リマスター盤を聴き比べる/「BEATLES FOR SALE」の巻 [The Beatles]
ビートルズのリマスター盤の音質を比較してみるというこの企画、前回の「PLEASE PLEASE ME」から2枚すっ飛ばして、今回は'64年暮れに発売された私も大好きな4枚目のアルバム「BEATLES FOR SALE」で行ってみたいと思います。
まず、mono盤の紙ジャケの出来ですが、再現度はかなり高いものの、若干の問題点も。
ゲイトフォールドの右側のフリップバック(折り返し)部分ですが、アナログ盤だとこのような感じが、
この紙ジャケだと背景写真の人物の頭や顔がかなり切れてしまっています。同様にジャケの下部分も切れています。
オリジナル盤のジャケをフリップバックごとスキャンしたのでしょうが、そうすると実際に紙ジャケを作る際、オリジナル盤と同じ縮尺で折り返しを作るのでは細すぎで強度が持たないため、このようにジャケの上部がちょっと隠れるくらいの太さにしなくてはならなかったのでしょう。
残念ですが、これはまあしょうがないですね。
[ 旧版CD(mono盤)との比較 ]
比較したのは私が持っている'87年のUK盤CD。ちなみにこの初期プレスのUK盤の裏ジャケには"ADD"と間違った表記になっていて、それを訂正するような丸いシールが貼ってあります。
で、音質の方ですが、このリマスター盤もかなりアナログに近いニュアンスの自然な音で、派手さはないですが個人的にはほとんど不満を覚えない音質です。
旧版CDはわずかに音圧が小さく、やはりデジタルっぽい硬さがやや耳に付くものの、リマスター盤と比べて大差はないように感じました。これもマスター自体よりも当時のデジタルデータ処理の技術的な問題の方が大きいような気がします。
[ アナログmono盤との比較 ]
比較したのは私が持っているオリジナルのUK mono盤(マトは両面「-3N」)。
繰り返しになりますがリマスター盤はこのアナログと比べるとわずかに音が膨らんだ感じである以外はデジタル臭さもほとんど感じることがなく、あまりいじられていない非常にアナログ盤に近い音です。
アナログを引っ張りだして聴くのがめんどくさい時はもうこのCDで充分、と思うくらいの音質です。
[ stereo盤の比較 ]
前回の「PPM」ではCAPITOL BOXのリマスター盤と比較しましたが、今回はアナログのstereo盤だけでの比較です。
使用したのは1 EMI Markの'69年〜'70年頃のプレスのUK盤(マト両面「-1」)です。
やはりstereo盤の方がmono盤よりも違いが大きく、はっきりとそれが分かります。リマスター盤はアナログ盤のニュアンスとは全く違う傾向の音ですが、全体的にとにかく音が生々しくダイナミックでバランスのいいリマスターです。
1曲目の「No Reply」ではジョンのヴォーカルがリアルで、ドラムス、生ギターなどの音が実に鮮烈。低域も高域も程よく伸びて明るい音です。
「I'll Follow The Sun」はちょっと高音がキツイ感じがあるものの、やはりアコースティック・ギターの響きがアナログよりも鮮明で、「Mr. Moonlight」ではあのドラムスの一撃音がキョーレツ。これはmono盤やアナログ盤よりもスゴいです。
「What You're Doing」でもバスドラの音が重くて迫力がありますが、リマスター盤を聴いたあとではアナログはもっと軽い印象を受けてしまいます。
このアルバムのstereo盤は全作の「A HARD DAY'S NIGHT」同様、ヴォーカルがちゃんとセンターに来ている違和感のないミックスで、もともと音質も悪くないので個人的にはmonoよりもstereoの方が好きなアルバムです。今回のリマスターで聴き慣れたstereoヴァージョンが復活したのはうれしい限り。
「No Reply」、「I Don't Want To Spoil The Party」、「Everybody's Trying To Be My Baby」など、違いは僅かながらmonoとstereoでヴァージョンが異なる曲も何曲かあるので、その違いを確認しながら聴くのも面白いですよん。
まず、mono盤の紙ジャケの出来ですが、再現度はかなり高いものの、若干の問題点も。
ゲイトフォールドの右側のフリップバック(折り返し)部分ですが、アナログ盤だとこのような感じが、
この紙ジャケだと背景写真の人物の頭や顔がかなり切れてしまっています。同様にジャケの下部分も切れています。
オリジナル盤のジャケをフリップバックごとスキャンしたのでしょうが、そうすると実際に紙ジャケを作る際、オリジナル盤と同じ縮尺で折り返しを作るのでは細すぎで強度が持たないため、このようにジャケの上部がちょっと隠れるくらいの太さにしなくてはならなかったのでしょう。
残念ですが、これはまあしょうがないですね。
[ 旧版CD(mono盤)との比較 ]
比較したのは私が持っている'87年のUK盤CD。ちなみにこの初期プレスのUK盤の裏ジャケには"ADD"と間違った表記になっていて、それを訂正するような丸いシールが貼ってあります。
で、音質の方ですが、このリマスター盤もかなりアナログに近いニュアンスの自然な音で、派手さはないですが個人的にはほとんど不満を覚えない音質です。
旧版CDはわずかに音圧が小さく、やはりデジタルっぽい硬さがやや耳に付くものの、リマスター盤と比べて大差はないように感じました。これもマスター自体よりも当時のデジタルデータ処理の技術的な問題の方が大きいような気がします。
[ アナログmono盤との比較 ]
比較したのは私が持っているオリジナルのUK mono盤(マトは両面「-3N」)。
繰り返しになりますがリマスター盤はこのアナログと比べるとわずかに音が膨らんだ感じである以外はデジタル臭さもほとんど感じることがなく、あまりいじられていない非常にアナログ盤に近い音です。
アナログを引っ張りだして聴くのがめんどくさい時はもうこのCDで充分、と思うくらいの音質です。
[ stereo盤の比較 ]
前回の「PPM」ではCAPITOL BOXのリマスター盤と比較しましたが、今回はアナログのstereo盤だけでの比較です。
使用したのは1 EMI Markの'69年〜'70年頃のプレスのUK盤(マト両面「-1」)です。
やはりstereo盤の方がmono盤よりも違いが大きく、はっきりとそれが分かります。リマスター盤はアナログ盤のニュアンスとは全く違う傾向の音ですが、全体的にとにかく音が生々しくダイナミックでバランスのいいリマスターです。
1曲目の「No Reply」ではジョンのヴォーカルがリアルで、ドラムス、生ギターなどの音が実に鮮烈。低域も高域も程よく伸びて明るい音です。
「I'll Follow The Sun」はちょっと高音がキツイ感じがあるものの、やはりアコースティック・ギターの響きがアナログよりも鮮明で、「Mr. Moonlight」ではあのドラムスの一撃音がキョーレツ。これはmono盤やアナログ盤よりもスゴいです。
「What You're Doing」でもバスドラの音が重くて迫力がありますが、リマスター盤を聴いたあとではアナログはもっと軽い印象を受けてしまいます。
このアルバムのstereo盤は全作の「A HARD DAY'S NIGHT」同様、ヴォーカルがちゃんとセンターに来ている違和感のないミックスで、もともと音質も悪くないので個人的にはmonoよりもstereoの方が好きなアルバムです。今回のリマスターで聴き慣れたstereoヴァージョンが復活したのはうれしい限り。
「No Reply」、「I Don't Want To Spoil The Party」、「Everybody's Trying To Be My Baby」など、違いは僅かながらmonoとstereoでヴァージョンが異なる曲も何曲かあるので、その違いを確認しながら聴くのも面白いですよん。
2009-09-19 18:25
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コメント(16)
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MASAさん こんばんは
モノとステレオの両方を聴き比べるとは凄いですね♪
私にはそのような集中力はありません(苦笑)
それにジャケットの細かい部分の違いまでお気付きなのはさすがです(笑)
こうしてみると、聴き慣れたはずの作品にも新たな発見がありそうで、楽しいですよね♪
by poposuke (2009-09-19 19:29)
こんばんは~♪
先程はご丁寧な助言や説明をいただき、有難うございました^^
まだまだ勉強不足なので、自分の力の無さを痛感しています^^;
これからもMASA師匠について行きますので、宜しくお願いします。
MASAさんの記事を読んでいたら、『For Sale』も急に聴きたくなって
しまいました。次は『White Album』辺りを狙ってたんですがねぇ。
ホントどうしようかなぁ(^^;)?!
by c-yukky_z (2009-09-19 19:37)
うっひゃー!
そんなこといわれるとステレオがますます欲しくなって…ふぅ
相変わらずのナイス聴き比べ、最高っす、うふ♪
あ、自分も折り返し部分、気になりましたね。
まぁ、確かにしゃあないんでしょうけど、ばっちりきまった?リーゼントがカットされている謎のジェントルマンのことを考えると…うふふ♪
by へどろん (2009-09-19 22:47)
poposukeさん、こんばんはー。
やるまではちょっとめんどくさいんですけど、比べだすと面白くなります(笑)。
聴いていると確かに今まで気が付かなかったことに気が付いたりする場合もありますね。
poposukeさんにも是非リマスター盤とアナログ盤を比較検証した記事を書いて欲しいですね^^。
by MASA (2009-09-19 23:18)
yukkyさん、こんばんはー。
いやあ、yukkyさんのブログでは話が妙な方向へ行っちゃいましたね。
何だか申し訳なかったです^^;師匠はやめて下さいよ(笑)。
どうも巷ではmono盤ばかりに目が(耳が)行ってstereo盤があまり注目されませんが、stereo盤も絶対に聴いて損はありませんよ。
今回のリマスターはどれもstereo盤の変化の方が面白いですし、特に初期のアルバムが意外にいいです。
是非お試しを〜。
by MASA (2009-09-19 23:29)
へどろんさん、こんばんはー。
今yukkyさんのレスにも書きましたが、stereoリマスター盤もナメちゃいけません(笑)。
あ、へどろんさんも写真が欠けてるの気になりました?ですよね^^。
あの謎のジェントルマンは誰なんでしょうね。多分俳優さんだと思うのですが、私も分かりません^^。
by MASA (2009-09-19 23:34)
こんばんは^^。
このアルバムって結構好きなんですよ^^。
地味な存在になってますが^^;
MONO BOX買って、
このアルバムの第一印象は。。。
「コレってゲイトフォールド・ジャケットだったんだ!!」
てな僕です(苦笑)
国内盤のLPってシングル・ジャケットだったから。。。
MASAさんがステレオ盤の良さ話してくれるから、
集めたくなってきてます(笑)
今年最強の”悪魔の囁き”かもしれません(笑)
音の感想は。。。
僕がもう少し聴き込んでから話そうかと思ってます^^。
by DEBDYLAN (2009-09-21 01:30)
音の違いとかだけかと思いきやこういうじゃゲットの
細かいとこまで比べてみるんだぁ~@@
拘りってすごいよね~♪
ビートルズの曲なら全部歌えちゃうんだろうね~
by がぁこ (2009-09-21 01:59)
MASAさん、お疲れ様でした。
今回のリマスターは、ステレオがなかなか良いですね。久々に昔を思い出しながら聴いております。
うちにもMASAさんと同じ英盤がありました(ステレオ盤は、棚を見たらありました)。モノはマトが3と4で、ステレオはB&Sレーベルの2EMIです。ビミョーに違いますね。
このCDはまだ聴けてないので、がんばります?
by pinkisland (2009-09-21 07:15)
MASAさん、詳細解説の第2弾、おつかれさまでした。MONOボックス+後期STEREO盤のみを購入した身としては、初期~中期までのSTEREO盤も聴かないと…という強迫観念がフツフツと沸いてしまう悪魔の囁きのようです。(マズイ…^^;)
この頃からビートルズはただのアイドル・グループから脱皮し始めた印象があって、じっくり聴かせる憂いのある曲が増えてきましたネ。私は今、このアルバムの1作前をひたすらリピート再生中で、今週中にはこの4枚目に辿りつきたいと…。
by MCMLXV_65 (2009-09-21 10:37)
DEBさん、どーもです。
確かに「HDN」と「HELP!」の2枚のサントラに挟まれ地味な印象があるアルバムですが、DEBさんや遼さんや私のように、このあるアルバムってけっこう好きな人が多いみたいですね^^。
DEBさんが持っているアナログがシングル・ジャケってことは、カラー盤で限定発売されたmono盤でしょうか。
だったらいいものをお持ちじゃないですか〜(笑)。
昔出ていたstereo盤はゲイトフォールドだったです。
でもホントに初期のアルバムも音質がよくなってますねえ。
stereo盤、「買い」です^^。
by MASA (2009-09-21 14:14)
がぁこちゃん、まいど〜。
やっぱりジャケの出来具合は気になっちゃうねー。
どこまで再現されてるかってところが勝負だからね^^。
カラオケ行ったらビートルズはよく歌うよん。
まあ代表曲ぐらいだったら、だいたい歌詞は頭に入ってるね。
by MASA (2009-09-21 14:18)
pinkさん、どーもです。
まあアナログ盤とは傾向がちょっと違うものの、stereo盤はどれも音がいいですよねー。
mono盤のマト「-3」「-4」ていうのがいちばん流通してますね。
私はたまたま持っていたのがこれだっただけですが、両面「-3」は少ないみたいです。
残りを全部聴くまでがんばってください(笑)。
by MASA (2009-09-21 14:23)
MCMLXV_65さん、どーもです。
いやあ、やっぱり悪魔の囁きなんでしょうかねー(笑)。
でもstereo盤も出来れば聴くべきではありますね。
このアルバムのジャケは休みなく続くツアーに疲れ果てたような表情だ、なんてよく言われますが、このあたりから意識に変化が出て来たんでしょうかね?
次の「HELP!」では弦楽四重奏をバックにした「Yesterday」でちょっと凝ったことをやりますからね。
「A HARD DAY'S NIGHT」のstereo盤もこのアルバムと同様に素晴らしい出来ですよ^^。
by MASA (2009-09-21 14:33)
個人的には今回のstereoリマスター盤で、
最も音質の向上が図られているのは『For Sale』のような気がしました。
特に「Kansas City/Hey-Hey-Hey-Hey!」は
かなり鮮度が上がったように感じました。
世間ではいつも地味なアルバムといわれ続けていますが
このリマスター盤を聴けばその評価が変わるかも(?)しれないくらい
劇的な効果を感じました。
元の録音も良かったんでしょうね。
by どうぷ (2009-09-22 01:18)
まだ全部を聴き比べてはいませんが、このアルバムに関しては確かにかなり出来のいいリマスターだと思います。
鮮度はかなりアナログ盤に近づいてますね。
おっしゃるとおり、このアルバムや「HDN」はもともと録音自体が悪くないと思います。
そのせいでリマスターの成果がはっきり現れたんじゃないでしょうか。
エンジニアもいい仕事してます(笑)。
by MASA (2009-09-22 16:12)