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JAZZ FUNK ! part 2 [Jazz]

というワケで、ジャズ・ファンクの続きです。
何しろ当時の私はジャズ初心者だったので、集めやすかったこともあってジャズのレーベルでは一番の大御所であるBLUE NOTEを中心に集めておりました。
なのでどうしてもBLUE NOTEのアルバムが多いのだが、しかしコテコテのジャズ・ファンクのアルバムはなぜかPRESTIGEレーベルに多いのである。

このチャールズ・アーランド(org)の「BLACK TALK !」(PR 7588)はそのPRESTIGEからのアルバムだが、オルガン・ジャズにはファンキーなものが多く、そんなに有名作ではないがこのアルバムもその代表作の1枚。ものすごく密度の濃いソウル・ジャズを展開している。
1曲目からグイグイ飛ばすアーランドのオルガンもスゴイが、ジャズでは珍しくチョーキングを使うメルヴィン・スパークスのギターもいい。ジャケもシブイねえ。

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次からBLUE NOTEが続くが、BLUE NOTEの4200番台後半から4300番台というと、昔はコアなジャズ・ファンにはあまり人気がなかったアルバムが多い。
このあたりの品番のアルバムにはソウル・ジャズやジャズ・ロック系のファンキーなアルバムが多いせいで、聴きやすいピアノ・トリオなど普通のモダン・ジャズが好きなジャズ・オヤジ連中からはあまり支持を得られなかったものだらけなのである。
そういうアルバムがUKのジャズ・クラブ・シーンで注目され出してから、評価が一変したわけである。

このルーベン・ウィルソン(org)の「LOVE BUG」(ST-84317)もそんなアルバムの1枚だが、まあこれが超ファンキー。
メンバーも豪華で、リー・モーガン(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、グラント・グリーン(g)、レオ・モーリス(ds)という強力メンバー。UKでもアナログが90年代に再発されたりした。

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続いてはルー・ドナルドソン「MIDNIGHT CREEPER」(ST-84280)
ゴリゴリのハード・バッパーだったドナルドソン(as)は'67年の名作「ALLIGATOR BOOGALOO」の大ヒットの後ソウル・ジャズに転向、それ以降似たような感じのアルバムを連発して「まあ、どれをお聴きになってもねえ、同じようなもので・・・」というスネークマン・ショーのコント状態なのだが(笑)、それでもアルバムごとにそれぞれ聴き所はあるし、何しろファンキーだ。特にこのアルバムではタイトル曲がなかなかいい。

ロニー・スミスのオルガンやジョージ・ベンソンのギターもなかなかいい。やっぱりオルガンが入っているだけで、かなり内容はドス黒くなる。
内容もさることながら、ご覧のとおりこのアルバムは何よりジャケが素晴らしいのである^^;。

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次もルー・ドナルドソンのアルバム「HOT DOG」(ST-84318)だが、上のアルバムとは打って変わって、ジャケのセンスはBLUE NOTE史上最悪ではないかと思われる「これ、どうよ?」というダサさ加減である。
しかしこのアルバムも聴いてビックリの超ファンキーなアルバムで、特にA-2の「Turtle Walk」はメチャカッコイイ。
このアルバムでもメルヴィン・スパークスのギターと最初に挙げたチャールズ・アーランドのファンキーなオルガンが聴ける隠れ名作。

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次は古くからのベテランでファンキー・ジャズの第一人者でもあるホレス・シルヴァー(p)が、よりソウルフルに展開していった4200番台以降のアルバムの中の1枚「THE JODY GRIND」(ST-84250)
これも地味な人気しかないようだが、内容はかなり黒い。60年代後半の資生堂のポスターみたいなリード・マイルズのジャケのセンスもいいねえ。

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さて、最後はちょっとジャズとして括るにはビミョーなアーティストだが、ジャズ+ファンク+ロックとでもいうべき、かなり混沌とした音楽を展開するジェームズ・ブラッド・ウルマーのアルバム「FREE LANCING」

そのすごさはハンパではないくらいすさまじく、非常に破壊的・攻撃的な過激さを放つアルバムだ。
実はウルマーを初めて聴いたのはこれではなく、'94年のライヴ盤「BLUES EXPERIENCE」だったが、聴いてブッ飛んだのをよく憶えている。
その後買ったのがこのアルバムだが、'81年の発売当時に話題になっていたのを思い出し、買ってみたらこれがまたすごくて再びブッ飛んだ。
こんな名盤が現在は廃盤になっているのが非常に残念である。

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とまあ、以上が思いつくまま挙げてみたソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクの私個人のお気に入りアルバムであるが、機会があればみなさんも是非耳にして欲しい。


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コメント 12

bluebird

ひとつとして「端正な」JAZZが紹介されていないのが素敵だ!
JAZZ通のこ難しさが、苦手だったりします。
ワタシは「あ、これ好きかも~」なノリで色々聴くので、ジャズもファンクもソウルもすっごく好きですが、詳しくはありません。
ブラックミュージックじゃん、全部。楽しければOK! って乱暴すぎかなぁ・・

MASA さんの聴き散らし方、すごく好ましいです。
知らないアルバムも多くて、「HOT DOG」なんて、興味津々です。
by bluebird (2008-08-01 22:18) 

MASA

コテコテ・ファンク路線のアルバムを集めてみたので、みんなが知ってるような名盤は今回は1枚も出て来ません^^。

挙げたものはジェームズ・ブラッド・ウルマー以外は全部CD化されてると思うので、是非「HOT DOG」聴いて下さい。



by MASA (2008-08-01 23:00) 

parlophone

こんばんは~。

『ALLIGATOR BOOGALOO』を聴いてもちっともピンと来なかった「普通のモダン・ジャズが好きなジャズ・オヤジ」です(笑。

でも「まあ、どれをお聴きになってもねえ、同じようなもので・・・」がおもしろかったのでコメントしました^^
座布団2枚!
ついでに『HOT DOG』のジャケに対しては「これ何ですか?」と言っておきましょう(笑。

ちょっと聴いてみたかったのはホレス・シルヴァー。
ジャケがいいですね~。
by parlophone (2008-08-02 00:20) 

MASA

あ、やっぱりこういう路線はダメですか^^;。
それが普通だと思います。こういう言わばB級アルバムみたいなものを面白がる方がおかしいかも知れませんね(笑)。
でもこの妖しい黒さがたまりません^^。

この記事は路傍さんのブログの記事にインスパイアされて書いたので、路傍さんのブログの方も覗いてみて下さい〜。
by MASA (2008-08-02 00:55) 

路傍の石

MASAさん、どうもです。やっぱりルーさん(といっても決してルー大柴のことではない)はイイですよね。70年には『EVERYTHING I PLAY IS FUNKY』という傑作も放っていて、タイトル曲では余興ながらも歌までうたっちまったぜ、というお祭りムード的なノリがたまりません。ここでのルーさんがアート・ブレイキー『バードランドの夜』のルー・ドナルドソンと同一人物であることを知ったら大方のジャズ・ファンが激怒すること必至ではありますが(爆)。

チャールス・アーランドは、この時期ブルーノートからプレスティジまであちこちのアルバムに出没しまくっていて、周囲から絶大な信頼を得ていたことの証ですね。この人最初はサックスからキャリアをスタートさせたとのことで、だからなんでしょうか、サックスとの間合いの取り方、ピッタリ寄り添うようなバッキングが実に絶妙です。このジャンルの楽しみ方は、あまり構えないでビールでも飲んで寝そべりながら聴くというのが一番じゃないですかねぇ。
by 路傍の石 (2008-08-02 17:01) 

MASA

路傍さん、どうもです。
ルーさん、いいです。大好きです(笑)。
『EVERYTHING I PLAY IS FUNKY』も持ってますよ。あれもかなりいいですよね。
ホント、とてもかつてはハード・バップをやっていた人とは思えませんね。

チャールズ・アーランドってそうそう、最初はサックス・プレーヤーだったんですってね。
意外ですねえ。そう思って聴くと面白いものがありますね。

そうですね、このジャンルは眉間にシワを寄せて聴くもんじゃなく、構えず気楽に聴けるのがいいところですね^^。


by MASA (2008-08-02 18:16) 

garko*

前記事から読んでみたんだけどホントにジャズ好きなんですね~♪
あんまり詳しくない・・つーかほとんどわからないんだけど
ショットバーなんかで流れてるような曲(どんなんだ?w)
みたいのは好きです♪(*´I `*)

by garko* (2008-08-03 00:33) 

MASA

garko*ちゃん、入院ご苦労さんでした^^。
無理しないでねー。

garko*ちゃんが好きなムーディな感じのジャズもいっぱい聴くよー。
ここに挙げたのはそういうのとは対極にあるノリノリのファンキーなやつばっかしです。
でもカッコイイんだよん。
by MASA (2008-08-03 01:41) 

m-grace

MIDNIGHT CREEPERのジャケがかなり好きです☆
カワイイですね~
ジャズって粋ですよね。詳しくなりたい♪
by m-grace (2008-09-24 09:46) 

MASA

m-graceさん、こちらにもコメントありがとうございます。
ジャズはなかなか深くて、私も全然極めてません^^;。

ここに上がっているのはかなりファンキーで脂ぎったものばっかりですが、女性のm-graceさんにはビル・エヴァンスあたりの聴きやすいピアノ・トリオをオススメしますよ。
by MASA (2008-09-24 17:05) 

m-grace

へぇ~ありがとうございます♪
いいこと聞いたなぁ☆
ぜひとも探してみます~
by m-grace (2008-09-25 22:39) 

MASA

ビル・エヴァンスのオススメ・アルバムは「ワルツ・フォー・デビー」というアルバムがいいです。
是非お試しを^^。
by MASA (2008-09-25 23:40) 

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