも小さめ、「Norwegian Wood」では最初のサビ部分で誰かの咳払いが聴こえ、「What Goes On」のエンディングではstereoミックスには入っているリード・ギターがmonoではまるまるカット、「I'm Looking Through You」はmonoの方がフェイド・アウトが長めで、stereoでは聴けないポールのアドリヴ・ヴォーカルが聴ける、などの違いが楽しめます。
[ stereo盤の比較 ]
旧版CDはジョージ・マーティンの手によるリミックスが施され、オリジナルのstereoヴァージョンとは別ものでしたが、今回のmonoリマスター盤はそのオリジナル・ミックスによるstereoヴァージョンも入っている2 in 1のうれしい仕様。
そのためオリジナル・ミックスはアナログのUK stereo盤、リミックスの方は旧版CDとそれぞれ比較してみました。
まずはオリジナル・ミックスの方の比較ですが、使用したのは1EMI MarkのSilver Parlophone盤(マト両面「-3」)。
これはいきなり1曲目の「Drive My Car」でド胆を抜かれてしまいました。強力でタイトなドラムス、前面に押し出たギター、パワフルさを増したポールのヴォーカル、どれもがスゴイ。しかもアナログのニュアンスをほとんど崩していないリマスター処理で違和感も少なく、ホントに感動的です。
その他「Michelle」ではベースの輪郭がハッキリし、アナログではこもり気味のポールのヴォーカルがやや鮮明になっています。
最後の「Run For Your Life」ではリミックスされた旧版CD同様に、アナログ盤では間奏部分の右チャンネルに入っている「ゴツッ!」というノイズが除去されています。
う〜ん、これもよく出来たリマスターだと思います。音に厚みが増すように調整されていながら、アナログのニュアンスをほぼ保っているところに感心します。
残念なのはやっぱり左右泣き別れミックスのために立体感が乏しいところ。そこ以外はmono盤の迫力を凌いでいる部分もあると思いました。
続いては旧版CDとリマスターstereo盤CDとのリミックス音源どうしの比較。旧版CDはUS Capitol盤です。
このリミックス、「Drive My Car」ではヴォーカルにオリジナル・ミックスよりも深めにエコーがかかっていたり、左右に別れているの楽器やヴォーカルを曲によっては中央側に寄せたりと、かなりいじられてますが、さすがリミックス、楽器の輪郭がオリジナルに比べて比較的はっきりとしています。ただ、オリジナル・ミックスに比べるとポールのベースが少し引っ込んでいるようです。
旧版CDとの比較ではやはりリマスター盤の方が少しだけ音圧も高いし腰の据わった音に仕上がっていると思います。でも今回はこのリミックスの2chマスターをリマスタリングしただけなので、また新たに4chマルチからリミックスし直したらもっとよかったのになあ、とも思いますねえ。
こっちも悪くはないですが、上のオリジナル・ミックスと比べるとアナログのニュアンスが出ている分、私ならオリジナル・ミックス版の方に軍配を上げたいです。
2009-09-21 23:50
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コメント(11)
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いやぁ、ナイス検証おつかれさまっす♪
これは大好きなアルバムだし、モノにはオリジナルステレオが入っていて、ありがたいっすね。
自分はモノの咳払いがレコより大きく聴こえて、おお!って思い、それくらいいい音なのかな?って感じがしましたね。
しかし、前のCDは未所有なため、やっぱりこれもリマスター・ステレオが著しく気になる俺なのでした、うひょー!
by へどろん (2009-09-22 00:40)
へどろんさん、こんばんはー。
これと「HELP!」は2 in 1なのでお徳ですね^^。
咳払いはひょっとしてリマスターされる際に取り除かれるのでは?と思っていましたが、そのままでよかったです。
あの咳払いがないとmonoではありません(笑)。
オリジナル・ミックスのstereo盤の音には驚きましたねえ。
アナログの雰囲気を壊していないところがいいです。
リマスターstereo盤も捨て難いですよん。
by MASA (2009-09-22 01:00)
monoは細かいところも含めてオリジナルの一体感を感じさせてくれますよね。
2in1のオリジナルstereoミックスも、ナイスな仕事ですね。
”神”の仕事は絶対だということですが、
どうしてこっちを正規のstereo音源にしなかったんだろうというくらい
丁寧な仕事ぶりを感じさせます。
「Drive My Car」の右チャンネルのジョンのヴォーカルが、
大きめにミックスされているのを聴いて思わず
”そうそう、この感じ”って言っちゃいました!
by どうぷ (2009-09-22 01:33)
おっしゃるとおり、オリジナル・ミックスの方を単体で出して、リミックスの方をmono盤のボーナスに収録すればよかったのに、と思いますねー。
あれがmono盤BOXを買っている人しか聴けないというのはもったいないし、大体あっちがオリジナルですからね。
このアルバムはアナログでもUK盤とUS盤で音質やヴァージョンがちょっと違うし、このリマスター盤でまた楽しめるバリエーションが増えた感じです^^。
by MASA (2009-09-22 16:18)
こんにちはー。
ぼくは今回のリマスター、ステレオもモノラルもたいへんよくできていると感じました。
とくにモノラルはオリジナルUK盤のニュアンスがとてもよく出てますよね~。
ちょっと小さい音で聴くと、その迫力が伝わりにくいのが惜しいと思います。
いずれにしてもビートルズだから設定される高いハードルと、ビートルズだからそのハードルを超えようとするスタッフと、いずれにしてもとてもいい仕事だと思います。
しばらくはビートルズ漬けの日々がつづきそうですね^^
by parlophone (2009-09-23 15:28)
遼さん、どーもです。
エンジニアのみなさんはみんないい仕事してますよね^^。
特にこのアルバムや前に取り上げた「FOR SALE」のmonoはすごくアナログのニュアンスが出ていて気に入ってます。
そんなに大きくない音量でも比較的違いが分かりやすいstereoに比べると、確かにmonoは小さめの音で聴くとちょっとショボく聴こえますが、大音量だとmonoとしての迫力がすごいですね。
ホント、もうずっとこのリマスター盤しか聴いてませんよ(笑)。
ドップリとビートルズ漬けです。
by MASA (2009-09-23 16:59)
MASAさん、こんばんは~♪
>「Run For Your Life」ではリミックスされた旧版CD同様に、
>アナログ盤では間奏部分の右チャンネルに入っている
>「ゴツッ!」というノイズが除去されています。
そういえば・お子様の時、レコ屋のおじさんに「変な音が入ってるよ」って
クレームをつけたのを思い出しました^^;そしたら、その人は親切に、
他の『Rubber Soul』を持ってきて、同じ箇所を聴かせてくれました。
どのレコにも入ってるノイズだから「我慢して」って言われました^^
あと関係ないんですけど、『Abbey Road』の「I Want You」で、
ジョンが「Yeah!」って叫ぶところがあるでしょ。その時ジョンの声が一瞬、
ビビルんですけど、リマスター盤では直ってましたよ^^
因みにこれに対しても、クレームをつけたことがありました。嫌な子供だ^^;
by c-yukky_z (2009-09-24 00:15)
yukkyさん、こんばんはー。
あらっ、yukkyさん、クレーマーだったんですか(笑)。
まあ普通はあんなノイズが入ったままでレコードにはしませんからね。
60年代というおおらかな時代ならではですね^^。
「I Want You」のビビリ、確かに軽減されてますね。
私は逆にあれが迫力があって好きです^^。
by MASA (2009-09-24 01:28)
こんばんは^^。
だいぶ出遅れてますが^^;
MASAさんと遼さんがやりとりしてたんで、
大音量で聴き直してみました。
(ってもCD WALKMANでだけど。。。)
MONOの迫力ぜんぜん違いました。
鳥肌立つくらいの臨場感があって。
イヤホンで聴いてると、頭の真ん中で音が鳴り響いてるような感覚があって、
MONOで初めて聴けたコトが嬉しくてたまんなくなっちゃいました^^。
その後で聴いたオリジナル・ステレオ・ミックス。
MONOに感激しちゃった後だけに、
左右に音が拡がり、センターに音がないミックスはちょっと違和感ありでした^^;
と言っても音の迫力には驚かされて楽しんじゃったんですけど♪
ここまでビートルズを聴き込んでるのは初めてっす。
だから聴けば聴くほどいろんなイメージや思いが浮かんできて。
自分で記事書く前にみなさんのトコで話しちゃいそうだけど(苦笑)
そのウチ僕も”なんちゃって”サウンド・インプレッション”書けそうです^^。
話は音から外れるけど、
「浮気娘」(←すっげー邦題っすね^^;)のサビの部分で。
♪エンダッ、リルガー♪ って部分。
大好きでついつい歌っちゃいます^^;
by DEBDYLAN (2009-09-25 22:15)
DEBさん、コメントが後先になっちゃいましたけど、どーもです^^。
さっきも書きましたが、ヘッドフォンで聴くとmonoは頭の真ん中から突き刺すように鳴っていると思いますが、あの迫力はstereoでは味わえないですよね。
stereoは左右泣き別れミックスなので、ヘッドフォンでは違和感ありますよね。
私も昔はよくヘッドフォンで聴きましたけど、あれはちょっとヘッドフォン向きではありませんね(笑)。
iPodなどに落として聴いているファンには不評を買うかも^^;。
エンダ、リルガー♪ 分かりますよー、私もつい歌っちゃいますもん(笑)。
DEBさんのサウンド・インプレッションも楽しみに待ってますよん。
by MASA (2009-09-26 01:58)
分かりにくいので、表にしてもらえた方がすっきりします。
by keisuke (2009-10-12 11:30)